※この作品はR-18です。

シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚   作:グレン×グレン

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 はいどうもー! 最近AIイラストにもだいぶ慣れてきたグレン×グレンです! あと自分は近畿地方出身なので、大阪万博にもいってきます!

 実際問題、自分の周りで行った人は十分楽しめているようなので、まぁ楽しめるとは思っています。……というより、個人的には止めても金が戻ってくるわけじゃないんだから、足を引っ張らずに元が少しでも取れるようにしたほうがいいだろうにと思っておりますので、少しぐらいは入れてきます。最近テレビを無条件で信頼するのはやめたほうがいいとは思ってましたけど、ネットを見る限りやはりネットはネットで玉石混合すぎるな……っ

 本日はちょっと面倒な説明会となっております!


第四話 力が増すと増長する奴はよく出てくる。そして宗教まで絡むともう大事

《兵藤一誠》

 

 

 

 

 

 

 俺は今、朝礼でちょっと意外な人を見かけていた。

 

 いわゆるカジュアルファッションだから一瞬気づかなかったけど、あの人雨宮さんのお兄さんの雨宮司教じゃん!?

 

 本来なら裏側で大司教やっていたけど、駒王町の教会の人間側トップとして派遣された人!?

 

 た、多分リアス部長とアザゼル先生は知っていただろうけど、内緒にしていた的なアレだろう。俺もちょっと慣れてきた。

 

『と、いうわけで、選択授業の現代世界情勢の担当をする非常勤講師の雨宮星斗先生です。先生、ではご挨拶を』

 

『分かりました、校長先生。……では、まず一つ』

 

 と、雨宮先生がゴホンと咳払いをした。

 

『非常勤講師としてこちらに勤務させていただきます、雨宮星斗です。本職は駒王町教会に派遣された司教ですが、文化交流の一環として非常勤で講師を務めさせていただきます』

 

 そこまで言って、雨宮先生は少し苦笑した。

 

『聖職者として無用の虚言を避けることを兼ねて伝えますが、こちらの生徒である一年の小笠原美子さんとは血縁関係はありませんが、縁者同士が交際している関係上義理の親族にあたいします。顔を合わせたのは最近ですが、兄のように扱われることもあるでしょうから生暖かく見守っていただけると幸いです』

 

 そして速攻でブッコんだ。そして俺も同意見だよ。

 

 小笠原さんは普通に「お義兄さま」とか言いそうだし。あの子そういう所でちゃっかりアピールするところがありそうだしな。

 

 そっと見ると、満足そうだ。多分その辺りは隠す気なかったな。

 

『まぁ聖職者の一人である以上、キリスト教徒になってくれるのなら幸いですが、過度な布教は現代的に問題なので自制する方針です。……それと信徒である一部生徒が無自覚な布教のごり押しをしているという話を聞きましたので、心当たりのある方はぜひ伝えてください。……司教として説教します』

 

 ……イリナのこと言ってるな。

 

 視線がイリナに集まるけど、むしろなんというか憤慨していた。

 

 そして多分これ、「そんな人がいるのね!?」って感じだ。自分がやらかしている側の自覚がねえな。

 

 な、なんか凄いことになってきたなぁ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《木場祐斗》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 雨宮司教が非常勤とは言え、講師として駒王学園に来るとはね。

 

 とはいえ教会側の要人であるからこそ、この町に住まう上級悪魔が全員在籍している駒王学園に気安い立ち位置を獲得するべきでもあるだろう。小笠原さんとの繋がりを明かしたのも、オカルト研究部に入り浸ってもおかしくない立ち位置を獲得する意図もあるはずだ。

 

 とはいえ、彼の講師としての力量はどういったものかも気になる。

 

 気になるし、選択授業の兼ね合いもあるので普段より強い好奇心で授業を受けられるよ。

 

「……さて、先日の授業内容を確認したが、本日の講義としてはその派生で「国教」について触れる」

 

 また、中々に凄いことになっているね。

 

 堂々と司教であることを宣言したうえで、国教の概念に対して授業をする。これは彼の講師としての力量や器量が試されるだろう。

 

 国教。国家が信仰する宗教であり、宗教的催事を国家行事にするなど保護や優遇を行う政策だ。

 

「信仰の自由や政教分離政策が先進国の主流である現在においては少数派だが、今でも確実に存在している概念でもある。また信仰の自由や宗教という概念上、国民の圧倒的大多数が一つの宗教の一つの宗派を信仰している場合、それが事実上の国教も同じという「見えない国教」という概念も存在することも覚えておいた方が、他国の者と相互理解を働く時に大きく働くから覚えておいた方がいいだろう」

