※この作品はR-18です。

シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚   作:グレン×グレン

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はいどうもー! 休みの間にどんどこ書き溜めが不得手、消費速度を上げたいグレン×グレンです!

ただねー。常連さんの感想も待ちたいしねー。多少はインターバルを開けないとPV数も増えないしねー。

というわけで、週明けで行います!!


第四話 やっぱり会合、荒れました!!

《空本麗夜》

 

 

 

 

 

 

 会合が始まる中、俺達眷属は主の後ろで離れて待機することになった。

 

 とはいえ相手は貴族。それも中には権威や身分を絶対的な指標とするような者だって多くいるだろう。下手に態度を崩すと絶対に後々嫌味に使ってくる。

 

 なのでしっかりと背筋を伸ばし、何かあれば主を助けに行けるような力の入れ具合で真っ直ぐ所長を見る。これなら最低でも舐められたりすることはないはずだ。

 

 俺達桃山警護事務所正社員は、眷属悪魔というわけじゃない。だが秀華所長の星によって疑似的にレヴィアタンの悪魔として変成しているんだ。貴族主義の上級悪魔からすれば、色々な意味で無視できないしいい気分にもならないだろう。

 

 下手な態度をとって秀華の評判に傷をつけるわけにはいかない。秀華だけなら本人はそこまで気にしないだろう。だけど後援者になっているサーゼクス様達にも悪影響がもたらされかねない以上、そういう事態は可能な限り避けるべきだ。

 

「今日はよく集まってくれた。次世代を担うだろう貴殿らの顔を改めて確認し、更にイレギュラーともいえる初代レヴィアタンの末裔とも面通しをするべく、此度の会合を起こすことになった」

 

 初老の悪魔が所長達を見渡して微笑めば、近くの悪魔も面白そうに笑っている。

 

「まぁ、早速やってくれたようだがな」

 

 どうやら、あの揉め事はレクリエーションの一環とみなしているらしい。

 

 まぁ、娯楽がない前線の仮説基地などだとそういうレクリエーションをあえて黙認するともいうけど。貴族の会合ですることなのだろうか?

 

 この辺り、まだまだ常識のすり合わせができてないようだ。猶更妙なことを口走らないようにしよう。

 

 そう考えている中、一番上の魔王様方の一人であるサーゼクス様が、所長達を見回して微笑んだ。

 

「ふふ。今前に出ている十人は、いずれも優秀な才覚を見せている次世代の代表だ。互いに切磋琢磨して成長することを望んでいるよ。ぜひ、競い合い経験を積んでほしい」

 

 その言葉に、サイラオーグ殿が反応を見せる。

 

「つまり、我々もまた「禍の団(カオス・ブリゲート)」との戦に投入されると考えてよろしいでしょうか?」

 

 中々強気な発言だ。流石は若手ナンバーワンということだろうか。

 

 ただ、サーゼクス様は静かに首を横に振った。

 

「経験にはなるし、必要ならばそれもするだろう。だが、私としては可能な限り避けるべきことだと考えている」

 

 ……明らかに不満が見えているね。

 

 それもサイラオーグ殿だけでない。隣のサリアローズ殿や、近くにいる本家次期当主ではない側も不満の色が見える。

 

「何故です? 私達は悪魔の上に立ち守る上級悪魔の一端です。若いとはいえ先人の方々からのご好意を受け、何もしないでいるのは良心に反します」

 

「兄上に同意します、ルシファー様。今悪魔は転生悪魔による水増しで戦力が増し、人工授精技術と育児・出産手当の充実で出生率も漸く上がってきております。……この流れに水を差しかねない事態は、我ら貴族が身を挺してでも止めなければ民が着いてきますまい」

 

 中々に強気な発言をしている辺り、似ているのは雰囲気だけでもないだろう。

 

 だけど、サーゼクス様は諫めるように再び首を横に振る。

 

「勇気は認めるが、それは無謀だ。何故なら禍の団はオーフィスの力を借りることで、堕天使総督であるアザゼルですら龍王の力を借りなければ苦戦するほどの者達がいる。超越者と称される私ですら、たった一人の幹部を倒しきれず取り逃がすほどだ」

 

 そう。禍の団は間違いなくやばい組織だ。

 

 世界最強の存在とされる龍神オーフィスが象徴となり、その恩恵により魔王クラスが最低でも一人はいる。

 

