※この作品はR-18です。

シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚   作:グレン×グレン

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 はいどうもー! うまく設定の調整を行いつつ話を勧めたいグレン×グレンでっす!

 さて、ついにヴァンパイア編も最終回! 頑張っていきますよー!


第十四話 新生! オカルト研究部!!

《木場祐斗》

 

 

 

 駒王会談と呼ばれることになる、三大勢力の和平会談から一夜が過ぎた。

 

 あの戦いで旧校舎も一部が吹き飛んだりしたけれど、異形の力により既に修復も済んだ。内装についても問題ない状態だ。

 

 そんなオカルト研究部の部室に、目を見張るような人物がいた。

 

「……ではオカルト研究部の諸君! 今日からこの学園の教師として、お前らの顧問を務めることになったアザゼル先生だ! 気軽にしたっていいぞ?」

 

 などという朗らかなアザゼル総督に、僕達は唖然となる。

 

 あと、それ以外にもさらりと気になるポイントがあったりする。

 

「どもー。半ば準部員だったけど、この度正式にオカ研部員となりましたー。秀華先輩でーす♪」

 

 

【挿絵表示】

 

 

「……同じく、新入部員になる樹下誠二です。……なんかすまん」

 

 なぜか、秀華先輩と樹下君までもが部員になっている。

 

 いや、二人は割と頻繁に部に顔を出してはいる。ただし、立場が立場なこともあって部員ではない。

 

 日本政府から派遣された朱乃さんの監視役であり、同時に日本政府から僕たちが監視するように言われていた人物でもある。そういう意味では、仲はいいけど一線を引いたほうがいい関係性だ。

 

 そしてさらに、学生服を着た少女がくるんと回って笑顔を向ける。

 

「この度、駒王学園高等部一年に転入しました、小笠原美子で~す。先輩の皆さん、よろしくお願いします♪」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 にっこり微笑むのは、桃山警護事務所のメンバーでもある小笠原美子ちゃんだ。

 

 この子までこの学園に在籍し、それもオカ研のメンバーに?

 

「……状況が分からないのだけれど。どういうことかしら?」

 

 リアス部長もさっぱり分かってないようだ。

 

 うん。説明をお願いします。

 

「ま、これも和平の一環だよ。というより、和平の先を見据えた策って奴だ」

 

 アザゼル総督……いや、アザゼル先生はそういうと肩をすくめた。

 

「和平による技術交流の一環として、悪魔に転生した神器保有者の中でも類を見ないほどイレギュラーが多いグレモリー眷属の指導を担当するってことだ。……それに、赤龍帝であるイッセーの奴を擁するお前らは対白龍皇の観点からも強化が必要だしな」

 

 確かにそうだね。

 

 今代であり、また現在過去未来永劫最強の白龍皇となるだろう、ヴァーリ・ルシファー。

 

 彼は対を成す存在であるイッセー君に目をつけている。また、ルシファーの末裔だとすると現ルシファーであるサーゼクス様の妹であるリアス部長も無視はしないだろう。

 

 その観点から、対抗馬として赤龍帝の強化を試みるのは当然か。

 

「それと秀華達だが、こっちはもっとややこしい……というかだな?」

 

 と、アザゼル先生がちょっと言い淀んでいると、秀華先輩が苦笑した。

 

「簡単に言うとね? 桃山警護事務所、国際機関になっちゃいました?」

 

 もの凄い苦笑いで、とんでもないことを言っている気がする。

 

 え、国際機関? どういうこと?

