※この作品はR-18です。

シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚   作:グレン×グレン

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 はいどうもー! なんかよくわからんけど読者の数が増えているので、このビックウェーブを少しでも残すべく、一日一投稿を試みてますグレン×グレンでっす!

 とりあえず今週は頑張っていこうと思っています。ギリギリ行ける気がするんですよねぇ。

 というわけで、本編!


第八話 鍛錬、出演、そして酒宴♪

《樹下誠二》

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、ディオドラの件の捜査はアザゼル先生達に任せ、俺達は俺達なりに備えておくとしよう。

 

 俺達実働の戦闘要員は、一に訓練、二に訓練、三四が無くて五に訓練だ。

 

 一の実戦は百の訓練に勝るとは言うが、その一つを乗り切る為にも百が重要。世の中にはぶっつけ本番でやってのけるのが当然な連中もいるが、そんな連中を基準にしていいことなど圧倒的大多数には存在しない。

 

 故に、日々の訓練は重要だ。こういう積み重ねが圧倒的大多数にとっての大きな要素となるし、できるやつにとっても大きな要素となるものだ。

 

 というわけで、俺達も日々訓練は積んでいる。

 

 なにせ―

 

「はい。足腰の力が抜けてるよ! まずは型通りに動けることが第一!」

 

 ―師範代経験者の武術かがいらっしゃるからな。

 

 流花さんは元々実家の道場で、若くして師範代になったほどの実力者だ。才能と鍛錬の二つがしっかりとかみ合った、完成された強者のそれとなる。

 

 また武芸十八般をこなす武士から派生している為、不意打ちや奇策に対してもかなりの適応力を持つ。実戦形式、それも一騎打ちだけでなく一対多数を想定した組手の仕方も知っている為、うちの事務所における戦闘面で大きな貢献を果たしていると言ってもいい。

 

 俺や秀華も波柴の暗殺や護身の戦闘方法を叩き込まれてはいるが、指導方面はアドバイス程度が限界だからな。教えることに長けている彼女の存在はとても助かる。

 

 そして今現在、比較的体術面での慣れがないメンツが鍛えられている形だ。

 

「なるほど……これが、日本の武術か!」

 

「け、結構……大変ね……!」

 

 一生懸命頑張っている青蘭と信子さんだけど、特に信子さんは慣れてないところがあるから多少動きに無駄があるな。

 

 それを流花さんも悟っているのか、メモ用紙に色々と記入をしたうえで色々と書き直している。

 

「……はい、一旦終了! 水分を補給して五分休んで、その間に指導内容を修正するから」

 

 こういうこともできるということか。本当に流花さんはそういうのに慣れているな。

 

 とはいえ、俺もフォローは入れた方がいい。

 

 と、いうわけでスポーツドリンクをきっちり二本、適度に冷やした状態で持ってきているのを渡す。

 

「お疲れ様。ま、これから後半戦もあるけどな」

 

「……そうね。まだ後半……あるのよね……」

 

 あ、割と信子さんがいっぱいいっぱいだ。

 

 信子さん、夏の特訓もあまり成果が出なかった組だからな。神器を持っているにも関わらずそれが全然使えない状態が続いているとか。

 

 単純に才能がないというわけでもないようだしな。なんでも膜がかかっているようなとか、神の子を見張る者でも首を傾げるような状況になっていたとか。

 

 ま、そこは仕方ないだろう。

 

「いきなり無理に強くなる必要はないさ。それに、他にもアプローチがあるしな」

 

 俺は励ましたうえで、今度は青蘭の方を振り向く。

 

「青蘭は大丈夫か? やはり色々と勝手が違うだろうから、難しいところもあると思うが」

 

「そうだな。やはり勝手が違うところがあるが、それでもかつて鍛えていた分まだましだろう。……いや、というよりそうじゃなくて、だな……?」

 

 と、青蘭はチラチラとこっちを見てくる。

 

 うん。言いたいことは分かる。

 

 分かるが、これを言うのはどうなんだろうか。

 

 その躊躇が分かっているのか、信子さんも流花さんも気遣ってくれる視線がある。

 

 あるが、仕方がない。ここは気合を入れるほかない。

 

「体を壊さないギリギリの範囲で鍛え上げろ。ギリギリのラインを正確に見極めて、な?」

 

