シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚 作:グレン×グレン
ただ本当にちょっとだけなので、今はもう元気です。ここ数週間寝不足気味なところがあったので、それでちょっとバランスが崩れた感じでしょう。
最近はめっきりこっちに集中していますが、その分書き溜めは多いので安定して投稿できると思います!
またAIイラストもいろいろと努力中。LoRAを駆使して衣装のバリエーションを増やしている最中であり、それらを集めてLoRA作成でさらに効果的なイラスト作成をもくろみたい!!
では本編!
第一話 書いてみると明かすタイミングがないことって数多い
《兵藤一誠》
……ついに始まる、新学期。
ふふ、夏休み明けになり、ひと夏の経験をした者達が何人もいるようだな。
かくいう俺もその一人。神に祈ることを許された悪魔二人とお城で3Pをし、高級ホテルで主である超名門貴族の跡取り様とS・E・X!
勝ち組とはこういうものか。モテるっていうのは悪くない。
悪くないが……ディオドラぁ……っ!
あの僅か数日で、奴はアーシアに対して物量で攻めてきた。具体的にはプレゼント大作戦だ。
だがあいつにアーシアはやらん! アーシア自身その気はないみたいだし、なら俺もリアス部長もやるわけがない。
ま、命の大恩人があんな可愛い女の子なら、好きになっちゃう気持ちは分からなくもないけどね。それはそれだから土産物も全部突っ返す方向になっている。
ふぅっ。これが、一段階人生のステージを上げた者の余裕……!
「イッセー、殴っていいか?」
「俺達はナンパ全部敗北してるんだぞ?」
「落ち着けよ二人とも。お前らだって結構役得があったって聞いてるぜ?」
最近、自由恋愛を目指して頑張ろうって方針になって結構桃山警護事務所の人達に可愛がられてるって聞いている。
俺が童貞を卒業したことに対するバランス調整らしい。ふふ、良いことじゃねえか。
ただ、俺が童貞を卒業したことを悟っているのか、嫉妬の炎が怖いぜ。
……気持ちめっちゃ分かるけどね! 二人に先を越されたなんて知ったらショックで死にそうだし!!
だから別の意味で全部は話せねえ。話したら多分やばいことになるし。
そろそろ話を逸らした方がいいかなーって思った時だ。
「……やばいぞ皆! このクラスに美少女の転校生が来る!!」
『『『『『『『『『『なにぃ!?』』』』』』』』』』
まさに最高のタイミングで情報が来てくれたぜ。
それも、新学期にやってきた転校生の美少女がこのクラスにとか凄いな。めっちゃ楽しみ!!
凄い勢いで騒がしくなる教室だけど、一人だけ我関せずな奴がいる。
……樹下、なんかボケっとしているな。
何となく事情は分かってるけど、分かってるからこそうかつにこの場でつつけないしなぁ。
そんなことを思いながら少し時間が経つと、先生が入ってきた。
「おーい、そろそろホームルーム始めるから着席しろー」
そんな先生の指示に従ってみんなで席に着くと、先生がゴホンと咳払いをした。
「ま、すでに知られてるみたいだが、転校生だ。入っていいぞ」
先生に促されて、転校生が教室に入ってくる。
……めっちゃ見たことのあるやつが入ってきた。
栗毛のツインテールをした、首から十字架を下げた美少女。
そして俺以上に、ゼノヴィアが面食らっている。
「初めまして、皆さん。それにイッセー君とゼノヴィアは久しぶり♪」
と、堂々と言ってくれちゃったので注目が俺に集まっちゃったよぉ!?
そんなことをしてくれたのは―
「私は紫藤イリナ! ゼノヴィアとは少し前まで同じ教会で過ごしていて、イッセー君とは昔この町にいた頃の幼馴染でっす♪」
―イリナだった!?
後爆弾発言をやめてくれない!? クラス中から殺意の視線が叩き込まれてるよ!?
「……あれ、紫藤イリナ?」
そして樹下はまだ気づいてなかったのですか!?
