シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚 作:グレン×グレン
ただしその場合、一時的に投稿が滞る可能性が大です。そこは本当にすいません!
では本編!
《樹下誠二》
ここまで情報通りで、ここにいるのがコガネさんだとはな。
「メッセージありがとうコガネさん。……ただ、ここから道案内をしてくれるってわけじゃ……なさそうだな」
明らかに戦意の見える彼女に、俺はそういうほかない。
俺のスマートフォンに送られたメッセージとファイルは、コガネさんから送られたディオドラ達の位置だった。
更にこの場に旧魔王派の筆頭、シャルバ・ベルゼブブ、クルゼレイ・アスモデウス、カテレア・レヴィアタンの三人まで揃っているという情報に、離反した内通者達のリストまであっては、動かざるを得ない。
「私の知りえる限りの情報は送りました。……ですが、それ以上の利敵行為を働くつもりはありません」
そう言い切り、コガネさんはどこからともなく一対の剣を取り出して構える。
その目は決意が籠っており、ここを死に場所とする色が宿っていた。
「私はディオドラ・アスタロト眷属が一人、
「……ふっざけんな! あんた、何考えてんだ!!」
それに対して、イッセーが反射で激高する。
まぁ当然だろう。イラつくのは当たり前だ。
ここまでこっちにとって有利になる情報を提供しておきながら、自分自身は投降せず、むしろ主の為に戦って死ぬつもりだっていう時点で言いたくもなる。
それに付け加えるなら、彼女も重度の被害者だろう。
だからこそ、イッセーが大声を出したくなるのも分かる。
後妙な魔力が散布されている気がするが一体なんだ……?
「アザゼル先生達が調べてくれた。……ディオドラの眷属は殆ど全員、教会出身で追放されたり失踪したりしているって。それにアンタはアーシアと同じで、ディオドラを助けたことがきっかけで教会にいられなくなってディオドラのところに……! そういう、そういう仕込みをあいつがしてるってのは掴んでるんだよ!!」
その辺りはほぼ確定だ。
ディオドラの奴はシスターを堕落させたり失墜させて己の愛玩動物にするのが大好きな野郎だと、調べはついている。
雨宮司教の手伝いもあり、ほぼほぼ裏取りも完了だ。確定で黒。既に確保している者達からの自嘲聴取も済んでいる。
和平前なら褒められる余地もあっただろう。和平が結ばれた後なら、やめれば追及もかわせただろう。
だが、この行動でディオドラが続ける気だと考えるのは当然の結論だ。
もはやその時点で手加減をする理由はない。奴は敵であり、こちらとしても容赦をする気には全くならない。
もはやディオドラはお尋ね者のテロリストであり、コガネさんは貴重な情報提供者だ。
そのまま投稿するなりすれば減刑は確実。人生のやり直しは十分見込めるだろう。
……だが、今ここでコガネさんは俺達に対して戦闘することを選んでいる。
そりゃ文句も言いたくなるだろう。イッセーの言い分は筋が通っている。
だが、コガネさんはためらいを見せずに戦闘態勢を取っている。
「だとしてもです。どれだけ悪意があったものであろうと、彼にすがり生きることを私は選びました。……彼の悪意も所業も知った上の数年間、その分私は同罪ですから」
そう言い切り、そしてコガネさんは刃を俺達に向ける。
「彼は破滅するべき存在。ゆえに、その眷属である私もそれに殉じます。それが私のケジメです」
「……コガネ、さん」
コナユキが肩を震わせて、その上でしかし戦闘態勢を取る。
あの覚悟は本物だ。少なくとも、言葉で止まるような覚悟じゃない。
と、そこでイッセーがなんかスマートフォンを見せてくる。
フリック入力で文字を入れたらしいが内容は―――――
「イッセー」
「ああ」
短く言葉を交わす。
「お前後で一発コガネさんに殴られてろ」
そして素直な感想を叩きつけた。
「なんで!?」
いや殴られていいぞコレは。
とんでもないのをブッコんで来たなオイ!?