「……~~~っ♪ 任せてくれ、極限の一線を見極めて見せる!!」

 

 凄い生き生きと反応してくれて、俺としては喜べばいいのか嘆けばいいのか。

 

 ちょっと苦笑いを浮かべたうえで、俺は俺でトレーニングをするべく一旦離れる。

 

 と、そこで流花さんが隣に立ってくれた。

 

「久しぶりにメニューを見直そうか。……あと、大丈夫かな?」

 

「色々と戸惑っているけど、責任はきちんと取りたいので頑張りたい」

 

 ちょっと気弱な意見が出てきてしまうが、俺としては本当に頑張りたい。

 

 ただ、俺が無理をしていると踏んでいるのか流花さんは気づかわし気な視線を向けてくれる。

 

「無理はしない方がいいよ? 人って、自分が思っているほど自分のことが分かってない時も多いし。……少なくとも、私は分かってない時があったからね」

 

 その発言は、キチンと受け取った方がいいか。

 

 自らを見極めて壊れない範囲内で痛めつけると言ってもいいのがガチの鍛錬。そして、武芸者のそれは心身において向けられる。

 

 その上で、それができずに一度堕ちたのが流花さんだ。その言葉は身にしみこませるべきだろう。

 

「……そうだな。今度、タイミングを見て息抜きでもするさ」

 

「そうだね。その時は……私も参加していいかな?」

 

 と、ちょっと頬を染められて言われると照れるな。

 

 ただ、それもまた俺の悩みの一環なんだが。

 

「考えとくよ。とりあえず走り込みに行ってくる」

 

 俺はそういうが、しかし少し気になってしまうところがある。

 

 もう間違いないレベルで確信しているが、流花さんに海砂さん、そして信子さんやコナユキが俺に向ける感情はLOVE寄りだろう。

 

 それに対しても責任はとる。それが俺の生き方であり、その果てに死ぬと決めている。

 

 だが、恋愛感情に対して向き合うことに対して、責任感から背負うのは方向性が違うのではないだろうかと、そう思う俺もいる。

 

 これもまた、俺を悩ませている大きな要素だ。

 

 どうしたものかと思いながら走り出そうとした時だ。

 

「全員集合ー! 具体的には、正社員は特に注目ー!」

 

 なんか、困り顔の秀華が海砂さんに麗奈さんを連れて入ってきた。

 

 というか、海砂さんと麗奈さんも困惑顔なんだけどどういうことだ?

 

「ちょっとテレビ取材の申し込みが来ましたー。正社員の方達は勿論、準社員のみんなも基本的に参加でよろしく……ね?」

 

 ……なんですと?

 

 

 

 

 

 

 

《空本麗夜》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんでも、広報戦略の一環で若手の有力者達にインタビューをするという番組を作ったらしい。

 

 特に注目を集めているのは、乳首をつついて禁手を後天的に変化させたイッセー君を擁するリアス嬢だけれど、並び立って戦ったことが何度もあるレヴィアタンの末裔である秀華所長もかなり注目を集めているらしい。

 

 特にイッセー君は「乳龍帝」なんて呼ばれているらしいし、秀華所長は眷属悪魔を持つのかどうかで注目されている。

 

 まぁ正論だよね。現政権下の悪魔として活動するなら、魔王末裔という上級悪魔として眷属悪魔を持つぐらいで当然だし。

 

 ただ、絶対にややこしいことになる。

 

 なにせ所長、自分の星辰光で疑似的に自分の眷属を作れる。それも転生悪魔と違い、レヴィアタンとして変化させられるわけだ。

 

 絶対にその辺りが色々と思われている。旧魔王血族、特にカテレア・レヴィアタンはいつ殺しに来てもおかしくないし、純血を尊ぶ大王派辺りもいい顔はしないだろうさ。

 

「それで所長、悪魔の駒についてはどうするおつもりで?」

 

 と、各種資料を凄い速度で確認していた青蘭さんが所長に質問する。

 

 結構真剣な表情だし、険しいというか警戒というか、とにかく気にしているところが強く見える。

 

 相当懸念事項があるんだろう。この辺り、やはり学歴の違いが強く見える。

 

