※この作品はR-18です。

シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚   作:グレン×グレン

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 はいどうもー! 気分転換に銭湯に行って以来、なんか逆に疲れが増した気がするグレン×グレンです!

 多分あれだな。自覚のない疲労がこれをきっかけに出てきたとかそんな感じだな。

 そんなこんなで、多分今週は投稿速度が遅くなるのをお詫びします!!


第十二話 激突、白龍皇!?(その3)

《Other》

 

 

 神代晃星。

 

 この特異点が誕生して以来、世界には大きな影響が出ていた。

 

 神祖の誕生及び、彼らがまとめる戦奏教団(エインヘリヤル)。そして神祖を含めた一部の者達が扱えるようになり、のちに星辰奏者(エスペラント)として発動者の人為的な調律が可能になった星辰光(アステリズム)

 

 だが、このうち天然物の星辰光を発動できる者には、大きな特徴がある。

 

 そしてこれは人間世界では秘されており、異形側に位置する者以外は知ることがない。

 

 その理由は単純。その特徴が「神器保有者」に限られるという点である。

 

 更にその神器は異形に通用する上位型であることが条件の一つ。もう一つは振るえる星辰光の性質が上澄みレベルであること。

 

 必然としてその全体数は圧倒的に低い。だが同時に、その二つを併せ持つ天然の星辰奏者は間違いなく一騎当千の戦力となりえるのだ。

 

 そして、ヴァーリ・ルシファーはあえてそれを秘していた天然物である。

 

 彼にとってその力を振るうに値する者が出るまで、秘すべきだと判断した星辰光。それは、白龍皇ヴァーリ・ルシファーの才覚と合わせれば、間違いなく神や魔王すら滅ぼしうる絶大な性能を持つがゆえに、見合った存在を求めていたからである。

 

 そして今、まさに見合った存在が目の前に現れた。

 

 歴代で最弱といえるだろう、才覚の無い赤龍帝。だが同時に、異例な形で力を得、今まさに自分に二度も地の味を与えた、異端の赤龍帝。

 

 歓喜と共に、ヴァーリはその力を解き放つ。

 

 これが、歴代最強の白龍皇たるヴァーリ・ルシファーの、明星たる星辰光の真骨頂である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《兵藤一誠》

 

 

 

「はぁ……はぁ……はぁ……~」

 

 肩で息をしながら、俺はヴァーリを地面に叩きつけて落ち着いてきたのを感じる。

 

 なんて奴だ、なんて奴だ。

 

 おっぱいを半分にするだと? そんなおぞましいことが何でできるのか分からない。

 

 おっぱいには夢が詰まっている。おっぱいは希望の象徴。そして、おっぱいはみんなを幸せにしてくれる男の宝だ。

 

 それを半分にする? そんな技を編み出してまで、強者と戦いたい?

 

 分かり合えるわけがない。不倶戴天っていうのは、こういうことを言うんだって痛感した。

 

 おかげで限界を超えた気がする。多分だけど、また寿命が削れたかもしれない。

 

『……まさかここまで馬鹿だったとは……』

 

 なんかドライグが呆れてるけど、そんなことを気にしてる場合じゃない。

 

 こいつは此処で倒さないと。俺の、俺達のおっぱいが奪われちまう。

 

 そう思った時だった。

 

「……面白すぎる! ならば、俺も更に札を見せよう!!」

 

 そう言いながら、ヴァーリは立ち上がると飛び上がる。

 

 野郎まだ動けるってのか。

 

 上等だ。俺だってまだまだやってやる。

 

 そう思った時だった。

 

「創生せよ、天に描いた星辰を———我らは煌く流れ星」

 

 え?

 

 一瞬頭が真っ白になった。

 

「明星の光射す地に、流離う龍はたどり着く」

 

 ちょっと待て。ちょっと待って?

 

「その来報こそまさに奇跡。空前絶後の融合は、限り無き夢と幻に挑む権利を得たのだろう」

 

 こ、こいつも星辰奏者だったのかよ!?

 

 ふざけんな、神滅具持ってて魔王の血筋でどっちも生かしててとどめに星辰奏者!?

