※この作品はR-18です。

シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚   作:グレン×グレン

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 はいどうもー! なんか疲れがたまっているのか、かなり眠ってしまっていたグレン×グレンでっす!

 最近執筆速度も低下していたし誤字も多いし、やはり睡眠は大事だな……。



 そんなわけで本編!


第十一話 激突、白龍皇!?(その2)

《空本麗夜》

 

 

 

 

 

 あ、ヤバイ。誠二がマジギレしている。

 

 死別した母親のことを敬愛しているからね、誠二は。それが人格形成に根幹なことな上、その母親が通り魔に殺されている。頭にくるのも当然だろう。

 

 といっても、誠二は反粒子をすでに使っている。すぐさま扱えるほど簡単に使える代物でもない。

 

 コカビエル以上とみてもいい相手に、二人掛でどうにかできるかがきつい。

 

 ……ただし、こっちはこっちでまったくもって余裕がない。

 

「さて、あちらはあちらで動いているようですし、こちらもさっさと始末をつけましょうか」

 

 目の前の女も間違いなく難敵だ。確実に強いだろう。

 

 そうでないなら、この自信はさすがに無いだろう。

 

「ったく。急に強くなったがあれか? オーフィスからなんか貰ったか?」

 

 アザゼル総督はあたりをつけているらしく、肩をコキコキとならしながら。その女性に挑発気味な言葉を投げかける。

 

 女のほうも、自慢げな顔つきになっている。

 

「オーフィスには力をもらいました。そう、これが冥界を……世界を変革する力です」

 

 なるほど。かつて悪魔同士の内乱で敗北したからこそ、勝つための算段はちゃんと整えてたと。出なければ三大勢力が和平を結ぶというのに挑むわけもないか。

 

 ほかのはぐれ者や危険因子を集めて数をそろえ、龍神の力によって質を代替する。足りないものを補ったうえで挑んできたということか。

 

「ハッ! オーフィスに泣きついて弱さを補ったってことでいいのか、カテレア・レヴィアタン。その代価として何をする気なんだかなぁ?」

 

「ご安心ください。オーフィスはあくまで象徴であり、運営は私たちが行っています。……そしてあなた達はその未来を見ることなく死ぬのです」

 

 れ、レヴィアタンだったのか。

 

 俺が驚いていると、そのレヴィアタンはアザゼル総督と会話を打ち切って俺たちをにらみつける。

 

「……そして下劣なまがい物のデッドコピーも滅んでもらいましょう。元凶の先祖返りなどという汚らわしい存在は念入りに滅ぼさねば」

 

 あ、やっぱりこっちもターゲットになってる。

 

 まぁ、純血とか血統とかを気にする手合いなら、秀華の星辰光は本気でつぶしたいだろうね。俺もちょっと思ったことはあるんだよ、本家本元のレヴィアタン関係者辺りがキレるんじゃないだろうかと。

 

 俺たち、生きて帰れる気がしないんだけど。

 

 それでも戦闘態勢を考慮していると、アザゼル総督は肩をまわしながら立ち上がった。

 

「ハッ! 興味満タンの素敵なサンプル共に何するつもりだ? 星辰光は神器張りに興味がわく代物なんだがな」

 

 俺たちをかばう体制を示す総督に対し、カテレア・レヴィアタンは不愉快そうな表情をあからさまに浮かべている。

 

「神器ですか。本当に難儀な代物であり、反吐が出そうな代物です。私たちのもたらす新世界に、そんなものは必要ありません」

 

 ……ここにアイアンローズがいなくてよかった。最悪の場合、全面的な同盟はなくても敵の敵は味方でお互いの優先順位を下げて俺たちから狙われたかもしれない。

 

 そう思った時だ、アザゼル総督の戦意が明確に上がっている。

 

「おいおい。俺が唯一聖書の神で好意的な物をなくそうだと? ……なら、消すしかねえなぁ!!」

 

 そう言いながら抜き放つのは、短剣……というより、短槍というべきものだ。

 

 問題は、直感的に寒気を感じる何かがあるということ。

 