 

 と、素早く黒板にチョークで文字や図を描きながら、雨宮司教は遅くもなく速くもなく、耳によく届く声の調子で教えていく。

 

 流石は二十代で司教になられるような人だ。人を教え導く技術もしっかりと持っている。

 

 自然と、教室の生徒達も話を聞き言ったり集中して学ぼうとしているしね。聖職者は過去教師に近い立ち位置だったことも多いけれど、それを納得させてくれるものだ。

 

「例えばこの日本もそうだ。宗教観が世界的に見ても特殊極まりない為意識している者はいないだろうが、君達の神に対する認識は多分に「八百万の神々」という概念に基づく神道のそれだ。この国の象徴君主である天皇陛下がアマテラスに連なる伝承を持つことから言っても、ある意味では神道を大前提とする宗教国家とする意見が出てきてもおかしくないぐらいに……だ」

 

 更に切り口を変えることで、生徒達の関心を引くようにする辺り、話し方以外に教え方も上手い。他の講師の授業内容から派生する形でこれができるとは、かなりできる人だね。

 

「話を戻そう。厳密に国境を定義している国家はやはり少数派。その殆どは世界三大宗教であるキリスト教・イスラム教・仏教であり、国家数に限ればイスラム教が最も多い。また日本人が国教について論じたことがあるが、国家として小規模であると国教を維持する組織を設立することが困難であり、国家として大規模であると国教以外を信仰する者も多くなる為反対勢力が明確にできる点から国教設立にリスクが大きくなるという仮説を立てている。非常に興味深い論であり、その本そのものは図書室に寄贈したので興味があるなら読んでみるといい」

 

 そこまで語ったうえで、雨宮司教は苦笑いを浮かべた。

 

「そして、国教を制定している国家で世界的に今最も注目を集めているのが―」

 

 そこまで言いながら雨宮司教が書いていたのは、中東一体の地図であり、そこに書き記された一つの小国。

 

 細長い国土を持ち、小さな一か所が海に面しているその国土だけ色を入れて、雨宮司教は僕達生徒を見回した。

 

「ロザリオ聖教国。神代晃星が発生したこの二十年間で急速に勢力を伸ばした、宗教国家であり経済国家でもある小国だ」

 

 そこで一旦切り、雨宮司教は僕らの注目が集まってから話を進める。

 

 と、雨宮司教は胸元から十字架のついたネックレスを取り出す。

 

 そのネックレスは紐に通すようにいくつもの球体が通っている。あれは教会の装身具、ロザリオだ。

 

「ロザリオという単語に聞き覚えがある者もいるだろうが、元を正すと仏教の数珠と方向性が近い、このキリスト教の装具だ。そんな名前を付けている通り、かの国はキリスト教を明確に国教と定めている」

 

 話には聞いている。そして、僕(・)達(・)にとっては尚更無視できない。

 

「元を正すと、神代晃星発生後に自然発生した星辰奏者、彼が継いで急激に発展させた企業の経済力を背景に、中東からかき集めたキリスト教徒達と主体とした国家であり、国是として「経済が世界の体勢を決める以上、敬虔な信徒は主の教えを守り広める為に経済力を手にしなくてはならない」とする特殊な来歴を持つ。またこれは別の科目の話になるが、中東という地域そのものが全体主義や部族主義に傾きやすく民主主義という在り方を受け付けられないがゆえに、その煽りを喰らった者達を集めてもいる、中々に複雑な国家でもある」

 

 そう、ため息をつきながら雨宮司教は授業を進めていく。

 

「立ち回りそのものは上手なのも大きい。初手で非常に優秀な星辰奏者を持っていたことからか、中東に限定すれば技術力ではトップクラスであり、また中東故に地下資源の類も比較的豊富な為、経済的技術的な自立も大きく、また中東の全体主義はイスラム教を主体としていることから、国境を接していない国家はむしろ異教徒のはけ口にするべく相互利用を試みている。更に中東で多国規模の動乱が起きれば世界経済悪影響をもたらしやすい為、キリスト教徒が多い列強国はロザリオと近隣諸国が揉めないように宥め役に回らざるを得ない点も大きく、国家規模としては中の下だが、列強国とも立ち回れる国家に急成長を遂げている」

 

 書きながらちょっとげんなりしているけれど、司教の立ち位置だと苦労を掛けられされたりもしているのだろう。

 

