※この作品はR-18です。

シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚   作:グレン×グレン

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 はいどうもー! ちょっと盛大に眠れなくって、睡眠不足気味のグレン×グレンでっす!

 イヤホンと、我ながら睡眠……下手だなぁ。

 それはそれとして、ヘルキャット編のクライマックスに突入です!


二十四話 反撃タイムの始まりです!(前編)

『樹下誠二』

 

 

 

 

 

 

 

 波柴流呪術殺法。これは波柴一族が子飼いの戦力用に編み出した、呼吸法に基づく呪術運用法。

 

 呼吸のリズムとその仕方そのものを呪術の発動手段にする方法であり、出力はさほど高くない代わりに安定して運用しやすい。

 

 必然、俺やコナユキはこれを叩き込まれている。

 

 そして今回の呼吸法である忍の呼吸は―

 

「……なるほど、察知が難しいな!」

 

 ―ヴァーリすら撹乱一歩手前になるほどの隠密奇襲戦法。

 

 大量に投擲した広範囲に炎や煙をばらまく魔剣に、コナユキの能力によって凝固した水分による霧の併用。この併用により、ヴァーリの警戒からすり抜けての一撃狙い。

 

 とはいえ長期戦ではコナユキがもたない。つまり短期決戦。

 

 故に躊躇なく、星辰光は発動済み。一瞬でも隙をねじ込めるのなら、その瞬間に黒刃と反粒子の波状攻撃で吹っ飛ばす算段だ。

 

 だが、ヴァーリの警戒はこっちを完全に外しているわけではない。この辺り、分身と言えどできるということか。

 

 まったく。博打は趣味じゃないんだがな……!

 

 だが、この視界ではコガネさんの援護は受けられない。

 

 そう、思った時だ。

 

「……ご安心を。この程度なら慣れてます!」

 

 その声と共に、ヴァーリに向かって一直線に駆け出す影が見えた。

 

 コガネさんだと!?

 

 今のタイミングではヴァーリの分身は反応できる。覚悟の上ということか。

 

 ……なら、反撃を彼女が喰らう前に倒すしかない!

 

「……力を貸せ、反粒子……っ!」

 

 即座の判断で呼吸を切り替え、ヴァーリに向かって突貫。

 

 一瞬で見えるヴァーリは、コガネさんに向かって攻撃の手を向けている瞬間だった。

 

 放たせるか―

 

「残念だが、俺もカウンターぐらいできる」

 

 ―目の前に、魔方陣が映る。

 

 こいつ、魔法までこのレベルで!?

 

 判断は一瞬。致命傷だけを避ける覚悟で相打ち狙い。

 

 だが、これではコガネさんは間に合わない!?

 

「……甘いよ」

 

 その時、ヴァーリの腕と魔方陣が()()()()()

 

 俺もコガネさんもヴァーリも驚く。

 

 そしてその僅かな時間に、視界の隅で真っ青で得意げな顔をするコナユキが映った。

 

「一瞬だけ……やっちゃって!」

 

 ……ああ。

 

「お前の負けで、コナユキの勝ちだ!」

 

「感謝します。そして今日は帰りなさい!!」

 

 その瞬間、俺とコガネさんの前後からの斬撃がヴァーリに届く。

 

「……なるほど。これは鍛え直しがいがある……っ!」

 

 倒れたのが分身とは言え、そこで喜べるのは本物だよ、お前は。

 

 内心で呆れながら、俺は着地してコナユキに駆け寄る。

 

 既に限界だったのか、コナユキは崩れ落ちて盛大に吐いていた。

 

「…げ……ぇっ……! ご……めん、ちょっと、無理……」

 

「分かってる! 済まない……ありがとう……よく、頑張ってくれた!」

 

 俺は周囲を警戒しながら、コナユキに心から感謝する。

 

 ……本当に、本当に頑張ったよ。

 

 そしてこれは、コナユキにとっても第一歩だ。

 

 トラウマを背負いながら、だけど実行してのけた。それは、きっと一歩になってくれる。

 