 

 僕達が困惑していると、今度は樹下君がため息をついた。

 

「名目上は、日本国の土地とはいえ、三大勢力和平の地でもあるこの駒王町の重要度が上がったことに伴い、専門機関を設置するということだな。その場合は外聞もある為、日本だけでなく三大勢力が合同出資及び監督を行う立場にした方がいいということだ」

 

 そういったうえで、樹下君は更に肩をすくめた。

 

「とはいえぶっちゃけると、日本政府的には秀華を自分達だけで管理するのに反対意見が多く出ることを見越したリスク分散として先手を打った形だ。元々、国際的に犯罪の根を張っていた波柴一族出身という時点で、如何に一斉摘発に多大な貢献をしたとしても秀華を危険視してしまうのはまぁ仕方のないことだし」

 

「光にぃは私の親戚で、一斉摘発の協力者だったことも大きいねぇ。邪推する人が絶対増えるから、揉める前にさっさと他の勢力との合同にして責任の所在を分散させといた方がスマートに進むという小笠原長官の判断です」

 

「小父様がなんかごめんなさい!!」

 

 樹下君だけでなく、秀華先輩や小笠原さんも苦笑い気味だ。

 

 なるほど。色々大変だね、彼らも。

 

「ま、こいつら相手に発言が通せるのは嬉しいがな。こういうところは人間ってのは面倒だぜ」

 

 アザゼル先生は肩をすくめてから僕たちを見渡した。

 

「ま、そういうことだ。なにぶん俺は神器研究の最先端を行っているからな。神滅具の赤龍帝に、イレギュラーな聖魔剣。更に聖母の微笑みや停止世界の邪眼のような希少かつ強力な神器に、秀華の準神滅具も無視できねえ」

 

 そう言った先生は、更に樹下君と朱乃さんを見る。

 

「ついでに星辰光で再現された黒刃の狗神(ケイニス・リュカオン)は尚更だな。今代の保有者はウチが保護してるんだが、あいつも大概イレギュラーだから、色々とデータ揃ってるぜ?」

 

「……堕天使のお力添えなんて、私には必要ありませんわ」

 

 朱乃さんはやはり、堕天使側にいい感情を持ってないね。

 

「……やっぱり堕天使、というかバラキエルが嫌いか?」

 

「もちろんです。母が亡くなったのは……っ」

 

 朱乃さんにとって、堕天使に対する嫌悪感はアイデンティティに近い状態だ。

 

 勢力間においての交流という点では同調できるけど、個人として堕天使と付き合いたいと思わない者は多いだろう。そのうちの一人ではある。

 

「……ま、リアスの眷属を選んだのはいい判断だとは思うがな。流石にそれぐらいじゃねえと、あいつも静観を選ばねえよ」

 

 アザゼル総督はそういったうえで、樹下君の方を見る。

 

「お前さんはどうする?」

 

「あとでご意見は伺いたいですね。……本物の保有者を見てきた神器研究者の知見は絶対に役に立つでしょうし」

 

 確かに。その点はとても重要だろう。

 

「あーいいさ。星辰光が再現した神滅具なんて、俺も調べたくてたまらねえしな。……で、だ」

 

 と、アザゼル先生は僕達を見渡した。

 

「禍の団との戦争が何時になるかは分からん。おそらくはお前らが高校生活中は準備期間になると踏んでいるが、相手が馬鹿だったりオーフィス以外の切り札がある場合は早くなるだろう」

 

 ……気が引き締まるね。

 

 三大勢力間で和平が結ばれる。これはとても大きな出来事だし、いい方向に一歩を踏み出したといえるだろう。

 

 将来的に他の神話体系とも和平が結ばれれば、更に好都合だ。戦争なんてものは避けられるのならそれに越したことはないことだろうしね。

 

 ただ、禍の団がネックになるのは間違いない。

 

 少なくとも高位の神器保有者や旧魔王派が参加している、オーフィスを旗頭とするテロ組織。国際規模で活動できる集団なのは間違いないだろう。

 

 和平を結ぶタイミングで動き出したのは不幸中の幸いだろう。もし和平が結べてない状態でテロを起こされれば、対抗することができるかどうか。

 

 ……サーゼクス様達は和平の輪を他の神話体系にも広げるおつもりだけど、ぜひ成功してほしいものだ。

 