 無意識なんだろうけど、手が胃の辺りに近づいているのもそれを思わせている。

 

「国教としての優遇政策も、国教を制定した国家のそれを参考に立ち回っている。例えば国教としてもキリスト教全体を定義して、細かい宗派の違いに対してある程度の寛容性を見せている。また国教以外を信仰しているの者に対しては「異教徒税の導入」「政治・軍務・裁判及び部長以上の企業管理職に他教徒をつけさせないレベルの職業制限」「首都や各区の要となる都市の居住制限」といったところであり、多少不便だが大金持ちや社会的な大成功に積極的でない、小市民としての安定を求める分には、むしろキリスト教徒以外でも中東では指折りの国家だ。信徒に対しても過剰な優遇はせず、「全教育課程における学費の一部免除」といった小規模なものに留めている。」

 

 そこに関しては感心すらしているようだけれど、それだけで済むわけでもない。

 

「そもそも国教の信徒に対してこそ、だからこそ敬虔な信徒として国是にのっとる形での協力を求める傾向もある。ロザリオ聖教国の正規軍は基本的に志願制だが、予備役に関しては信徒全員の義務として一定年代はほぼ強制参加で、兵役として定期的に訓練を受けることが義務付けられている。また国家運営の立ち位置は信徒でしかなれないからこそ、清貧を前提とする為大金持ちが少ないのも特徴だ」

 

 そこまで言ったうえで、雨宮司教はチョークを一旦おいた。

 

「他にもロザリオ聖教国には特徴的な部分も多いが、これは国教という概念から見て脱線するので独自に調べてみてくれ。……では、残る国教の二大派閥といえるイスラム教と仏教から、一国ずつ例にとっての説明を始める」

 

 ……ロザリオ聖教国か。

 

 正直、きな臭い話も多いから気になるね。

 

 それに一瞬、司教が僕に明確に一瞥していたこともある。

 

 これは多分、今日の放課後にも話があるだろうね。

 

 

 

 

 

 

 

《樹下誠二》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 放課後のオカ研部室に雨宮司教が来た時点で、まぁ真面目な話になるんだろうなとは思っていた。

 

「単刀直入に言おう。教会内部の和平反対派が中東のロザリオ聖教国に集まり、ロザリオ聖教国及び、その母体ともいえる国際企業である正教企業が抗議声明をバチカンに送りつけている」

 

「あの授業、伏線だったんですね」

 

 開幕速攻で司教はとんでもないことを言ってきたな。

 

 後木場はなんか感心しているけど、司教は茶目っ気でもあるのだろうか?

 

 まぁ、元々国家機関である桃山警護事務所は独自にある程度掴んではいたけれどな。

 

「元々神代晃星が誕生してから、神器保有者の数は増えるし上位神器持ちの上位星辰奏者は自然覚醒するし、なんなら後天的に宿る量も増えてるもんねー。これは当然の流れだとは思いますよ?」

 

 秀華もまぁ、そこははっきりというべきと判断したのだろう。

 

 ゼノヴィアとイリナもうんうんと頷いているし、これはもう仕方ない流れだな。

 

「そうだね。教会でもタカ派の有力者はそこそこ多かったはずだ。特に戦士と相応の接点を持ちやすい中堅幹部は大半がタカ派だった」

 

「枢機卿クラスとなると、基本的にはいなかったわね。助祭枢機卿クラスに一人か二人かしら」

 

 ……裏を返すと、中堅クラスの幹部や助祭枢機卿クラスにタカ派がいたということか。

 

 その辺りを考えると懸念になる点は多いが、雨宮司教は更に苦い顔をしている。

 

「その件だが、事態は悪い方向に動いている。……具体的には司教枢機卿からお一人、ロザリア聖教国に亡命した者が出てしまった」

 

 その言葉に、その意味を知る者達が戦慄する。

 

 そして当然だがイッセーはそこまで詳しくないだろうから先手を打つか。

 

「この国流にいうのなら、内閣の大臣クラスが和平に対する反対派閥に移ったということですが。かなりまずい事態ですね」

 

「そんなレベルなのか。……あ、樹下マジで助かる」

 

 ここで悟るぐらいにはイッセーも成長してるな。

 

 まさかすぐに悟ってお礼を言ってくるとは思わなかった。

 

 正直感慨に浸りたいが、とりあえず話が終わってからだな。

 

 実際問題、秀華やリアス部長、そしてアザゼル先生が苦い顔になるレベルの事態だ。

 

