※この作品はR-18です。

シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚   作:グレン×グレン

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はいどうもー! ちょっと疲れがたまって執筆速度が低下気味のグレン×グレンです!

でもまぁ、週末は休みなのでしっかり休んで英気を養いながら頑張りたいと思いまっす!!


第十話 激突、白龍皇!?(その1)

《空本麗夜》

 

 奇襲攻撃を仕掛けてから少し経つ。

 

 相手が中級悪魔クラス多数と踏まえ、最初の奇襲から敵を倒す以上にかく乱することを重視。誠二はエフェクトが派手な魔剣を出し、俺も威力より派手さを重視した雷撃を敢行する。

 

 敵の中に割り込むように入り、パルクールの応用で相手を柱のように使って機敏な動きを敢行。さらにそれでかく乱された隙をついて、誠二も割って入って攻撃を敢行する。

 

 それを行ってどれぐらいたったろうか。

 

 旧校舎で明らかにオーラが発生している。

 

「麗夜さん!」

 

「分かってる!」

 

 即座に反応し飛び跳ねるように射線から離れれば、絶大な火力の消滅の魔力が解き放たれた。

 

 この方面にいた敵魔法使いの半分を吹き飛ばす大火力。間違いなく、イッセー君の譲渡で増幅された一撃だろう。

 

 これに反応するように、分散していた魔法使いたちが大量に押し寄せる。

 

 だがそれより早く、無数の蝙蝠が飛び散るように周囲を囲い込んだ。

 

 そしてその目が赤く輝くとともに、魔法使いたちの動きが止まる。

 

『イッセー先輩、今です!』

 

「ああ、行くぜ洋服崩壊ぅうううううっ!!」

 

 そしてその瞬間、流れるような動きでイッセー君が洋服崩壊を乱れうった。

 

「いやなにしてるの!?」

 

 すでに固まってる相手にしても意味ないよ!?

 

「……イッセー。状況考えてくれ」

 

「なんだよ樹下! 眼福だろ!?」

 

 誠二が割と呆れてるけど、どうやらすぐに切り替えたらしい。

 

 まぁ、敵はほかにもたくさんいるだろうから当然だけどね。

 

「よくわからんが、ギャスパーがものになったのなら頼らせてもらうぞ? フォローはするからとにかく止めまくってくれ」

 

「……はい、誠二先輩! 僕、頑張ります!」

 

 蝙蝠たちが集まって、女の子の姿になる。

 

 ……女装趣味だと言われてもすぐには頭が追いつかないよね。このレベルの子が現実にいるっていうのがちょっとびっくり。

 

 とはいえ、すぐに残っている魔法使いたちが集まってくる。

 

 状況がひっくり返りかけているのを悟っているのだろう。半円形に囲んだうえで、魔法攻撃による圧殺を試みる。

 

 だが、その瞬間に張られた結界によってその砲撃はそらされた。

 

「甘く見ないで。この程度ならまだしのげる!」

 

 海砂がまだまだ頑張っているからね。こっちも頑張るとしますか。

 

 俺はまず二本の巨大な魔剣を具現化。さらにレール上に配置して、一本の別の魔剣を間に創造する。

 

 仕組みとしてはリニアモーターカーの原理であり、それを応用することで電磁カタパルトとして物体を投射することができる。ライザー・フェニックスとのレーティングゲームでは、足場として創造した大型の魔剣を使っているけど、本来想定している用途は砲撃用だ。

 

 さらに砲弾としても魔剣を採用。電気エネルギーを受けることにより電磁装甲を纏えるようにしており、これを利用することで硬くて速い大型弾頭として扱えるようになっている。

 

 それぞれリニアCとカノンDと名付けている魔剣によって、敵の包囲網に穴をあける。

 

 そしてその瞬間、誠二が突貫して底に入り込み―

 

「ごっそり減らさせてもらう。奥の手、もらっておけ!!」

 

 ―反粒子を纏った魔剣を投擲し、ごっそり敵を滅ぼした。

 

 一瞬で包囲網を壊滅させられ、敵の魔法使いたちは逃げ腰になっている。それこそ踵を返して戻っていく誠二に反応できるものがいないぐらいだ。

 

 ふと気づいたものもいるが、それも流花が素早くコンパウンドボウで撃ち抜いていく。

 

 状況は完全にこちらが有利。このままならいけるだろう。

 

「樹下! 一発限りの奥の手使って大丈夫なのか!?」

 

