※この作品はR-18です。

シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚   作:グレン×グレン

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 どうもどうも。塩鯖万歳です。

 さて、少しずつ見てくれる人が増えてくれると嬉しい今日この頃。皆様いかがお過ごしでしょうか?

 ちょっと眠いけどがんばるぞー!


第二話 時には深く考えないこともいい時がある

《樹下誠二》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次の日の放課後、俺はどうしたものかと思っていた。

 

「……そんな、本当に皆覚えてないのか?」

 

「だから、彼女ができたなんて初耳だぞ?」

 

「そうだそうだ! 夢でも見てたんじゃないか?」

 

 イッセーが、エロ仲間である松田や元浜に確認をして、覚えがないことを確認している。

 

 ま、堕天使側も余計な情報を市井に広げるつもりはないからな。たいていの異形や異能は表にそれらが知られないようにするための記憶操作や記録抹消ができる。堕天使側がすでに動いていることはまず間違いないだろうさ。

 

 そこまで雑な仕事はしてないようだ。ま、そこだけは褒めておくか。

 

「……ま、その辺にしてやってくれ」

 

 俺はそろそろいいだろうと思い、フォローに入る。

 

 さて、今後を考えるともうちょっと一手を入れておかないとな。すでに許可はもらってるし。

 

「実はイッセー。昨日美人局を喰らってショックがひどくてな。そのせいで記憶が混乱しているんだろう」

 

「って樹下!? お前ぇ!?」

 

 イッセーが裏切られたみたいな顔になっているけど、この後が重要だから我慢してくれ。

 

「……そうか。かわいそうに……なんて……悲劇……っ」

 

「畜生が! 期待させといてひどい目に合わせるなんて!!」

 

 元浜も松田も相当に悲しんでくれている。

 

 ただ、今までの経験からすると本題に入るとこれが一気に手のひらを反すんだろうなぁ。

 

「で、俺が世話になっている事務所の人が助けてくれたんだがな? あまりに可哀そうだからちょっと前戯だけして、イッセーが歓喜のあまりショックで死にかけたんだ。ほら、前に言ったエロいこと大好きな人達のことだ」

 

「「そのまま死ねばよかったのに!!」」

 

 ほらこうなる。

 

 基本的に気のいい連中なんだが、性欲が絡むと一気にあれなんだよ。覗き止まりとはいえ性犯罪の前科持ちだし。

 

 ま、三人まとめてのはずが一人抜け駆けならこうもなるだろう。性欲って意外と舐めたらいけないしな。

 

 まぁそれはそれとしてだ。ここからがフォローだ。

 

「そういうわけで、さすがにちょっとお前らがかわいそうだからマンツーマンで前戯だけしてもいいだろうという流れになった。あとで顔写真送るから、どっちにするかだけ決めておいてくれ」

 

「「すまん友よ! 共にイこうぞ」」

 

 わぁ。すっごい手のひら返しマーク2

 

「ふっ。わかってくれればいいんだ、親友たち」

 

 お前もそれでいいのかイッセー。

 

 ま……それはともかくだ。

 

 このまま話が終わってくれることを願いたいな。糞堕天使は本部で処罰を受けてもらいたい。

 

 だからこそ、思い込んで変なことにならないように警戒だけはしないとな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《Other》

 

 桃山探偵事務所

 

 神器を保有する星辰奏者数名で構成される、ボディーガード及びトラブルバスターを業務とする私立事務所。

 

 依頼料は相場ギリギリの安さであり、またローン払いなどのフォローも完備している優良企業。しかし「悩めるあなたにご奉仕するぴょん♪」をスローガンに、メイド服と執事服を制服とし、それもコンセプトカフェの類に寄せているため人が寄り付きづらいところがある。このため最終手段扱いされることから、依頼の数は少ない

 

 しかし日本政府に深く関与する者から依頼を受け、明らかに追加のチップがかなり弾まれていることから、ほぼ確実に日本政府と正式につながっている組織と考えられる。虚蝉機関が興した高校生大量拉致事件ののちに、日本政府が五大宗家に頼らない対異能・異形組織として国防省直轄秘密機関である「祓魔庁」を設立した時期に続くように、同業他社が多数乱立したことを考えると、民間企業を装った政府機関と考えるのが妥当。

 

 事実、駒王町での本命の業務は「日本政府の依頼」による「上級悪魔リアス・グレモリーの眷属である、女王(クイーン)姫島朱乃(ひめじま あけの)の監視」であり、異形側では探ろうとすれば見つけるのが困難ではない程度の秘匿レベルであることからほぼ確実。公然の秘密として日本政府による各異形・異能勢力に対する牽制と思われる。