「助かりました。反応された時は腕一本は覚悟してましたので」

 

「コガネさん。……本当に、助かりました」

 

 近づいてきたコガネさんに礼を言うと、コガネさんはバツが悪そうに視線を逸らした。

 

「いえ、出過ぎた真似かもしれません。……とはいえ、この場で味方……を守らないわけにはいきませんから」

 

 苦笑いを浮かべる彼女だが、それでも俺は断言できることがある。

 

「だけど、貴女がいなければ俺もコナユキもマズかったです。……本当に、ありがとう」

 

 ああ、だからここは何とかなった。

 

 とりあえず周囲を警戒するが、どうやら戦いも大詰めだな。

 

 さて、後のやばい連中はどうにかできるか……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『木場祐斗』

 

 

 

 

 

 

 

 

 追い込まれているこの現状。その最大の要因は、ヴァーリチームによって混乱状態になっていることが大きい。

 

 当然の結論として、ヴァーリチームを帰らせることができればそれだけで戦いはまだシンプルになる。

 

 問題は、それをどうすればいいのかということだ。

 

「分身は倒されたようだ。やはり滾る相手が多いのは嬉しいね……」

 

 どうやら、分身の方は一旦倒されたようだ。

 

 だが、ヴァーリがそれでどうにかなるほど簡単な相手ではない。

 

 実際、乱戦になっているとはいえ僕は聖魔剣で何度も切りかかっている。

 

 だがヴァーリはそれを簡単に対処している。

 

 これは、流石にまずい。

 

 その時、足音が響いた。

 

「木場! 光る剣を作れるなら、それを作ってくれ!!」

 

 匙君か!

 

 理由は分からない。だけど、間違いなく今はその言葉にある確信の響きを信じよう。

 

 素早く光る魔剣を創り出すと、僕はそれを匙君に向かって放る。

 

 直後匙君はそれにラインを繋ぐ。

 

 彼の神器は黒い龍脈(アブソーション・ライン)。龍王ヴリトラの魂の一部が封印されたその神器は、ラインを経由して力を移動させる。

 

 そして今の匙君の神器は、相当鍛えたのか変化している。かつては蛇のような手甲からラインを伸ばしていたのが、今は蛇の様なラインがいくつも腕を覆っている。

 

 その一本が魔剣に繋がったと思った瞬間、凄まじい閃光が辺りを包んだ。

 

「目くらまし? ……古典的だが意外と効くね」

 

 感心するヴァーリは、しかし気配で匙君を察知したのか魔力の雨あられを放つ。

 

 それに対し匙君は足を踏みしめ、幾つものラインで周囲に散らばる破片や瓦礫を引き寄せて防ぎつつ、ヴァーリに向かって突撃。

 

 だが、ヴァーリがその程度でどうにかできるわけがない。

 

 既に位置を察知したヴァーリは、まず匙君を標的にしたのか即座に接近して拳を握る。

 

 まだ目がくらんでいるだろうに、その動きは正確に匙君の腹部を狙い―

 

「……かかったな!」

 

 ―その瞬間、匙君の得意げな声と共にガラスが割れるような音が響く。

 

 直後、ヴァーリの腕はあらぬ方向に跳ね飛ばされる。

 

 あれは指の骨が数本へし折れた。それに、腕も弾かれたことで健が痛んでいるだろう。

 

「……やってみるもんだな。作戦成功です、副会長!」

 

「ええ。この作戦は成功です!」

 

 そして匙君の後ろから、真羅副会長が追撃する。

 

 薙刀を振るったその斬撃をヴァーリは無事な手で弾くが、追撃の匙君の攻撃に迎撃が間に合わない。

 

追憶の鏡(ミラー・アリス)か、やってくれる!!」

 

 追憶の鏡。確かカウンター系の神器だけど、森羅会長がそんなものを持っていたとは知らなかった。

 

 匙君の進化といい、シトリー眷属も成長を遂げている。

 

 だけど、これだけでは決定打にはならないはず。

 