「火力がいるなら魔王様方トップ陣営がいるだろう? ここを切り抜けて戻れさえすれば、後は問題なく行けるだろうさ!!」

 

 イッセー君に誠二がそういうけど、まぁ確かに。

 

 瞬間殺傷力なら誠二の反粒子が勝るだろうけれど、安定した火力の高さなら魔王様方が圧倒的に上のはずだ。コカビエルだって反粒子の攻撃に耐えれたわけだしね。

 

 なら、合流できてない状況下にこそ使いどころを見出すべきだ。合流さえすれば火力面は問題ない。それは確かに合理的で妥当だね。

 

 となると、再使用なんて考えることもないよう、すぐに合流するべきだ。

 

「リアス嬢。とりあえずはまず合流が必須でしょう」

 

「そうね。皆、とにかく今は、お兄様たちの誰かと合流することを―」

 

 俺にうなづいたリアス嬢の言葉が、衝撃と轟音でかき消される。

 

 振り返れば、少し離れたところにクレーターが発生していた。

 

 そして土煙を纏いながら起き上がったのはアザゼル総督だ。

 

 ……アザゼル総督って、冗談だろ!?

 

 多分堕天使としては最強格。コカビエルと真っ向から戦えるぐらいはできるだろう。

 

 それを吹っ飛ばしてクレーターを作らせるって、それだけの敵がもう出たのか!?

 

「あ、アザゼル!? 何があったんだよ!?」

 

 イッセー君が面食らっているけど、俺も実際驚いている。

 

 この場における最強戦力の一角が、こうも簡単にのされているのはさすがにまずいんだけど。

 

「赤龍帝か。悪いな、想定外のパワーアップに想定外の裏切りが重なって不覚を取ったぜ」

 

 アザゼル総督はそういうけど、どこか残念そうだった。

 

「……で? どういうつもりだ、ヴァーリ」

 

 ……ヴァーリ?

 

 総督の視線の先を探れば、そこには悪魔と思われる女性と並び立つ形で、白龍皇ヴァーリがいた。

 

 どちらもすごいオーラだ。ヴァーリは勿論、隣の女性もコカビエルを倒しうるだけの力を持っていることが一目でわかる。

 

 そして、白龍皇ヴァーリは俺たちを見渡しながら両手を広げる。

 

「改めて自己紹介をしよう。俺は今代の白龍皇である……ヴァーリ・ルシファーだ」

 

 ……今なんて言った!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《樹下誠二》

 

 

 冗談だろ。

 

 今とんでもない言葉が聞こえたんだが。

 

 ヴァーリ・ルシファー。ルシファーだと?

 

「総督。もしかしますけど、先祖返り的なアレですか?」

 

 秀華と同様のパターンを考え、俺は総督に確認を取る。

 

 だが総督は首を横に振った。

 

「それとは別件だ。奴は初代ルシファーの孫であるラゼヴァン・ルシファーが人間の女との間に作っちまった子供。正真正銘、ハーフだがルシファーの直系だよ」

 

 とんでもない情報が聞こえてきたな。

 

 波柴秀華。俺の相棒であり俺たちの所長は、間違いなく特別な存在だ。

 

 魔王レヴィアタンの血を目覚めさせた先祖返り。さらに準神滅具を宿す存在。人間にとんでもない才能が盛りに盛られたチート枠だ。

 

 そして、目の前の男はその秀華すら超えたスーパーチートだ。

 

 ハーフとはいえ魔王の直系が、神滅具を宿す。天文学的確率である秀華すら超えた超天文学的確率の偶然だろう。

 

「間違いなく、現在過去未来において最強の白龍皇を狙えるだろう。俺も拾った時はびっくりしたもんだぜ」

 

「自分で言うことでもないが、奇跡という存在は俺にこそふさわしい」

 

 アザゼル総督に続いてそういうヴァーリだが、その上で小さく苦笑する。

 

「だが、そんな俺に対して世界はつまらない。どの勢力も小康状態で争いは起きず、戦ってみたかった聖書の神もすでに亡き者となっている。俺は、神と戦ってみたかった」

 

 ……こいつもコカビエルと同様の戦闘狂か。

 

 だがコカビエルとは方向性が違うのだろう。

 

 奴は三大勢力の戦争を再開させ、それに勝利することをもくろんでいた。

 

 だがヴァーリはおそらく違う。ビジョンが同じなら、同調するほうが成功確率は高いはずだ。

 

「お前の目的は何だ? おそらくだが、今回のテロもお前が手引きしていたんだろう? その見返りに何を求めている!」

 

 俺はそれを問いただす。

 

 今回の敵の作戦。ギャスパーが強襲を受けたことから見て、本来はギャスパーを使う手はずだったんだろう。総督曰く相当無茶なことをしているらしいし、人道を捨てれば敵を使いつぶす形にしたほうが合理的だ。

 

 そしてそれをするには相応の情報提供者が必要。そこに裏切り者が出てきたとなれば最有力容疑者だ。

 

 そういった真似までしておきながら、一体何を目的としている?