 

 現在過去未来永劫に至って最強になりえるって言っても、限度ってもんがあるだろうが!?

 

「今こそ魔の王は白き皇帝として、神の域へと目指すのだ」

 

 というか、なんかおかしい。

 

「挑むは頂点。無双の一点なる黙示録」

 

 ヴァーリの奴が増えている気がするんだけど。

 

 なんていうか、すぐ近くにもう一人いるっていうか。

 

「追いすがり、並び立ち、そして追い抜き輝き果てろ」

 

 しかも、どっちもオーラを感じる。

 

 一瞬だけ新しい方が弱い感じだったけど、もう同じぐらいになっているっていうか?

 

「挑む価値無き世界を去る、わずかに寂しい栄光を示せ」

 

 え、ちょっと待って。ちょっと待って?

 

超新星(メタルノヴァ)———明星の白龍よ、黙示録を越え神皇たれ(アポカリュプス・オーバー)

 

 こいつ、ここまでできるってことなのかよ!?

 

 

 

 

 

 

 

ヴァーリ・ルシファー

 

 

明星の白龍よ、黙示録を越え神皇たれ(アポカリュプス・オーバー)

基準値:B

発動値:AA

収束性:

拡散性:

操縦性:

付属性:D

維持性:

干渉性:C

 

 

 

 

 

「さっきのは実に面白かった。返礼としてアザゼルにも伝えてない隠し玉を見せてあげよう……!」

 

 まずい、ちょっと落ち着いた所為で、ヴァーリの動きが見えない!?

 

「伏せろイッセー!!」

 

 その声に、俺は咄嗟に伏せた。

 

 同時に俺を飛び越えた影が、ヴァーリの片方に何かをぶつけた。

 

 あ、樹下!!

 

「やってくれるな。上位神器保有者の中には、天然で星辰奏者になる奴がいると聞いたが……お前もか!」

 

「ああ。これでも目覚めたのは最近でね。ちょっとしたサプライズのつもりで隠していたが中々だろう?」

 

 もう片方のヴァーリが樹下の後ろに回り込むけど、それを樹下はもう一本魔剣を作って切りつける。

 

 それもあっさり防がれるけど、樹下は慌ててない感じだ。

 

「分身生成能力ってところか。だが、星辰奏者の出せる領域じゃない……同等の出力は種があるな?」

 

「その通り。ほら、白龍皇は相手の力を半減してその分己を強化するだろう? それを使って、俺の全力を循環させているというわけさ」

 

 な、なんつー能力だ。

 

 分身作って、分身と半減し合うことで同じ性能にするだって? 本当に反則過ぎるだろうが!?

 

 一人相手に死に物狂いだってのに、二人掛り!? 何の嫌がらせだよ!?

 

「待ってろ樹下、俺もすぐ―」

 

「お前はまず倍化を溜めろ!!」

 

 樹下は俺を止めるけど、あいつ一人でどうにかできるわけないだろ!?

 

 と思ってたら、何時の間にか鍔ぜり合うどころか樹下若干押し始めていた。

 

「力の簒奪のサイクルを作っているのなら、そっちにリソースが取られている分相手の半減は減るだろう?」

 

「かといって、至ってもない魔剣創造で俺二人と押し合うとは……いや、なるほど!」

 

 ヴァーリ達は何かに気づいたのか、飛び退って遠距離攻撃の構えを取った。

 

「「これならそっちにとって不都合じゃないかな?」」

 

「もう気づいたか。いや、気づいて当然だ……が」

 

 舌打ちしかけた樹下だけど、視線を横に向けるとにやりと笑った。

 

「そろそろこちらも大一番だな。喜べ、袋叩きだ」

 

 なんか樹下がそういった時、なんか暗くなった。

 

 思わず上を見上げた時、ヴァーリに向かってなんかフライングプレスする巨人がぁああああ!?

 

『グゥリィイイイイイゴリィイイイイイイッ!! 裏切り者には裁きの鉄槌をお見舞いするぞぉおおおおおおおっ!!』

 

 雲川さんだぁああああ!? なんかスイッチ入っている雲川さんだぁあああああっ!?