「後、ヴァーリの奴はイッセーに目をつけているからな。あいつはあいつで独自のチームを結成しているらしいし、どいつもこいつも美猴に負けず劣らずの連中らしい。……鍛え上げないと死ぬぞ、お前ら」

 

 美猴。ヴァーリを助けに来た孫悟空の末裔だったか。

 

 白龍皇である魔王の末裔という時点で反則に近いのに、更にそれに引けを取らないような存在までいる。そして、それが複数人。

 

 確かに脅威だ。そしてイッセー君が狙われている以上、僕達は彼にすべてを任せるなんてことはできない。

 

 まして僕は聖魔剣に至った者だ。猶更戦わなければならないだろう。

 

「厄介なことね。とはいえ、弱いままでいるつもりはないから構わないけれど」

 

「……鍛えて返り討ちです」

 

 リアス部長と小猫ちゃんも強気の発言だ。これは頼もしい。

 

「ま、基本的には大人が対応することになるだろうがな。……そういや木場。お前さんの禁手はどれぐらい維持できる?」

 

 アザゼル先生が僕の禁手について指摘した。

 

 魔剣創造を至らせることで僕が手にした禁手である、聖魔剣。例えエクスカリバーが相手だろうと、使い手次第なら互角以上に戦える切り札といえる力だ。

 

 もっとも、それだけの力だから問題がないわけでもない。

 

「現状では長くて数時間ですね」

 

「少なすぎるな」

 

 て、手厳しい。

 

 魔剣創造として考えれば信じられないほどの力だ。数時間持たせられるだけでも大きな成長だと思うんだけどね。

 

「言っとくが、禁手ってのは奥の手じゃねえぞ? 神器の使い手が到達したのは上位形態であり、言い換えれば到達した奴は当たり前のように使えて当然になって初めて一人前だ。最低でも数日は持たせろ。ヴァーリは月単位でいけるぞ?」

 

 ……っ。

 

 僕の勘違いを打ち砕くように、アザゼル先生の言葉は染み渡る。

 

 なるほど。それが禁手か。

 

 奥が深い。これほどまでの潜在性能が秘められているということだろう。

 

「俺、腕をドライグに捧げても数十分も持たないんですけど」

 

「それは論外すぎだ。マジで鍛えろ、死ぬぞ本当に」

 

 イッセー君の場合は特殊すぎるからね。

 

 あと、アザゼル先生はかなり首を傾げていた。

 

「というか、お前さん本当に信じられないことしてるな。生まれた時から禁手に至っていたというケースは、その後すぐ死亡するという大前提込みでごく僅かにだがある。だが才能がなくて発現もしてないのに、パイズリされて至るとか……なんだお前?」

 

 正論極まりないけどかなり酷い。

 

 いやまぁ、それで至るというのは正直信じられないけどね。

 

「まぁ同感です。というか、木場が可哀相な気がするってのが本音ですね」

 

「前代未聞過ぎて、私今でも頭が痛くなりそうだよ」

 

「樹下も秀華先輩も酷い!?」

 

 あ、やっぱり二人とも困惑していたのか。

 

 まぁそうだよね。信じられないよね。

 

 微妙に空気が緩む中、リアス部長が少し肩を落とした。

 

「まぁいいわ。ちょうどいい時期に夏休みも来るし、一度短期集中特訓でもするべきかしら」

 

「お、学生らしくていいじゃねえか。じゃ、その辺りを目安にトレーニングプランを作っとくわ」

 

 先生と部長の間で割と流れるように話がまとまっている。

 

 夏休みに一度集中特訓をするのか。確かに、それぐらいして自分達を見直すのはいいことだね。

 

 アザゼル先生の説明によれば、僕はまだまだ強くなれるようだし。これは楽しみになってきたね。

 

「ちょうどいい。俺が手を回しとくからお前らもついでに参加しとけ。先を考えるなら鍛えといて損はねえだろ」

 

