※この作品はR-18です。

シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚   作:グレン×グレン

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 はいどうもー! 今日も今日とて新しく頑張っていきたいグレン×グレンでっす!!

 イッセー関連でちょっと詰まってたところが決着ついたので、こっちも書いていくぜぇえええええ!!!


第十二話 特訓終って

《樹下誠二》

 

 

 

 ふぅ。

 

 俺はひとっぷろを浴びた帰りで、自分の部屋に戻ろうとしていた。

 

 一通りのトレーニングメニューは終えた。自分で言うことでもないが、間違いなく数段ほど成長できたと思う。

 

 これで秀華の眷属として悪目立ちはしないだろう。及第点ぐらいは貰えると、それぐらいは思える。

 

 

 ただその時、小さなラウンジでくつろいでいる信子さんがいた。

 

 あっちも風呂上がりのようだな。

 

 と、信子さんがこっちに気づいて微笑んだ。

 

「あ、誠二君」

 

「信子さん、そっちは今回の特訓の成果は出たか? あまりメニュー内容聞いてなかったからさ」

 

 そう答えながら隣に座ると、信子さんは苦笑気味だった。

 

「ちょっと苦戦中かな。……というより、堕天使側も困ってるみたいで」

 

 ふむ。

 

 信子さんは基本的なメニュー及び、聖剣が使える組共通のメニューもこなしている。その上で、堕天使側の方にも向かうようになっていたそうだ。

 

 この言い分だと、堕天使側も悩む部類なんだろうか。

 

 そう思っていると、信子さんは首を捻っていた。

 

「どうも私、神器が宿っているみたいなの。……ただ、目覚めさせようとしても全然目覚めないみたいで……」

 

 ……ん?

 

 確かにそれは困る内容だな。

 

 しかしまぁ、先生がアプローチするのも当然か。

 

 自分が持っているものをまず伸ばすのが、アザゼル先生の基本方針。なら、神器が眠った状態なら目覚めさせるのは理に適っている。

 

 だが、先生が行くように言った施設の堕天使でも無理って才能がないってことなのか?

 

「才能がなさすぎるにしても、それならそれで暴走しそうなもんなんだが」

 

「そうなのよ。検査した人が言うには、何か膜のようなものが張ってて眠らされているみたいだ……って」

 

 なんだそれは。

 

 謎の現象が発生しているんだが、何がどうなってそうなっているのか。

 

 ……まぁ、その辺は専門家に任せるしかないか。

 

「というわけで、私はあまり成果が出なかった組ね。ちょっと情けないかしら」

 

「まさか。俺が言うことでもないけど、ここの面子は才能が豊富すぎるだけさ」

 

 もっとも、その才能の所為で逆に苦労していることもあるからな。

 

 俺はその一人である、コナユキのことを思い返す。

 

 恵まれた才能を利用され、心に深い傷を負ったコナユキ。

 

 彼女の人生に責任を持つと決めた身として、肩ぐらいは貸してやるといった。その決意に嘘は断じて存在しない。

 

 だが、その上で俺は実現することができるだろうか。そう、不安に思う時もある。

 

 だがまぁ、だからこそ自分を高め、仲間に頼り、何とかしていくしかないんだがな。

 

 そして、それは信子さんに対しても同じことだ。

 

 ……そうだな。はっきり言っておくか。

 

「信子さん」

 

 信子さんは俺に振り返り、ちょっときょとんとしている。

 

 そんな彼女に、俺ははっきりと告げる。

 

「いつか、信子さんの罪を教えてくれ。……できれば早いうちがいい」

 

 それが俺の決意。向き合うべき生き方だ。

 

「知れる分には知っとかないと、肩を貸すのも難しいからな。……コナユキの分は少しはできたし、信子さんの分もと思って言わせてもらった」

 

「……そっか」

 

 そう呟き、信子さんは小さく微笑んだ。

 

「もう少しだけ、待ってくれる? ……ううん、まず少しだけ話すね」

 

 と、信子さんは悲しげに外を見る。

 

「私はお祖母ちゃんっこで、お祖母ちゃんも私に色々教えてくれたり、助けてくれたの。……小さな頃の夢は「立派な仕事をしてお祖母ちゃんに恩返しをしたい」って堂々と言ったぐらい」