 そう思った時、ヴァーリ・ルシファーが急にうずくまった。

 

「……なん、だ……?」

 

「……残念ですが、ここまでは前座ですよ」

 

 困惑するヴァーリの前に、ソーナ会長が姿を現す。

 

「将来的な対イッセー君を踏まえた戦術でしたが、どうやら効果的で何よりです」

 

 足音をあえて響かせながら、ソーナ会長は小さく微笑んだ。

 

「血液型という概念は知ってますね? 合ってない血液を体内に注入されると、体内で凝固して命の危険に陥るのですが、匙にはラインで多種多様な種類の血液を貴方に入れさせてもらいました」

 

 ……今、僕は戦慄すら覚えている。

 

 ラインは力だけでなく、血液そのものまで移動させることができるのか。

 

 いや、難易度はきっと高いはずだ。だけど、それを匙君はこんな状況下でもできるほどに鍛え上げている。

 

 その事実に戦慄を覚える中、立っているのもやっとなヴァーリにソーナ会長は宣言する。

 

「覚えておきなさい。この敗北をもたらしたのは匙元士郎。私の頼れる兵士であり、いずれ赤龍帝兵藤一誠にも通用するようになる、男の一撃です」

 

「……か、会長~……っ」

 

 匙君が歓喜のあまり涙を浮かべているよ。

 

「なるほど……だが、まだ楽しみ足りないのでな!!」

 

 ヴァーリはそう吠え、そして魔力を滾らせる。

 

 まだ動けるのか……なら!

 

「安心しろ。ここからは、グレモリー眷属(私達)の出番だ!」

 

 魔力が放たれる直前、割って入るのはゼノヴィア。

 

 その手にあるのは、デュランダルだけではない。

 

「……アスカロン? そう来るか!」

 

 ヴァーリが悟り、しかしためらうことなく魔力を放つ。

 

 聖剣アスカロン。イッセー君にミカエル様が託した、龍殺しの聖剣。

 

 実はアザゼル先生の発案で、籠手からの取り外しを試みたら成功していた。更に赤龍帝の影響で性能が向上したそれを、聖剣適正においてずば抜けているゼノヴィアが扱うことを念頭に入れて使っているんだ。

 

 そしてその絶大な聖なるオーラは、ヴァーリの魔力を相殺して断ち切る。

 

 反動でゼノヴィア自身は遠くに跳ね飛ばされるが、その前にゼノヴィアはデュランダルを投擲する。

 

「任せるぞ、木場!」

 

「ああ、借りるよゼノヴィア!」

 

 僕はそれを掴み取り、そして駆け出す。

 

「……せ、聖剣を木場君が!?」

 

「あれ!? お前適正がないんじゃなかったっけ!?」

 

 真羅先輩と匙君が驚くけど無理もない。

 

 だけど禁手に至る時、同志達の因子を取り込んだ影響だろうね。僕は聖剣の適性を得て、更にゼノヴィアとの了承ありきで短時間だけどデュランダルすら扱える。

 

 放たれる迎撃の魔力をまとめてデュランダルで断ち切り、更なる追撃を聖魔剣の一撃で切り崩す。

 

 その光景に、ヴァーリ・ルシファーは目を向いた。

 

「ほう、なだめすかした扱いならそちらが上……だが二流の手法か」

 

「同感だね。この剣は切れすぎるし、多分僕とは相性が悪い」

 

 ヴァーリも僕も、この一瞬でデュランダルの本質を僅かに掴んだのかもしれない。

 

 ゼノヴィアがデュランダルに選ばれたのは、きっと僕達のように巧みに使う為じゃない。

 

 この剣は見ての通りの豪剣だ。おそらく、僕では本領は発揮できない。

 

 だが、お互いに成長途上の相手なら、いける!

 

「なるほどこれは厳しいか……っ!」

 

 そう言いながら斬撃を回避するヴァーリだけど、深い裂傷を刻み込まれている。

 

「ヴァーリ!?」

 

「マジかよ!?」

 

 黒歌と美猴が戦慄を覚えているけれど、これなら勝ち目は十分ある。

 

 さぁ、反撃の時だ!

