※この作品はR-18です。

シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚   作:グレン×グレン

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 はいどうもー! 間違えて予約設定する前に投稿ボタン押して投稿してしまったグレン×グレンでっす!

 もうヤケクソで本日も結局投稿するぜー! 風邪ひいてなければ土日でいっぱい書くぜー!!


第二十二話

『兵藤一誠』

 

 

 

 

 

 

 

 兵野勝正は木場達を相手にして真っ向から渡り合いながらこっちに来やがった。

 

 あと、なんか上級悪魔同士が暴れてるんだけどどういうことだよ!?

 

「兵野、てめえ……何のつもりだ!!」

 

 俺はとりあえず、そこははっきり言ってやる。

 

「冥界のデモを先導してこんなことまでしやがって……! あの悪魔達が何をしたっていうんだ!!」

 

 ここまでの騒ぎに巻き込むようなことをしたってのか? 違うだろ!!

 

 平和になるっていうのに不満を見せて暴れるってのは納得いかないけど、それにしたってデモとテロじゃ全然違う。

 

 こんなことになったら、彼等だって罪に問われる。厳重注意じゃすまないんだぞ?

 

「悪いと思わねえのか!? 俺達が嫌いだからって、そこまでするか!?」

 

 本気で腹が立っているから、言ってやった。

 

 ただ兵野の奴は、きょとんと首を傾げていた。

 

「良いことをしたと思っているが、何か悪いことをしたのか?」

 

 本気で、そんなことを言いやがった。

 

「……は?」

 

 言ってる意味が、さっぱり分からない。

 

 本気で分からなくて、俺は呆気に取られていた。

 

 ただ、兵野の奴は何一つとして違和感を覚えていない雰囲気だ。

 

「神器を生み出した聖書の神を妄信する天界と教会、そんな奴らを戒めもせずにつるむことを選んだ現魔王政府に従うなんて悲劇から解き放つには、それから解き放たれるという明確な前例が必要だ。それを手段として取ることを選択肢として考えもつかないまま、現魔王達暗君の家畜にさせない為にも、絶対的な結果として彼らが離反できるようにすることは必要不可欠。勝算込みでできることを示し、彼らが自分達の意思でちゃんとやっていける道を示すことがこの作戦の本命なんだがな」

 

 長々と、訳の分からないことを言ってきやがった。

 

 おいおい冗談だろ。神器が嫌いだからって理由が、ここまでのことに繋がるってのか?

 

 そりゃ俺だって聖人君子じゃねえよ。俺の目の前でハーレム作ってる奴や女の子にもてるやつがいりゃ嫉妬するし、ちょっとぐらい嫌がらせもしたくなるさ。

 

 樹下からも結構色々言われているけど、俺は嫌いな奴には敬語使いたくないしな。えらい立場だからって尊敬できない人を敬うのってどうなんだって気持ちもある。

 

 だけど、ここまでするのか?

 

 なんかが絶対に違う。寒気すら感じる。

 

 レイナーレやコカビエル、禍の団の連中とも違う、気持ち悪さみたいなのがある。

 

 ただ、それはお互い様なんだろうな。

 

 兵野の奴が俺を見る目も、同じように気持ち悪い物を見てる感じがしているし。

 

「俺からすればお前も論外だ。高校生にもなって覗きをかまそうとするクソ野郎が、偉そうに説教などできるとでも?」

 

「何時の話だ。一応は我慢できるようになってるはずだが?」

 

 樹下が兵野に言い返すけど、兵野はそれを鼻で笑う。

 

「一度やったのならそれで十分だろう? その時点でそいつはそういうやつで、今更何かした程度で覗かれた奴の心がよくなるものか」

 

「……度の超えた減点方式だな。当人の反省やケジメを一切無視するなんて、個人的な心情としても社会的な観点から見ても問題しかないぞ?」

 

 兵野と樹下はそう言い合い、そしてため息をついた。

 

「……論外。所詮犯罪組織の飼い犬にさせられた存在か。お前もクソ野郎だよ」

 

「お好きにどうぞ? 俺もお前みたいな潔癖症の過介入野郎は糞認定だからな」

 

 ああ、そうだな。

 

 そりゃ、俺の過去が嫌われることだってのは知識としては理解できるようになってるさ。だから毎度毎度我慢するようになった。

 

 でも、兵野のそれはそういう問題じゃない。

 

 極端すぎるしめちゃくちゃすぎる。こいつらを野放しにしてたら、どんなことが起こるか分かったもんじゃない。

 

 ……ここで、遠慮なくぶっ飛ばすしかねえ!

