※この作品はR-18です。

シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚   作:グレン×グレン

55 / 232
 はいどうもー! ちょっと今日は疲れているのかかなり眠いグレン×グレンでっす!

 いやぁ、週明け早々体調が微妙だったりで、今日も疲れてたりしており困ったものです。……最近は比較的早く寝れているほうだと思うんですけどねぇ……。

 でもまぁ、へこたれず頑張りたいと思います!!


第五話 嵐(特訓)前の安らぎです!

《樹下誠二》

 

 

 

 

「やれやれ。そっちはそっちで大変だったみたいだな」

 

 グレモリーの城に戻ってから、合流したアザゼル先生が羨ましがっていた。

 

「こっちは会談会談また会談で退屈でな。必要なのはわかっちゃいるが、そういうのは堅物のシェムハザ辺りに任せたいぜ」

 

「お疲れ様です先生。はい、それでは一献」

 

 と、秀華がアザゼル先生が持って言えるグラスにビールを注ぐ。

 

 色々あってストレスが溜まっていると思ったんだが、だからこそかもな。

 

 桃山警護事務所がメイド&執事服なのは秀華の趣味だしな。ま、秀華にも色々あるわけだが。

 

 そして気分良くビールを飲んだうえで、先生は俺達を見回した。

 

「まぁいい。……で、以前サーゼクスから若手同士でのレーティングゲームを提案するって聞いたんだが?」

 

 なるほど。そんなこともあったのか。

 

 実戦練習や貴族同士の諍いの決着に使われることの多いレーティングゲームだが、昨今では冥界の娯楽であり競い合う教義であり出世の手段でもある。そういう意味では、優秀な若手同士のレクリエーションとしても有効ではないだろうか。

 

 そう思っていたが、多くのメンバーが苦笑いを浮かべていた。

 

「その件だけど、サリアローズ達から強い反対意見を受けて取りやめになったわ。……一部の試合を熱望する者達に限り、という形になったの」

 

「そういうわけで、私は勿論辞退してます!」

 

 リアス部長と秀華がそういうけど、マジか。

 

 俺が退出している間に色々あったんだな。

 

 というか、魔王様相手に悪魔が強い反対意見を出すって相当だぞ。

 

「なんでそんなこと言ってきたんだ?」

 

 アザゼル先生も首を傾げているし、相当のことなのは間違いないな。

 

「それがですね……」

 

 と、木場が簡潔にまとめて説明してくれた。

 

 サリアローズ殿達の反対意見は、大きく分けると―

 

1:禍の団との戦いに備える以上、手の内をあまりに明かしすぎるレーティングゲームそのものを限定的にする方が合理的である。

 

1.1:敵に手の内が知られにくい立場である自分達若手を出せば、すなわち伏せ札を禍の団に知られることになる。如何に前線に出さないようにしたいとは言え、今後の情勢が読めない段階でのこれは戦略的に下策である。

 

1.2:まして私達が禍の団なら、未来の宝を目が出る前に暗殺できるのならその方が合理的でそれが取れる勢力だと確信している。そんな状況下で手の内が知られれば、有無を言わさぬ奇襲暗殺を受けるリスクが倍増する。

 

2:そも私達{サリアローズ達三人}はレーティングゲームに参戦しないことを前提として眷属を集めているので、この方式での競い合いに参加を強制されるのは悪意ある情報戦略と受け取れてしまう。

 

2.1:理由の一つ。パンとサーカスを民に提供するのが貴族の責務とは言え、民に対して貴族がわざわざ道化になる義理はない。これは既に数百人の上級悪魔の賛同を得ており、順番が前後するがのちの上申書を提出する予定。

 

2.2:理由の一つ。人口増加のめどが立った現状において多くて十数人の直属を主要戦力とすることが非合理的である。むしろより多くの配下や民を抱える領地の運営を重視した、統制に重視した攻勢こそが直属に重要ではないだろうか。

 