 

 ノリノリで押し潰したけど、ヴァーリ死んだのか!?

 

 あ、ヴァーリ二人があっさりと弾き飛ばした。

 

「ぬるい。至ってもいない準神滅具如きで、俺を倒せると持っているのか?」

 

「星辰光も強力ではあるが、それをもってしても俺には届かない。せめてコカビエルと単独で渡り合えるようになってから出直してきてくれ」

 

 ヴァーリが余裕を見せるけど、弾き飛ばされた巨人の中で雲川さんは冷静っぽい。

 

『なるほど。……ならば、こちらも更なる一手を見せてやろう!!』

 

 お、なんか切り札があるのか?

 

『レェーッツ!! エグリ……ォオオオオオオオオッン!!』

 

 え、なにその掛け声。

 

 ―♪~~♪~♪~~~

 

 え、なにこのミュージック。

 

 後なんかとんでったんだけど、雲川さんの準神滅具。

 

 更になんか魔方陣が出てきて、スーパーロボット系のアニメで出てくるような飛行機が出てきたんだけど。

 

「……………? なんだ、あの飛行機は?」

 

 ヴァーリがきょとんとしているけど、俺はなんとなく予想ができてた。

 

 あ。分離して合体した。

 

『これぞ我が切り札! 明星機神エグリオン(アルファ)! 行くぞ、ヴァーリ!』

 

「……ロマンすぎだろ」

 

 樹下が呆れてるけど、その動きはやばかった。

 

 付ける前とは全然違う素早い動きでヴァーリを蹴り上げると、そのまま空を飛んでヴァーリに素早い攻撃を放っていく。

 

 あまりの速さにヴァーリも困惑してるみたいだけど、流石に戦闘中で困惑しすぎじゃないか?

 

「やってくれるな、雲川麗華。流石は俺と同じルシファーの末裔だ!」

 

『ふはははは! 実はちょっと真剣に、ルシファー決戦をしてみたかったぞ!!』

 

 ……今なんて言いました?

 

 俺は思わずアザゼルに振り向くと、アザゼルはグッと親指を突き上げてた。

 

「おう! 俺もたまたま近くに準神滅具の反応があって接触してびっくりしたぜ! ルシファーのひ孫のヴァーリが神滅具持ってるだけでも凄いってのに、準神滅具を持ったルシファーの先祖返りまで見つけちまったんだからな!!」

 

 ……もう、俺は驚いたらいいのか分かんねえよ。

 

「……いや、ちょっと待ってくれません? 情報が、情報量が多すぎて頭痛がしてきた……」

 

 あ、樹下が面食らっている辺り相当やばい情報だな、コレ。

 

 俺まだちょっとよく分かんないけど、先祖返りとかひ孫とか、魔王の血縁多すぎないか?

 

 そう思っていると、更に四方八方でなんか激しい音が鳴り響く。

 

 振り返れば、そこでは俺達の仲間が敵を押し返していた。

 

 リアス部長達が合流できたことが大きいな。更にギャスパーも停止の力で敵をかく乱しているから、こっちが圧倒的に有利だ。

 

 ……なら、俺ももっと頑張らねえとな!

 

「樹下! 俺達ももうちょっと踏ん張るぜ!」

 

「そう言うと思った。そして、俺に思いついた手が一つある」

 

 お、嬉しいこと言ってくれるじゃねえか!

 

 なら、ここで一気にキメてやるぜ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《樹下誠二》

 

 

 さて、仲間達も頑張っているし、俺達も気合を入れるか。

 

「仕掛けるぞ、イッセー!」

 

「おう、樹下!!」

 

 俺とイッセーはタイミングを見計らい、戦闘中のヴァーリに奇襲を敢行する。

 

 ヴァーリ・ルシファー。最強の白龍皇に未来永劫なる男。

 

 いいだろう。ならその夢、ここで殺してとん挫させてやるだけだ。

 

「食らいやがれ、ヴァーリぃいいいい!!」

 

 まずはイッセーがシンプルに殴り掛かる。

 

 ヴァーリは戦闘中でありながらもすぐに反応しそれを迎撃。だが、ここまでは想定内。

 