 

「実はオファーを受けたのはコカビエルを回収した帰りでね。かのオーフィス自ら「アースガルズと戦ってみないか?」などと誘われたんだよ。強者との戦いを求める俺としては断りようがないだろう」

 

 ろくでもないな、オイ。

 

 戦争の決着をつけるという規模ではない。だがこいつの場合、戦争をしていない他の勢力まで矛先を向けてきやがった。

 

 質が悪い戦闘狂め。少しは平和を愛してみろ。

 

「はぁ……。俺は、世界に混沌をもたらすような真似はするなって言ったと思うんだがな?」

 

「関係ないね。俺は強い奴と戦えればそれでいい」

 

 アザゼル総督に対して、ヴァーリはそう冷たく返す。

 

「貴方ともあろうものが、彼を見誤ったのが間違いです。私より長く生きているでしょうに情けない」

 

 そういう女は、今度は俺たちのほうを見た。

 

「……確か、そこの少年が赤龍帝でしたか。ヴァーリ、殺すのですか?」

 

「ぜひとも二天龍の戦いをしてみたいとは思っているんだけどね、カテレア。だが今はとても弱くてね……かなり残念だが興味深いので、殺して次を待つか伸びるのを期待するか……本当に迷う」

 

 ひどい言い分だな。いやまぁ、イッセーが神器保有者として才能がないのは事実だが。

 

「乳房を使う性交の一環があるらしいが、それで目覚めてもないのに至ったと聞く。……実に興味深い。可能性が眠っていそうだ」

 

 まぁそうなんだが。事実なんだが。

 

 すごい理由でイッセーに興味を持っているな。引いていいだろうか?

 

 あとカテレアとかいう女の目が冷たい。まぁ、女性的には嫌なこととではあるんだが。

 

「だが残念だ。希少種ではあるのだろうが、肝心の強さが残念過ぎる。至っていながら持続時間が一瞬な上、出力もさほど高くない。……本当に残念だ」

 

「残念残念うるせえな!? 俺だって一生懸命生きてるんだよ!!」

 

 イッセーもさすがに切れるぐらい、ヴァーリの評価は低い。

 

 確かに戦闘技術はさほどないし、神器の性能を引き出すポテンシャルも低い。

 

 といっても、だ。

 

「別に神滅具を宿したからって、命がけの戦いに参加しなければならない義務はないだろうに」

 

 大いなる力には大いなる責任がある。この言葉は至言だろう。

 

 力を持つ者が無責任に動けば、ろくでもない結果が生まれただ懸命に生きている者たちに犠牲者が出るだろう。いや、たとえ力がない物であっても、行動と発言には責任を持たねばならない。

 

 己の行動と発言に責任をするのは、人として最低限の行動だろう。言い方はあれだが、撃っていいのは撃たれる覚悟がある奴だけというのは理想として持たねばならないものだ。

 

 ……波柴一族の連中やその傘下を思い出す。

 

「悪党というのは得てしてそういう物だがな。自分の責任を他人に押し付け、甘い蜜だけをすする手合いか、お前ら?」

 

「くだらない。私達のように真なる魔王たるの行動は、下民が責任を負うのが義務でしょう?」

 

 俺のボヤキにカテレアは即答するが、ヴァーリは軽く肩をすくめる。

 

「余分な責任は御免だけど、自分の責任ぐらいは負うさ。……俺の行動が悪徳というなら、滅ぼして見せるがいい」

 

 ……とりあえず、俺とは真逆のタイプだろう。

 

 社会秩序に対する配慮が著しくかけている。覚悟があるなら何してもいいわけではないんだがな。

 

 それにタイミングも悪い。強大な味方との合流を優先して、さっさと反粒子を使ったのが致命的にヤバイ。

 

 真っ向勝負ならコカビエル以上と仮定すると、反粒子無しでどうにかできる気がしない。

 