2.3:理由の一つ。2に繋がる観点により、自分達は眷属を武官ではなく文官の観点から採用している為、この方式では一方的な敗北が確定している。

 

3:2からの派生。2に由来し、エンターテイメントとしてのレーティングゲームそのものの抜本改革を自分の夢として掲げている為、逆行するような真似をするわけにはいかない。

 

 ……といった理由をつらつらと述べられて、機先を制されたらしい。

 

 どうやら根回しも多くしていたらしく、大王派の中心に賛同者も多く出たそうだ。魔王派からも今後の禍の団対策を視野に入れた部分から賛同意見が出ていたそうで、本当に根回しを入念にしていたそうだ。

 

 その流れでついでに、レーティングゲームの抜本改革を具体的なプランとして提示したらしい。

 

 複数の段階に分かれたリーグ制とし、上級悪魔が自ら眷属を率いるタイプのゲームを希望者以外に行わせない法令の提案。及び上級悪魔のゲームにおける立場を監督やスポンサーといった管理側に移行させる制度を提唱。

 

 続け疑似的に悪魔の駒の特性を与えるシステムを作り、下級悪魔のみや中級悪魔込みといった階級をいくつも分けたうえでその枠内でゲームを行わせることで、「なんちゃって上級悪魔気分」を与える娯楽に特化したレーティングゲームの設立。

 

 加え、それらによって「より眷属悪魔に相応しい純血悪魔の選定手段」としても運用する旨を伝えたそうだ。

 

 これはソーナ会長の夢を笑った上級悪魔の方々には好評。またサリアローズ側は「この制度を本格的に進めるのなら、下級中級に()()()()()()()()()を教える学び舎はあった方がいいだろう」と、それとなく会長を抱き込めないか仕掛けてきたらしい。

 

 まぁそれはともかく、これもあって若手同士のレーティングゲーム案は一旦廃棄。ただし互いに切れかけていたゼファードル・グラシャラボラスとシーグヴァイラ・アガレス、そこに割って入っていたサイラオーグ・バアル殿達が試合をするという形になった。

 

 秀華はこの際、サリアローズ殿達に便乗してゲーム参加は辞退。リアス部長達残る三名も様子見という形になったそうだ。

 

「……中々動いてるみたいだな、そのサリアローズってのは」

 

「ええ。バアルの若手ではおそらく最大の影響力を持っているわ」

 

 先生に頷いたリアス部長は、ため息をつきそうな表情で頷いた。

 

「元々バアル本家は元正室の子であるサイラオーグに側室の子のマグダラン、そして妾の子のサリアローズを含めた三人の子がいるの。でもマグダランはある事情があって活動が消極的。サイラオーグは長子で次期当主の座についているけど潜在的な敵は多いわ。実際のところ、大王派の貴族達がバアルの跡取りとして期待しているのはサリアローズなのよ」

 

 なんというか、もの凄い内情がありそうだな。

 

「……で、どうするんですか部長? そうなると少し暇かもしれませんが強化合宿に集中ですか?」

 

 俺が確認すると、リアス部長は即座に頷いた。

 

「当然よ。レーティングゲームは様子見で避けたけれど、私達は強くなるもの」

 

 その言葉に、秀華もにっこりと頷いた。

 

「それは同感。今後に備える為にも、私達の組織が何故存在しているのかって意味においてもね」

 

 ま、それは確かにな。

 

 桃山警護事務所は、実体として駒王町を担当する各勢力の合同部隊。和平の象徴の武力だ。

 

 弱い状態でいる理由はない。レヴィアタンの特性を問題なく使えるとはいえ、其れだけに頼るわけにもいかないからな。

 

「それはいいけれど、やはり伸びることを考えるのなら講師は欲しいですね。こういうのは、効率的な成長方法を提示してくれる人がいるかいないかでだいぶ変わりますし」

 

 アルトリーネさんがそう指摘するが、まぁ確かにな。

 

 俺がここまで強いのも、波柴一族の洗脳教育機関があってこそだ。それを踏まえても上側なのは俺の才覚もあるだろうが。それでもあの環境が俺に強さを育んでくれた事実は変わらない。

