※この作品はR-18です。

シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚   作:グレン×グレン

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 はいどうもー! 今年ももう終わりですなぁのグレン×グレンです!

 とりあえず、シルヴァリオ ディアボロスはこの話が今年最後の投稿になります!

 明日に活動報告で言っていた短編が投稿され、年明けには元L×L第二部を投稿しようと思っておりますので、年末年始はグレン×グレンをお楽しみくださいませ!!


第十話 悩みというのは案外誰にでもあるし出てくる物である

《樹下誠二》

 

 

 

 俺たちは日々自主的に特訓を積んでおり、アザゼル先生の組み立てたメニューをこなしていた。

 

 だが同時に、他にもやることがないわけではない。

 

 例えばイッセーだが、今日はグレモリーの城に戻って礼儀作法を学ぶらしい。まぁ、リアス部長の将来の婿にする方針を固めているようだから当然か。むしろできておかないと後々が大変だしな。

 

 俺たちも後でやったほうがいいが、今回はちょっと別件だ。

 

 俺は今、冥界の星辰奏者研究施設に来ている。天才技術者であるアジュカ・ベルゼブブ様の生家である、アスモデウス領の大都市にある。

 

 簡単に言うと検査だ。具体的には、俺が持っている反粒子という二つ目の星辰光について調べたいらしい。

 

 むろん秀華も結晶化した星辰体という二つ目の星辰光を持っている。その性質込みで注目されているのは事実だろう。

 

 だが、先祖返りとはいえ先天的なレヴィアタンである秀華相手に心理的抵抗が働いたのだろう。後天的なまがい物である俺のほうが、検査を頼むのにストレスがかからないというのは理にかなっている。

 

 どうせ日本政府の研究機関がデータは取っている。が、悪魔流の検査や悪魔の技術者だからこその発見もあるだろうということで俺は快く引き受けた。秀華も別にかまわないのだが、相手方が遠慮してしまった形だ。

 

 まぁそういうわけで、俺は検査を一通り終えて帰る前の一休憩の真っ最中だ。

 

「……あの方が、レヴィアタン様の懐刀」

 

「相当鍛えておられるな。流石はレヴィアタン様の……」

 

「神滅具を星で再現……? ……レヴィアタン様の眷属なだけはあるな」

 

 真っ最中だがもう帰ったほうがよかったかもしれない。

 

 秀華の気持ちは知識として理解はできていたが、実際に感じるとやはり違うな。

 

 完璧に悪目立ちをしている。なんというか、遠巻きに見られている。

 

 じろじろと見ないように気を使ってくれている人もいるが、結局視線がちらちらと向けられて軽く困る。多分口で言ってもかなり恐縮されるだろうし、下手に動くだけでさらに恐縮されそうだ。

 

 実際問題、秀華によって後天的にレヴィアタンとなった存在とか、悪魔社会的に目立って当然ではある。そんな奴が来ているんだから、そりゃ気になって当然だしな。視線を向けてしまうのは当然の反応だろう。

 

 明らかにぶしつけな真似や失礼な行為でもするのならこちらも対応を変えられるんだが。そこまでするような手合いがいないため、こうして居心地の悪い感覚を味わい続ける羽目になっている。

 

 ……どうしよう。最悪の場合はLineで迎えをよこしてもらってそれをきっかけにというのもあるが、それは本当に最悪の手段だ。

 

 いや、本当にどうしたものか―

 

「よろしいでしょうか?」

 

 ―と、俺に声がかけられた。

 

 視線を向けると、そこには鮮やかな金髪のした、俺たちより少し年上ぐらいの女性が立っていた。

 

 というより、どこかで見たような見なかったような……。

 

「失礼。どこかであったような気がしますが、よく思い出せません」

 

「当然でしょう。私があった時は、主の命もあってフードをかぶっておりましたので」

 

 フード……となると、あの会合か。

 

 ……多いんだが。普通に多いんだが!?