「……なんですか、それは」

 

 カテレア・レヴィアタンは明確に距離を取る。

 

 それに気づけるだけ、彼女は龍神の加護無しで強い部類だという証明だろう。

 

 そして、アザゼル総督は明確に得意げな顔つきになっていた。

 

「さっきも言ったろ? 俺が聖書の神で唯一好きなのは神器を作ったことだ。好きが高じて研究してたら、人工的な作成も進んでんだよ。そして、男のロマン専用機って奴だ!!」

 

 引き抜いたその槍を構え、アザゼル総督は得意げな顔で口を開く。

 

「行くぜ、禁手化(バランス・ブレイク)!!」

 

 ……今なんて言ったこの人!?

 

 俺が思わず耳を疑っていると、目の前にいる総督は黄金の鎧をまとっていた。

 

 そのオーラは明らかに高まっている。というより、カテレア以上のオーラが上乗せされている。

 

「これぞ、俺が専用に作った人工神器! 堕天龍の閃光槍(ダウンフォール・ドラゴン・スピア)の禁手、堕天龍(ダウンフォール・ドラゴン)の鎧(アナザー・アーマー)!」

 

「……くっ! それだけの力を持ちながら、なぜ貴方は!!」

 

 明らかに形勢がひっくり返っている事実を悟り、カテレアは吠える。

 

 だがアザゼル総督は構わず、光の槍を構えて一気に仕掛けた。

 

「さっきも言ったが……俺の楽しみの邪魔をするなら消えてなくなれ!!」

 

 突撃とともに一線。それだけで、カテレアは深い傷を負う。

 

 圧倒的だ。なんだあの反則装備。

 

「ちなみに封印系神器を参考にしててな。五大龍王の一角である黄金龍君(ギガンティス・ドラゴン)ファーブニルと契約してコアにしてるって寸法さ」

 

「龍には龍を……皮肉のつもりですか、堕天使ぃっ!!」

 

 カテレアは血を吐きながら、それでも魔力をたぎらせる。

 

 この反応……禁呪か!?

 

「下がってリアス嬢! 海砂、防護結界を!!」

 

「分かってるけど、覚悟決まりすぎでしょ!?」

 

 素早くリアス嬢を下がらせると、海砂もすぐに結界の準備を行う。

 

 カテレアは腕を変化させると、アザゼル総督の腕に絡みつける。

 

「私の命を注いだこの蛇、貴方を道連れにするまで放しはしません!!」

 

 吠えるカテレアの特攻に、しかしアザゼル総督は冷静だった。

 

「いい度胸だ。なら、これぐらいはくれてやるさ」

 

 そうあっさり言い切り、総督は自分の腕を切り落とす。

 

 確かにこれは最適解。最適解だけど即断できるのか。

 

 腕を切り落とせば相当の激痛が走るだろうに、アザゼル総督は異能で止血を行いながら面食らっているカテレアに光の槍を構える。

 

「ま、お前ごときに腕一本なら高くついたもんだな」

 

 そう言い捨て、躊躇なく光の槍を投擲。

 

 まさか死力を尽くした捕縛をあっさり切り抜かれるとは思ってなかったのか、カテレアは回避する余裕がなく―

 

「―姉上に汚らわしい槍を向けないでくださいません?」

 

 ―それを、割って入った女が防ぎ切った。

 

 いや、相当ダメージが入っているのか血まみれだ。だが、耐えている。

 

「あ、アンルー……ですか……」

 

「姉上。命を無駄遣いしないでください……ここは引きますよ」

 

 い、妹がいたのか!?

 

 いや、ここで野放しにするわけにもいかない。

 

 腕一本落ちたとはいえ、アザゼル総督がいれば勝ち目は十分あるはず。

 

 そう思って視線を総督に向けるが、そこには鎧が消えているアザゼル総督の姿があった。

 

「チッ! さすがに実戦だとまだこれが限界か」

 

 早い! イッセー君の禁手の次ぐらいに早いよ限界時間!?