 

 懐かしそうに、だけど悲しそうに信子さんはそう語る。

 

 ただ何となくわかる。

 

 俺も母さんに恥じない自分でいて、胸を張れる大人として見てもらいたかった。

 

 でも母さんは殺されて、そういう意味では俺は不可能になったことにつらさと悲しさを覚えもした。

 

 それに、俺が信子さんの家にお邪魔した時は……女性の遺影があったのを何となく覚えている。

 

「確か、俺がお邪魔した時にはもう……」

 

「……うん。私が小学三年生の時に、癌でね」

 

 そう、信子さんは頷いた。

 

「あの時は本当に悲しかったし取り乱した。お祖母ちゃんに「死なないで」って、「まだ恩返しもできてない」って、泣きはらしてた」

 

 そう語る信子さんは、本当に辛そうだった。

 

「でもお祖母ちゃんは言ってくれたの。「たとえ死んでも恩返しはできる」って」

 

 そして信子さんは目を閉じる。

 

「人の信頼を裏切るな。人の痛みに寄り添えるようになれ。社会の助けになれる人になれ。……立派に生きてく姿を、天国から見せてくれれば十分だ……って」

 

 いい教えだな。

 

 そういえば、俺が知っている信子さんはそういう人だったな。

 

 恰好だけの人じゃなく、本当に体を張って人を助けられる人だった。曲がったことは大嫌いで、でもやむを得ないことには少しは融通を利かせられる人でもあった。

 

 本当に立派な人だったよ。俺がこうしてあれるのは、そういう意味では母さんだけでなく信子さんの影響もあるだろう。

 

 そして、信子さんは盛大に肩を落として俯いていた。

 

「それが……あのざま……っ」

 

 ……何も言えない。

 

 もう、視界に黒い靄が見えそうな勢いで沈んでいる。

 

「あのシャボン玉に触れるまで……いえ、高校ぐらいの時にはすっかりそのことを忘れてたわ。だからあんなことに……ああ、御免なさいお祖母ちゃん……皆……っ」

 

 当然だが、本気で落ち込んでいる。

 

 当然と言えば当然だ。堕ちに落ちて反グレの情婦的なアレだし、結果的にテロにまで引っ張り出されるし。

 

 デュリオのシャボン玉で思い出したら、死にそうなレベルで取り乱すだろう。別の意味で心が破綻するわ。

 

 ただ、それでもだ。

 

「でも、よかったよ信子さん」

 

 俺は沈んでいる信子さんを抱き寄せる。

 

「デュリオさんのシャボン玉は、大切な思い出を思い出させるだけだそうだ。……信子さんは、忘れてはいても大切な思い出として心にそれを残してたんだ」

 

 大切でも何でもなくなっていたわけではない。だから、それはいいことだ。

 

 その思い出をどうとも思わなくなっていれば、取り乱すことも絶望することも罪悪感を感じることもなくなっていただろう。それはもう取り返しがつかないし、それこそそのおばあさんも悲しかっただろう。

 

 少なくとも、悔い改めることができた。それはつまり、いい方向に戻ろうとすることができるってことだ。

 

「今からしっかり頑張って、今度こそその言葉を成せるようになろう。その上で、しっかり墓前で謝って……次に来るときはもっと良くなっていくしかないんだから」

 

 少なくとも、俺は信子さんがそういう方向を選ぶ余地を残してくれて、よかったって本当に思っている。

 

「大丈夫。俺は自分の発言に責任を取る為に頑張っている男だ。肩ぐらいは、ちゃんと貸してみせるさ」

 

 そこは決して違えない。それは俺にとって絶対だ。

 

 だって、母さんに胸を張れないからさ。

 

「俺は死んだ母さんに。信子さんは今度こそ死んだおばあさんに。お互い、胸を張って今の自分を報告できるようになっていこう。大丈夫、俺はもちろん俺以外も、時には手を貸す程度はするさ」

 

「……うん」

 

 信子さんは、体重を俺に預けてもたれかかる。

 

「もう自分に自信は持てないけど、親身になってくれる人がいるなら……今のレベルぐらいはできるかもしれないって思えるから」

 