 

「……ど、どのフードの眷属でしょうか?」

 

「……あ、そういえばフードをかぶっている眷属はほかにもいた以上、これではわかりませんね」

 

 相手も気づいてくれたおかげで、どうやら話を進めることができそうだ。

 

 と、その女性は俺のほうをそっと手で外のほうを示す。

 

「よければ、それも含めて人の少ないところで話しましょう? この街にはちょうど、個室を借りられる茶店があります。我が主も時折お茶をするのですよ」

 

 なるほど。そういうことか。

 

 アスタロト領に詳しい眷属。それも、主が何度も言っている茶店。

 

 となると、だ。

 

「アスタロト様の眷属のようですね」

 

「はい。コガネ・レイクメイデンといいます」

 

 やはりか。

 

 アスタロト領にアスタロトの眷属がいるのは当然と言えば当然。納得だ。

 

 そして流れるように場所を変えられる理由も作ってくれたし、注目が集まらないような場所を紹介してくれた。

 

 ……値段次第だが、お茶代は俺が持ったほうがいいだろうな、うん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《空本麗夜》

 

 

 

 

 一通り特訓を終えた後、俺は麗奈や美子ちゃん、リーナちゃんと合流してちょっとお茶をするおことになった。

 

 さらに朱乃ちゃんもいっしょだ。

 

 この五人、ちょっと属性がかぶっていることもあるからね。

 

「それでリーナ。あんまり先祖のこと好きじゃなかったけどいいの?」

 

「はいお姉様! 実際問題、今後が大変ならまぁ気にしない程度の話なので! 頑張ります!」

 

 ビシリと敬礼しながら、リーナちゃんは麗奈に胸を張って宣言する。

 

 最近はちょくちょくお茶会とかコミュニケーションをとるようにしてだいぶ打ち解けられるようになったけど、元気いっぱいのリーナちゃんは見ててほっこりするね。

 

「ふふぅ~ん。ダーリン、私も頑張ってるよ~♪ 実家で鍛え直してきました~♪」

 

「分かってるよ。美子ちゃんも本当に頑張ってるよね」

 

 俺がそっと美子ちゃんの頭をなでると、美子ちゃんは甘えて頬を摺り寄せてくる。

 

 ふふ、かわいいね。こんな子が俺を認めて、愛してくれているんだから幸運だよ。

 

 そこに恥じないよう頑張らないとだめだって、気合もしっかり入るからね。

 

「麗奈お姉様もどうですか? だいぶ頑張ってるみたいですけど」

 

「ま、なかなか為になる時間ではあるわね。……あとお姉様って何?」

 

 と、美子ちゃんは特に麗奈に対してコミュニケーションをとってきているね。

 

 なんだろう。これちょっと間違えるとものすごくギスギスしそうな展開になるんだけど。

 

 正直ちょっと怖いんだけど。何かありそうで怖いんだけど。

 

 ま、まぁ結構俺の自業自得だし、そこは覚悟するかな。

 

 と思っていると、リーナちゃんが朱乃ちゃんのほうを向いた。

 

「そういえば、朱乃さんはどうですか? そろそろちょっとは練習してます?」

 

 ……その瞬間、朱乃ちゃんは明確に不満を顔に表した。

 

「……不本意ですが、強くならねばならないのは事実ですから。……ええ、あんな汚らわしい力に頼るのは、本当に不本意ですがね」

 

 ものすごく不本意のようだ。

 

 一瞬空気が重くなるけど、こういう時に自覚的に空気を読まない子が此処に入る。

 

「質問ですけど、そんなに堕天使の血って嫌いなんですか? 多分ですけど、アザゼル先生が言ったのって堕天使の力ですよね?」

 

 ……ぶっこむなぁ、美子ちゃん。

 

 思わず困るけど、朱乃ちゃんはむしろ愚痴を言える機会が来たと思ったのかもしれない。

 

「そうですわね。いい機会ですし、少し昔語りをさせていただきましょう」

 

 そう前置きして話すのは、朱乃ちゃんが生まれてから悪魔になるまでの一部始終だ。

 

 神の子を見張る者の最高幹部が一人であり、堕天使バラキエル。そんな彼が日本で深手を負った際、五大宗家の一角である姫島の女性である、姫島朱璃に助けられた。

 

 その後、二人は愛し合うことになる。その熱愛は燃え上がり、子供として朱乃ちゃんが誕生。堕天使側は基本的にそれを祝福し、多少なりとも支援をしていた。

 

 ……が、祝福したのは堕天使側だけだったといえる。

 

 当時バチバチに鎖国的かつ排他的だった五大宗家は、堕天使であるバラキエル殿に対して強い敵意を示していた。そしてその子供である朱乃ちゃんに対しても好ましいという感情を見せていなかった。

 

 これには朱乃ちゃんの体質も関わっている。五大宗家である姫島は神道主体の一族であり、火をつかさどる霊獣である朱雀を祀っている。元々五大宗家は一族の力を最重要視しており、神道や朱雀に由来する火の異能を持たない一族の者を、実力にかかわらず欠陥品のように扱っていた。これは当時の五大宗家全体の在り方であり、のちに排斥されたものたちが豪華客船を丸ごと沈没させるような真似をしたこともあり、祓魔庁結成につながっていくがそこは置いておこう。

