※この作品はR-18です。

シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚   作:グレン×グレン

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 はいどうもー! 土日共に外出していた割に書き溜めが増えたグレン×グレンでっす!

 ちなみに海砂のモデルキャラのLoRAがPixAIでたくさん出てきたので、研究も兼ねて駒王学園の制服を着せて作ってみたり。……特に画像修正が必要なイラストにはなってないし、特にクレジット表記必須にもなってないからPIXIVに掲載しても大丈夫かな……?


二十六話 決着の防衛戦

『Other side』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 第三防衛ラインの一角を揺るがす戦いの趨勢が傾いた時、外周での戦闘には大きな動きが現れていた。

 

「……なんだ?」

 

 堕天使総督のアザゼルが気づいた時、離れたところから高速で接近する物体があった。

 

 数は数十。サイズは全高5m弱。

 

 そんな物体が、推定時速500km以上で接近している。

 

「なんだ、鳥か?」

 

「龍か?」

 

「悪魔の増援か?」

 

 困惑する者達が増える中、その存在は明確にその姿を見せる。

 

 そのとたん、敵味方を問わず誰もが唖然とした。

 

『『『『『『『『『『なんだアレ!?』』』』』』』』』』

 

 唖然となるのも当然だろう。

 

 先端部のローラーのついた四脚の下半身。それも前足は逆間接という特徴的な形状。

 

 先端部がブレードになっている細い腕部。ただし下腕部には砲台が設置されている。

 

 そして半ば埋没化して胴体に埋まった頭部。

 

 そんな存在が、肩に推進器を取り付けてこちらに向かって急接近をしていたのだ。誰だって困惑する。

 

 そして最大の困惑要素はそのすぐ後方。

 

 彼らに魔力のワイヤーをつけて追随する、十数人の上級悪魔にその眷属達の姿が、無駄に注目を集めていた。

 

『……あれは大王派、それも若手の連中か?』

 

「増援要請はしていたが、あの兵器は一体……?」

 

 元龍王タンニーンに現魔王サーゼクスが困惑する中、通信が繋がる。

 

『……どうやら間に合ったようですね。できれば、タイミングは計りたかったのですが致し方がないでしょう』

 

「その声はサリアローズ君かい?」

 

 サーゼクスが繋がった通信に尋ねると、映像と共に首肯するサリアローズが映し出される。

 

『あれは我らが亡き師が提唱し、そして大王派の一部で試験開発を進めていた試作兵器です。リンカ達象徴となる魔王血族直下の部隊用として運用することを目的としておりました』

 

 そう説明するサリアローズに応えるように、謎の兵器群は両肩の推進装置を切り離して、地面に滑りながら着地。

 

 ついでに推進装置はそのまま質量エネルギーをもってして、アイアンローズ達に先制攻撃を与えている。

 

 更に兵器群は上部にある大砲をもって砲撃を放ち、放たれる攻撃を防ぎ迫る敵には爪で反撃を試みている。

 

 上級悪魔でも勝負の仕方では手こずるだろう性能。それが七十機強の数で増援となり、更に追随する上級悪魔や眷属悪魔がその隙間を押し広げる。

 

 その光景を見て、サーゼクスは戦線の決着を想定していた。

 

 あまりにも突拍子もない存在の奇襲による、戦線の撹乱。これを巻き返すほどの戦力は彼らにないことは、今までの戦闘で分かっている。

 

 ここから一気に巻き返せるだろう。事実、アイアンローズも勝ちの目が無くなったことを悟ったのか転移を行っているほどだ。

 

 ……その際、可能な限りデモを起こした悪魔達を連れて行っていることを、サーゼクスは理解していた。

 

 おそらく純粋な善意なのだろう。いずれ必ずデモが起きると踏んで、だからこそ自分達が支援する形でそれをあっさり鎮圧されないようにした。そしてデモを起こすという一歩を踏み出した者達を保護して、共に戦う同志として迎え入れたいと思ってもいたのだろう。

 