 ここで俺が後ろから連携で切りかかる。

 

 それをヴァーリは分身を使って受け止めると共に、更に絶大な魔力を放つ構えを見せる。

 

「それはもう見た。お前の魔剣は白龍皇()の力を利用したようだが、速度があまりに遅すぎる。短期決戦ならさほど問題はない!」

 

 なるほど確かに理解しているようだ。

 

 白龍皇の宝玉を取り込むことで習得したこの魔剣。龍剣・白。奴の推測通り、魔剣その者が敵の力を簒奪して強化する特性を持っている。

 

 ただし、魔剣創造の性能限界もあってその速度は白龍皇の光翼のそれとは段違いに遅い。だからこそ余計なデメリットを得ることなく会得したともいえるが、圧倒的格上相手に使う武装では断じてない。

 

 ……が、ならば「速度と吸収効率を段違いに上げられる方法」があればいい。

 

 そして都合が良いことに、赤龍帝の籠手は他者の力を倍加できる。

 

 故に、この一瞬だけは状況が違う。

 

 魔力の奔流が襲い掛かるより先に、ヴァーリの装甲と腕は切り落とされた。

 

「何!?」

 

「終わりだ」

 

 即座に返す刀で切り裂くと見せかけ、手首のスナップで投擲。

 

 ヴァーリは攻撃を回避する為に距離を取ろうとしたのが間に合わず、投擲された龍剣・白が突き刺さる。

 

「今だイッセー!」

 

「ああ、喰らっとけぇっ!!」

 

 攻撃で動きが緩んだその隙に、イッセーは若干の為と共にアスカロンを宿した左の拳でヴァーリにアッパーカットを叩きつける。

 

 そしてこのチャンスは逃さない。奴は此処で殺す方向で行くだけだ。

 

「一気に決めろ、赤龍帝の贈り物(ブーステッド・ギア・ギフト)!」

 

「残念だが、お前の強者巡りは初手で終わりだ。……千剣・嵐!」

 

 これが俺の主武装。生産性を生かした物量戦術を叩き込むことに特化した魔剣。その名を千剣・嵐。

 

 投擲に特化した重心バランスに、同型の魔剣と同調することで、空中にあっても投擲に引っ張られてバースト攻撃を可能とする伏せ札。

 

 それをイッセーの譲渡で一気に増強したことで、一瞬で数百の強化された魔剣が投擲される。

 

 まさに物量による圧殺。俺の魔剣創造を運用するにあたるコンセプトが完璧に増幅され、一気にヴァーリに襲い掛かる。

 

 だが、ヴァーリも無能では断じてなかった。

 

「その手は生憎……予想済みだ!!」

 

 その瞬間、放たれた無数の魔剣の力が根こそぎ吹き飛ばされる。

 

 半減による弱体化……にしても早い!?

 

「これが俺の星辰光()の真骨頂だ。君対策で対多数同時半減に特化した調律をして正解だった」

 

 ……そういうことか。

 

 ヴァーリ・ルシファーの星辰光は分身の生成。だが、分身そのものは完全に同じではなく、調律することで性能をずらすことができる。

 

 そして意図的に亜種禁手。それも俺の物量戦術を見越した同時多数半減を可能とする禁手に切り替えた。

 

 なるほど。やってくれる……が。

 

『スマンが、実は私も譲渡されていてな?』

 

 その隣に、巨人が拳を構えて待ち構えている。

 

 ヴァーリが反応するが、しかし遅い。

 

 譲渡の割合はさほど多くないが、元が準神滅具なら話は別。

 

『受けるがいい、この制裁を!!』

 

 その瞬間、ヴァーリは分身ごと地面に叩きつけられた。

 

 盛大にクレーターが発生し、土を通り越して土くれが空を舞う。

 

 俺はその隙を逃さない。

 

 だいぶ時間はたった。呼吸も落ち着いている。

 

 なら出せる。いや、ここで出す。

 

「今すぐくたばれ、大海より来たれ、神威蹂躙の銀狼(シルヴァリオ・メモリー)ッ!!」

 

 反粒子の展開は一瞬の一瞬。外せば更なる再使用は流石に無理がある。

 

