シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚 作:グレン×グレン
個人的に、職場の近くで一人暮らしをしてみたい今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか? 正直自炊もしたいしいい歳なので、本来一人暮らしぐらいはしてないとアカン気がいないでもないのですが……。
まぁそれはそれとして、本編!
《樹下誠二》
「たっだいまー! お仕事するから休んでていいよ~」
「ダーリンただいま♪ じゃ、私はお茶入れまーす♪」
と、帰ってきた俺達駒王学園生組。ノリノリで秀華と美子はメイド服に着替えていくが、とりあえず周囲の目に配慮しようか。
まぁ、俺にしても麗夜さんにしても二人の裸を見てるし何なら入れてるしで問題ないと言えばないのだが、準社員であるアルトリーネさんたちに対してもう少し配慮があってもいいとは思うぞ。
ま、そこはそことしてだ。
俺は呼吸を一つ入れてから、素早く自分のデスクに座る。
ほぼ全員がそれに対して同情を見せたうえで、俺はここ最近のルーティーンを敢行する。
「青蘭、来い」
「ああっ」
すごい喜んですぐ後ろに来た。
「お手」
「わんっ」
「お座り」
「きゃうんっ」
「……伏せ」
「きゅぅ~ん♪」
三連コンボももはや何の遅れもなく瞬時に敢行。
いきなりここまですればさすがに引くだろうと思ったら、頭で理解するとすぐにノリノリで敢行しくさりやがってからに。最近ではしないと逆に残念そうだから、出さないわけにもいかん。
だがここで終わるわけにはいかない。責任はとるが、自律性がまったくない生き方は論外だろう。心を鬼にして精神の苦痛に耐えて、今度こそ躊躇させなければなるまい。
そして今回、俺は一つ思いついていることがある。
これならば、あるいは!
「それと青蘭。コナユキとデートするからデートプランを組め」
「「「「「「「「「「……その手があった!」」」」」」」」」」
事務所の社員が漏れなく反応した。
そう。自分以外の女性とのデートプランを組ませる。自分でも人としてどうかと思わなくもないが、これなら精神的な刺激も強いはず。
不満だけでも、不満だけでも生み出すことができれば―
「……方向性まで完全にゆだねられるということでいいだろうか? 大雑把な望みがあるなら反映させるためにも前もって伝えてほしいのだが」
―なんの躊躇もなかった……っ
俺は天を仰ぎたくなるが。とりあえず呼吸を入れて気を静める。
これに関しては「あ、これ青蘭の躊躇を生み出せるんじゃね?」と思ったから盛り込んだが、デートをするのは確定事項だ。
なにせ、コナユキはとても頑張った。普通に一生モノのトラウマに対して向き合って、吐きながら頑張った。
俺はそれに応えたい。そこまでしてまで俺を助けようと思ってくれたコナユキに応えたいと切に願う。
だからこそデートだ。もう主観的にも客観的にも、コナユキが俺に対して好意を抱いていることは間違いない。
なら頑張ろう。多分これ以外にも
第一弾、第一弾だ。
そう第一弾だ。こうなれば今後、他のケースにおいてもプランを組み立てさせればあるいは。そう、全部まとめて一気に頼めば少しは精神的に俺に依存する方向を砕け散らせられるかもしれない。
そう思った時、青蘭がハタと何かに気が付いた。
「ちなみに、あと五人分用意したほうがいいだろうか?」
……自発的に先読みして、気を効かせて来ただと……っ!
いや、気を効かせるということができるのはいいことなのかもしれない。しれないが方向性はどうなんだ……っ!?
ど、どうすればぁああああああっ!?
《空本麗夜》
誠二がやばいことになっている。
基本的にうちの事務所のサブリーダーだからね。流石にちょっとフォローを入れたほうがいいだろうか?