 

 こっちが狼狽していると、アンルーと呼ばれたレヴィアタンは魔方陣を展開する。

 

「申し訳ありませんが今日はこのあたりで失礼します。……このアンルー・レヴィアタン、生き残ったのなら報復をさせてもらいましょう」

 

 そう言いながらアンルーとカテレアは消え失せ、入れ替わるように巨大な蛇型の龍を模したオーラが。

 

 あ、よく見ると水が依り代になっている。

 

「なるほど。掉尾の海蛇龍をこういった形で用意したのか。カテレアより素の実力は上なんじゃねえか?」

 

「言ってる場合ですか!?」

 

 もうどこから突っ込んだらいいのか!?

 

 目の前のあれも普通に最上級悪魔クラスはあると思うんですが!? 俺たち、割といっぱいいっぱいなんですが!?

 

 そう思った時、なんか影が差した。

 

 振り返ると、ボディープレスを蛇に敢行しようとしている巨大な鋼の鎧があった。

 

『助けに来たぞ、麗夜に総督殿! グリィイイイイイイゴリィイイイイイイッ!!』

 

 ああ、麗華。

 

 ありがとう。援軍は本当に助かるよ。

 

 でもね?

 

 巨大な物体がね?

 

 勢いよく高い所から落ちるとね?

 

「こうなるよねぇええええええええ!?」

 

 隕石が墜落してクレーターができるノリで、爆発じみた土煙が襲い掛かる。

 

「わぁああああああっ!?」

 

「きゃぁああああああ!!」

 

「は、走ってぇっ!?」

 

 もう悲鳴が鳴り響いたよ。

 

「麗華、後で説教だからね!?」

 

『なんとぉ!?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《樹下誠二》

 

 

 

 

 

 こちらは戦闘に突入しているが、間違いなく苦戦必須だ。

 

 白龍皇ヴァーリ・ルシファー。神の子を見張る者でも指折りの強さを持つという、最高戦力の一角。現在過去未来永劫に至って最強の白龍皇になるという、空前絶後の体現者。

 

 二対一で上と下から仕掛けているが、現状一発も当てられない。

 

 俺はヴァーリの攻撃を捌くことはできているが、イッセーのほうは何度も攻撃を喰らっている。

 

 加え、白龍皇の特性が厄介だ。

 

 対を成す二天龍たる赤龍帝は、自身の力を倍加し、その性質を味方に譲渡することができる。本質的に力の増強が根幹にあるのだろう。

 

 そして白龍皇の特性は、相手の力を半減し、その分己に上乗せするといったものだ。例えるなら、力の簒奪が本質的な根幹といえるだろう。

 

 つまり、こっちを弱らせながら己を強化するクソゲーを強制されるわけだ。

 

 ある程度の知識はあったので、俺は黒刃の狗神を再現する要領で片っ端から切り捨てている。が、一瞬でもミスをすれば失敗するような綱渡りで、再現の本領をそちらに割かざるを得ない。

 

 一方イッセーは倍化の特性ですぐに回復しているが、つまり奪われ続けているという点になる。

 

 もちろんイッセーの倍化で強化するにも上限はある以上、ヴァーリが力を簒奪し続けるのにも上限はあるだろう。だが、それを待っている余裕があるかどうかだ。

 

「イッセー! ドライグから奴の上乗せ限界を図るコツとか聞けないか!?」

 

 素直に経験豊富なドライグを頼ったほうがいいだろう。

 

 後で捧げものするぐらいの仁義は通すとするか。問題はどうすれば捧げられるのだけどな。

 

 ただ、イッセーからの返事は耶馬げな雰囲気だ。

 

「ヤバイ樹下!? 白龍皇の翼から、過剰分は放出できるって」

 

「つくづくクソゲーだな!?」

 

 ああもう面倒くさい!

 

 だがこのままイキリ散らかさせるわけにはいかんだろう。流石に俺も切れているし、そもそも裏切り者のテロリストに好き放題されてたまるか。

 

「イッセー、いったん奴の半減から離れろ! 三十秒は稼ぐ!」

 

 要は倍化と半減の鼬ごっこを切り捨てられればいいわけだ。その時間が長ければ長いほど、イッセー側が有利になる。

 

 幸い俺はある程度は半減に対抗できる。それを使って一気に時間を稼ぐだけだ!