 だからこそのこの一瞬。この一撃にすべてをかける。

 

 奴は危険だ。魔王ルシファーの血を引く白龍皇なんて、反則の二重掛け。現在過去未来はおろか、未来永劫に渡って最強の座に到達し続けるだろう才能の塊。

 

 そんな存在がテロリストに渡り、本当にその域に到達されれば質が悪いにもほどがある。可能な限り速やかに動き、その領域に到達するまえに殺すのが最善策。

 

 故に、ここで滅びろヴァーリ・ルシファー。

 

 と、言うよりだ。

 

「お前の趣味の充実如きに、あの二人を巻き込むな!」

 

 あんな良いご両親を、戦闘狂の人生を彩る為に死なせる理由は欠片も……ない!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《兵藤一誠》

 

 

 

 

 樹下は躊躇なく、反粒子を纏って攻撃を放った。

 

 あれが反則級にやばいのは俺も知っている。間違いなく、樹下の持つ手段で最強の攻撃力がある。というか、一瞬の攻撃力なら俺達全員足しても敵わないぐらい高いんじゃないだろうか。

 

 そんな一撃を、樹下はヴァーリの腹に向かって放っていた。

 

 あれだ。当たれば下半身不随ぐらいは確実に狙えるような攻撃にしてる。

 

 容赦ねぇ!? 下手すると俺以上にキレてねえか!?

 

 ちょっとだけヴァーリに同情した、その時だった。

 

「な……めるなぁ!!」

 

 その瞬間、ヴァーリの力が一瞬だけもの凄く増幅した。

 

 発生したオーラは一瞬だけど、確実に樹下の反粒子を抑えた。

 

 そしてその一瞬が、ヴァーリが安全圏に退避する時間を稼ぎやがった。

 

 マジかよ。あんなことができるってのか!?

 

「チィッ!!」

 

「……フ……っ」

 

 樹下が舌打ちするけど、ヴァーリもかなり消耗しているみたいだ。

 

 相当ギリギリの攻防ってわけか。

 

「自分でも咄嗟の判断だが、やってみるものだね。もっとも、消耗は流石に大きすぎるが……っ」

 

覇龍(ジャガーノート・ドライブ)を一瞬だけ発動させたのか? ……化け物め」

 

「俺としても賭けだったけどね。意外とやればできることは多いようだ」

 

 お互いに消耗している感じだけど、ならチャンスはあるか。

 

「下がってろ樹下! あとは俺がやる!」

 

 相当消耗してるなら、俺だけでも押し切れるチャンスはある。

 

 というか、あの技がおっぱいを半分にするならここで倒さないといけないだろう。

 

 なんとしても、勝つ!

 

 そんな風に気合を入れていたら、樹下が慌てて割ってはいる。

 

「油断するな! 奴が覇龍を扱える……いや、それ以上に使いこなしている化け物なら二人掛でもまずいんだぞ!?」

 

 じゃ、じゃがーのーとどらいぶ?

 

 なんか知らんけど、そんなレベルの奥の手があるってのか?

 

 と、ヴァーリもヴァーリで肩で息をしながら苦笑いを浮かべている。

 

「流石に消耗も激しい最終手段だけどね。本当なら君にも見せてあげたいが、瞬間的に発動させたせいで、二度目は覚悟がいりそうだ」

 

 な、何か知らんがやばい切り札があるってことか。

 

「コハヤ・リバーや波柴・光吉・モンタギューが仕込みを入れたおかげで、結界内ならまだやれるレベルでね。いざという時の奥の手用にしていた仕込みだったんだ」

 

 し、しかもあの言い分だと、下手するとこの辺一帯吹っ飛んでたかもしれないってことか?

 

 ヤバイじゃん!? 危なかったじゃねえか―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なるほど。それは良い事を聞いた」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―サーゼクス様の声が聞こえた瞬間、何かがごっそりと変わった。

 

 な、なんだこれ? 寒気がするんだけど。

 

 思わず振り返ると、そこにはなんか凄いのがいた。

 

 ……人間のような形になっている、魔力の塊?