 更に波柴・光吉・モンタギューに至っては、サーゼクス様が真の姿になっても一撃を凌ぎ、その理由である結界の存在がアドバンテージになったとはいえ撤退に成功しているほどだ。

 

 間違いなく敵は難敵。若手ナンバーワンと言えど、苦戦必須の状況といえるだろう。

 

「君達若手の悪魔は、君達が思う以上に尊い宝なのだ。それに成長というのは、段階を踏んでできるに越したことはないだろう。……どうか、君達を大切に扱わせてほしい」

 

 その慈愛にあふれる魔王様の言葉に、二人は不満はありそうだけど引き下がった。

 

 まぁ、実際問題そうなるだろう。

 

 この手の問題はしかるべき立場の大人がどうにかできるなら、そうするべきことだ。美子ちゃんや秀華所長、誠二やコナユキのような未成年が、鉄火場で暴れるのは本来いいことではないのだから。

 

 とはいえ、不満が残ってるのが懸念点だね。暴走しないといいけど。

 

「それに今は、おそらくはどちらにとっても準備期間だ。和平によってできた繋がりを大切にし、それを広げていくことこそを重要視したい。そこにいる、レヴィアタンの新たなる末裔である秀華君のようにね」

 

 と、サーゼクス様は秀華所長に注目させる形で話の方向をずらすようにしたようだ。

 

 そして降られた秀華は、儚げな笑みを浮かべながら首を横に振る。

 

「恐れ多いです、尊き新たなるルシファー様。……私は所詮、悪魔に比べれば寿命も力も劣る人間から突然変異したような存在。本来のレヴィアタンの血を引いていようと、悪魔としての実態では貴方様方の足元にも及びませんわ」

 

 ……一瞬誰かと思った。

 

 凄い勢いでへりくだっている。そして内心としては「あんまり持ち上げて高いポジションに据えないでください!」なんだろうね。

 

 思いっきりサーゼクス様が戸惑っておられるけれど、多分サーゼクス様も事前に打ち合わせせずに仰られただろうから御相子だろう。

 

「真に悪魔の未来を舵取りすべきは、ただ血が目覚めただけの私ではありません。むしろ血に奢り迷走し自滅の道を選ぼうとした王族より、あえて袂を分かち未来をよりよくする為に尽力成されている皆様こそが相応しいでしょう。私めなど、民草が資格無く王族だけでしかない愚者達に先導されないように飾られる、ただの御旗でしかないはずですわ」

 

 すっごいへりくだって相手を持ち上げている。全力で目の前の方々を持ち上げることで、とにかく必要最低限以上の権威を持たされないように必死な気がする。

 

 後効果も覿面だ。大王バアルと思しき魔王様方のすぐ下にいる人達を中心に、凄い満足げな表情を浮かべている。

 

「素晴らしい! 悪魔としての教育を受けてないことに不安を感じておりましたが、これほどまでに聡明であられたとは!」

 

「己が分をわきまえられるのは優れた者の証。貴女ならば、その星で模造品を作っても冥界を乱すことはないでしょう!」

 

 凄く絶賛しているよ。

 

 所長もこっそりガッツポーズしているし。

 

 魔王様方ちょっと残念そうだ。多分、この機会に所長に魔王血族を据えるに相応しい立場になってほしいと思ってたのかもしれないね。

 

 ただすいません。所長は王族とかそういうのに興味がない人なので、もうちょっと控えめな立場でお願いしますね?

 

 と、そう思った時だ。

 

「……そうですな。古き良き尊い血とは言え、その重みを忘れ堕落した旧王族などに、いつまでも民を縋らせるわけにもいきますまい」

 

 急に、サリアローズ殿が声を上げた。

 

「よい機会です、()()。例の計画について、この場で話してもよろしいか?」

 

「…………止めても、魔王様が気になされるだろう。いいだろう……」

 

 不意打ちで言われて、断るのも難しいのでしぶしぶという態度。それを現大王がしている。

 

 あれ? もしかしてこれ……地雷?