 

 突貫し、レヴィアタン化によって会得している悪魔の翼も広げて空中戦を敢行。

 

 速攻で魔剣を投擲して回避を誘い、そこで一気に接近戦を挑む。

 

 だが、ヴァーリは魔剣を魔力で吹き飛ばして、さらに大量の魔力を弾丸として展開する。

 

「そんな小細工にひっかかる気はない。弾幕が好きなら土俵に上ってやろう」

 

「ああそうかい! ならこっちだ!」

 

 俺は魔剣の連続バースト投擲で迎撃を試みながら、レヴィアタンとしての魔力を全開。

 

 尾のように具現化した龍の顎から砲撃を放ち、奴の魔力攻撃をいくらか相殺。

 

 その穴を突貫してかいくぐり、魔剣をバースト投擲しつつ、さらに一本別口で創造。

 

 そのまま陸上の正面跳びじみた態勢で、足で押し出すように突き出す。

 

 ヴァーリは当然回避するが、その瞬間本命として用意した魔剣の機能を発動。

 

 ……その瞬間、ヴァーリの真横で指向性の爆音を発生させる。

 

 さすがに想定外だったのか一瞬ひるんだすきに、二種類の魔剣を創造。

 

 まず左腕の炎を纏う魔剣で切りかかり、直後極低温の右手に持った魔剣で追撃を敢行。

 

 熱衝撃の応用で破壊力増加を狙ってみたが、ヴァーリはそれを片腕であっさり受け止めた。

 

「発想はいいが、この程度かい?」

 

 チッ! さすがに魔王血族の神滅具保有者は甘くないか。

 

 だが、時間は十分稼げている。

 

「行くぜヴァーリぃいいいい!」

 

 イッセーが突貫してくる。

 

 三十秒分の倍化をしている以上、ヴァーリの半減もすぐには間に合わない。

 

 と思ったら、なぜかイッセーは被弾覚悟でヴァーリを殴るのではなくその翼をつかんだ。

 

赤龍帝の贈り物(ブーステッド・ギア・ギフト)!!」

 

「はぁ!?」

 

「なに?」

 

 イッセーがヴァーリに譲渡を敢行し、俺もヴァーリも一瞬困惑する。

 

 だがその瞬間、白龍皇の光翼が異常な反応を示していた。

 

「お前の翼が放出する以上に力を吸収させるようにしてみたぜ! 本調子でいられるか?」

 

 なるほど。そう来たか。

 

 一部の能力だけを強化することでほかに負担をかけてバッドステータスにするとは考えたな。

 

 なら、俺も本腰を入れるとするか。

 

「……ヴァーリ、お望みどおりに黒刃の狗神を味わうといい」

 

「ついでに、アスカロンも喰らっとけ!」

 

 同時攻撃で黒刃と聖剣を込めた一撃を叩き込む。

 

 ヴァーリの鎧は砕け、さらにイッセーは右腕でその顔面を殴り飛ばす。

 

「グッ!?」

 

 地面に墜落するヴァーリだが、ここで逃すほどこちらも甘くない。

 

 とっ捕まえて情報を聞き出せるに越したことはない。だが、このレベルの奴を相手にそんな舐めた態度で仕掛けてはこちらが死ぬ。

 

「お望み通りの殺し合いだ。文句を言わずにとっとと死ね!!」

 

 躊躇することなく大量の魔剣の連続バースト投擲を敢行。とにかく徹底的にたたきつける。

 

 息切れするまで全身全霊の連続投擲を敢行し、俺はその上で着地。さらに魔力砲撃を出せるよう準備をしつつ、呼吸を整えながら様子をうかがう。

 

 さて、これで死んでくれているなら幸い過ぎるが、さすがに甘いだろうな。

 

「……フハハハハハ! いいね、やるじゃないか!!」

 