 使っていることを気づかれてないことを祈ろう。それなら最低でもブラフには使えるからな。

 

 ただ、ヴァーリは本当に残念そうにしている。

 

「本当に残念だ。一縷の望みをかけていろいろと調べてみたが、先祖代々探れる範囲内で異形はおろか異能にもかかわっていない。俺のような奇跡の如き素養を持っていてくれたらと思っていたが、真逆を行くとは残念だよ」

 

 これだから戦闘狂は。

 

 宿命のライバルになる存在が確定しているなら歯ごたえが欲しいというのは、まぁ共感はしなくても理解はできる。

 

 だがそのためにこういったことまで考えるなど、さすがに頭痛がしてきそうだ。

 

 ……ろくでもないことを考えてそうで、俺は心底嫌な予感を覚えている。

 

 そして、それは奴の笑みが裏付けになった。

 

「そこでいっそのこと、復讐者にしてみたらいいのではないかと思っているんだがどうだろうか?」

 

 ……は?

 

「復讐心というものは、モチベーションとしてすさまじいものだ。まして殺し合いにおいて、この方向性は最高といえる。俺も経験があるからよくわかる」

 

 半分は挑発だろう。それぐらいは俺だって理解している。

 

「うん、一つの手ではあるね。君の両親についても調べているが、どこにでもいるような冴えない人間だ。二天龍の宿命の戦い、それも俺のような奇跡の白龍皇に凡才の赤龍帝が渡り合う原動力になったほうが、映える物語ではないだろうか」

 

 ただし、一つ大事なことがある。

 

 そう。たいていの知的生命体にとって、忍耐力には上限が存在するということだ。

 

「「……殺すぞ、この野郎」」

 

 思わず、イッセーと同じタイミングで同じ殺意が籠った言葉口にした。

 

「確かに俺の家族は俺含めて、そんな立派な存在じゃないだろうさ。俺だって自慢になるのは煩悩の強さぐらいだしな」

 

 イッセーがキレるのは当然だ。挑発としても悪辣だろう。

 

 今までにないぐらいキレているのが見て分かる。そして、こんなことを言われてここまで怒れることは人間として美徳ともいえるだろう。

 

 両親を愛することができ、そして殺意をほのめかす相手に怒りを覚える。人間として当たり前で、真っ当な親子関係を持つ立派な奴だと言い切れる。

 

「それを殺す? お前の趣味のためにだと? ……ふざけんじゃねえぞ、このクソ野郎!」

 

「まったくもって同感だ。さっさとここで殺すとしよう」

 

 そして俺も大概キレている。

 

 すでに脳内では数十パターンほど、戦闘不能にした後どう苦しめるかの想定が完了している。流石に外聞が悪いので抑えたいが、してもいいのならいくつかは本当に実行したいぐらいだ。

 

 それこそ、そういった方法を教えてくれた波柴の洗脳教育に感謝してしまいそうなほどだ。

 

「人の家族をなんだと思っている。家族を愛する者にとって、勝手な趣味の延長線上で殺されるなど、言ってはならないことの筆頭だぞ?」

 

 自分の家族を己のブランドの証明にしか使ってないのか? それともそういう風にしか育てられたことがないのかもな。

 

 魔王の血族でありながら堕天使の組織についているんだ。下手をすると、まともに家族に愛されたことがないのかもしれない。

 

 まぁどうでもいい。とりあえずこいつはボロ雑巾のようになぶってからでいいだろう。

 

「世の中には言ってはならない発言ってのがあるんだよ。責任を負うならここで膾切りにされておけ」

 

 今までにないぐらいドスの利いた声が出ているが、ヴァーリはとても楽しそうだ。

 

「いいね。個人的には一対一で勝負したいが、赤龍帝は仲間の強化も本領の一つ……まとめてきてくれ、俺を楽しませてくれないか?」

 

 この期に及んでいい感じに調子に乗ってくれて助かったよ。

 

「いいだろう。目と耳を腕と足をズタボロに切り刻んで、これをお前の人生最後の戦いにしてやる」

 

 容赦する気がかけらも消えた。思う存分殺しあおう。

 

「精々楽しめ……人生最後の趣味の時間をな……っ!」

 

 なぶり殺しだ、白トカゲ。

 

 




 イッセー以上にブチギレた誠二。

 愛する肉親を殺されている経験もあるこいつの前で、この手の挑発は死刑執行所のサインに近いです。
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