※この作品はR-18です。

シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚   作:グレン×グレン

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 はいどうもー! 今日も今日とて一日頑張ったグレン×グレンでっす!

 さぁ、そんなこんなで本日も投稿です!!


第十九話 防衛作戦、始まります!

『兵藤一誠』

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺達は結界が消えたタイミングで急いでホテルに戻った。

 

 そしたらもう大騒ぎ。慌てた警備の人に保護されて、簡単な事情聴取を受けてから今の状況を伝えられた。

 

 伝えられたけど……デモが暴動に発展して、アイアンローズが先導してこのホテルを襲撃ってマジかよ!?

 

「ど、どういうことなんですか!?」

 

「落ち着けイッセー。俺達も全部が分かっている状態じゃねえんだ」

 

 と、アザゼル先生もため息をついている。

 

 まぁ、相当慌ただしいから分かってないことの方が多いだろうけど……やばいよな、これ。

 

 俺達が戦慄を覚えていると、秀華先輩がパンパンと両手を鳴らして注目を集めてくる。

 

「とりあえず! 今分かってるのはこの事態にアイアンローズが思いっきり関わっていることに、アイアンローズ側に付いている人間・異形を関わらず、あっさり力押しで潰すってのが無理なレベルの連中ばっかりってこと! これで十分やばいけどね!?」

 

「本当にヤバイのが酷いがな」

 

 と、樹下もため息をついた。

 

 まぁ、本当にやばいよなぁ。

 

 アイアンローズと契約している、第三世界の国家が殆ど契約破棄を選ばないどころか、こっそり要請してきた日本や常任理事国を堂々と非難したっていうし。

 

 なんか和平に積極的だった神話体系の大物が、アイアンローズに協力することを進言して便乗した神様も多いって話だし。

 

 いや、本当にヤバくね? めっちゃヤバくね?

 

「面倒ね。とりあえずまずは禍の団からっていきたい所だってのに……!」

 

「なまじアイアンローズの規模が大きく、反三大勢力を堂々と表明していたことが大きいですね。彼らと協力……もしくは利用すれば和平に対抗するだけの規模を用意できると踏んだんでしょう」

 

 雨宮さんと木場が推測しているけど、そういうことか。

 

 禍の団はあからさまなテロ組織だから堂々と手を組むのはあれだけど、アイアンローズに国家の後ろ盾があれば犯罪組織じゃなくて正式な勢力として俺達に立ち向かえるってことか?

 

 アイアンローズって、そんなレベルの規模の組織だったのか……。思った以上にやばいな。

 

「まぁ、現場の俺達が注意するべきはまずは先導されたデモ集団だね。……禍の団が絡んでくる可能性は?」

 

「確かにね。漁夫の利を狙ってくる可能性は十分あるか」

 

「……三つ巴は流石に厄介です」

 

 空本さんが怖いことを聞いてくるけど、ゼノヴィアも小猫ちゃんもそこを警戒し始める。

 

 ま、確かにそっちもやばいよなぁ。

 

 ただ、美猴達を助けに来たアーサーの反応から見て、そっちはあんまり心配しなくてもいいと思う。

 

「アーサーって奴の話だと禍の団(あっち)にとっても想定外らしいし、いきなり三つ巴って可能性は低いんじゃないか?」

 

 ちょっと考え無しかもだけど、俺は一応言ってみる。

 

 と、樹下も同意見なのか頷いていた。ちょっと意外。

 

「確かに大軍を動かすのは無理だろうが、フットワークの軽い連中が何かをかすめ取る可能性はあるだろう。もっとも、このイレギュラーで大軍を即投入できるのなら俺達に勝ち目はないけどな」

 

 こ、怖いことを混ぜながら言うなよ。

 

 でもまぁ、今回はかなり想定外だろうし……大軍はないのか。

 

 ただフットワークの軽い小規模グループねぇ?

 

 俺がふと嫌な予感を覚えていると、アザゼル先生も同じことを考えていたのか眉間にしわを寄せている。

 

「ヴァーリ辺りが暇潰しに何かしてきそうだな。あいつ、結構昔からアイアンローズに興味津々だったしな」

 

「勝手に精鋭と潰し合ってくれると助かりますけどね。ただ、こっちには赤龍帝(イッセー君)がいますから……」

 

 旗本さんがちらりとこっちを見る。

 

 と、リアス部長も気づかわし気な顔になってこちらを見ている。

 

 え、そんなに?