「そ、そういえば青蘭さんって、元々誠二のことを恨んでいたのでは? その、選択肢としてすごい方針転換ですよね?」
ここはそうだね。そのあたりの事情を深堀するべきだろう。
誠二はそのあたり、あえて避けている節がある。まぁ、話を聞く限り相当えげつない方法で発破をかけたらしいし、殺意と憎悪をあおっているんだから当然か。
とはいえ、ではなんでと思うのも当然のこと。そのあたりを知るぐらいの権利は彼にだってあるだろう。
さて、それでどういうことなのか。
「……そうだな。あの時は確かにそうだった」
青蘭さんは、苦笑いを浮かべてそう話しだす。
「いや、少し違うな。私はそういう風に思いこまなければ前に進めなかったんだ」
……大筋は聞いている。
だが、本人がそう語ることで、それだけで肉付きというものがついていく。
その語っている青蘭さんの表情が、本当に凄惨な出来事だったのだと痛感させていく。
「あの事件以来、私は自分に対する自信やプライドが何もかも砕けたよ。かつての私は何でも自分で決め、生徒会長なども努めてきた自負があった。だが、そんなのものが何もかも役に立たず仲間たちを死なせ……いや、助けられる前の段階で私はそんなことを理解する余力もなく、ただただ強制的に同調のために流し込まれる感覚に心が折れて半ば狂っていた」
その表情はどこか虚ろで、本当に何かをなくしてしまった者が浮かべられる表情だ。
「縋る者がなければ、私は今でも病院で療養していただろう。だが幸い、憎悪に縋ることでそれ以外に目を向けさせないことで、私は大学院を終えてまた鍛え直すこともできた」
小さい苦笑を浮かべた彼女はその上で、何かをあきらめた者が持つ表情で天を仰ぐ。
「だが、そのころには現実から目を背けるのも限界だった。あの言葉を向けたときの誠二の表情と、私の状態からすべてを察してしまえて……私は、もう一人では立てなくなっていたことに気づいたんだ」
その言葉に、誠二は少しだけ視線を逸らす。
まぁ、当時は十代前半だったわけだし限度はあるか。感づかれないように立ち回るのも大変だろうしね。
とはいえ、波柴一族の教育機関で面従腹背を乗り切った誠二にしては意外でもある。……いや、だからこそか。
波柴一族での面従腹背が長すぎたからこそ、そこから解放されて一気に良好になった環境だと緩みすぎたんだろう。日本政府は所長と誠二を警戒はしていただろうけれど、悲惨な環境に負けず告発した善意の協力者でもあるだろうし、波柴一族とは比べ物にならない精神的厚遇はしていただろうしね。少なくとも誠意は違うだろうさ。
「一度終わってしまうほどの失敗をしたからだろうな。リーダーとしての指示や決断どころか、自分のことを決定する責任すら耐えきれないほどの重圧だった。追い詰められすぎて、無意識に主導権を取っていた友人とも縁遠くなってしまうほどに。もう、器が耐え切れないほど脆くなってしまっていた」
責任に耐え切れない、か。
そこに関しては俺たちもわかる人は多いだろう。
自由とは、その決定に対する責任がのしかかる。権利とは、それに見合った義務を背負うことが大前提。そういう意味では、自分の足で立って自分の重荷を背負えて初めて持つことができるものだろう。それができない者に与えられてもろくなことにならない。
そして、抱え込みすぎたことで背負った責任の重さを、失態によって全て砕け散ることで改めて痛感してしまった。そうなればもう、トラウマになるレベルで責任を負えなくなるのだろう。
少しぐらいは理解できる。というより、俺を含めた正社員の多くも多少はそうだ。
外野の悪意に翻弄されたこともあるだろうが、それを踏まえてもなお俺たちは重荷を背負ってしまっている。俺はともかく、流花や海砂においてはそれに耐えられないほどの業がまとわりついてしまっている。
だからこそ、だ。
「……その時に気づいたんだ。私は、
その、幸せに華やいだ笑顔に何も言えなかった。
「意図せずして、誠二は……私の人としての全部を背負ってくれていた。人に頼ることが……すべてを誰かに決めてもらうことの気持ちよさを、私はもう逃げられないぐらい思い知ってしまっていたんだ……♥」
目にハートが浮かんでいるだろうレベルで、すがすがしさを全身で見せつけている。
これに関しても、俺たちは多分否定しきれないだろう。
年下の女の子に従うことを選んでいるのが、俺たち桃山警護事務所の正社員の基本形。さらに美子ちゃん以外の女性陣は、さらに年下の誠二が最後の責任を背負い肩を貸すからこそ前を進めている。
青蘭さんほどひどくはない。だが、青蘭さんと同じように俺たちは自覚している。
何かを誰かに預けるからこそ、頑張れる者達が世の中にはいるのだ。彼女はあまりに強引な形でそうなってしまったがゆえに、あまりに強すぎるレベルでそれを幸せに感じてしまっている。
「だから責任を取ってほしい。その代わり、私は私の持てる全てを使ってご主人様を支えて見せる」
その表情は決意のそれだ。
覚悟を決めた存在のそれ。譲れない一線を明確にしたもののそれだ。
「まだ未熟だから失態もあるだろう。だが改善して主の為に尽くして見せる。主のデートを支援するなど当然のことだ、そうだろう?」
誇りすら感じさせるその表情に、俺は苦笑するほかない。
ああなるほど。これは誠二が勝てないわけだ。
というより、俺達としても応援したくなってしまうぐらいだね。
「……頑張りな、誠二。ま、愚痴ぐらいは聞くから」
「裏切られた!?」
めちゃくちゃ衝撃を受けているけど、悪いね誠二。
方向性が若干極端よりなだけで、基本的にはうちの正社員タイプだよこの人。ちょっと厳しいことは言えそうにないかな?