 

 リアス部長の消滅の魔力が近いけど、密度も出力も絶対段違いだ。いや、違いすぎるのが俺でもわかるってのが、本当にヤバイ。

 

 戦っていた人達全員が、俺達は勿論テロリスト側も止まってるぐらいだ。

 

「おぉ~う。これは凄い」

 

 なんか軍服っぽい恰好をした男が面食らってるけど、やっぱりやばいんですか!?

 

『礼を言おう。私のこの状態は、あらゆるものを消し飛ばしてしまうのでね。二天龍の覇に耐えられる結界がなければ、この町が既に消え去っているかもしれない』

 

 あ、この声はサーゼクス様だ。

 

 いや、サーゼクス様ですか!? あれが!?

 

 なんかもう訳が分からないでいると、サーゼクス様はそのまま無造作に腕を動かした。

 

 その瞬間、テロリストの魔法使い達が集まっている一角が消え去った。

 

 ……消え去った?

 

 え? ちょ、マジで!?

 

「………圧倒的過ぎるだろう、化け物がここにもいたのか……っ」

 

 樹下も目を丸くして驚いてるし。

 

 あ、やっぱりあれは異常なのか。やばいな、魔王様。

 

「……素晴らしすぎるぞ、サーゼクス・ルシファー。あの状態ならこの世界の十指に届きうる……っ!」

 

 ヴァーリはヴァーリで感動してるし。お前敵対してるんだから、もうちょっとビビれよ。

 

 っていうか、サーゼクス様があの姿になるとそんなに強いのか。最強すぎるぜ、部長のお兄様。

 

 そしてそんなサーゼクス様は、軍服の男に振り返った。

 

『さて、投降を勧めよう。()()()の私と渡り合える程度の実力で、今の私を倒せるかね?』

 

「ふむふむ。まぁ確かにそうだけど……そこは気合でどうにかしてみたいかな?」

 

 なんかそんなことと言っている軍服の男は、オーラの剣を構えてサーゼクス様に挑みかかった。

 

 え、正気かあいつ。絶対死ぬだろ。

 

 そう思った時、樹下が目を見開いた。

 

「……ってあいつ、光吉か!? サーゼクス殿、ちょっと待―」

 

 なんか急に樹下が慌てたけど、サーゼクス様の方が早かった。

 

 躊躇なく、遠慮なく。既に覚悟を決めていたのか消滅の魔力が放たれた。

 

 明らかに俺達の全力よりやばいんだけど!?

 

 あ、あいつ死んだ。念仏でも唱えた方がいいのかな?

 

 そう思っていると、樹下は泡を食って走り出す。

 

「サーゼクス殿! 火力が足りない、そいつは十回殺すぐらいの威力出ないと―」

 

 樹下が言い切るより、早かった。

 

「……まだ……だぁああああああああっ!!」

 

 その声と共に、サーゼクス様の魔力が吹き飛ばされた。

 

 吹き飛ばしたのは、光吉とか呼ばれた男のオーラの剣。

 

 いや待て。なんだあの出力。

 

『……なんだと?』

 

『ばかな……っ?』

 

 ドライグとアルビオンが、その出力を見て面食らっている。

 

 さ、三大勢力が共闘してどうにかなるほどの二体のドラゴンが、驚くほどだってのか?

 

『サーゼクス・ルシファーのあの姿もだが、奴のあの出力は何だ?』

 

『あの出力、共に封じられる前の私達と同等の域だぞ?』

 

 ……おい、ちょっと待て。

 

 そんな出力を出せる奴が、こんなところに二人もいるってのか!?

 

 なんだよそのインフレバトル。ドラグ・ソボールでも通用しそうじゃねえか!?

 

『……なんだ、その力は?』

 

「言葉にすれば単純さ。気合と根性で覚醒した」

 

 サーゼクス様に光吉って奴がそう言うけど、いやいや待て待て。

 

 気合入れただけでどうにかできるレベルじゃねえだろ。俺だって根性には自信あるけど、あんな真似は絶対できねえよ!?