「ん~。組織的にオッケー出るか微妙ですけど、まぁ出たなら行きますね~?」

 

 桃山警護事務所も参加するのか。でも、確かに重要だろうね。

 

 今後の在り方のシフトを考えるのなら、更なる強さが必要だ。特に秀華先輩はレヴィアタンの末裔として、相応の注目もされるだろう。

 

 僕達も、彼らも。これからを考えるのなら強くなるしかない。

 

 さぁ、これからも頑張ろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

《兵藤一誠》

 

 朝の騒ぎが終わってから、俺達は一旦教室に戻っている。

 

「つっても、凄いことになってるよなぁ」

 

 なんていうか、どんどん凄いことが起きてるっていうか。

 

 この間まで三大勢力で睨み合っているって状態が続いているかと思ったら、ここで一気に和平。そんでもって、和平でもしてないと対抗できなさそうな禍の団とかいうテロリストが出てきてるんだから。

 

 なんつーか。ただの下級悪魔でしかない俺にはついてけない世界だよなー。

 

 そんなこと思いながら空を見上げてると、樹下がため息をついてきやがった。

 

「お前。正直そういうところは治した方がいいぞ?」

 

「え? まぁ、上級悪魔になったらそうもいってらんないんだろうけど」

 

 領地と眷属をもらった貴族様の仲間入りだし、確かにそこは考えた方がいいんだろうけどなぁ。

 

 でもまだ下級悪魔だし、流石に早いだろうと思う。

 

 ただ、樹下は首を横に振った。

 

「会談のあれはむしろ逆だ。下級悪魔があの態度ってのが本来問題なんだよ」

 

 な、なんかすっごい呆れられてる!?

 

 え、俺ってそんなにまずいこと言ったか!?

 

「あのな? 天使長ミカエル殿もアザゼル先生も各勢力のトップで、国家元首とかそういうレベルだ。下級悪魔のお前が舐めた口きいたり直談判して非難したりとか、魔王サーゼクス殿やリアス部長が非難通り越して処罰を受けてもおかしくないぞ?」

 

 ……え?

 

 いやちょっと待って。マジで訳が分かんねえ。

 

「いやなんでだよ? リアス部長とサーゼクス様が怒られる理由が分かんねえ」

 

「監督責任や任命責任って言葉を知ってるか? 簡単にまとめると子供や生徒が明らかな問題行動を起こした場合「保護者や教育者の指導はどうなっているのか」は当然あげられる責任問題。そしてそういうのは「職場の上司」にも向けられるんだよ」

 

 樹下はそう言うと、げんなりとした様子で肩を落とした。

 

「嫌いな相手や尊敬できない相手にナメた口きいていいっていうのは馬鹿の考えだ。下級とは言え転生悪魔は人間世界で言うなら社会人で、社会人の問題行動はコミュニティ単位で責任が波及するって覚えとけ」

 

 そ、そうなの!?

 

 あ、レイナーレの時に俺が追放されればいいって言った時、リアス部長怒ったのってそういうこともあるのか!?

 

「敬語ってのはむしろ、嫌い・合わない・敵対中の相手にこそ使うべきものだ。使()()()()相手じゃなくて使()()()()相手に使え」

 

 そういう樹下は半分ぐらいジト目だし。

 

「本当に頼むぞ? こと悪魔として活動する場合大王派が懸念だが、奴らは絶対ミカエル殿やアザゼル先生みたいな緩さは期待できないからな」

 

 な、なんかため息ついているし。

 

「リアス部長やサーゼクス様を尊敬しているのなら、足をうかつに引っ張るな。俺達のうかつは主の弱みになるってことを、肝に銘じるのが俺達の仕事だ。……秀華まで巻き込んだら叩き斬るぞ?」

 

 あ、これマジだ。

 

 目に寒気を感じてる。

 

「お、おう! と、とりあえず口の利き方は気を付けとくよ!」

 

「それだけだと全く足りないからな? こと大王派の定番なら、下級悪魔が主の許可なく口をはさんだ時点で狼藉扱いと考えた方がいい」

 

 え、マジで!?