 

「禁手を亜種に変えた上、更に星辰奏者になれる禁手に至っているものね。……アザゼル、ヴァーリとしてはどう思うか分かるかしら?」

 

「間違いなく興味を惹かれまくるな。あ、これ絶対突っかかってくる奴だぞ」

 

 マジですか先生!?

 

 嘘でしょぉ!? 対ヴァーリとかを考えて特訓してたけど、いきなり実戦で試せってか!?

 

 ちょっと怖いんですけど!? マジ勘弁してほしいんだけど!?

 

「……そうなると、一人も殺せなかったのはむしろラッキーか。殺す気満々で介入されたら戦線が引っ掻き回されるしな」

 

 樹下は樹下で容赦ない発言だし。ま、樹下としちゃヴァーリのあれはかなりキてるだろうしな。

 

 というか、俺よりキレてるよなこいつ。ま、こいつの話を聞いてると絶対キレるけど。

 

 とにかくだ。問題っていうとやっぱり―

 

「アイアンローズの連中、結局封じ込めができなかったってことなんですよね? それも神様もたくさん手伝ってる感じで」

 

 そこがやばいってのは俺でも分かる。

 

 数十か国がアイアンローズを支援することを表明していて、その連盟での批判の所為でアメリカ合衆国といった縁を切った国が内側から非難されているぐらいだ。これだと、表の国を使ってアイアンローズを封じ込めるってのは無理だろうなぁ。

 

 で、そこに神様が何人も手伝ってるとかいう質の悪いことになっている。

 

 ……ただでさえ戦奏教団がややこしくて、そこに禍の団まで動き出した。そんな時に態々第四勢力みたいなことになることを選んだのかよ。

 

 正直ちょっと理解できないけど、アザゼル先生はため息をついている感じだった。

 

「ま、昔は三大勢力全体が色々と宗教的に侵略しまくっていたわけだしな。こと聖書の教えは世界の圧倒的多数派になってる以上、他の神話体系からすりゃ思うところはあって当然なわけだ」

 

 そうなのかぁ。

 

 俺はそういったのはちょっと分からないけど、そんなに恨んでるんだろうか?

 

 大昔のことを一々気にして、今の平和まで捨てるってのはよく分からん。俺がガキで馬鹿だからか?

 

「……そこにアイアンローズっていう格好の受け皿ができたのもまずいかな、これ」

 

「そうね。堂々と反三大勢力を表明している、人間世界の多数の国家にも影響力を強く持つ組織。禍の団とは別の意味で目をつけるに相応しい所だわ」

 

 秀華先輩とリアス部長が何やら考え込んでるけど、アイアンローズがいるっていうのが今回のことで大きな理由になっているってことか。

 

 ……なら、禍の団でもいいような気もするけどな。

 

 なんでも世界最強のドラゴン様が盟主だっていうんだし。なんていうか、勝ち馬に乗れそうな感じとかするんじゃないだろうか?

 

「禍の団じゃなくて、アイアンローズなのが大事なんですか?」

 

「あからさまテロリストじゃないってのがミソだな」

 

 と、樹下が俺の疑問に答えてくれる。

 

「世界最強たる無限の龍神様を盟主に据えてはいるが、禍の団はテロ組織だ。中核をなす最大派閥たる旧魔王派も、王族といえば聞こえはいいが所詮は追放された存在だ。どこまで行っても組織としての正統性や合法性が薄くなる」

 

「逆にアイアンローズは数十の国家と正式に契約を結んだ大手PMSCだしね。例えるならいくつもの国家にその存在が認められている正当なグループだ。規模が大きいだけのテロリストと、規模が大きく国家が認めた組織なら、後者の方がまだ正義を掲げる組織としての説得力が違うんだろうね」

 

「現実問題、全国連常任理事国の同意意見に対して、契約している国家の大半が批判と拒否を返しているほどの影響力だしな。そこにロキやハーデスといった有名どころの大手神格が加われば、もはや彼らは組織としての正統性を持つ一大勢力だ。反社会勢力の集まりとは比べ物にならない説得力が生まれるね」

 

 樹下だけじゃなく、木場や空本さんも言ってくる。

 

 とりあえず、政治的にやばいってことなんだろうか。

 

「ま、第三世界側の反発は納得物ね。アイアンローズと縁を切るなんてリスクもダメージも大きすぎるわ」

 

 と、雨宮さんが苦笑いを浮かべていた。

 

 どういうことなのかと思っていると、雨宮さんは何時の間にかタブレットPCを取り出していて、圧倒言う間に一つのページを出して俺達に見せた。

 

 それを覗き込むけど、なんだこれ?