「デートプランの調整だけど、あと何人分なら用意できる?」
「あ、好みの食事とかも前もって提示した方がいいかな?」
「その、大筋においてはどれぐらいまで受け付けるの? 映画館とか博物館とか」
「うぉおおおおお! 海砂さんも流花さんも信子さんも勘弁してくれ! いや……しますよ、責任取るけど!」
ほら、むしろ応援ムードになって便乗してるし。
「覚えておきなさいリーナ。あれがうかつな発言で自分の首を絞める男の哀れな姿よ。あとで気晴らしに付き合ってあげましょう」
「分かりましたお姉様! 全力でなんか奢ります!!!」
麗奈もリーナちゃんも遠巻きに見て同情心満々だし。
「あ、コナユキさん? その、もうちょっと後で帰ってきた方がいいから寄道をした方がいいわよ? 所長達には言っておくから」
そしてアルトリーネさんのフォローが光る。
頑張れコナユキちゃん。君は多分、帰ってきてからちょっと大変だ。
と、お茶の準備を終えた美子ちゃんが俺の隣に座る。
「前から思ってたけど、誠二先輩ってこういう意味でも秀華所長の相棒なんだね、ダーリン」
「まぁ確かに。質においてはもっとヤバイところがあるよねぇ」
いや本当にそういうしかない。
まったく。俺は気を付けた方がいいよなぁ。
《兵藤一誠》
『というわけなんだが、俺は覚悟を決めた方がいいとは思うがどうしてもモヤっとするところがあるというか二の足を踏むようなところがあって仕方ないんだ。どうしたらいいだろうか?』
「真剣な悩みなのは分かるんだけどさ? それを俺に言うか?」
夜、俺は樹下の真面目な相談をされた。
されたんだけど、内容が内容すぎて反応に困る。
というか、「覚悟を決めて青蘭を飼うと決めたけどどうしたらいいだろうか?」とか言われても困るよ。
人を飼うって表現がもう、何も知らない人が聞いたら警察に相談する案件だし。ある程度は事情を知っているけど、俺に言われても何を答えろと。
まぁ、それぐらい困ってるってことは間違いない。樹下は俺の親友で恩人だし、俺としても力になってやりたいとは思うさ。
思うけどどうしろって?
『お前は上級悪魔を目指すだろ? そして上級悪魔には眷属を家畜のように扱う社会問題も少なからずあるから、その観点からのアドバイスがもらえるのではないかと思った。……今思うと気の迷いすぎだな。俺自身が向き合わないといけないわけだし』
「とりあえずさっさと休んでメンタル回復しとけ! すっごいいっぱいいっぱいだぞお前!」
その発想がもうおかしいって!
だって俺はまだ下級悪魔だし、上級悪魔になってもそんなのになるわけねえよ。ラブラブでエロエロなハーレムで眷属を構成しますが。
と、いうかだな?
「今の状況でその相談はやめてくれよ。どういう流れかって、確か秀華さんの発案だよな!?」
『……本当にスマン』
真剣に謝られるけどまさにそうです。
今俺は、秀華さん発案のプランを提示されているんだ。
そう、秀華さん発案のプラン。つまり俺のベッドタイム案件。
結局秀華さんがちょくちょくテコ入れしてくれないと進まないけど、おかげでエロエロなことをしてもらえているんだ。
具体的に言うと、今俺はWパイズリフェラをしてもらっている!