 

 

 




 トラウマ克服とはいきませんが、それでも意地でコナユキ、殻を破る余地は生まれました。

 まだまだ当分は最終手段になりますが、これを機会に選択肢としては存在するようになっていくことになるでしょう。

 また、ヴァーリ本体も大ダメージ。自分は匙みたいなタイプは大好きなので、これからも活躍させていきたい所だったりなかったり。……いっそのことオリヒロイン作るか……?





 それはそれとして、前回入れ忘れた兵野の星辰光を入れて終わりにしましょう。





兵野勝正

妄神卒業、人類進化の時来たれり(ダーヴィニズム・ヒューマニズム)
基準値:B
発動値:AAA
収束性:B
拡散性:D
操縦性:A
付属性:D
維持性:B
干渉性:C

 兵野勝正の星辰光。
 星辰光の能力は星辰体感応率増強。星辰奏者の超人的性能の根幹といえる星辰体との感応。それをより強化する星辰光という、ある種破格の能力。

 この性質から実質的な強化度合いはステータスでは想定できないほど高い。強化された身体性能に由来する生命エネルギーにより闘気を身に纏い、切断された腕をすぐにつなげれば瞬く間につながるレベル。思考速度・反応速度ともにせりあがっていることから、超音速で放たれて回転している対物ライフルの弾丸に描かれた文字を読み取れる動体視力を獲得。あまりに強化された五感により、事実上の第六感を超える感知すら可能。内蔵機能もあまりに高まっており、いわゆるABC兵器、特にBに対して圧倒的な対応力を発揮する。
 戦闘においても優秀な操縦性によって、強化度合いを調律することで対応可能。体内電流を増幅してスタンガンのように使うこともでき、肺活量を強化することで呼気をショックカノンのように使うことも可能。また星辰体に対する限定的な感応ができる星であることから、感応した星辰体を踏むことで空中を駆けるという超人的技法すら確立させる。

 シンプルな能力ゆえに多芸になった能力の極みだが、それゆえにそのポテンシャルは異常の極み。アイアンローズの筆頭戦力は伊達ではなく、その戦闘能力は星辰奏者の段階で魔星と真っ向から渡り合えるほどに高まっている。

 だがしかし、AAAという領域は明らかに異常の高みに立っている。

 その本領が明かされたのなら、さらなる悪夢につながるのだろう。

 人を誇るがゆえに神の一方的なあり方を嫌悪する、潔癖なる一凛の薔薇、兵野勝正の星辰光である。

★詠唱

 創生せよ、天に描いた星辰を―――我らは煌く流れ星。

 愛を交わして交じり合い、流れる自然に鍛えられる。
 その果てに、人は星へとたどり着く。父母の、先祖の血の連なりこそ、星光を纏う本質なり。

 ゆえにこそ、傲慢なるぞ唯一神。己一人を神だと抜かし、全てを己が生んだと語る、その醜悪さは世の毒だ。
 今ここに、世界は星に塗り替えられる。適者となるのは一体だれか、今こそ雌雄を決しよう。

 変異、適応、そして生存。神意を超えし進化の果てに、霊長は星々へと飛び立たん。

 超新星(メタルノヴァ)―――妄神卒業、人類進化の時来たれり(ダーヴィニズム・ヒューマニズム)




 設計コンセプトとしては「純粋な星辰光で神滅具と渡り合わせるにはどうすればいいかプランの一つ」

 アンサーとして「身体機能が超向上させる」といったところになりました。下手な異能を持つよりこちらの方がいいですし、アイアンローズの場合はその性質上神器の再現系統はあまり入れられないだろうとも思ったので。

 アイアンローズのトップエージェントを全員出すかは未定ですが(多分無理だし誠二たち以外でナレ死するのもある意味でリアリティがあるし)、出す場合は基本的に「新西暦でも出そう」「その上で神滅具級に通用しそう」の二つを両立させたいと思っております。

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