 

 アイアンローズによる第三世界の実質的軍隊化?

 

 アイアンローズと南半球とかの発展途上国における特殊な契約活動。アイアンローズとの特殊契約を交わした国家は、国内での星辰奏者適性保有者のスカウトの許可等や資金面での厚遇と引き換えに、星辰奏者を中核とする国防及び侵略活動に対する報復活動といった軍事的な星辰奏者運用の九割を、アイアンローズ同盟軍に一任する契約。

 

 星辰奏者という特殊かつ新しすぎる兵科を十全に機能させるには、中小の発展途上国では色々な意味で厳しい。しかし今後の陸戦において星辰奏者の存在は不可欠になる。この状況に対してアイアンローズが提唱したこの契約は、裏を返せば軍事的に国家がアイアンローズに依存しすぎ、場合によっては傀儡政権になりえるリスクを負うことから、危険視する者も多い。

 

 しかし小国が国防や軍事を強国にあえて依存するということはそれ以前にも存在しており、それに比べると契約上の対価は軽く見えることが多い点から、これを受け入れる国家は数多い。

 

 しかしこれにより、アイアンローズの総兵力は星辰奏者とその支援という形限定で大国の軍事力すら超えており、限定的だが米中露といった軍事的強国にも通用可能。近未来SF小説などでたまにある「企業による国家の掌握」を半ば現実にする可能性もあり、懸念や危険視をする物もまた後を絶たない。

 

 ……まんま今の現状になってないか、これ。

 

「要は新機軸の兵科である星辰奏者関連の国防・報復・訓練といった軍事的要素の大半をアイアンローズに丸投げする代わりに、より安く彼らの力を借りて彼らもその方面でのスカウトをやりやすくしてるってわけよ。……今にして思えば、最初から教会が聖書の教えが半ば国教となっているような国家の力を借りることを想定した対策だったわけね」

 

「国防という国家の根幹を他者に預けた結果、半ば傀儡と化すわけだ。……ロマンあふれる敵だが、流石に本当にやってはいかんだろうに」

 

 雨宮さんと雲川さんがそう困り顔になるけど本当に困ったな!?

 

 どっかのアニメで似たようなのいくつか見た気がするけど、こういう問題があるってよくわかるな!?

 

「だからこそ、ハーデスやロキも目を付けたんだろうな。……数十もの国家が常任理事国に歯向かってでもその存在を擁護する国際的影響力を持つ企業だ。どこまで行ってもテロリストである禍の団よりよっぽど組むメリットがあるし、奴らが後ろ盾になれば更に人も集まるだろうさ」

 

 アザゼル先生がそう語った後で、俺達を見渡した。

 

「だが、奴らはその事実をもって調子に乗っている可能性が大きい。いくらアイアンローズが大物の神やいくつもの国家の恩恵を受けたっつっても、行動があまりに早すぎてそっちは手が回らんだろうさ」

 

 そう語る先生の表情は、にやりっていう感じが似合っている。

 

 ちょっと怖いんですけど先生。悪の組織の親玉っすか?

 

「あいつらとしちゃぁ「トップの迷走で苦しんでる悪魔達の支援」ってつもりなんだろうが、その勘違い精神をぶっ飛ばすにはいい機会だ。……返り討ちにして一発盛大にかましてやるってのが、上層部の方針だ。……お前さん達はホテル護衛の為の後詰を任せることになるだろうな」

 

 あ、前線での戦闘は俺達の仕事じゃないのか。

 

 部長はちょっと不満そうだけど、やがてため息をついた。

 

「お兄様達からすれば、こういう時に私達が参加すること自体不本意でしょうね」

 

「……うふふ。そういったことを言っておられましたものね」

 

 朱乃さんが頷くけど、そういえばそうだったなぁ。

 

 サーゼクス様達としては、俺達若手を危険なところに送り込むのは反対だって感じのことを言ってたな。

 

「つっても転移妨害とかもされてるみたいでな。長距離転移が難しい為下手に転移させるよりは防衛戦で返り討ちや増援到達を狙った方がいいって判断になったみたいだ。……と、いうわけでだ」

 

 そういった先生は俺達を見渡してにやりと笑う。

 

「お前達! 敵が前線を突破してくるようなら返り討ちでぶっ飛ばせ! 俺がお前らに課した特訓、その成果を見せつけてやりな!」

 