「なるほど……。これは、少し背徳的だな。そう思わないか、部長……」
「……そうね。電話の相手が全部知っていて、それも誠二だというのがまた微妙に……クるわね」
そうなんですよ二人とも!
ゼノヴィアとリアス部長にWでおっぱいでしごいてもらっているんだぞ! 興奮しないわけがない。
更に外野の刺激を与える為に、あえて電話を俺がしながらというのが倒錯的だ。ラブラブな関係でこんなことをできるとは思ってなかったよ。
ただ、その相手が樹下でガチな悩みを相談してくると困るんだよ。それも方向性が特殊だから返答に困るし。
リアス部長とゼノヴィアが俺のチンポに夢中でちょっと話を聞いてないのは、まぁいいのかな?
この後の雰囲気が微妙で全然楽しめなくなるよりはましか。まぁそこはいいか。
「と、とりあえずさ? 青蘭さんとお前は個人的な付き合いが全然だったんだろ? まずはそこを何とかしていく努力が必要だって」
腹を割って話す経験があった方がいいだろう。これはそういう問題だと思うんだ。
それができなかったら話も進まない。
なんというか、樹下と青蘭さんの問題はそこだ。真っ先に飼う飼わないでまず話が始まってるから余計に分かんないって感じな気がする。
ま、俺はその辺馬鹿だけど言えることはあるって。
「きちんと話ができるんだから、後でちゃんと話し合えよ。まずはそこからじゃないか?」
『……正論だな。うっかりしてた』
相当だな。ま、樹下敵には苦労する以外の何物でもないんだろうけどさ。
「青蘭さんのことは嫌いなのか?」
『嫌いってわけじゃない。ただ、恋愛関係の場合は、「自分の足で少しでも立とうとする人」と付き合いたいとは思っているな』
なんか妙な物言いだな。
自分の足で立っている人じゃないんだ。それも、少しでも立とうとするっていうのが癖があるっていうかなんというか。
なんか曖昧な物言いだな。ちょっと妙に感じるっていうかなんて言うか。
そんな俺の疑問を感じたのか、樹下は電話越しで苦笑してるみたいだった。
『立とうと頑張っていてもできるかは別問題だし、頑張るのも大変だろ? そもそも頑張ることが大変で、諸事情あっても立つことそのものはできなくても、少しでも
なるほどな。
そういうことなら納得だ。
確かに頑張るのって大変だしなぁ。具体的なゴールとかチェックポイントがないと、俺もハーレムを作りたいと言っても中々頑張れないところがあるし。
駒王学園入学の為に、偏差値を上げることぐらいはできたけどな。それぐらいが限界だったっていうか、それでも女の子に囲まれないからどうすればいいのか分かんないところもあったし。
今は上級悪魔になって眷属でハーレムを作ればいいっていう感じで、具体的な目標があるから頑張れているところはあるし。やっぱり、どこに行けばいいのか分かってるかどうかってのは大切だ。
そして、そこまでされてもできない人はいるってことなんだろうさ。
樹下は特にその辺を知ってるだろうな。桃山警護事務所の正社員って、そういう人がたくさんいるし。
そんな人達に、樹下は助けた責任を取ろうとしている。そして、そんな人達のことを、樹下はきっと好意を持っているんだろう。
だって樹下の付き合いたい相手、彼女達だしさ。
「お前って本当にいい男だよな。俺もハーレム王になる為に、見習わせてもらうぜ」
『意味がよく分からないが、お前も大概だから安心しとけ』
そっか?
ちょっと俺はよく分からないけど、樹下は電話越しでさっきとは違った感じでため息をついているみたいだ。
『自覚がないなら体感しておけ。どうせ、二人がそうするだろうしな』
ん?
よく分からなくて首を傾げていると、なんかおっぱいの動きが強く激しくなってきたぁ~~~っ
「まったくもう。私達がいるっていうのにすぐに他の女の子に鼻の下を伸ばすようなことばっかり」
「流石に少しはジェラシーを感じるな。今夜ぐらいは私達だけを見てほしいものだ。どうせ朱乃副部長や小猫も来るだろうしアーシアもいるが、今夜は私達との時間だぞ?」
あ、そういうことか!
「ご、御免なさい! その、頑張って大事にします!!」
俺は謝ると、そろそろ本格的に俺からも動くことにする。
刺激は十分。あとは気合と日々の練習がものを言うはずだ。
さて、頑張るぞー!
次回、混迷の世界情勢説明会その2!