 思った以上にぴんぴんとした様子で、ヴァーリは鎧を復元させたうえで姿を現す。

 

 一度は盛大に砕けているのか、宝玉や鎧の破片も飛び散っている。

 

 だが、あの程度で倒れはしないというわけか。

 

 さてどうしたものか。どちらにしてもこいつを野放しにする道理はないんだが。

 

 理想的な展開は、再起不能にして情報源にする。まぁこれは無理がありすぎるだろう。そんな器用なことができるような楽な奴ではない。

 

 妥当な展開は、味方と連携して袋叩き。これなら殺すにしろ捕縛にしろ余地はある。だが、できる味方がまだ余裕がないと来ているわけだからな。

 

 やはりもう一手ほしい。今のままだとこっちがジリ貧で、押し切られるのが目に見えている。

 

 そう思いながら周囲を軽く探っていると、イッセーがなぜか一つの宝玉を手にする。

 

 あれは白龍皇の鎧のそれだ。一体何を考えて……待てよ?

 

 俺も閃き、ヴァーリが様子をうかがっているのをいいことに一つ蹴り上げてキャッチする。

 

 と、イッセーがこっちを見た。

 

 あ、これは同じことを考えているな?

 

「正気かお前。多分だが、俺とは違って危険性が段違いだぞ? 寿命削れるぞ?」

 

「ドライグにも言われたけどさ、千年も万年も生きてもな。ま、やりたいことは多いから多少は長生きしたいけどさ!」

 

 あ、これ言っても聞かない流れだ。

 

 まぁいい。千年も万年もあるなら、ヴァーリを潰してゆっくり寿命を延ばせばいい。

 

 俺とイッセーは躊躇なく行動。

 

 イッセーは右腕で宝玉を砕き、俺は魔剣の柄頭かやら針状の剣を出して宝玉を貫く。

 

 その瞬間、壮絶なオーラが巻き散らかされる。

 

「まさか、俺の特性を取り込むつもりか!?」

 

 ヴァーリが勘づいたがその通りだ。

 

 目には目を、歯には歯を。白龍皇には白龍皇を。

 

 奴の面倒なのは力の簒奪といえるその性質。なら俺たちがそれを会得することができれば、アドバンテージが無くなる余地はある。

 

 さすがに完璧にできることはまずないだろうが、奪われた分を多少なりとも奪い返せるのはかなり余裕が違うだろう。

 

 ただ問題は、イッセーのほうだな。

 

 俺は作った魔剣のほうを調律しながらで試みているから、失敗しても致命的な事態にはならない。だが完全に取り込もうとしているイッセーは、間違いなく激痛にさいなまれるだろう。

 

 ヴァーリは興味深そうだが、アルビオンのほうは引いている節がある。

 

『正気か。手数と応用性が幅広い魔剣創造ならともかく、相反する存在である赤龍帝が白龍皇の力を取り込むなど自殺行為だ』

 

「な……めんなよ! それができるのが今の世界だって、俺は木場の聖魔剣で知ってんだよ!!」

 

『白いの。俺はこの宿主と出会って一つ知ったんだが……馬鹿も極めるとなかなかにすごいぞ!』

 

 アルビオンにイッセーとドライグが反論し、その瞬間力が取り込まれる。

 

 その時、イッセーの鎧は右腕部分が白くなっていた。

 

白龍皇の籠手(ディバイディング・ギア)ってところか?」

 

「……やるじゃないか! 思った以上に君には可能性がある!」

 

 なんかヴァーリがすごく喜んでいるな。

 

 感極まっているというかなんというか。普通はもうちょっとショックを受けていいと思うが。

 

 戦闘狂からすると、敵が強くなるのはむしろ万々歳ということか。若干引くがまぁいいだろう。

 

 こっちはまだ取り込み切ってないから、もうちょっと楽しんで待ってくれるといいんだが―

 

「なら返礼だ! 俺の本気を少し見せてやろう!」

 

 そう吠えるヴァーリの翼が光り、周囲の空間が歪んでいく。

 

 いや、歪んでいるんじゃない。どちらかといえば縮んでいる。

 