 

 逆にリアス・グレモリー眷属との関係性はさほど悪くない。管轄地である駒王町の外で歓談している姿も見られており、冥界現魔王政府にも繋ぎを取っている可能性は大きい。

 

 追記事項:姫島朱乃は五代宗家姫島の出だけでなく、堕天使との間に生まれた子供との疑いあり。堕天使総督アザゼルを含めた最高幹部も動いていた時期があることから、最高幹部の血縁者と疑われる。事実、日本政府が同時期に神の子を見張る者と交渉しているため、そちらのラインもある可能性を考慮すべき。

 

 

 

 

 

 

 

 所長:波柴秀華(はしば しゅうか)

 

 

【挿絵表示】

 

 

 駒王学園高等部三年生と兼任している、桃山警護事務所の所長。

 もともと波柴家は「豊臣秀吉の隠し子」に端を発する一族と伝わっており、かつて日本を統治下に収めた関白の末裔という、真偽を明らかにするのが困難な自負から、国家転覆を可能にする力を求めて国内外を問わない犯罪社会に根を伸ばしていた。神代晃星の発生後は優秀な星辰奏者及び星辰奏者技術を秘密裏に入手しており、それをもとに一気に勢力を拡大化させていた模様。しかし四年前に日本政府に密告がなされており、そこから五大宗家すら投入した一斉対応が行われ壊滅している。

 この家系出身であることがほぼ確実であることから、「波柴家の内情を密告した者」は彼女である可能性が絶大。また外見が銀髪と虹彩異色であることから異形の先祖返りである可能性も高く、これらの観点から日本国政府が手放しにする可能性が低いことも、上述の疑念に拍車をかけている。

 

 

 所員:樹下誠二(きのした せいじ)

 

 

【挿絵表示】

 

 

 駒王学園高等部二年生を兼任している、桃山警備事務所の所長。

 父親が波柴一族の遠縁だが、離婚後は心療内科医の母親に引き取られる。しかし母親は十年近く前に死亡し、その後波柴一族が引き取った模様。

 波柴一族の悪行の中には「孤児を利用した暗殺者や娼婦・男娼の育成」も挙げられており、その方向性である疑いが濃厚。優秀なものは素質を見出された一族に付き人として配属されることもあり、波柴秀華が密告者だとする場合、その関係者である疑いは濃厚。

 

 

 所員:吹本海砂(ふきもと みさ)

 

 

【挿絵表示】

 

 

 事務所に常駐する社員の一人。

 四年前まで芸能事務所で中堅のアイドルグループに属していたが、波柴一族の者が設立者となる形で蔓延っていた大規模枕営業及び売春ネットワークで売られていた模様。なお、波柴一族の一斉摘発の際にネットワークも検挙され、大半の者は逮捕。彼女自身も売春行為などで逮捕されるも、事実上の洗脳状態だったとして不起訴処分となった模様。

 

 所員:旗本流花(はたもと るか)

 

 

【挿絵表示】

 

 

 事務所に常駐する社員の一人。

 士族に端を発する武術一族の分家出身。なぜか道場主と縁のあるものが校長を務める全寮制の男子高校に男装して通っていたが、波柴一族がスカウトとして何人かを潜伏していた流れで摘発と捜査が入っており、その際大量の逮捕・補導者が出るとともに廃校。さらに道場からは破門され一族からも縁切り状態となっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この簡単な資料を見ているものが、まったく別のところに二人いた。

 

 そして最後、一人の男性について書かれている部分について視線が向けられる。

 

 

 

 

 

 

 

 所員:空本麗夜(そらもと れいや)

 

 

【挿絵表示】

 

 

 事務所に常駐する社員の一人。

 両親はともに非常に優秀な会社員だったが、家庭を顧みないタイプだったことから家族関係は希薄。高校一年生の時に数か月失踪し、その後誘拐事件の被害者を連れて警察署に現れたという情報はあるが、そのあたりの過程は不明。

 なお―

 

 

 

 

 

 

 

 それを見て、その二人は全く別の場所にいながら、思わず空を見上げる。

 

「「……っ」」

 

 二人がともに、苦しげな表情を浮かべていることを、空本麗夜はまだ知らない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《樹下誠二》

 

 

 放課後、俺はすぐに教室を出ると校舎裏に移動する。

 