 

「やるぜ樹下! 出し惜しみ無しだ!」

 

「分かってる。……ここで仕留める!」

 

 こいつらは、特に兵野は此処で倒す……!

 

 

 

 

 

 

 

 

『木場祐斗』

 

 

 

 

 

 

 

 

「いいだろう。ならここで死ぬといい!」

 

 そう告げ、兵野勝正がイッセー君に迫る。

 

 だけどその瞬間、白き龍であるヴァーリ・ルシファーの分身が割って入った。

 

「やめてくれないかい? 彼はこっちが先約だ」

 

 その瞬間、放たれるのは高密度の半減の力。

 

 空間ごと相手の力を半減し続けるその猛威に対し、しかし兵野は止まらない。

 

「かつての俺なら神滅具分の上乗せで負けただろうが……今の俺達にはコレがある!」

 

 その瞬間、兵野の全身から魔力がほとばしる。

 

 なんてことだ。上級悪魔を数十人従えるばかりか、あの力は最上級悪魔クラスの魔力だと!?

 

「何を習得したというの、兵野勝正……!」

 

 駆けつけたリアス部長が、上級悪魔数人がかりの魔力を一人で相殺しながら戦慄を覚えている。

 

 上級悪魔数人を相手にして、たった一人で火力で渡り合っている。リアス部長はこの時点で凄まじい力量であり、まごうことなき才媛であり、僕達の気合も入るというもの。

 

 更にソーナ会長によって混乱状態だった陣の立て直しもできている。またディオドラ・アストロトに至っては、単独でリアス部長以上の数を相手どっているほどだ。

 

 ……凄まじい力量だ。三者三葉ながら、この場の三人は優れた若手悪魔としての素養を見せている。

 

 だが、それはそれとして現状が面倒なことになっていることに変わりはない。

 

 上級悪魔数十人による奇襲はそれだけの脅威。更に、率いる兵野勝正もまた厄介というほかない。

 

 何故なら、今まさにヴァーリ・ルシファーと僅かな戦闘で互角以上に渡り合っている……!

 

「覇龍無しとは言え、神滅具と魔王の血を持つ俺に通用するとはね。その装備込みとはいえ、やってくれる!」

 

「ロキ神によって授けられたこのエインベロスをもってしても、やすやすと勝たせてはくれぬということか!」

 

 そのまま弾かれるように距離を取る二人だが、ヴァーリの方に後ろから切りかかる者がいた。

 

「乱戦は望みじゃないんでな……死ね!」

 

「おっと! 君は本当に無粋だね!」

 

 後方からの樹下君の反粒子を回避し、ヴァーリの分身はその姿を変える。

 

 ヴァーリ・ルシファーの星辰光は分身能力。だがその本質は、白龍皇の性質を利用した同レベルの分身であるという事実に、再定義という形に由来する亜種禁手の運用。

 

 つまり、ここからが本番。

 

 そしてそれを示すように、ヴァーリの分身は高出力の炎を放出する。

 

 素早く後退しつつ耐火炎の魔剣の大量投入で防ぐ樹下君だけど、僅かの肌が焦げている。

 

「火の出力が高すぎるな」

 

「実験作の亜種禁手だけどね。意外なほどに火力が高いんだよ」

 

 呆れる樹下君を弾き飛ばすように、分身のヴァーリ・ルシファーは攻め立てる。

 

 これはまずいね。流石に援護をしないと―

 

「祐斗先輩、後ろです!」

 

 ―思った時に、小猫ちゃんの声が響く。

 

 素早く飛び跳ねれば、そこに叩き込まれる不可視の衝撃。

 

 そして土煙が晴れると共に、そこに着地をするのは見覚えのある三人の女性。

 

「……ふん! まさかここで貴様らと相まみえるとはな……!」

 

 そう吐き捨てる女性は、確かに見覚えがある。

 

 そうだ。かつてライザー氏とのレーティングゲームで相まみえた人達だ。秀華先輩達の増員に対するバランサーとして、ライザー氏が連れてきた三人の星辰奏者!