 

 そんな姫島の血を引く朱乃ちゃんは、しかし火の異能を持っていなかった。外見は姫島朱璃殿の血を色濃く継ぎながら、能力においてはバラキエル殿を継いで雷の異能に長けていた。これが五大宗家の老人たちにとって彼女を排除対象にする根拠にもなったらしい。

 

 そして業を煮やした五大宗家は、バラキエル殿と朱乃ちゃんの排除のために刺客を差し向ける。幸か不幸かバラキエル殿が撃退するが、問題はそのあとだ。

 

 撃退された凶手は腹立ちを紛らわせるためか、寄りにもよって別勢力の反堕天使集団に情報を流したらしい。

 

 そのさい、凶手共は堂々と朱乃ちゃんが堕天使のハーフでありバラキエル殿が父親だからこうなるのだとうそぶいていたそうだ。

 

 その際、バラキエル殿が別件で外出している間にそいつらが襲撃。慌てて戻ってきたバラキエル殿が凶手を殲滅するが、すでに朱璃さんは致命傷を負ってこと切れていたという。

 

 その後、朱乃ちゃんは堕天使そのものを拒絶して出奔。たまたま悪魔の領内に入ってしまった際、堕天使の邪魔が入らない好機とみなした姫島の資格が襲い掛かる。

 

 だが、その悪魔がリアス嬢の関係者であり、たまたま来ていたリアス嬢が朱乃ちゃんの保護を試みていたことで状況が一変。

 

 最終的に「朱乃ちゃんは五大宗家の姫島とたまたま姓がかぶっただけの転生悪魔」とする形で話がまとまったらしい。

 

 そんな壮絶な過去を語った朱乃ちゃんは、気分を紛らわせるためか紅茶を勢いよく飲んで、ため息をついた。

 

「母が殺されたのは、バラキエルが堕天使だったせいです。私が命を狙われたのも半分が堕天使だから。……だから、堕天使であることを否定したくて転生悪魔にまでなりました」

 

 絞り出すように朱乃ちゃんは告げ、その上で悔しそうな表情になる。

 

「正直、必要なのは認めますが不本意以外の何物でもありません。私の星辰光は近接特化型なので、実際問題ウィザードタイプの私では相性が悪い点があってしまうので、代用として使いたくても限度がありますから」

 

 そう不満をはっきりといい、朱乃ちゃんは天井を見上げてため息をつく。

 

「正直な話、他の手段があるなら真っ先にそちらを望みます。……ままならないものです」

 

 ……う、う~ん。

 

 ちらりと周りを確認すると、美子ちゃんもリーナちゃんもちょっと困っている。

 

 これはほぼ確実に、俺と同じことを思っている。その上で、さすがにちょっと言いづらい感じだ。

 

 指摘したほうがいいとは思うけど、それを指摘するとややこしいことになりそうだしなぁ―

 

「一つ、断言できることがあるわね」

 

 ―と、麗奈の声が響いた。

 

「素直すぎよ貴方」

 

「「「言っちゃった!?」」」

 

 麗奈、それいいの!?

 

「す、素直ですか?」

 

「言っとくけど、この場合は褒めてないわよ。……世の中には取り合う必要がない詭弁や妄言ってのがあって、そういうのは「知るかバカ」と言えば終わりだってことを学んだほうがいいわ」

 

 いっちゃった。思いっきり言っちゃった。

 

 思わず固まっていると、麗奈は俺のほうをちらりと見た。

 

「私自身がそんなことを言ったからこそわかるわ。悪いことをしている自分をごまかす虚言壁に、もしくは本当にそんな身勝手なことが正しいと本気で思っている馬鹿。そういうやつに限って、大して悪いことをしてない奴を諸悪の根源のようにこき下ろすのよ」

 

 麗奈はそういいながら、揺れる紅茶の水面に視線を落とす。

 

「それに、自分の行動や発言に責任を持つにしろ、まともじゃない状態の発言は撤回することも立派な判断で責任の取り方よ」

 

 そうため息交じりで行ってから、麗奈は立ち上がる。

 

「ま、とりあえず一度冷静になりなさい。その上で、今の自分の持っている価値観や知識で過去の感想をアップデートしなさい」

 

 どうやら、自発的に言いにくいことを言うという判断なんだろうね。

 

 別に自分から汚れ役を背負わなくてもいいだろうに。あと、俺たちをフォロー担当にするつもりが満々だよこれ。

 

「ちなみに個人的な感想だけど、五大宗家の老害連中や下手人どもに嫌悪感を抱く話だったわ。……参考にしておいて」

 

 そういうと、麗奈はすたすたと歩きだした。

 

 思いっきり困惑している朱乃ちゃんがいるし、まずはそっちのフォローをするべきだろう。

 

 ただ、麗奈をあのままにするのもあれな気がするんだよなぁ。

 

「あ、麗夜先輩。お姉様のことお願いします」

 

 と、リーナちゃんがそういった。

 

 え、俺でいいの?