 そこにはすでに秀華がいて、スマートフォンの準備も万端。

 

「待ってたよー。そろそろつながるから、背筋を伸ばして紳士的にいきましょ~!」

 

「ああ。時間が取れなくてややこしいが、それはそれとして仕事の一環だしな」

 

 俺は秀華と示し合わせ、スマートフォンを起動する。

 

『……桃山警護事務所の諸君か。手間をかけたようですまないな』

 

 映し出されるは、糸目かつ筋肉質の男性。

 

 彼は最上級堕天使バラキエル。神の子を見張る者の最高幹部の一人であり、俺たちが仕事の都合上繋ぎを持っている堕天使で最もえらい人物だ。

 

 こうして直通の連絡を取っているのは、イッセーの一件における情報交換のため。本来は定時連絡止まりだが、さすがに特別と判断されたことに由来する。

 

「お待たせしましたバラキエル殿。いやまぁ、なんというか予想外にもほどがありまして」

 

『報告は聞いている。口淫だけで禁手に到達するとは、スケベすぎるにもほどがあるな』

 

 呆れ気味のバラキエル殿だけど、挨拶している秀華も苦笑気味だしな。

 

 いくら初めてを美人トリオにしてもらったとはいえ、Wパイズリとフェラのコンボでイくのと同時に禁手に至るかって感じだ。

 

 禁手(バランス・ブレイカー)。神器が保有している究極奥義。

 

 基本的には神器の能力を拡張する形で進化する形態。習熟すれば数日程度は常時至り続けることもでき、奥の手というよりは上位形態というのが近い。たいていは基本性能も大幅に高まるため、到達しているか否かで同じ神器では明確な格の差が生まれるレベルだ。

 

 最も到達そのものが極めて困難て、神器保有者が増大しているとされている現在でも1%もいないだろう。ジャンプ漫画でいう卍〇といったレベルであり、間違いなく格上の存在といえるわけだ。なんで世界の均衡を崩すほどの強い意志が必要だとされている。

 

 それを、神器を暴走させるだろうというレベルで才能がないのに、目覚めてもない時期に、エロい経験で到達した。

 

 あいつ、そこまでエロかったのかと呆れ半分感心半分の微妙な気分になった。エロいエロいとは思っていたけど、そこまでエロいのはどうなんだろうかと思う。

 

『あまり朱乃には近づいてほしくないのだが、リアス・グレモリーの眷属悪魔になってしまったのだろう?』

 

「本当にすいません。まさかあれで至って暴発して死ぬなんて思わなかったもので」

 

 さすがの秀華も素直に謝るレベルだが、想定不可能なのは間違いない。

 

 ちなみに眷属悪魔だが、これは三大勢力の悪魔が作り出した制度だ。

 

 三大勢力での争いでどの勢力も減った中、種の存続が危ぶまれた悪魔は後天的に悪魔を作る技術を確立した。

 

 それを悪魔の駒(イーヴィル・ピース)といい、チェスの駒を模してそれぞれの駒に特性がある。またその性質からレーティングゲームという、主が眷属を率いてぶつかり合う競技試合も存在するなど、悪魔にとっての重要文化と化している。

 

 また駒一つで転生させれる性能には限りがあるらしく、その場合は同じ種類の駒に限り複数使うことで補うことも可能だ。

 

「ま、駒価値八個分っていうのはすさまじい才能ですね。あいつエロさえ除けば優良物件ですから、そのあたりをしっかり首輪かけておけば大丈夫でしょう」

 

『ならいいのだがな。しかし駒価値八個分ということは兵士(ポーン)の駒をすべて使ったのか。準神滅具や最上級悪魔でもそうはいかないだろうに』

 

 俺がフォローすると、気を取り直したのかバラキエル殿は駒価値のほうに視野が向いている。

 

 まぁ確かに。上級悪魔でも兵士三駒分で転生できることを考えるとずば抜けた必要係数だ。

 

 ……もしガチで暴走していたらと思うと寒気がする。下手をすればこの街が丸ごとクレーターになって消し飛ぶだろう。

 

「ま、彼はいい子ですから大丈夫です。最悪俺が責任をもって躾けるので」

 

『……君はどういう立ち位置なのかね?』

 

「彼含めた三人の飼い主と尊敬されてますねー」

 

 なんかグダグダになった気がするけど、まぁそういうことだ。

 

 イッセーが悪人でなく、頑張って更生していることは事実。スケベすぎるのは難点だが、人様に必要悪でもない悪行を働かないのであれば、フォローするのもやぶさかではない。

 