 その在り方に、サーゼクスは決定的な断絶を感じ取った。

 

 彼らは自分とは、考え方があまりに違う。おそらく歩み寄りは不可能に近く、できたとしても決定的な勝敗と多くの犠牲をもってして漸くできるかもしれないといったところになるのは間違いない。

 

 おそらく、アイアンローズは禍の団を超えるほどに三大勢力にとっての脅威となる。そしてまったくの善意で、悪魔の民草を惑わすだろうことが悲しい。

 

 そして、同時に僅かな懸念を得る。

 

 それに対し、大王派は一つのアンサーを見せつけてしまっている。

 

 それは、転生悪魔に頼らない新たなる冥界の新戦力。そしてそれらが集う、傀儡の象徴。

 

 おそらくだが、アイアンローズとの戦いは思った以上に早くに終結する。

 

 それが多くの犠牲を生むことになり、また禍の団との戦いすら激化させる。現状表のみで活動している、戦奏教団もどう動くか。

 

 それを苦慮し、サーゼクスは勝利をしたにも関わらず喜べなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方その頃、サイラオーグ・バアルは残敵の掃討に移っていた。

 

 リアス・グレモリー達と同様に、自分達やサリアローズ達の陣地にも敵は現れていた。もっとも、禍の団から横槍は入ってこなかったが。

 

 そしてサイラオーグ達は最も優勢に立ち回ったといえるだろう。

 

 というのも、だ。

 

「あっははははは! どうしましたかゼファードル? 私は今、気が散って散って仕方ないのにここまで倒せていますよ?」

 

「うっせぇよメカ女! てめえは俺より敵を倒せてねえだろうが!!」

 

 ……この後レーティングゲームで熾烈な争いをすることになる関係の者達が集まっていることもあってか、自分と同様にシーグヴァイラとゼファードルも積極的に暴れていたからだ。

 

 元々それを目論んだ競争という形で、敵が仕掛けてきた時に撃破させることを目論んだのがこの配置だろう。だからこそリアス達は最も若手の有力者が多く、サリアローズ側も最初から今暴れている機械兵器を投入する腹積もりだったからこその配置と思われる。

 

 とはいえ、だ。

 

「この程度か? アイアンローズ……思ったよりぬるいな」

 

 正直拍子抜けと、サイラオーグは思っていた。

 

 彼らのスタンスから、最低でも教会と天界相手に自分達だけでも絶滅戦争を挑みかねない雰囲気があった。だからこそ、期待とは言わないが相当の敵であると踏んでいた。

 

 だが、今激突してみればさほどの危険はない。奥の手を開帳するまでもなく、自分達三人が前線に立ってそれぞれ単騎無双をしてどうにかなっているほどだ。

 

 防衛線を突破するだけの猛者がこの程度なわけがない。どうやら策をもってしてすり抜けただけの様だ。

 

 となると、若手だけだと思って油断して程度の低い戦力だけが来たのだろうか。

 

 ふとそう思った、その時だ。

 

「……油断大敵だぞ、少年」

 

 そう、ため息をついた男性が隣に立っていた。

 

 ……敵意も殺意も憎悪もない。だが、たたずまいが明らかに武人でも凶手でもないのに、自分がここまで来ることに気づかなかった。

 

 その事実に戦慄を覚えていると、その男性はため息をつきながら腕を振るう。

 

 そのとたん、聖なる輝きを放つ十字架が幾重にも突き立っていく。にも関わらず、悪魔である自分に何の影響も与えていない。

 

 その状態に困惑していると、男性はため息をついた。

 

「この周囲の一酸化炭素濃度が明らかに上がっている。おそらく拡散性と干渉性に長けた星辰奏者が潜んでいたのだろう。酸素を呼吸で取り入れる生物相手なら、一酸化炭素は致命傷を狙えるだろうしな」

 

 その言葉に、サイラオーグは寒気を感じた。

 

 一酸化炭素。知識としては知っているが、酸素を呼吸する生物にとって非常に有害な機体だ。

 