 

 そう思ったけど、美子ちゃんも俺の背中を叩いてくる。

 

「ほら、早く言ってダーリン。麗奈お姉様のフォローがダーリンが今一番することだからね?」

 

「え、あ……わかった」

 

 ちょ、ちょっと戸惑うけど、まぁフォロー役はいたほうがいいよね、うん。

 

 俺は朱乃ちゃんに軽く頭を下げると、駆けだすことにする。

 

 まったく。難儀な性分だよ麗奈も。

 

 少しぐらいは支えさせてほしいもんだね、本当に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《兵藤一誠》

 

 

 礼儀作法を学ぶ帰りに、小猫ちゃんのお見舞いをしに行った。

 

 アザゼル先生の話だと、小猫ちゃんは無理なハードワークをした結果倒れたらしい。

 

 そして小猫ちゃんについて、リアス部長のお母さんから話を聞いたけど、大変な半生を送っていたみたいだ。

 

 猫魈という希少な猫股で、姉がその才覚を見出されて転生悪魔になってどんどん出世。でも猫魈が使える仙術の影響で性格が歪んだとかで、主を殺してはぐれ悪魔に。そしてサーゼクス様達がかばわなかったら、妹である小猫ちゃんまで殺されるかもしれなかったか。

 

 俺もお見舞いに行ったけど、小猫ちゃんはいっぱいいっぱいのようだった。こういう時、役に立てないってのはつらいぜ。

 

 わっかりやすい敵がいるってんならまだましなんだけどな。その時はぶっ飛ばせばいいって感じで手っ取り早いし。

 

 ……俺は赤龍帝だけど、才能がないってしっかり言われてるからかな。強くなれる方法があるならすぐに手を伸ばしそうだから、こういう時に小猫ちゃんの気持ちはわかってやれないかもしれない。

 

 小猫ちゃんは力はあるし強くなりたいけど、でも自分の力は怖いっていうわけだしな。

 

 ……いや、あったわ。

 

 覇龍とかいう機能。あれは本当に使いたくない。

 

 寿命が思いっきり削れるうえに暴走状態になるとかいう切り札だ。先生も「禁じ手」なんて言ってたしな。

 

 でも、ヴァーリはやろうと思えば使う余地があるっぽいんだよなぁ。というか、一瞬だけ使うなんて言う荒業をやってたし。あれ、土壇場らしいけどどんだけセンスがあるんだよ。

 

『まぁ、恵まれた悩みといえばそうなんだろうがな。世の中にはそういう類の悩みも多いってことだろうさ』

 

 あ、ドライグはそういうのに理解があるのか。

 

『ま、何十回も人間に宿ってその人生を見ていたからな。ドラゴンである俺には理解しがたいこともあるが、人間に近い生物の価値観だと悩むことも多いのだろう。……うまく思い出せんのだが、白いのはそういったことを悩んでいたこともあった気がするな』

 

 へぇ。アルビオンはそういうことがあったのか。

 

 と、廊下の先から吹本さんと旗本さんが顔を出した。

 

「あ、イッセー君。そういえばお城に来てたんだっけ」

 

「奇遇ね。社交界の準備はできてるかしら?」

 

「うっす! 一通り部長のお母さんから叩き込まれました!!」

 

 まぁ何とかなるかなってぐらいにはできたと思う。部長に恥ずかしい思いはさせたくいないから、そのあたりは頑張った。

 

「そっか。私はまぁ……日本の古い作法は多少学んでるけどそれぐらいだったから、平行作業で頑張ってるかな?」

 

 なるほど。旗本さんは日本の作法に慣れているのか。

 

 となると、ちょっと気になるのは吹本さんかも。

 

 クール系というか、ぶっきらぼうなところがあるしな。

 

 そう思ってちょっと見てしまうと、吹本さんは小さく苦笑しながら優雅に一礼した。

 

「下品な社交界には慣れているから、それが出ないよう前もって練習済みよ」

 

 ……ものすっごいあれな過去が見え隠れするから、触れないでおこう。

 

 そうだ。いい機会だし二人にも聞いてみるかな。

 

「その、二人は「強くなりたいけど自分の力は使いたくない」って経験、ありますか?」

 

「覇の話? それとも、あの四人のことかな」

 

 旗本さんはすぐに察してくれると、少し心配そうな顔になった。

 

「朱乃さんとリーナさんは大丈夫そうだけど、他の二人は大変だよね。コナユキなんて、相当トラウマがあったのかアザゼル総督自ら方針転換を打ち出したし」

 

「そうだったんですか!?」

 

 俺がサバイバルしている間に、とんでもないことになってるな!?