 

「……なんなんのかな? もの凄く面倒そうだけど?」

 

 魔王様方の席にいる人が、もの凄くけだるげな様子で促した。

 

 それに対し、サリアローズ殿は一礼をしながら告げる。

 

「数年前より、私を含めた同門たる上級悪魔達により進めていたことがございます。それすなわち「傀儡となってくれる旧王族を、他種族との混血や先祖返りでもいいので集めること」です」

 

 その言葉に、空気がかなり変わった。

 

 当然だろう。当たり前のように旧魔王血族を傀儡化するなんて言っているのだ。

 

 だが実際問題効果的だろう。

 

 旧魔王の末裔を排斥した後も、悪魔側は襲名性という形で四大魔王の名を残している。本来、旧王族を排斥したのならむしろ別の名を使った方がいいだろうにだ。

 

 それほどまでに、悪魔にとって四大魔王の名は重い。だが、その結果として旧魔王派が復権の為にオーフィスを祭り上げるという事態に繋がってもいる。

 

 その対策として、王族を傀儡として利用するというのは一つの手だろう。

 

 だが、それを成功させたというのか。

 

 そう思った時、ふと思い出し、俺は麗奈と顔を見合わせた。

 

 雲川麗華。俺達の大切な幼馴染。

 

 まさか彼女が? いや、神の子を見張る者に属している麗華がスカウトされるのなら、流石に堕天使側に断りを入れるだろう。アザゼル総督は何も言ってなかったし、魔王様方の耳に入らないはずがない。

 

 そう思った時、俺達眷属側からフードを被った眷属が四人前に出た。

 

 たしなめようとする上役を、現バアルが手を前に出して諫める。

 

 それだけで、どういう存在なのかが分かる。

 

 そして辿り着いた四人はフードを外し……っ!?

 

 その瞬間、俺は呼吸が滞り、心臓が締め付けられるような錯覚を覚えた。

 

 信じられないが信じるしかない。そういう状況だ。

 

「……お初にお目にかかります、真に悪魔を導くべく皆様」

 

 その、銀色が混じった赤茶色の挑発をした女性は、どこか儚げな様子で恭しく一礼して跪いた。

 

 間違いない、彼女は―

 

「民草を慰撫する血の輝きを宿した者達が、悪魔社会を慰撫する偶像となりましょう」

 

 ―雲川凛華。麗華の、姉だ……っ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《兵藤一誠》

 

 

 

 なんか空本さんと雨宮さんが動揺している中、会談はめんどくさい話になっている。

 

 偉くなるとそういうこともしないといけないんだろう。さっきから、サーゼクス様達や上役の人達ばっかり話し合っていた。

 

 ただ、ある程度経ったらサーゼクス様が申し訳なさそうな顔で部長達の方を向く。

 

「つまらない話ばかり続けてしまってすまないね。ただ、冥界の未来を担う宝たる君達にも、そういった者を知る機会となってくれればとは思っている」

 

 なるほど。部長達はこういうことをしていかないといけないのか。

 

 ……俺、上級悪魔は目指しているけどあまり偉くなりすぎたりはしたくないかなぁ。聞いてるだけで面倒くさいもん。やってたら頭が痛くなるって。

 

 俺は一貴族ぐらいでいいや。実際、リアス部長からグレモリーの土地をもらうって話になったけど困ったし。

 

「さて、そろそろお開きということになるね。最後に君達に、将来の夢を聞かせてほしい」

 

 将来の夢か。やっぱり、貴族の人達にもあるんだろうなぁ。

 

 俺はとりあえず、上級悪魔になってハーレムだけどな。確か匙はソーナ会長とできちゃった結婚だったか。

 

 そんなこと思いながら、とりあえず恰好だけ整えていると、ソーナ会長の番になった。

 

「私の夢は、下級から上級を問わないレーティングゲームの学び舎を作ることです」

 

 その夢は、俺は馬鹿だから詳しくは分からない。

 

 ただ、いい夢だと思うんだけど上役の人達は笑い始めた。

 

「ソーナ嬢、そのような夢は非現実的ですぞ?」

 

「まったくですな。下級中級は我ら貴族たる上級悪魔が取り立てる存在であってこそ学ぶ価値がある者。我ら貴族と同じような学びをもたらして何になるというのです」

 

 ……なるほどな。樹下の言ったことが何となく分かってきた。

 

 これはかなりむかつくけど、ここで俺達がなんか言ったら返って問題になるってことか。

 

 いや、本当にむかつくけど。本当にライザーはマシな方なんだろうなって思うぐらいには腹が立っている。

 

 でもリアス部長も我慢しているようだし、肝心の生徒会長だって我慢しているんだ。ここは我慢我慢―

 

 ―ガタン!―

 

 ―何事!?