 

 俺が正直ビビってると、光吉は肩をすくめて急にこっちに飛んできた。

 

 慌てて構えるけど、光吉の奴はヴァーリのところに着地する。

 

「さてヴァーリ君。今回はこの辺にした方が良さそうだ。……外の連中を足止めしている戦力がそろそろ撤退した方がいい塩梅でね?」

 

「……なるほど。それでは結界も持たないし、俺はともかくサーゼクス・ルシファーが本領を発揮できないか」

 

 ヴァーリは頷くと、なんか残念そうな顔になった。

 

「できれば戦いたいが、あの姿を見た後で通常の彼と戦うのはね。俺も覇龍を使って挑むべき相手だし、お互い消耗も激しいから今日は帰るか」

 

「てめえ、ふざけんな!?」

 

 散々好き勝手やっておきながら、そっちの都合で逃げるってか?

 

 ふざけやがってと思ったけど、その時リングが砕けて禁手が維持できなくなる。

 

 え、まさかこのタイミングで時間切れかよ!?

 

「どうやら、兵藤一誠も時間切れか。今度会う時はもっと禁手を磨き上げてくれると嬉しいね―」

 

「そんな機会はない」

 

 あ、樹下が回り込んでる。

 

 怖い目になっている樹下は、ヴァーリの後ろに何時の間にか回り込んで魔剣を蹴りを放っていた。

 

 何時の間に回り込んだのか分からない蹴りがヴァーリに襲い掛かる……と思ったら、急にこっちに樹下が吹っ飛んできた!?

 

 え、なに、どういうこと!?

 

 俺がついていけないでいると、樹下は着地したけど急に崩れ落ちた。

 

「ぐ……伏兵か……っ」

 

「悪いねぃ? 俺らのリーダーはやらせないぜぃ?」

 

 気づけば、ヴァーリの近くになんか中国とかに出てきそうな格好の男がいた。

 

「助かったよ美猴。俺もヘトヘトでね」

 

「嘘つけ。俺っちがいなくても何とか出来たろうに。そっちの兄ちゃんも余裕だったろ?」

 

「まぁね。ただまぁ、こっちも疲れてたからね?」

 

 なんか気の合う会話をしているけど、何なんだアイツ。

 

「……おいおい美猴。お前さんもそっちにつくのかよ?」

 

「悪いねぃ? 俺っちは先祖達と違って、自由気ままに生きるのさ♪」

 

 なんかアザゼルと気安い会話をしているけど、一体誰だアイツ?

 

「総督……奴は、まさか仙人……?」

 

「いい線ついてるな。奴は美猴。めっちゃ分かり易く言うと孫悟空の子孫さ」

 

 樹下とアザゼルが会話しているけど、そ、孫悟空ぅ!?

 

 俺でも知ってる超有名な妖怪じゃん!? その子孫とか、何なんだよこの展開!?

 

 俺がビビってると、何時の間にか三人は泥みたいなのに呑み込まれて行っている。

 

「また会おう、兵藤一誠。次はもっと心躍る戦いを使用じゃないか」

 

「俺っちとも戦ってくれや。楽しみにしてるぜぃ、赤龍帝?」

 

「ふふふ。こっちもちょっと興味あるなー。今度機会があったらちょっかいかけるよー♪」

 

 なんかろくでもないことを言いながら、三人は転移していった。

 

 ……ああもう。何が何だか……。

 

「勘弁してくれよ、まったくもぉおおおおおおっ!!」

 

 俺の平和でエロエロな毎日は、何時になったら充実するんだよぉおおおおおおお!!!

 




 では、ヴァーリの星辰光を明かして本日は終わります!


ヴァーリ・ルシファー


明星の白龍よ、黙示録を越え神皇たれ(アポカリュプス・オーバー)
基準値:B
発動値:AA
収束性:
拡散性:
操縦性:
付属性:D
維持性:
干渉性:C


 ヴァーリ・ルシファーの星辰光。

 能力は星辰分身創造・再定義型。星辰体により己の分身を作り上げるとともに、設計段階で定義を切り替えることで力の在り方をある程度切り替える星辰光。

 大前提として星辰光の限界として、彼の出力では二天龍を宿す魔王血族などという規格外の存在を再現し切ることはまず不可能。だがヴァーリは二天龍たる白龍皇が持つ異能の本質たる力の簒奪を魔力で調律することで、分身と己で力の簒奪をループ状に成立させ、疑似的に基本性能を同等にするという離れ業を行うことができる。
 また禁手の性質と星の性質を組み合わせ、定義の調律によって分身の禁手を亜種に設計。肉体面もそれに合わせた成長を行うように定義することで、まったく異なる白龍皇ヴァーリ・ルシファーを相手どらせるという、おぞましいレベルの悪夢を相手に強制する。