「まずいわね。ロザリア聖教国及び聖教企業は、キリスト教各宗派に対して無視できない規模の献金をしているわ。彼らが和平に反対を明言しているとなると、納得が追いついてない止まりの信徒からも離反者が出かねないわ」

 

「……すいませんリアス部長。聖教企業って、ニュースで何度か聞いたことがある様な止まりなんですが」

 

 と、イッセーが手を挙げて質問をしてきた。

 

 まぁ、聖教企業は日本だと馴染みが薄いからな。

 

「確か今日の授業で雨宮司教が教えていた内容にも触れてますね。ロザリオ聖教国誕生のきっかけになった、実質的な統治者側の企業だと」

 

「その通りだ。聖教企業とは中東に存在する中規模の海運業者を継いだ者が、神代晃星の影響で準神滅具を星辰奏者として覚醒した影響で掌握したことで急激に発展し、そして国際的な大企業となった会社だ」

 

 木場にそう答えた雨宮司教は、その上でため息をついた。

 

「その星辰光がまた厄介でな。簡単に言うと海洋に溶け込んでいる鉱物を集めることが可能で、海運業のついでに更なる資金を得られるようになったうえ、目覚めた神器に潜ることで一気に敬虔な信徒になってしまったのだ。……結果、無駄に聡かったこともあって「経済の観点からキリスト教を支える」という目標を掲げた結果、中東に限定すれば他を引き離すレベルの国際的大企業になってしまった。……献金額が高いからこそ発言を通すこともでき、また戦争回避主義の上層部とは折り合いが悪いことから頭痛の種でな」

 

「俺達神の子を見張る者と違って、人間社会規模で通用するレベルの下位の神器保有者を積極的に保護・勧誘しててな。異形社会で言えば片手間レベルの恩恵を、塵も積もればなんとやらで企業の増強に回したのも大きいな。おかげで気づく頃には小粒だが指折りの国家が誕生してやがった」

 

 アザゼル先生もしてやられた表情だな。

 

 なんか非常に面倒なことになっているというか厄介なことになっている。

 

「あと神代晃星の影響もでかいよね。あれが出来てから神器保有者は増えるわ、聖剣適正者も増えるわと、人間がめっちゃ強化されてるもん。だからほら、信徒全体も「これなら悪魔や異教徒にも負けない」って思っちゃいそうになるわけだし」

 

「耳が痛いな。実際、デュランダルの使い手に成れるほどの天然の聖剣使いも、戦士として引退したストラーダ司祭枢機卿猊下を除いても、私や麗奈さんを含めて四人ほどいる。更に人工聖剣使いを含めれば、聖剣使いの数に聖剣が足りないなどという前代未聞の事態も起こりえるとされているからな」

 

「現実問題、私が長官を務めていた技術研究局も新しい強大な聖剣開発に舵を切っていたからな。加えて現状、人工聖剣使い側からの離反は個人どころか組織単位で多い」

 

 と、秀華がフォロー半分で呟いたことにゼノヴィアや雨宮司教が更に苦笑いを浮かべてしまっている。

 

「というよりだ、神聖武装研究局は基本的に要の大半が離反していてな。私がこちらに司教として配属されたのも、引責に伴う降格処分という点もある。……もっと上の事情があるわけだが」

 

 と、言ってきたけどどういうことだ?

 

 もの凄く言い難そうにしているんだけど、どういうことだ?

 

 と、イリナが同情しているのか庇う様に移動すると俺達に向き直った。

 

「聖教国に渡った組織も結構多いんだけど、特に有力なのは司教が属していた神聖武装研究局に、「性犯罪に対して、被害者の救済と再起及び加害者の摘発及び更生」を目的として国際的に活動していた貞淑修道会、そして貞淑修道会の関係者が多数在籍している大規模戦士部隊である第七愛欲騎士団。そしてそれぞれ、信徒内の星辰奏者及び聖剣適正者を中核とする特殊部隊である、星雲騎士団と双聖剣士隊なんだけど……」

 

「……そこからは私が言おう天使イリナ。もうヤケクソ気味で言わせてもらうが、星雲騎士団最強と謡われ騎士団タカ派筆頭の名は、雨宮充二(あまみや じゅうじ)。……私と麗奈の、弟だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 あ~~………っ

 

 それは言うの躊躇する。躊躇するよ。

 

「愚妹の事件が起きる前から、タカ派筆頭レベルの過激信徒で、流石に修正が必須と早いころから教会の施設に叩き込んだのだがなぁ。寄りにもよって逆に周囲をタカ派に染め上げた挙句、麗奈達の事件もあって先鋭化が進んでしまった。……麗奈に伝えるのもだいぶ時間が掛かっているというか、正直に伝えられたのは本当に少し前だったりする」