 

 き、貴族様って……難しい……っ!

 

「その、私は大丈夫でしょうか……?」

 

「アーシアはまぁ、教会時代とかを思い出して全方位でその対応を取っておけばいいだろう。……問題はゼノヴィアだな。当分は許可を出されるまで黙っとけ」

 

「ふむ。まぁ私は気を付けておいた方がいいか。相手が悪魔だと辛口になりそうだ」

 

 アーシアやゼノヴィアとも話しているけど、樹下ってこういう時凄いよな。

 

 相当大変な目に遭っているからでもあるんだろうけど、それだけの奴だってことだ。

 

 俺も負けてられないぜ。ちょっと鍛え直さないとな!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《樹下誠二》

 

 

 

 放課後、オカ研の部室で俺達は集まっていた。

 

 まぁ部活動の一環だ。

 

 今後は相互監視ではなく相互連携だからな。駒王学園高等分に属することができるメンツは、なるべく学生生活をしながらオカ研で活動するという流れになる。

 

 ま、それはそれとしてだ。

 

「秀華。向こうも一通りの準備が整ったから来るってさ」

 

 連絡が届いたので、一応報告。

 

「オッケー。なら、ちょっと紹介しないとね♪」

 

「あら、もしかして人員が増えるのかしら?」

 

 秀華がサムズアップすれば、リアス先……もとい部長が興味を示した。

 

 ああ、その辺はありがたい。

 

「うちの事務所に新人が来ましたー♪。正社員一名に準社員二名で、紹介するよっと♪」

 

 パチンと指を鳴らすとともに、転移魔方陣が展開。

 

 そして、新入り三人が姿を現した。

 

 ……まぁ、イッセー達も顔見知りなんだが。

 

「ま、そういうわけで改めてよろしく」

 

「どうもー! お姉様と一緒に入社しました、リーナ・スターレインでっす!」

 

「先日は古巣が失礼しました。富士野アルトリーネです」

 

 とまぁ、昨夜会ってる三人だしなぁ。

 

「……どゆこと?」

 

 イッセーがストレートに言ってくれるが、まぁそうだろうな。

 

「まぁ色々あるんだが、今後を踏まえた増員だよ。今後を踏まえると戦力増強も必須だから、訳ありを秀華が拾った形になるな」

 

 色々ややこしいことになるだろうからなぁ。

 

 まぁ、三大勢力+日本政府が合同で管轄する以上、多国籍部隊にした方が都合がいいところがあるだろう。

 

 と、イッセーがなんか凄い顔になっている。

 

「……いや、秀華さん所の社員って……大丈夫なのか?」

 

 ……その瞬間、空気が凍った。

 

 いやまぁそうなんですが。性的に超退廃しているんですが。反論の余地がないんですが。

 

 ただまぁ、それだけの組織と思われるのも困る。

 

「一応言っとくけど、そういうことするのは正社員だけだからねー? 準社員との間にきちんと一線は引いてるからねー?」

 

 秀華も反論しているがそこはきっちりしている。

 

 如何に俺達が貞操観念がぶっ壊れているとしてもだ。貞操観念が壊れている自覚はあるんだから、その辺りの一線はちゃんと引いている。

 

 ただし、内容をきちんと聞いている塔城……いや、小猫はビシリと指を突き付けた。

 

「その正社員が一人いるそうですが?」

 

 ……誤魔化し切れなかったか。

 

「……はいはい。私が正社員だから。リーナとアルトリーネは違うから、そこは安心しなさい」

 

 あ、正社員の麗奈さんがあっさり認めた。

 

「いいんすか!? なんで正社員なんですか!? あんた一応聖職者でしょ!?」

 

 イッセーから鋭いツッコミが飛ぶが、まぁ正論な気がする。

 

 教会側からの人員なんだが、いいのかそれで?