《樹下誠二》
まずいな。最近精神的にちょっと迷いがある。
とはいえ授業はちゃんと受けないと。ちょっと気合を入れ直そう。
「……では、本日は
なるほどな。
「お前達が生まれるより少し前に突如として現れた神代晃星は、そこから
そう伝えながら、黒板にざっと簡略化した、東アジア地方を先生は書き記した。
「そしてそれ前提を報じる戦奏教団は、あり得ないような星辰光を振るい、獲得した領土を削られずに守っている。世界各国が星辰奏者技術を得たことでその速度は停滞状態に陥っているが、逆に通常軍事技術の補佐的運用を進めており、戦況は一進一退と言ってよく……また、裏で色々な手を回していた」
そう伝えながら、先生は中国辺りにいくつもの楕円を書く。
それらによって中国の辺りは、国土の五割強をごっそり削られていた。
そう。それが中国の現状であり、また他にも無視できないその事態が発生しているところが数多い。
「戦奏教団はただ戦線を拡大するだけじゃなく、星辰奏者技術が漏れることを大前提に「都合のいい形で漏らす」ことを選択したようだ。戦奏教団に気を取られた中国やインド、ロシアなどの大国は間隙を突かれた一斉独立運動の対処までする羽目になり、対処しきれずごっそり国土を奪われている」
そう説明する先生は、ふと中国があるだろう方向を見てげんなりとした表情になった。
まぁ、先生はその当時を知っている世代だろうしな。三十代後半辺りだったはずだし、相当思うところがあるだろう。
「特に中国とインドが酷い。人口が多いうえに問題が潜在的にあったこともあり、半ば前極時代に陥りかけているほどだ。今はだいぶ落ち着いているし、日本国は台湾と連携して東側沿岸部が独立した
そこで一旦区切ってから、先生はインドの方を概略図を見せてくる。
「逆にインドは根強いカースト制度に基づく差別的価値観の弊害を受けていた者が独立運動を起こしたり、逆に政府のカースト制度廃止に反発する連中が独立を試みたりと大騒ぎだ。こっちもだいぶ落ち着いているが、その所為で戦奏教団の連中にだいぶ領土を取られている」
そして更に今度はロシア辺りを書いた。
「ロシアは比較的ましではあるな。国土が最も広い国家だから、結構取られたが国力の削減率は低い。……もっとも、最近はアメリカ国内に戦奏教団が現れており、世界情勢は結構大変だ」
と、そこでまたため息をついた。
「四年ぐらい前までは、先生もまだ平和ボケだったってのが酷い。なんか政府が転覆寸前な犯罪組織が根を張っていたらしくてな。外患誘致材が何人にも適用されて野党はごっそり弱体化するし、その連中の根回しで動いた連中と自衛隊が激突したりで、責任からビビった与党も世代交代が一気に進むし。ま、自衛隊が頑張って防いでくれたことで被害は少ないし、それ以来自衛隊志願者が増えたり方針もだいぶ変化した。これがいいことかどうかは、まぁあと何十年も経ってからでないと言い切れないだろうがな」
まったくだ。
あの頃は本当に大変だった。
俺は勿論、秀華だってまだ十代前半。それも光吉以外に共闘できるような相手も用意できなかった。正確には候補はいたかもしれないがリスクの観点から見て、それを選べなかったというのが正しい。
おかげでだいぶ綱渡りだったし、腹に一物ありすぎた光吉に色々と搔っ攫われたところがある。
それに終わったからってすぐにどうにかできるわけでもないしな。
その後、政府に一定の信用を得られるようになるまでは大変だった。話が分かる小笠原長官も、状況次第では見捨てることを暗に見せているし。
まぁ現実問題、国家転覆一歩手前レベルまで魔の手を伸ばしていた一族の本家であり本命の秀華に、直属として暗殺をすることも前提に英才教育を受けた男なんて警戒されて当然だが。
……なのでその過程で、台湾含めて含めて東華民国との極秘連携などを色々かましたりしたものだ。
あの頃はまだ、麗夜さん達が配属されてなかったからなぁ。真面目に大変だった。
いや本当に、本当に大変だった。
あの事件は本当に大変だった。真剣に被害者も多いし、割と真剣に何度か死ぬかと思ったぐらいだ。
そして、その結果が今来ているわけだ。
そろそろ時間だとは思っていた。場合によっては真剣に少年院とかも覚悟するべきだと思っていた。
……まさか、ご主人様になる羽目になるとはなぁ……。
《木場祐斗》
放課後、オカルト研究部の部室には来客が来ていた。