 

 独学で手探りでやるよりは、キチンとした教育課程を踏んだ方が基本的には効率がいい物だ。

 

 強くなる要素は大きく分ければ、才能と努力と環境だ。より優秀な力量を得る為には、それを得られやすい環境にいることができるかがとても重要といえる。教育機関がしっかりしてない国家が国家として脆弱であるかどうかの指標になっているほどといえるだろう。

 

 だからその懸念は正しく、そこでアザゼル先生が胸を張った。

 

「安心しとけ! とりあえず俺が当座のメニューはしっかり組んでやったからな! ちゃんとやれば必ず身になることだけは約束するぜ」

 

 ほぅ。堕天使総督の考案したメニューか。

 

 神器研究―すなわち異能を宿した人間の研究―の第一人者だ。少なくとも、神器関係においては無条件で信頼できるだろう。ほかにおいても経験値が違うだろうし、最低でも参考にはなる。

 

 これは楽しみだ。俺も大概強くなれそうだな。

 

 と、その時ノックがされた。

 

「リアスお嬢様に皆様方。―お風呂の準備が整いました」

 

 ……風呂だと?

 

 

 

 

 

 

 

 

《木場祐斗》

 

 

 

 

 

 

「……ふぅ、いい湯だ。流石は天然温泉……っ」

 

 樹下君が割と上機嫌になっている。

 

 もとより樹下君はスーパー銭湯フリークだし、やはり温泉にも一家言があるのだろう。

 

「透視が欲しい透視が欲しい透視が欲しいけど我慢しろ我慢我慢我慢我慢我慢我慢……っ!!」

 

 イッセー君はイッセー君で、女湯の方に強い意識を向けながら壮絶な忍耐力を発揮している。

 

 どうやら覗きをしたくてたまらないらしい。性欲の権化過ぎる。

 

「いいお湯だね、ギャスパー君。明日の備えてゆっくり疲れを流そうか」

 

「ぼ、僕には正直熱すぎますぅ」

 

 空本さんとギャスパー君は、のんびりお湯につかっている。こうしてみると髪の色合いも近いから親戚に見えるかもしれない。

 

 僕も体を洗ってから入るつもりだけど、やはりいい温泉はいい物だ。入浴文化に慣れると、これほど心地よい物もそうはない。

 

 グレモリー家は日本好きが多いけれど、天然温泉を持っていることも大きいかもね。入浴文化と豊富な天然温泉を併せ持つ国って意外と少ないらしいし。

 

 とはいえ、ふと僕は今後のことを考える。

 

 初代ルシファーのひ孫であり、更に白龍皇まで宿すヴァーリ・ルシファー。

 

 超越者と称されるサーゼクス様の真の姿を相手に、気合と根性で本気の一撃を弾き返した波柴・光吉・モンタギュー。

 

 そして、優秀な最上級悪魔程度だったカテレアを魔王クラスが苦戦するほどに高めた、無限の龍神オーフィス。

 

 禍の団の実力者に、僕達は戦慄すら覚えている。

 

 そして、そのうちの二人と僕達オカルト研究部は因縁がある。その時点で、僕達は立ち向かえるだけの強さが必要だろう。

 

 特に主たるリアス部長や親友たるイッセー君を守れるよう、並び立てる力は欲しい。聖魔剣という、歪んだ形とは言え複数本を合一化させたエクスカリバーとも渡り合える力があるのなら尚更だ。理由も手段もあるのなら、到達を目指すのは当たり前だろう。

 

 剣については師匠がいる。だが、神器についてはやはり手探りの要素が大きいだろう。

 

 必然として、神器研究の第一人者であるアザゼル総督の存在はとても助かる。

 

 僕もいろいろと考えないとね。……少し楽しみになってきたかも。

 

「どうしたイッセー! 覗きがしたいのは健全だが、そんな三流より堂々と混浴を―」

 