 

 俺も改めて視線を向けるが、麗奈さんはひらひらと片手を振った。

 

「大丈夫大丈夫。私がそもそも外注なの、()()()()()()使ってるからだから。いっそのこと開き直り切った方が人生楽だと思ってたのよ」

 

 と、そういうことらしい。

 

「ふっふっふ。お姉様の美しい体を堪能する見返りに、色々情報を引き出されるといいよ!」

 

 と、リーナが抱き着いてきているけど、頭を軽くなでるにとどめている辺り……麗奈さん、そういう関係?

 

 ま、その辺りは麗夜さんの方が適任か。……まぁ俺としては役得ということで流そう。

 

 とはいえ、問題なアルトリーネさんの方だがな。

 

「アルトリーネだったかしら。貴女は今の立場で問題ないの?」

 

「ええ。アイアンローズが本格的に対三大勢力に動く以上、多少警戒してくれている方がちょうどいいでしょう。信頼は自分の手で稼ぐつもりよ」

 

 リアス部長に応えるアルトリーネさんは、その上で決意を見せた拳を握り締める。

 

「私としては、アイアンローズとは一戦交えたいわね。……友を奪っていった報いは、払わせられるのなら払わしたい……いえ、違うわね」

 

 拳を握り締め、真っ直ぐ決意を込めた目つきに変わった。

 

「取り戻すわ。……あの子を、私の友達を」

 

『……なるほど、そういうことか』

 

 と、ドライグがあえて意識を浮かべて声を出した。

 

 なるほど、気づいたのか。

 

『お前さん、赤龍帝の籠手()のような封印系の神器を持っていたんだな? そしてそれをアイアンローズは抜き出したと』

 

「確信を持って言えるわ。いえ、確信を得る為に何年間もあそこの潜んで探っていたもの」

 

 ドライグの問い、アルトリーネさんはしっかりと頷いた。

 

 封印系神器。神器のカテゴライズの一つであり、魔獣や龍といった存在を封じている神器だ。

 

 アイアンローズは神器を摘出することを大前提として動いており、見つけ次第摘出という手法を取っているようだ。となると、見つけられた時点でまず摘出する流れだったんだろう。

 

 だが、無断でそれをやることに問題がないわけがない。

 

「私にとってあの子は友人だった。……それを無断で奪った挙句、善行だから問題ない、同じように広めていこう? 舐めているにもほどがあるわ。敵となるのに十分な理由よ……っ」

 

 相当キてるな。まぁそうなんだが。

 

 アイアンローズは基本的に、視野があまりに狭すぎる。

 

 禍の団という敵がいる状況下で奴らになびく奴らは少ないだろう。だが、ゼロだとはとても思えないから気を付けないとな。

 

 ああ、その為に頑張らないと。

 

「ま、お互い頑張って備えるしかないというわけで。イッセー、気合を入れて鍛え直せよ?」

 

「分かってるって! 部長の為にも頑張るぜ!!」

 

 そういうところは素直に好感が持てるんだがな。

 

 ま、それはそれとしてだ。

 

「礼節もしっかり学び直しとけよ? いや、本当にあれはリスクがでかいからな?」

 

「そっちも分かってるよ!!」

 

 ま、其れならいいんだがな。

 

 ……これからきっと、大変なことが何度も起こるだろう。

 

 ただ、俺がすることは根本的には変わらない。

 

 命尽きるその時まで、母さんに、秀華に、胸を張ることができる生き方を続ける。ただそれだけだ。

 

 だからまぁ、安心しとけイッセー。

 

 友達を助けることだって、当然その中に入ってるからな?

 




 本格的に人員も増えてきながら、話は大体終了です。

 メイド服&執事服。AIイラストを記入するにあたって実に便利なワードだと思っております。特に駒王学園の制服は困難極まりないもので……。

 そして次回、エロ満載の幕間です!
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