 

「あの時はどうも。まぁ、フェニックス本家との交流の為に結成された私達が、本家男子の婚約者の眷属と本気の殺し合いをすることになるとわね」

 

「まぁいいじゃない。フェニックス家との関係は断絶しても、こっちの仕事と報酬は変わらないわけだしさぁ?」

 

 残り二人もそれぞれ思い思いの言葉を口にするが、どうやら容赦をしてくれる様子はないようだ。

 

 とはいえここで追加とはね。上級悪魔数人をリアス部長が相手する現状では流石に苦労するだろう。

 

 イッセー君も兵野勝正に狙われたのか苦戦している。できれば助けに行きたいんだけどね。

 

 そう、思った時だ。

 

「……うるさいわよ」

 

 その、寒気を感じるトーンの声が響いた時だ。

 

 鋭い稲光が、リアス部長に食らいついていた悪魔達に襲い掛かる。

 

 咄嗟に防御する彼らだが、しかしその雷撃はたやすく全員を打ち倒した。

 

 あ、朱乃さん? その、強くなりすぎでは!?

 

「……私の雷光は雷であり光。こんな形でお披露目するのは残念だけど、悪魔相手ならめっぽう強いわ」

 

 そう語る朱乃さんは普段の調子が吹き飛んでいる。

 

 端的に言うと、今までにない怒り方だった。正直怖い。

 

「リアス。さっさと片づけましょう。イッセー君だけに戦わせるわけにはいきませんわ」

 

「……え、ええ。そうね」

 

 リアス部長もイッセー君が心配だろうけど、それに負けないぐらいちょっとおののいているね。

 

「こ、ここここここ……怖いですぅ……っ!?」

 

「凄まじい気配だね。まさかこれほど成果を特訓で出すとは……!」

 

 ギャスパー君とゼノヴィアも結構戦慄しているね。

 

 いや、それはともかくだ。

 

「面白い。だが、私達も鍛え直していることを忘れるなよ?」

 

 まったく戦意が揺るがないアイアンローズは間違いなく難敵だ。

 

 少なくとも彼女たちは抑える。それが戦局に大きな影響を及ぼすことは……間違いない!

 

「行くわよ皆。冥界をむやみやたらに乱した者達、その愚かさを思い知らせてあげなさい!!」

 

「「「「「「はい、部長!」」」」」」

 

 さぁ、ここからが本番だ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『空本麗夜』

 

 

 

 

 

 

 

 若干空気が取っ散らかったけど、また戦闘は激しくなっている。

 

 色々と入り乱れた戦闘の所為で、アーサー・ペンドラゴンとの戦いは仕切り直し。麗奈や美子ちゃんとはぐれているけど、二人は大丈夫か心配になるね。

 

 というより乱戦だね。ヴァーリチームが思い思いに引っ掻き回してくれた所為で、こっちも社員達との連携が乱れている。

 

「ふはははは! アスタロト家の次期当主を相手に、ただの上級悪魔風情が粋がるな!!」

 

 そう吠えるディオドラ殿の孤軍奮闘もあり、こちら側は死者こそ出していない。

 

 アーシアちゃんの回復もあってとは言えこれは大きい。敵は少しずつだが倒されている以上、この調子ならアイアンローズに対抗することはできるだろう。

 

 必然。敵がそっちを狙ってきた時に対応する必要があるわけで―

 

「させんぞ、神器の奴隷が!」

 

「奴隷で結構!」

 

 ―追加参戦してきたアイアンローズの星辰奏者に、俺は魔剣の斬撃を振るう。

 

 基本として俺の魔剣は、雷撃を動力として運用する異能を持つ魔剣だ。これは俺の星辰光がそのまま使うと自滅のリスクがあることを踏まえ、多様性はあれど出力に掛ける魔剣創造とのシナジーで克服するプランにしたことが大きい。

 

 そこに今は、他の魔剣の製造経験が一気に生きている。

 

 メインウェポンとしての雷撃中心は変わらず、サブウェポンとしての他の属性がアクセントとなり、雷撃主体を生かしている状態だ。

 

 だからこそ数で上回れながらも妨害は確実にできている。この調子ならここまでなら十分なんだろうけど、だ。

 

「いやっほぉ~っい!」

 

 好き勝手に動いているヴァーリチームが厄介だ。

 

 割って入ってきた美猴は、素早く棍を振るうと周囲の敵勢力を薙ぎ払う。

 

 俺はそれを軽く伏せて回避すると同時に、素早く帰ってきた追撃を横回転で流したうえで雷撃を放つ。

 

「っとと! 流石にやるねぃ。そうでなくっちゃぁ!」

 

「この忙しい時に!」

 