 そっか。それは本当にいいことを聞いた。

 

「困ったときは報連相。それでお互い頑張ろうか」

 

「ええ。その時はちゃんと、肩を貸してね?」

 

 ああ、わかってるさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《木場祐斗》

 

 

 

 

 

 夏休みの大半を終え、僕達は城へと集まった。

 

 城に残ってトレーニングをしている者もいれば、僕達のように別の場所でトレーニングをしている者もいる。

 

 ただ、だ。

 

「……先生? なんで俺、明らかに他と生活水準が下なんですか!? 空本さんがいろいろ用意してくれても、野営レベルなんですけど!?」

 

 イッセー君が愕然とするほどに、彼の環境は悲惨だった。

 

 樹下君が連れてきた空本さんがその手の技量に長けていたから、その後は比較的マシにはなった。

 

 だけど、僕やゼノヴィアといった城以外のグループだって、グレモリーが用意したきちんとした居住設備を使っている。少なくとも山小屋レベルの生活環境は与えられている。

 

 それがイッセー君だけ野営って、流石に酷くありません?

 

「俺もまさか山籠もりをやり通すとは思ってなかった。絶対逃げ帰ると思ってたし、そうでないなら死んでるだろ普通」

 

「イッセー。禁手になって一発殴ったとしても、俺は情状酌量の余地ありと絶対に証言するぞ」

 

 アザゼル先生の言い分に樹下君がバッサリと言い切った。

 

 そしてその視線はリアス部長にも向けられる。

 

「部長も物資ぐらい送ってください。なんでコカビエル相手に戦えると、行ったこともない山の植生や水の消毒ができると思えるのか箇条書きでいいんで書いて説明してもらえません?」

 

「え? でもコカビエルは最上級堕天使の上澄みよ? それを相手に生き残れるイッセーが、山籠もりに耐えられないわけが―」

 

「―それとこれとの間に何をもって繋げるんだって話してんだけど!? カレーライスが作れるならベンチぐらいは一から作れるって言ってるようなもんなんだけど!?」

 

 リアス部長の反論を、樹下君は敬語抜きで切って捨てた。

 

「よく頑張ったねイッセー君。あとリアスちゃん、わかってなかった私が言うことでもないけど……もうちょっと世の中の色々について勉強しよ?」

 

 秀華先輩……いや、秀華さんもバッサリだね。

 

「もう本当に大変だった。……女の子の裸を妄想するぐらいしか娯楽がないんだ……特訓中でも裸の女の子が声をかけてきて、頭がやばくなったって自分でもわかった……」

 

「ごめんねイッセー君。娯楽については…もうちょっと考えるべきだったよ…」

 

 空本さんが謝るレベルでイッセー君は追い詰められていたようだ。

 

 いや、本当にすごいね。空本さん達がイッセー君のところに行ったのって、一週間ぐらい後の話だろう?

 

 生存能力が高すぎるよ、イッセー君。そっち方面で活躍することができないだろうか。

 

「……とはいえ、成果はマチマチだが大半の連中は多少は出ているな。……雨宮と富士野も、言われた奴は慣れたようだしな」

 

 言われた奴?

 

 そういえば、二人は色々と言われていたね。

 

 と、富士野さんが小さく微笑んで頷いている。

 

「はい、総督。おかげで助かりました。おかげでだいぶ役に立てそうです」

 

 相当の代物が与えられたようだね。ちょっとドキドキしてきたかもしれない。

 

 雨宮さんも、苦笑はしているけどうやら満足のいく出来なようだ。

 

「こっちは色々と複雑ですけど。……ま、あいつにも感謝するとして助かります、総督」

 

 どうやらかなり頼れる事態になったようだ。これはありがたい。

 

「……ま、イッセーに関しても十分すぎるだろう。普通は逃げ帰らなかったら死んでるようなメニューだし、これでだいぶヴァーリに追いつけただろうさ」

 

 確かに、イッセー君はかなり強くなっただろう。

 

 体つきが見違えるほどに逞しくなっている。元々一般人だから伸びしろもあったんだろうけど、それを踏まえても急成長だ。

 