 危ない所だった。下手をすると、全滅の恐れすらある戦略だった。

 

「とりあえず護衛に通達して捜索を行っているが、流石に数がいるな。そちらの眷属に通信を繋ぎ、数十人規模で捜索隊を派遣してくれ。もっとも、逃げている可能性は十分あるだろうがな」

 

「そうしましょう。……それと、信徒のようですがあなたは?」

 

 サイラオーグはそこが分からない。

 

 見る限り、聖職者だ。着ている服装や装身具から、相応の立ち位置の神父―下手をすると大司教クラス―なのは間違いない。

 

 そんな人物がこんなところに、一体なんでいるというのか。

 

 それに対して、男性は若干ばつが悪そうになった。

 

「ミカエル様の随伴として派遣されたついでに愚妹に会おうと思っていたのだが、ことがあまりに動いてな。今私があいつに会うと動揺させると思い、裏方に回っていただけだ」

 

 そう語った男性は、苦笑いを浮かべながらサイラオーグに一任する。

 

「この度、貴殿の親族であるリアス・グレモリーの管轄地である駒王町に派遣されることになる、雨宮星斗(あまみや せいと)だ。縁があればまた会うこともあるだろう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 既にアイアンローズからすら撤退者が出始める中、戦闘を切り上げた者がいた。

 

 フードを被った三人の禍の団。ヴァーリチームについてくる形で参戦した三人は、それぞれ三人の敵を追い込みながらも、仕留め損ねた状態になる。

 

「……駆けつけてみればなんだこの状況! 執拗に三人を狙ってくれるな……!」

 

「……ゴメン。この三人、思った以上に手練れで……っ」

 

 割って入った樹下誠二に、カバーをする形で構える消耗した旗本流花。

 

 後ろで吹本海砂と松森信子はへたり込んでいる。かろうじて海砂は人形を動かし、信子も剣を構えて海砂を庇う体制だが、消耗があまりに激しい。

 

 既にヴァーリチームも撤退する構えになっているからこそだが、しかしフードの者達は失望の感情を見せている。

 

 その在り方に、誠二は違和感を覚える。

 

 やけに執拗に狙い、疲弊している姿に失望する。

 

 ……つまるところ、関係者の可能性が思い浮かぶ。

 

「ま、この程度ってのは残念だけどいいことかしらね。私達の敵が弱いのはさ」

 

 と、長身の女性がそう口を開く。

 

「……ん、ん……?」

 

 その声に何か違和感を覚える海砂がいるが、女性は意に介さず告げる。

 

「最低限の礼儀として名乗っておくわ。私達は禍の団(カオス・ブリゲート)の英雄派。そしてこの私は巴御前を継ぐ者よ」

 

 そう宣言する女性は、その上で左右の男女にちらりと視線を向けてから、僅かに見える口元に自慢げな笑みを向ける。

 

「そして二人は木曽義仲と山吹御前。私の大切な同僚で、私と共に更なる強者になる者よ。覚えておきなさい」

 

 そう宣言する少女の後ろで、闇のような霧が立ち込める。

 

 そしてそれに呑まれて消える中、巴御前は彼らを一瞥した。

 

「……できれば、無様なザマを次に会う時に見せないでほしいわね。こっちがなんか馬鹿みたいだもの」

 

 その言葉には、一抹の寂しさすら浮かぶ。

 

 その意図を正確に把握することができない中、彼女達は霧に包まれ霧と共に消えていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ここに、アイアンローズと三大勢力の戦いは静まった。

 

 だがこれは前哨戦。決着はいまだ、ついていない。

 




 書いている最中に伏線張っておきながらまだ出してない人物がいることに気づき、こんな形で登場した麗奈の兄貴の雨宮星斗。

 超優秀な人物です。将来的にはアザゼルに並ぶチームD×D二大技術顧問になる予定。元L×Lにおけるリーネス枠。早い段階でエクス・デュランダルやアスカロンⅡを作らせる予定でもあります。
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