「初めましての人は……一人ぐらいね。ミカエル様よりこの駒王町のスタッフとして派遣されました、紫藤イリナです♪ これからよろしくっ!」
綺麗ににっこり微笑んでピースマークまで出してきたのは、紫藤イリナさん。
コカビエルが起こした暴走において、ゼノヴィアと一緒に派遣された聖剣使いだ。
「まさかイリナがここに来るとはね。先生や部長は知っていたのかい?」
「まぁな。別にミカエル達がそこまで大物を送ってくる必要なねえって言ってたんだが、あいつはそういうところを気にしまくってるからなぁ」
「ふふ。再会は劇的な方がいいでしょう?」
ゼノヴィアが軽く驚いているけれど、アザゼル先生とリアス部長は知っていたようだ。
まぁこの二人は、そういう情報を内緒にしたがる人だ。これはいいだろう。
とはいえ、あの時のメンバーが結構集まっているのは流石に驚きだね。
そう思っていると、にこやかにイリナさんが他の人達を話している間にイッセー君とゼノヴィアがこそこそと話している。
……ああ、聖書の神の死か。
ゼノヴィアが言うには、イリナさんが聖書の神の死を知ったら精神を壊しかねないレベルの信仰心を持っていると言っていた。
僕達は全員がそれを知っているからね。うっかり漏らしてしまうと大変だといった不安だろう。
「で、お前さんももちろん聖書の神が死んでるって知ってるわけだな?」
「はい。ミカエル様から教えられて、一週間寝込みました……」
そしてさらりと話が進んでしまっている。
「ちょ、先生!?」
「切り込みが早……そして知ってるのか!?」
思いっきり慌てる二人だけど、先生はむしろ呆れているようだ。
「あのなぁ。この駒王町は和平締結の地だぞ? そんなところに改めて派遣される時点で、俺達と話を合わせる為にも神の死は知るべき必要な情報だっての」
「本当に、本当に信じたくなかったけど知っているわ! ああ、思い出しただけで涙が……主よぉおおおおおお!!」
そしてイリナさんは号泣して天を仰いで祈り始める。
て、テンションが激しい人だね……。
「分かるぞイリナ。分かるとも!」
「一緒に祈りましょう、イリナさん」
「二人とも! 本当に……ありがとう! そしてそれぞれに酷いことを言ったりしてごめんなさい!!」
敬虔な信徒であったこともあり、イリナさんはゼノヴィアやアーシアさんと瞬く間に意気投合している。
アーシアさんもディオドラ氏の猛攻に困っているところがあったので、いい息抜きになるかもしれないね。
……ただ。
「………ふぅ」
物憂げな表情でため息をつく樹下君を見ると、さてどうしたものかといった感じになる。
彼、入ってからずっとああだ。イッセー君が言うにはほぼほぼ一日中ああいった調子らしい。
「秀華、誠二はどうしたというの?」
「あ~、ちょっとね? 色々あって疲労気味というかなんというか」
リアス部長に尋ねられて、秀華先輩が流石に困り顔になっている。
「困ったことがあるなら相談ぐらいしてほしいですわね。私達は仲間ですわよ?」
「……まったくです。たまには愚痴ぐらい聞きます」
朱乃さんと小猫ちゃんも、流石に不安げになっているほどだ。
「その、あの時の人のことが原因ですかぁ……?」
ギャスパー君ですらそんな調子なのだから、樹下君も少し観念したらしい。
「そうだな。ちょっと、愚痴に付き合ってくれるだろうか……」
と、樹下君は弱った笑顔でそんなことを言い出した。
あ、これ本当に大変な話だ。
「あ、じゃぁ私はお茶入れてくるよ。美子ちゃん手伝って」
「もちろんです! 初見は余裕なくなりますもんね!」
秀華さんと美子ちゃんがかなり気を効かせてくれているけれど、その時点で凄く不安になるよね!?
あれ、これ本当に大丈夫!?
ようやく大分明かすことができた本作の世界情勢。
あらすじで第三次世界大戦もどきという感じになっておりますが、これが理由ですね。
1:星辰体の影響で欧州と日本の発言力や国力が増える。
2:星辰体運用技術に長ける戦奏教団が生えてくるように出てきて侵略してくるため、世界各国大混乱
3:戦略的に混乱を生む戦奏教団の戦略により、独立運動多発。
この三つにより世界情勢が大きく揺らいでおり、特に影響力の大きい国家が漏れなく大混乱中です。こういう作品を作ってみたかったのですが、設定を煮詰めるとそのまま燃え尽きる悪癖のせいでなかなか書けなかった……。