 

 慌てて振り返ると、何故か樹下と匙がもんどりうって倒れていた。

 

「申し訳ありません! 尊き方々と同じ部屋にいるということが思った以上にいたたまれなく、足元が乱れましたぁ! ああ、匙……気絶している? その、彼を医務室に連れていきますすぅ~!」

 

 なんか樹下がもの凄くへこへこしているけど、あれ絶対演技だな。

 

 あいつ、敬語とかを使うにしてもああいう感じにはならないし。むしろ結構物申すぞ。

 

 あと匙が気絶しているのは……落としたな、樹下の奴!?

 

 怖い、怖いよぉ~……!

 

 あいつ本当にやりやがった。怖い、暗殺者の教育を受けている成績優秀な奴怖い!?

 

 と、とりあえず……ここから先の会合は平和に終わってください!?

 

 

 

 

 

 

 

《樹下誠二》

 

 

 

「では匙、逆さ吊り」

 

「せめて正座じゃねえか!?」

 

 俺が反粒子の準備を万端にしながら宣告すると、匙から反論が飛んだ。

 

「っていうかなにしやがるんだ!? 会長の夢をあんなに笑われて、黙ってろっていうのか!?」

 

 ああなるほど。やっぱり動く気だったな?

 

 危険なのはイッセーだけじゃなかったか。これに関しては俺の見積もりが甘かった。

 

「黙るのが眷属の務めだ阿保馬鹿愚鈍知恵遅れ」

 

「そこまで言うかっ!?」

 

 思わずボロッカスにこき下ろすと、流石に匙も涙目になった。

 

 だがあまりにもうかつだ。本当に愚かだ。

 

「いいか? 郷に入れば郷に従えって言葉を聞いたことないか? お前のうかつな発言は、最悪の場合どれだけの被害を生むか分かってないみたいだな、あん?」

 

 咄嗟に気づいて当身を入れて気絶させれたからよかったものの。最悪の場合が本当に最悪だぞ。

 

「まず人間界でもあんな流れでお前が割って入れば、直属の上司である生徒会長に監督責任が波及する。貴族社会である以上は社長に相当する実家にも色々問題が発生するだろうし、本家の次期当主の責任問題になれば会社全体であるシトリー家全体にも波及する余地がある。と、なれば会長の姉であるセラフォルー様にも悪影響が出るんだが、あん?」

 

「………え、マジで?」

 

 やっぱり分かってなかったか。

 

 まぁ、あくまで最悪の場合だがな。

 

 だが、本当に起こったとしても納得できることではある。

 

「イッセーには前にも言ったが、礼節というのは嫌いあうような相手にこそ使え。お前が生徒会長を敬愛しているのは知っているが、だからこそ眷属として弱みになるような愚は犯すな」

 

 まったく。あと一歩フォローが間に合わなければどうなっていたことか。

 

 まぁいい。とりあえず未然に防げたし今回はこの辺りにしておこう。

 

「シトリーの城に戻ったら、すぐにでも従者の方々に頭を下げて礼儀作法の基礎だけでも教えてもらえ。メモもきちんと取って復習しとけよ?」

 

 俺はとりあえず最後に釘を刺して起き、肩を落とした。

 

「そこにいたのか。ソーナとレヴィアタン様が探していたぞ?」

 

 と、サイラオーグ殿が声をかけてきた。

 

「お手数をおかけして申し訳ありません。会談は終わったのですか?」

 

 俺が謝罪しながら確認すると、サイラオーグ殿は頷いた。

 

「ああ。あの後少し揉めたが、無事には終わったぞ」

 

 よかった。とりあえず生徒会長に問題が波及することは本当に未然に防げた。

 

「とはいえ、ソーナもレヴィアタンの末裔殿もいい配下を持った。主の為に義憤を燃やせる者も、あえて主達の為に沈黙を意識して選べる者。良し悪しもあるだろうが、共にいい眷属だろう」

 

「そ、そうッスか? 照れるなぁ」

 

「あまり褒めないでいただけません? 匙の行動はうかつだと思いますが」

 

 サイラオーグ殿に褒められて照れる匙の後頭部をはたくかは真剣に迷った。

 

 この辺りはもうちょっと、抑えた方がいいと思うんだが。

 

「どうも龍を宿す手合いは直情的というか、後先や社会秩序に対する配慮が欠けている気がしてならないのですから。ある程度の小器用さは必要となる業界には不向きだと痛感しております」

 

「確かにそうだが、案外何とかなる時も多いからな。俺もそういったものは不得手だが、眷属や配下の力を借りながらなんとかこなしている」

 