「塔城とリーナとアルトリーネさんがいるからアウトです先生。グレイフィアさんに言いつけますよ?」

 

 ……樹下君に説教されている先生を見ていると、ちょっと不安になってきたかもしれないね。

 

 

 

 

 

 

 

《空本麗夜》

 

 

 

 翌朝。俺達はトレーニング用のジャージや胴着、スウェットなどを着て集合していた。

 

「よっしお前ら! 一人ずつトレーニングメニューを伝えてやる!」

 

 アザゼル総督はそういったうえで、改めて俺達を見渡した。

 

「先に言っとくが、これは本格的な禍の団との戦いに突入する時期やお前ら自身の将来性を見越している。すぐに目に見えた結果が出るとは限らねえが、成長を重ねれば必ず効果が出る」

 

 なるほど。その辺りも視野に入れているのか。

 

 まぁ実際問題、俺達全員若いからね。誠二達は学生だし、そもそも悪魔になっているから寿命の1%すら消費してないし。

 

 先を見据えるのは大事だね。あまり視点が手前だと、多分人生を持て余すだろうし。

 

 さて、其れなら気合を入れますか。

 

「さて、まずはリアスだ。……ま、お前さんはほっといても最上級悪魔クラスに確実に到達するだろうがな」

 

 才覚においては太鼓判を押されたリアス嬢だけど、彼女は首を横に振る。

 

 それでは足りない。そう態度で明確に示していた。

 

「いずれでは足りないわ。……目標としては、プロデビュー前には最上級悪魔クラスは確実に到達したいわね」

 

「いいだろう。ならこのメニューを行使しながら、とにかく書かれている資料の類を徹底的に叩き込め」

 

 そういって、アザゼル総督は髪の束をリアス嬢に渡す。

 

 リアス嬢は読みながら首を傾げるけど、総督はそれを分かったうえで口を開いた。

 

「お前さんには特別なトレーニングは必要ない。だが上級悪魔として王として動くのなら、必要なのはゲームを知り配下を動かすことを知ることだ。ゲームでお前が負ければ確実に負けるし、実戦でもお前が先に死ねばグレモリー眷属としてはその時点で敗北だ。……自分が動くこと以上に、人を動かすことに長けておけ」

 

 なるほど、確かにね。

 

 王が討たれれば配下の負けと言っていい。その観点からすれば、むやみやたらに動かず腰を据えて動かす立場になるのも重要ということか。正論だよ。

 

 そんな指導をしたうえで、アザゼル総督は所長の方を向いた。

 

「で、次はお前さんだ秀華。……お前さんは逆に、もう少し自発的な戦闘に長けておけ」

 

「理由聞いてもいいですか?」

 

 所長の質問に、アザゼル総督は頷いた。

 

「お前さんはバッファーとしてのポテンシャルが有用で、かつ人を動かすことにも慣れている。……だが、リアスと逆に「積極的に自分を投入する」ってところが引け腰になっているように感じるな」

 

 その言葉に、所長は僅かに肩を揺らす。

 

 視界に映る誠二も、どうやら思うところがあるらしい雰囲気だ。

 

 それを気づいているのかいないのか、アザゼル総督は更に続ける。

 

「お前さんの戦闘している映像を確認したが、逆に自分が出張った方がいい時でも避けられるのなら避けている印象を覚えている。レヴィアタンの特性などを使うことのリスクを分かっているからだと思うが、流石に今後はもう少し動いた方がいいだろう。……問題はあるか?」

 

「いえ、大丈夫です。……確かにちょっとさぼり気味だったかもだし、気を付けます!」

 

 ビシリと敬礼しながらの所長だけど、どこか様子が違うような気がしないでもない。

 

 それとなく気にした方がいいかもね。

 

「んじゃ、他の連中もビシバシ行くぞ! 覚悟しとけ!!」

 

 これは中々に頼りになりそうだね。

 

 気合を入れるとするかな!

 




 特訓を超え、そして彼らはどうなるのか!

 ぜひお楽しみに!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。