 これなら、赤龍帝の力で倍化すれば相当の成長になる。最大性能に限定すれば、この場にいる誰もが敵わないぐらいに高まるだろう。

 

 でも、僕だってだいぶ強くなった。相応の手段は思いついている。

 

 だから、まだまだ負けたりはしないからね、イッセー君。

 

 と、リアス部長が小さく微笑んだ。

 

「とは言え、今日は流石にゆっくりしましょう。それに明日はパーティに出席するから、その分も疲労を溶けさせとかないとね」

 

 ……そうか、もうそんな時期か。

 

「確か、若手悪魔の紹介みたいな形のパーティでしたね。僕達も全員参加ですか」

 

 僕が確認すると、リアス部長は頷いた。

 

「ええ。といっても、それを言い訳にした大人達の酒飲みだから、あまり深く考えない方がいいわね」

 

 まぁ、そういう機会はあった方がいいだろうしね。

 

 僕達も大人になったら、そういうことが必要になるかもしれない。だったらその為にも、多少はダシにされた方がいいだろう。

 

 そう思っていると、秀華さんは少しげんなりした様子でテーブルに突っ伏した。

 

「うっへぇ~……。絶対大人がいっぱいすり寄ってくるぅ~。そんなことせず若い童貞パクパク食い放題したいなぁ~……」

 

「はいはい。あんまりやらかすと怒られるから、冥界ではほどほどになぁ」

 

 とても嫌そうにしている秀華さんの背中をポンポンと叩きながら、樹下君はあやすようになだめている。

 

 ははは。秀華さんはレヴィアタンとしての活動は不本意だしね。あまり政治的な活動に手を出したくないようだ。

 

 とはいえ、僕達も色々鍛えてだいぶ成長できた。

 

 このひと月で、僕達は一からしっかり鍛え直せた。まだまだ最上級悪魔クラスには届かないけれど、それでも上級悪魔が相手でも足止めや時間稼ぎぐらいはできるだろう。

 

 ふふ。そういう意味では充実した夏休みだよ。

 

「……でもまぁ、あまり遊べなかったりしたのは学生としては大変じゃない? ほら、特訓ばっかりだから夏休みの宿題分でいっぱいいっぱいになりそうだし」

 

 アルトリーネさんがそう茶化すけど、そこは大丈夫です。

 

「僕はもう終わらせてます。気分転換やインターバルに」

 

「むしろガチの合宿前に大体終わらせてますね」

 

「手抜かりはないぞ。中々いい体験だった」

 

 僕も樹下君もゼノヴィアも既に終わらせている組だ。

 

「私はまだ残ってますけど、殆ど終わってます」

 

「……大体終わってる。多分、あと二日もあれば全部行ける」

 

 アーシアさんとコナユキさんも中々なようだ

 

「毎日予定は立ててますので。今のところは順調です♪」

 

「お姉様に何度も言われてますので! 九割終了です!」

 

 美子ちゃんとリーネちゃんもしっかり進めているみたいだね。この辺り、しっかりとしているみたいだ。

 

 ただ、イッセー君が明らかに愕然としている。

 

「……すまんイッセー。そっちは忘れてた」

 

「いや、寝てる時も不意打ちで攻撃されたから、多分持ってってたら燃えてるし……後で手伝ってくれない?」

 

 樹下君の言い方を見る限り、去年はしっかりフォローをしていたんだろう。

 

 あとイッセー君の特訓環境、やっぱり厳しすぎないだろうか。

 

「……今日中に丸コピでも問題ない部分はピックアップしておく。とりあえず今日はしっかり休んでおけ……いや、本当に今日は疲れを癒しとけ」

 

 樹下君、甘いようでしっかりと線引きはしているね。

 

「じゃぁ、分野を分けようか?」

 

「いや、イッセーの学力に慣れてる俺でないとズレるだろう。かといって手助け無しはなんか可哀そうだし……流石に今回はなぁ」

 

 樹下君の言い分は正論だね。

 

 いや、本当に大変だったねイッセー君!!

 




信子あたりの過去もまとめて前の話にしてもよかったのですが、永くなりすぎると思って今回にずらしました。

あと、次の話には本編でエロを入れようと思っておりまっす!!
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