「今後を考えるのなら、早い段階で何人かを眷属悪魔にするべきです……が、既にレヴィアタン擬きになってしまっている誠二達正社員においては、駒の消費が大きすぎます。とはいえ、今後は星辰光による眷属の増員も難しいのでは?」

 

「理解が早くて助かるよ~」

 

 と、秀華所長はため息をつきながらテーブルに突っ伏している。

 

 まぁそうなるよね。

 

 時間さえあれば何人も魔王擬きを作れるとか、日本政府が最終手段としてしか明かさないように命令するだけのことはあるないようだ。

 

 冥界政府としても、あまり秀華所長に星を使わせずに眷属を用意してもらいたいだろう。だからこそ、悪魔の駒を持ってほしいと強く願っているはずだ。

 

 その辺りも考えて、今後の立ち回りを所長は考えている。そして同時に、それをこちらについてから日が浅い青蘭さんはだいぶ悟っている。

 

「……ちなみに所長。こちら、所長と縁を結びたいと考えている者達からいくつかの条件を踏まえてリストアップしたものです。よければ今のうちに読んでください」

 

 と、既にそこも踏まえているのだろう。青蘭さんは資料の束を渡してきた。

 

 それを所長も受け取って流し読みするけど、すぐに内容を把握したらしい。

 

「お、これはいいかも。誠二の命令?」

 

「……所長をきちんと見て、デスクワークでのナンバー2になれと命令をいただきました」

 

 ちゃっかり誠二の命令スキルが上がっている。

 

 思わず戦慄していると、麗奈がこっちを見て小さく苦笑していた。

 

 あ、あれは結構頑張っている流れだ。

 

「ちなみに所長。どこから聞きつけたのか、直接接触を図ろうとしてこのテレビ局に来ている上級悪魔が五人ぐらいいます。どうします?」

 

「そっちはこっちから接触して、「アポイントメント取ってから出直してこい」とか言っといてー。私はサーゼクス様達にメッセージで相談しとくからー」

 

 こっちもこっちで仕事が早くて助かるね。

 

 と、その時だ。

 

「……あ、戻ったぞ?」

 

「ゴメン、待たせたわね」

 

 誠二と海砂が入ってきた。

 

 インタビューが終わってからある程度時間が経ってからだけど、同じ局で収録していたイッセー君に、何故か呼び出されてちょっと別行動していたらしい。

 

「……青蘭。俺と海砂にちょっと水を持ってこい。後自分が欲しい飲み物もとっていいぞ?」

 

「はいっ♥ ただいま!」

 

 最近、誠二も青蘭さんの扱いに慣れてきてるね。

 

 この適応力、かなり高いのでは?

 

 ただ二人揃って苦笑いというか困惑というか、雰囲気が妙なところが気になるね。

 

「どうかした?」

 

「イッセー君に呼ばれたけど、なにか、あったの?」

 

 俺とコナユキちゃんが聞くけど、二人は顔を見合わせて苦笑しながら首を横に振った。

 

「大したことじゃないから、気にしないでいいわ」

 

「というか、すぐに分かるからそれまでは黙っておくように言われてるんだ……悪いな」

 

 ?

 

 なんというか、社員全員が首を傾げる展開だったね。

 

 ……今にして思えば、これを知ったら困惑するだろうさとは思うけどね。

 

 

 

 

 

 

 

《樹下誠二》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夜、俺は届いていたメールを確認する。

 

 送ってきたのは雨宮司教だ。事務所全体でないこととコナユキにも送られているところを見ると、どうやら例の件らしい。

 

 ……なるほど、な。

 

 今後を考えるまでもなく頭が痛くなる話だ。

 

 後でコナユキのところに向かおうと思いながら、俺は視線をそっと壁の隅に向ける。

 

「……まさか本当に一時間空気椅子をするとはな。というか、大丈夫か?」

 

「……ま、かせ……てくれ。命令は、必ずまもる……っ」

 

 顔真っ赤で汗だらだらでプルプル痙攣しながら青蘭はそう答えるが、明らかに無理をしている。

 

 どうにかして俺に対する絶対服従の自縄自縛っぷりを緩めたいと思いたまに無茶ぶりをするが、今回も方向性としては失敗か。

 

「ふぅ。もういいぞ、空気椅子は終了、だ」

 

 そう命令したうえで、俺は滑り込むように青蘭を抱え上げる。

 