 ま、こっちはこっちで厄介ではあるんだけどな。

 

「……というわけで、そっちのほうでレイナーレとかいうのは厳重注意しておいてください。流石にああいったのが多いと、政府も難色を示しますし」

 

『ああ、わかった。こちらとしてももっと締め付けを厳しくしたいところだが、其れで戦力が減ってはほかの勢力に滅ぼされかねないのが面倒な話だ』

 

「どこもたいへんで難儀ですよねぇ。今度直接お会いするときは、おいしいごはんでもてなします♪」

 

 そして通信も終わり、そして一息ついて……。

 

「「もう面倒な」」

 

 思わずそろってぼやいたよ。

 

「これだからどの勢力も敵視しあっている今の異形社会は面倒だなー。人間社会が完全上位互換とは言わないけど、合いそうなところと友好的に接するぐらいはしたほうがいいと思うのに、意固地な人たちばっかり」

 

 秀華がそうぼやくのも無理はない。

 

「なまじ長生きできるから、思考や方針のアップデートが難しいんだろうさ。何か大きな機会でもあれば、冥界で和平ぐらいは結べそうなんだがな」

 

 現在、キリスト教圏における地獄である冥界は悪魔と堕天使が縄張りを二分割している。そして展開に住まう天使たちや教会の戦士たちとの三つ巴を言うわけだ。

 

 双方に繋ぎがある俺たちからだと、冥界だけなら和平を結ぶ余地はあるのではないだろうかとも思う。とはいえうかつにすればほかの勢力が動きかねないからな。まったく異なる組織として提言はできない。それは無責任だからな。

 

 そんなことを思いながら、俺たちはイッセーの様子を確認するために旧校舎に向かう。

 

 現悪魔政府の重鎮ともいえる大貴族、侯爵家グレモリー本家。ソロモン七十二柱に由来する名門貴族の中の名門貴族。

 

 其の跡取りであるリアス・グレモリーが。駒王学園高等部三年生かつオカルト研究部部長としてこの街の担当でもある。

 

 かなり昔からこの駒王町は悪魔と縁があるらしき、駒王学園も悪魔と縁が深い。そのためオカルト研究部は旧校舎を丸ごと使用しているといってもよく、俺たちも仕事の都合上付き合いは豊富だ。お茶をするぐらいの関係ではある。

 

「……さて、イッセーはイッセーで落ち着いているだろうか」

 

「たしかにねー。こっちのミスで一度死んじゃってすぐにだったし」

 

 俺も秀華もさすがにへこむが、イッセーのあの流れはまずい。

 

 二つある対処策の内、一つはリアス先輩に紹介して眷属悪魔にする方向だ。

 

 神器の才能がなくても悪魔化で補うというケースは少なからずある。そして適性が足りないレベルで強力な神器なら、転生悪魔にする価値は増大化する。

 

 もう一つの手段が面倒ごとが多いため読んで確認を取ろうとしたのだが、まさかの暴発で死亡によって時間のかかるもう一つのほうはできなかった。

 

 殺されかけたと思ったら別件で死んで、人間ではなくなった。結構な手合いが心の傷を負いかねない事態だろう。それを思うと、胸が痛くなる。

 

 そう思いながら、旧校舎のオカ研部室にノックをして入ると―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハーレム王に、俺はなる!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―なんかものすっごい元気いっぱいなイッセーがいた。

 

 思わず面食らっていると、俺に気づいたイッセーが飛びつくように近づいて手をつかんでぶんぶんと降ってくる。

 

「ありがとうな、樹下! お前のおかげで、俺は本気でハーレムを作れそうだぜ!」

 

 ……悪魔の駒による転生にはメリットがいくつかある。

 

 そのうちの一つは昇格制度。悪魔の駒を使って眷属悪魔になった悪魔は、その後の成果次第で昇格する。それは中級だけにとどまらず、貴族階級である上級はおろか、一握りしかいない最上級もある。

 

 上級以上になれば悪魔の駒をもらえ、自分の眷属悪魔も作れる。付け加えると貴族階級の悪魔は一夫多妻も一妻多夫も可能。眷属を事実上のハーレムにしている手合いもいると聞く。

 

 そこまで理解し、俺はなんというか―

 

「お前が馬鹿でよかったよ」

 

「ひっでぇ!? なんでだよ!?」

 

 ―なんていうか、肩の荷が取れて軽口を叩いちまったよ。

 

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