 

 そ、そのレベルかぁ。

 

「……頑張れ麗夜さん」

 

 フォローを心から願い、俺は小さく祈るように呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《空本麗夜》

 

 

 

 

 

 

 

 

「……流石に星辰奏者といっても、それ以上は後に響くよ?」

 

「……無理。飲まずに、呑まずにやってられるか……ぃっくぅ……」

 

 まだ日の高いうちから、麗奈は早退して酒浸りになっている。

 

 俺も有休を使ってフォローに回っているけど、ガチでやばい。

 

 まぁ仕方ないね。よりにもよって充二君が離反して敵対しているわけだし。

 

 前に何度か会ったことはあるけど、かなり苛烈な宗教家だったからなぁ。問題解決の為に留学したとか聞いていたけど、冷静に考えればそれは当然教会の育成機関なわけで。

 

 それがタカ派の最大戦力の一角とか。控えめに言って反則級にヤバイ事態な気がしないでもない。

 

 ある程度の情報を星斗さんも送ってくれたけど、コカビエルがやらかした案件においてタカ派が強く出撃を推していたとのことだ。最終的に「言質での折衝役に最適な麗奈との折り合いが悪い」ことを理由に抑え込まれたけど。

 

 もうこの時点で、麗奈からしても頭を抱える案件なのは間違いないだろうね。

 

「それで、星斗さんとは何度も会っていたみたいだけど充二くんとは?」

 

 一度も会ってないということは流石に無いだろう。

 

 なんだかんだで麗奈自身、鮮やかな茶髪が総白髪になるぐらいには精神的に来ているわけだしね。キチンと麗華にも俺にも謝っていることを踏まえれば、きちんと悔い改めていることは間違いないわけだし。

 

 ただ、麗奈は盛大にため息をついているからそうでもないようだ。

 

「会ってくれなかったし手紙も受け取ってくれなかったりで、ぶっちゃけ絶縁されてる」

 

 それは、キッツい。

 

「それに素直に白状するけど、私が後悔して悔い改めたのは少年院を出た後、デュリオの虹色の希望を受けてからだから。充二ってタカ派をどんどん増やすぐらい苛烈で鮮烈なタカ派だから、戦士内だとハト派筆頭のデュリオのことを嫌ってたみたいで、その力を借りて漸く悔い改めるような私は論外よりなのよ」

 

「それは……いや、やっぱり潔癖すぎるでしょ」

 

 もう本当に大変だな。

 

 あと模擬戦戦績だけど、デュリオ相手に勝ち越しよりだ。

 

 最もこの資料を読む限り、正面突破においては若手どころか歴代の戦士達でも随一レベルとのことだ。正面からよーいドンの形式だと強すぎて、これだけでデュリオより強いかどうかの判断はできない。

 

 裏を返すと真っ向からの正面勝負なら、神滅具保有者にも通用するということか。俺はあまり話したことはないけど、彼って確か上位神滅具の保有者だったはずだ。

 

 それほどの戦士が和平に反対している。つまり、敵となる可能性が非常に大きい。

 

 それがあろうことか、俺達にとって身内に近い人物ときたわけだ。頭も痛くなるだろうさ。

 

 なんか俺も飲みたくなってきた。

 

 ただ、ほどほどにした方がいいだろう。

 

「とりあえず、一旦アルコールを抜こう? というか、今週は体調崩したりしないようにしてほしいしね」

 

「……ま、確かに」

 

 俺が宥めると麗奈も納得してくれた。

 

 まぁ実際、それぐらい大事なことがある。

 

「流石に、デートの一つぐらい真っ当にさせてあげたいしね」

 

「そういうこと。少しぐらい甘酸っぱい青春って奴が必須でしょ?」

 

 今週末、誠二とコナユキちゃんがデートをするからだ。

 




 グレン×グレンの定番ネタの一つ「過激派信徒」のお披露目会に近い所となっております。

 実は最近宗教関係でなかなか面白い切り口の作品を見ているので、それを参考にしてこいつらの終盤戦はとんでもない劇場版風味仕様にしたいところです。……確かアニメでもやるから、真面目に見とかないとな……。

 そしてそんなところの筆頭戦力が弟なせいで、麗奈大ダメージ。

 まぁ加速がついたのは間違いなく例の一件なのですが、遅かれ早かれなところがあるキャラではあるので頑張ってもらいます!
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