 あ、これ結構同調するかも。

 

 まぁ、バアルの次期当主ならそれでも世渡りの経験はあるだろう。流石に匙ほど酷くはないだろうとは思うけどな。

 

 と、通路の向こうから俺達を探していたらしい麗夜さんと麗奈さんが顔を出した。

 

「あ、誠二達はそこにいたんだ。……お探ししていただいたようで、ありがとうございますサイラオーグ殿」

 

「お手数をおかけてしました。このお礼はまた後程……ほら、一旦帰るわよ」

 

 会談も終わって結構立つのかもな。とりあえず一旦戻った方がいいんだろうが……ん?

 

 別の方向から、サリアローズ殿が眷属を数人連れて姿を現した。

 

「おお、そこにいたのか。探したかいはあったようだな」

 

「サリアローズか。どうした?」

 

 サイラオーグ殿が声をかけるが、サリアローズ殿は首を横に振る。

 

「いや、探していたのは兄上でもそちらでもなく……貴様達だよ、空本麗夜に雨宮麗奈」

 

 ……?

 

 そういえば、サリアローズ達が連れていた魔王血族を見た時反応が妙だったな。

 

 あのタイミングでは聞き出すわけにもいかない。なのでおいていたが、顔見知りでもいたのか?

 

 そう思った時、俺はふと思い出した。

 

 そういえば、雲川麗華も銀髪メインだが一部の髪が赤茶色だったな。

 

 確かルシファーが、赤茶色の髪主体で一部が銀髪という容姿だった気がするんだが。

 

 それに、ルシファーの女性が複雑そうな表情を浮かべているし。

 

「久しぶりね、麗夜君に麗奈ちゃん―」

 

「「その節は本当に申し訳ありませんでした!!」」

 

 あ、流れるように土下座した。

 

「妹さんに対してあまりにも非道な対応、心の底より後悔してます! 本っ当にごめんなさい!!」

 

「まして連鎖反応で一家離散! とても許してくださいなど言えませんが、謝罪させていただきます!!」

 

 流れるような土下座で平謝りだ。

 

 しかもいつの間にか、二人の前には魔剣と聖剣が置かれている。

 

 土下座とは、本来首を切り落としやすくする為に頭を下げることが起源と言われている。

 

 この二人、殺されても文句が言えないと自分から認めちゃったよ。

 

「……二人ともストップ。万が一にでも本当に切り落とされたら別の意味でややこしくなるから」

 

 俺はとりあえず止めるが、サリアローズ殿及びリンカ・ルシファー殿も手を前に出して落ち着かせようとしていた。

 

「この場で他家の眷属を害するほど礼儀知らずではない、落ち着け。リンカも別に、裁きを下そうなどとは考えてないだろう?」

 

「はい、サリアローズ様のご推察道理です。二人とも、とりあえず立って?」

 

 サリアローズ殿に頷いてから、リンカ殿は複雑な表情を浮かべながらもそう告げる。

 

「……悲しかったし、怒ったし、恨んだりもした。でも、麗華は本当に全然気にしてないから……私が何か言うのは違うと思うから」

 

「「………はい」」

 

 もの凄い複雑そうな顔をしながら、麗夜さんも麗奈さんも立った。

 

 多分だが思ってることが大体予想できる。

 

―それは麗華が特殊なだけです―

 

 だろう。絶対、確実、間違いなく。

 

 ただ二人の立場だともの凄く言いづらい。加害者側の認識だし、相手魔王の末裔だし。

 

 なので互いに凄く複雑な表情になっているということだ。

 

「だから、その……これからは、お互い詮索は無しってことにしたいの。多分ややこしいことになるしね?」

 

「そういうわけだ。これは伝えておいた方が楽だろうと思い、こうして探させてもらった。では兄上、私達はこれで失礼する」

 

 そう言い、サリアローズ殿は踵を返す。

 

 リンカ・ルシファー殿もまた、それに流れるように従った。

 

 その視線は、何の躊躇やためらいもなく麗夜さん達から外される。

 

 そのまま去っていく二人を、麗奈さん達は見送った。

 

 微妙に力が入ってしまっている手が、その複雑な心境を物語っているだろう。

 

 




 ちなみに投稿前に一応確認したら誤字が多かった。

 これを書いた日は多分寝不足気味だったけど、そのあたりをきちんと気を付けないとなぁ。
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