「な、なんだありゃ!?」

 

「空間そのものを半減させているのか!? 正気か、あいつ!!」

 

 さすがにイッセーだけじゃなく、俺もビビり始めている。

 

 魔王の血筋が神滅具を宿すとこうなるのか。勘弁してほしいぐらいのチートで何より。俺の反粒子じゃ一発勝負のせいで届かないな。

 

「空間そのものを半減って、どういう感じだ!?」

 

「いやそのものなんだが!? ほかにどう説明しろってんだ」

 

 危険度がよくわかってないな。お前、この学園で落第にならない程度の学力は普通の高校の平均値より上なんだぞ?

 

 ぐ、具体的に説明って言ってもどうしろってんだ。

 

「なるほど。なら簡単に説明してやろう」

 

 と、いつの間にか腕が一本無くなっているアザゼル総督が近づいていた。

 

「あれはあらゆるものを半分のサイズにするようなもんだ。つまり、リアス・グレモリーのおっぱいも半分になる」

 

「たとえ他になかったのか!?」

 

 思わず大声を上げるが、すぐに俺は勘づいた。

 

 あ、ものすごい寒気を感じさせるほどイッセーがキレてる。

 

「ふ…………………………ふざけんなぁああああああああああっ!!!」

 

 早い! そして一発でヴァーリが打ち上げられた!

 

「リアス部長のおっぱいを、あの豊満の体現たる世界の至宝を半分のサイズにぃ!? 殺すぞこらぁあああああああ! 二度と白龍皇の光翼が具現化できないように潰しきってやらぁああああああああ!!!」

 

 うわぁ。マジギレして、ほぼほぼ完全上位互換の対を成す存在が圧倒されている。

 

「リアス部長のおっぱいの分! アーシアのおっぱいの分! ゼノヴィアのおっぱいの分! 朱乃さんのおっぱいの分! まだ見ぬ秀華先輩のおっぱいの分! 幸せをくれた旗本さんと吹本さんのおっぱいの分! そして、そして半分こになるだけで消え去るも同然の……小猫ちゃんのロリおっぱいの分だぁああああああああっ!!!」

 

 いろいろ酷いが、とりあえずここで始末するのが好都合だよなぁ。

 

 でも情報源は欲しいしなぁ。

 

「すいませんが総督殿、とりあえず両手両足と肺片方ぐらい切除していいですよね? それだけやれば再起不能ですし、殺さなくてもいいですよね?」

 

「……本気で怖いなお前。いや、俺としても息子同然にかわいがってるし、情報を吐ける程度でも御の字なのはわかってるが手心をだな?」

 

 まぁ、かわいがっている奴が残りの長すぎる人生をどん底に落ちたままというのは、さすがに嫌にはなるんだろうが。

 

 しかし盛大に裏切って盛大にテロを手引きしているからな。日本政府も巻き込まれている以上、相応の厳罰が欲しい所ではある。

 

「……じゃぁ、腎臓一つに性器丸ごとぐらいにしておくか。いや、肝臓も部分的に切除しておくとか……?」

 

「こいつが裏社会出身なのは知ってたが、怖いなオイ」

 

 げんなりドン引きされているな。

 

 ふむ。これでも加減しているんだが……染まってるってことか。

 

 ま、組織の裏切り者や敵対犯罪者の処刑とかもやっていたからな。それも、波柴の連中を油断させるために、可能な限り素早くするぶん派手にしたからなぁ。

 

 まあいい。とりあえず素早く決着をつけるとするか。

 

「この場で殺されないだけ五体投地で感謝してもらうとするか」

 

 そう言いつつ、魔剣を創造した時だった。

 

「創生せよ、天に描いた星辰を———我らは煌く流れ星」

 

 ……‥今のヴァーリの言葉に、俺は耳を疑った。

 

 ちらりと視線を総督に向けると、片手を振っていた。

 

「いや、初耳なんだが」

 

 …………勘弁、してくれ。

 

 俺は思わず天を仰ぎたくなった。

 




 壮絶バトル、さらに激化!!
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