 つけ入る隙としてはこの運用は相応に力をフルに使うため消耗が激しいという点だが、数か月単位で持続できる禁手と覇龍による寿命の消失を抑え込める魔力が重なれば、維持性がもたらす持続時間程度は問題なく運用可能。強いて言えば覇龍と分身の同調増強は同時に行うことはさすがに無理だが、これもヴァーリが星と神滅具の辰円に到達すれば克服できるかの旺盛が存在する。

 付属性と干渉性、必要のない性質以外は漏れなく高いという性質の隙の無さ。分身の大本である白龍皇ヴァーリ・ルシファーという反則性。さらにそれに胡坐をかかず、さらなる研鑽を欠かさない精神性と派生技。
 心技体全てが最高水準であるこの星は、単独で戦闘特化型魔星を複数相手どれる傑物として彼を完成させている。

 だがしかし、そこで留まる発想をヴァーリ・ルシファーは持ち得ない。
 見据える理想は龍神の上。黙示録を超えんとする彼に泊まる理由は存在しない。


★詠唱

 創生せよ、天に描いた星辰を———我らは煌く流れ星。

 明星の光射す地に、流離う龍はたどり着く。

 その来報こそまさに奇跡。空前絶後の融合は、限り無き夢と幻に挑む権利を得たのだろう。

 今こそ魔の王は白き皇帝として、神の域へと目指すのだ。

 挑むは頂点。無双の一点なる黙示録。

 追いすがり、並び立ち、そして追い抜き輝き果てろ。

 挑む価値無き世界を去る、わずかに寂しい栄光を示せ。

 超新星(メタルノヴァ)———明星の白龍よ、黙示録を越え神皇たれ(アポカリュプス・オーバー)




 とまぁ、こんな感じ。

 コンセプトは「たぎる才能!」といったところ。シルヴァリオで言うなら「無敵眼帯ゴリラレベルの才能」です。

 もう才能の権化にふさわしい才能の塊に仕上げました。いっそのこと善性質がチトセとどっこいどっこいにしてもいい気がしましたが、ヴァーリの性格面などを考慮して一歩劣るレベルにしました。

 ヴァーリはヴァンパイア編のようにろくでもない手段をかますこともあるが、当人は誇り高い存在として生きざまも誇り高くしているとのことなので、個人的な考察である「干渉性が高い=手段をマジで選ばない」から見て平均値止まり。また同じく個人的な考察である「付属性が高い=コミュ力が高い」の観点から、むしろ気の合う連中意外とは仲良くする気がない節のあるヴァーリは低い部類に設定しました。


 本来なら星辰光の子の優秀さを持ってしても再現度合いは低い部類……というか、ヴァーリが高すぎるのですが、白龍皇の性質と合わせることで疑似的に「ヴァーリ二人掛」という鬼畜ゲームを展開する星辰光。流石に無理のある展開で長時間には向てないのですが、そもそもこの星辰光の性質でも月レベルで持続できる禁手に比べれば全く足りてないので問題ないという感じです。

 普通に鬼畜過ぎる展開でしたが、こちらも赤龍帝がいたうえ、白龍皇の力を限定的に仕えたのでなんとかギリギリで三回目の土の味タイムには持ち込めた感じです。




 そしてラスボス(予定)の光吉、覚醒してガチのサーゼクスから何とか逃げ切り。

 さすがに戦闘を長期間続けていればサーゼクスがまだ競り勝てますが、サーゼクスが本気で暴れられるのが結界のおかげなので、結界関係で注文が入れられる禍の団側が主導権を握れたことから撤退に持ち込めました。

 そして戦闘は何とか終了。あとは事後処理タイムです


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