 そのまま一旦距離を取ると同時に、俺はあえて美猴を誘導する形で移動する。

 

 そしてタイミングを見計らい、美猴が攻撃を仕掛けてくるタイミングで魔剣を足場として作って跳躍。

 

「……この猿がぁ!」

 

「舐めるなよ、大義なき下郎め!」

 

「あ、やっべ!?」

 

 よし、トレイン成功。

 

 美猴達は敵とは言え、戦略的な目標があるわけでもない遊び半分の手合いだ。

 

 そんな奴に余計な損害を与えられるのもあれだからね。敵同士で潰し合わせた方がいいだろう。

 

 これでアイアンローズとヴァーリチームが潰しあってくれる。あっちは後回しでいいだろうさ。

 

 ……さて、問題は!

 

「……っ」

 

「っく!」

 

 ヴァーリチームが連れてきたフードを被った戦士三人。

 

 その三人はびっくりすることに、うちの正社員達をそれぞれ執拗に襲ってきている。

 

 既に弾き飛ばされた流花は、着地と同時に手裏剣を投擲して反撃。それを相手は薙刀を振るって打ち落とす。

 

 更に遠方では、それぞれが海砂と信子さんを相手に優勢に立ち回っている。

 

 ……ただ同時に、動きに何かの違和感を覚えている。

 

 なんだ? 明らかに何かを見落としているぞコレは。

 

 そう思った時、轟音が鳴り響いた。

 

 あれ、イッセー君!?

 

 そして直後、灼熱が離れたところで巻き起こって吹き飛ばされる人がいる。

 

 ってあっちは誠二!?

 

 そしてこっちに向かって、更に強いオーラの持ち主が迫ってくる。

 

 ……あ、ヴァーリ・ルシファー本体!?

 

 

 

 

 

 

 

 

『樹下誠二』

 

 

 

 

 

 

 

 まずいな。白龍皇ヴァーリ・ルシファーをなめていた。

 

 分身たった一人を相手にここまで後れを取るとはな。

 

 相当に鍛えた自信はある。だが同時に、相手もそうなれる可能性をなめていた。

 

 こいつ、見違えて全てにおいて強くなっている……っ!!

 

 動きの切れも判断速度も、確実に成長している。これは相当鍛え直してないとできない動きだろう。

 

 善戦できていた所為でなめてかかっていたな。相手は神滅具の禁手で、更に自動発現するほどの星辰奏者。格が違う……!

 

「どうした? アザゼルが直々にトレーニングプランを組んでいたのだろう? 奴の指導を受けてその程度なわけがあるまい!」

 

 相当楽しんでいるな。面倒な。

 

 対ヴァーリ用の即興で作った魔剣もブラッシュアップはしている。龍剣・白は既に使っている。

 

 使っているからこそのこのレベル。下手をすれば一発で積んでいてもおかしくない……!

 

「まして、黒刃の狗神(ケイニス・リュカオン)を再現する星辰光だ。その程度でやられてもらってはこちらが困る……! 流石にそれでは奴が泣くぞ!」

 

 デッドコピーに無茶を言う。

 

 だが、このままだと流石にジリ瓶。

 

 どうするかと思いながらも、攻撃を受けて吹き飛ばされる。

 

 あえてそれを利用して一旦距離を取りつつ、俺は受け身を取って着地をするが―

 

「……誠二君?」

 

 コナユキか!

 

「ほぅ? コカビエルが連れていた聖剣使いか。……ちょうどいい、まとめてくるといい!」

 

 そう吠えるヴァーリはそのまま炎を解き放つ。

 

 まずい。あの高熱の炎、連鎖反応で対策としてコナユキが浮かべるのは―

 

「……っ!?」

 

 ―予想通り、コナユキは己の凍結能力を連想して動きが固まる。

 

 く……庇えるか……っ!?

 

 その瞬間、俺とコナユキを絶大な炎が包み込んだ。

 




 ヴァーリの今回の亜種禁手は、聖書の神に封印されたことで忘れている記憶や封じ込められた第四の特性の影響がもろに出ている「燚焱の炎火の再現」といった形の亜種禁手です。反射や減少の猛毒を復活させた後ならもっとやばいことになる余地がある亜種禁手です。



 それはそれとしてどんどこやばくなっているアイアンローズ。意図したわけではないのですが、ノリが「志願制の生体CPUに自薦する奴ばっかりなブルーコスモス」みたいな感じになっております。つまりこの程度では止まらないぜぇ……!
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