「ご、ご主人様!?」

 

「とりあえずご主人様呼びはやめてくれ。あと、汗をかきすぎだからシャワーを浴びるぞ……一緒に入って体を洗え」

 

 俺としても気分転換はしたいしな。

 

 流石にはしゃぐ気分にはなれないのでスーパー銭湯には向かっていないが、ことが終わったら思いっきり入る気は満々だ。それぐらい、ストレスが溜まっている。

 

 青蘭と話をした方がいいとイッセーに言われているが、それもことが終わったらちゃんとしないといけないしな。

 

 ことがこと故そっちを優先している……というより、どうも内心で二の足を踏んでいる。だが、あまり先延ばしにしてもいいことなんてないだろう。

 

 そしてコナユキに関してもだ。ちょっと問題のある情報が届いたわけだしな。

 

 後でコナユキのフォローもしないとなと思っていると、途中の廊下で海砂さんと信子さんに出くわした。

 

「「あ、頑張って」」

 

「一瞬で察してくれてありがとう……」

 

 既にかなり同情されているな。

 

 そう思っていると、同じように二人は青蘭の方にも視線を向ける。

 

「そっちも頑張ってください。あと、誠二も疲れてるからほどほどにね」

 

「そうそう。私達が言えた義理じゃないですけど、誠二君も疲れたりはするから。そこはね?」

 

「あ、ああ。気を付ける……」

 

 なんか外堀が埋められている!?

 

 あれ、いつの間にか周囲が穏やかに見守る方向に進んでないだろうか此れ。

 

 そ、そこまでの根回しまで向けられていると!?

 

 正直少し困るが、一体何があったのやら。

 

「ま、メンバー同士の仲が良いのは良いことだけどな。それに、二人はこれからどこか行くのか?」

 

 とりあえず流しておきながら、俺は話を振る。

 

「ええ。たまにはメンバー同士で親交を深めるのもいいことでしょう? 宅呑みよ」

 

「誠二君はもう少し大人になってからね。ちょっと楽しみだったりするわ」

 

「……そっか。それはいいことだな」

 

 俺は素直にそう思う。

 

 俺以外の仲間たちともしっかり関係を結べていることがいいに決まっている。

 

 ただ、それを俺から強制するのは何か違う気がするから―

 

「あ、そういうわけだから今度は青蘭さんもきます? いいお酒を教えてもらったんですけど」

 

「それも安くて酔える、愚痴を言う分には最適なお酒。どうです?」

 

 ―こうして、周りがきちんと動けるのが一番だな。

 

「気になるようなら前もって俺に伺いは立てておけ。俺から細かいタイミングは指示しないが、そうしたい内容と時間帯から判断するぐらいはしてやる」

 

 俺はその辺の一線をきちんと引きながら命令を出すと、青蘭は少し戸惑って俺と二人を交互に見ながら、小さく頷いた。

 

「では、次の機会に」

 

 よし。まぁこれぐらいならいいだろう。

 

 それを聞いたうえで、俺は頷いてからシャワールームに歩き出す。

 

 ……ただ、少しだけ速足だな。

 

 恥ずかしいわけではない。ただ、迷いはある。

 

 責任はとる。己の意思でそれを決めて言葉にして告げた以上、俺はそれをしないという選択肢を持たない。

 

 好意を持たれた。支配を望んだ。それがその結果である以上、そこは重要で絶対だ。

 

 ……ただ、それは愛に対する返礼として不誠実ではないか。そこだけはどうしても付きまとう。

 

「ごしゅ……誠二?」

 

 と、俺に抱きかかえられている青蘭が、気づかわし気な表情を向けていた。

 

 ……しまったな。流石に不安がらせたか。

 

「悪い、ちょっと考えことをしてた。……気にするな」

 

 これは流石にな。

 

 俺は小さく微笑んで流すと、シャワールームに到着する。

 

「大仕事が一つ済んだら、一度真剣に話し合いたい。……その為の覚悟を用意しておけ。これも命令だ」

 

「……分かった。それはこちらにとっても好都合だしな」

 

 それはよかった。

 

 なら、シャワーを浴びたら気持ちを切り替え、一仕事の為の準備に移るか……!




 後数話でバトルに突入する予定♪
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