「……うっす! トラウマになりそうな特訓の成果、みせてやりますよ!」

 

 ま、その必要がないのが一番だけど。

 

 そう思いながら、俺は拳を打ち付ける。

 

 こんなところで倒れてたら、ハーレム王になんてなれやしねえ。

 

 かかってきやがれアイアンローズ! そう簡単にはやられねえよ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『Other』

 

 

 

 

 

 

 

 一方その頃、彼らが防衛戦の構えを取っているホテルにて一人の少年が苦笑していた。

 

「……スープの質も麺も及第点ぎりぎりといったところか。冥界の最高級ホテルでこの程度とはね」

 

 ルームサービスのラーメンを食べて、その少年はため息をついている。

 

 そして問題は、その少年がヴァーリ・ルシファーだということ。すなわち、禍の団のメンバーがホテルで堂々とラーメンを食べているという点に尽きる。

 

 そしてラーメンに対する手厳しい評価を下したうえで、通信を繋げた。

 

「……さて、そちらはどう動くのかな?」

 

『そうだね。ちょっとした興味本位のさや当て程度だけど、こうなったのなら手柄も狙った方がいいのかもね』

 

 そう答える穏やかな声は、しかし間違いなく戦意を秘めている。

 

『あとリーダーには伝えておくから、アーサーの件はそれで手打ちになるかな?』

 

「ふっ。俺としては一戦交えても構わないんだけどね」

 

 そう挑発するヴァーリだが、通信越しから反応は期待したものではなかった。

 

『一応僕達は味方同士だし、君は派閥としては小規模なんだからあまり我が儘言わないでね? 大手を振って要求があるなら、旧魔王派に名義だけでも貸したらいいのに』

 

 たしなめる口調の返答に、ヴァーリは小さく苦笑する。

 

 返答相手が大派閥の準幹部といえるポジションとは言え、この返答では望んだ反応は帰ってきそうにない。

 

 あまり無駄に責任をしょい込むのは御免だ。余計な重荷を背負っては、自分の誇りは満たされない。

 

 まぁいいだろう。実際一応は味方である以上、ここであまり揉めるのも億劫だ。

 

「まぁいいさ。……それで、例の内通者とは接触できたかい?」

 

『……まぁね。個人的には好かないけれど、組織に属するっていうのはそういうことだからまぁいいさ。……一応、事前の準備や情報交換はできたかな?』

 

「そうか。まぁ、俺としてはそちらはあまり興味がない。やれるだけやってみるといい」

 

 そう返答し、ヴァーリは小さく考える。

 

 兵藤一誠が禁手を新生させた。

 

 この事実は、ヴァーリにとって強い関心を覚えさせるものだ。

 

 肉体性能。経験値。育つ為の環境とその年月。そして何より強くなることに対する意欲。

 

 ありとあらゆる要素で自分の圧倒的格下である対の存在。

 

 だが、彼は一時的にとはいえ自分を圧倒した。そしてそれでも残っていた最大のアドバンテージである、星辰奏者の適性においても会得したという。

 

 面白い。我慢ができない。万が一にでも戦わずに死なれては困る。

 

 故に、ヴァーリの中で兵藤一誠との激突は既に決定している。

 

「待っていてくれ、兵藤一誠。どこまで近づいたか……試させてくれ」

 

 現在過去未来において、最強の白龍皇になるだろう男。名をヴァーリ・ルシファー。

 

 その対を成す当代。歴代最弱と断言される赤龍帝。名を兵藤一誠。

 

 くしくも、ゆえにこそヴァーリは兵藤一誠との激突を望む。

 

 もはや理論的に証明されていると言っていい、圧倒的な下馬評。それを一時的にとはいえど食い破ってのけた宿命のライバルに、ヴァーリは既に魅了され始めている。

 

 その第二ラウンドが始まるまで、あともう数時間を切っていた。

 




 アイアンローズも万が一に備えていろいろ頑張っていたという感じです。余計なことバーゲンセールですね。

 発送元としてはギャラルホルンや黒の騎士団を参考に、大半の国家がそこまで文句をつけないレベルにした感じです。通常兵器による国防は契約国の自由にしたままで、新種過ぎる星辰奏者界隈を中核としたオフェンスを担当するといった感じで。

 これにより発言力マシマシとなっております。それもあって、第三世界によるアイアンローズ後援者ネットワークが出来上がった感じです。
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