 

 フロージアさんってば、どんなレベルでトラウマなんだ? 小猫ちゃんですら先生は方針変換してないってのに。

 

 と、話をそらしたわけじゃないのか、二人とも少しだけ考え込んでいた。

 

「……う~ん。私は当たり前のように使ってるからね。なんなら、神器について目覚めたのは所長の眷属になってからだし」

 

「私の場合、所長の眷属になって初めて戦闘技術を鍛えたしね。神器も放浪型だから、参考にならないわ」

 

 なるほど。二人はそういうタイプなのか。

 

 確かに参考にはならないよなぁ。これはどうしたらいいのかなぁ。

 

 俺にできることなんてたかが知れてるけど、でも何もできないってのは悔しいぜ。

 

 そう思って首をひねっていると、吹本さんは息を吐いた。

 

「少し考え方を変えなさい。別に、塔城の悩みを直接解決する必要はないわよ」

 

 ん?

 

 意味が分からなくて首をかしげてると、吹本さんは苦笑していた。

 

「頑張ってもどうにもならないことはある。でも、支えてくれる……いえ、支えようとしてくれる人がいるだけでも気持ちが軽くなることはあるわ。少なくとも私は、事務所のメンバーとして生きていてそれを実感したわ」

 

 ……そっか。

 

 そういうこともあるんだったら、俺にもできることはあるかもな。

 

 小猫ちゃんは多趣味だから、俺とかぶってるところもある。

 

 よし、其れならちょっと頑張るか!

 

「分かりました! とりあえず、今度俺が先輩らしくなんか奢ってみます!」

 

「確かに、食事はしっかりとったほうが鍛えられるしね。栄養バランスと暴飲暴食には注意したほうがいいけど!」

 

 旗本さんがアドバイスをしてくれるけど、小猫ちゃんはたくさん食べる子だから大丈夫だろうか。

 

 つまりあれか。飽食じゃなくて美食か。やっぱり冥界のグルメとかを気にしたほうがいいんだろうか。

 

「……そういえば、二人とも秀華先輩のこと慕ってますよね?」

 

 やっぱりリアス部長と俺たちの関係に近いんだろうか。

 

 俺も含めて、リアス部長には心から感謝している人が多いからなぁグレモリー眷属。木場とか小猫ちゃんとかギャスパーとか、命の恩人で世話までしてくれているんだし。

 

 少なくとも、樹下にとっては大恩人だよな。秀華先輩がいなかったら、波柴を壊滅させるどころか一矢報いることもできたかどうかっぽいし。

 

 そんなことをふと思った大したことのない言葉だけど、二人はなんかものすごく苦笑していた。

 

 ……あ、やっぱ聞いたらダメなことだったかもな。

 

 俺が話をそらしたほうがいいかと思ったけど、其れより早く二人は肩をすくめて穏やかな顔になってた。

 

「そうだね。あんまり機会もないし、ちょっと話してもいいかな? 海砂はどう? 私はもう話していいけど」

 

「そうね。どうせ波柴が絡んでるなら、むしろ積極的に話しておいたほうが嫌がらせも避けれるでしょうね」

 

 ……そういう心配もしないといけないのかよ。波柴一族ってクソったれだなぁ。

 

 ただまぁ、俺もまだ時間はあるから大丈夫か。

 

 二人も仲間だし、腹を割って話したほうがいいかもな。

 




 メインオリキャラの数を一旦打ち止めにするとは言いましたが、すでに書き溜めがだいぶできていたので彼女だけ出しました、コガネ・レイクメイデン。

 かつてエタったお気に入りの作品、それも自分の影響でできたキャラクターの供養に近い側面があります。

 個人的には後二人ほど誠二ヒロインを作り、さらに麗夜ヒロインも一人予定していましたが、勢い余ってあまりに作りすぎたところもあるので自粛を試みたい所。……ただ麗夜ヒロインはほかの作品に回すのに向いてないので、ある程度インターバルを作ってから投入することも考えております。

 そういうわけで、今年のディアボロス修めとなりました。

 短編のほうも見ていただけると嬉しいですが、来年もよろしくお願いします!
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