《空本麗夜》
戦闘は想像以上に激しくなっている……というより、乱戦になっている。
俺達と禍の団の戦いになるかと思ったら、アイアンローズやロザリオ聖教国にも情報が漏れていたようだ。
結果的に四勢力による乱戦となっている上、どの勢力も「全員敵! 滅ぼせ!!」なノリだから示し合わせた後回しも取れていない。
結果として乱戦になっており、むしろ先に読めた指揮官が「一旦ちょっと下がってから戦闘再開」という判断を取ってくれたおかげで少しはスマートに戦えている状況だ。
とはいえ、俺達の任務は戦闘に勝つことじゃない。そこは本命の部隊が対応することになっている。
俺達は基本的に陽動だ。
今回、アーシアちゃんが捕まっていることがまず発覚。その情報提供者であるコガネ・レイクメイデン嬢が送ってきた地下の秘密通路を通り、イッセー君達が救出班の一つとしてアーシアちゃんを救出する。
本格的に叩き潰すのはそこからだ。というより、禍の団の大派閥である旧魔王派に英雄派が色々と動いている辺り、何かしらの不安要素も大きい。
だからこそ俺達は暴れ回り、敵の目を引き付けることが目的だ。
「どうします所長! もうちょっと大暴れした方がいいですかね?」
「いやいや目立ちすぎなくてオッケーオッケー。本命の部隊に任せつつ、私達は無理ない範囲で尽力する方向で行こー!」
俺が確認すると所長が音頭を取り、そして俺達は戦闘を続ける。
アイアンローズも相応の奇襲部隊を送っているようだけれど、この調子ならまぁ大きな被害を出さずに行けるだろう。
……アースガルズやオリュンポスからも、神様まで含めて増援が来ているからね。
主神クラスまで出張っている大作戦。相手が禍の団でかつ旧魔王派のトップが三人も出張っているから、それは大事にもなるだろうけれど。
だからこそ、こっちはこっちでしっかり仕事をしないとね。
……そもそも、年長者主体で動く予定であり、俺達のような若手は可能な限り回さないようにする方針なのに来ているんだから。
リアス嬢やイッセー君が黙っていられるわけがないこともあってのご厚意だ。敵陣が敵陣ゆえに味方も精鋭が揃っているし、これは足を引っ張らないようにしないとね。
「さて、リアスちゃん達は大丈夫かね? 本来は潜入作戦よりだし、別動隊も結構いるけど」
「本命のルートに向かっているはずですから。おそらく潜入までは大丈夫でしょう」
所長に対して朱乃ちゃんが答えるけど、問題はそこからだ。
どうやら手練れはもう外に出ているようだけど、中の警戒が皆無なんてことはないだろう。もしそうだとするなら阿保としか言いようがない。
とはいえこっちがどうにかできるわけでもないし、そこはもう祈るほかないんだけどね。
そう思った時、小猫ちゃんが急に顔を上げた。
「気を付けてください……来ます!!」
その警戒に、俺達はすぐに周囲を確認する。
小猫ちゃんが振り返った方向は上である以上、高い確率で異形のはず……あれ?
「と、鳥……?」
ギャスパー君が首を傾げるけど、光り輝く鳥のようなものが群れを成してこっちに来ている。
一体なんだと思った時、ぎょっとしている人が何人か出てきていた。
「あ、これヤバくない!?」
「気をつけなさい、敵よ!!」
イリナちゃんと麗奈が明らかにぎょっとなっている辺り、これはロザリオ聖教国側か!
警戒を新たにしているころには、近づいてきたことでこっちも大体内容が分かってきた。
あれは全て、聖なる光で出来ている。更にその上に騎士鎧を着た星辰奏者と思われる者達がいる。
武装はもれなく誰もが太刀。更にカイトシールドを手にしているけれど、そこに手を突っ込むと何かを取り出し……手榴弾!?
警戒して投げつけられたそれから距離を取れば、それは回転しながら圧縮空気で飛ばされているのか水を飛ばしてくる。
ただ明らかに嫌な予感がするからそれも魔剣で弾くけど、巻き込まれた旧魔王派の悪魔達が痛がっている。
「聖水だと!?」
「しかも、質がいいぞ!?」
聖水を投擲した地点の周囲にばら撒く類の投擲手榴弾。なるほど、対悪魔特化型の武装になるだろうね。
効果範囲は精々半径10m足らずだけど、これは中々に厄介だ。
と、いうよりだ。
「新手か……! 一体どういう敵なんだい!?」
「間違いなく第七愛欲騎士団よ! あの騎士団、団長の特殊な星辰光で全員が劣化再現の星辰光を振るってくるの!!」
祐斗君にイリナちゃんが答えるけど確かにそれは凄い。
星辰光は基本としてオンリーワンの異能だ。酷似したものはあっても全く同じものは現状ないとされている。
結論として、疑似的にノウハウを共有できる星辰光の持ち主を大量生産できるとか反則に近い……というか反則だろうに!?
「なるほど、君達が噂のグレモリー眷属と桃山警護事務か。……まぁ、敵に変わりはないからもろとも打倒するべきだろうがな」
騎士の一人がそう言うと、太刀を抜き放つ。
本来太刀は両手剣に位置するけれど、星辰奏者の身体能力なら片手で振るって問題ない。更に楯との併用もある。ついでに、楯の中に色々と仕込んでいるみたいだしね。
立ち振る舞いから見て、あの青年が今の部隊では一番強い。少なくとも動きに隙が無い以上、技量は最上級だろう。
このレベルがゴロゴロいると流石に厄介なんだけど、さてどうしたものかね。
「我が名は、第七愛欲騎士団が一人、パウロ!! これよりこの地を征伐する!!」
「……へぇ~。糞信徒共と糞悪魔共の殺し合いかい? 見てる分には楽しそうだねぇ~♪」
その時、苛立ちそうになる嫌な声がする。
この殺気と声、覚えがある。
「……フリード・セルゼン!!」
振り返る祐斗君が聖魔剣を構えれば、そこにはかつての難敵だった、はぐれ悪魔祓いが一人。
「糞悪魔くんたちはお~久~しぶ~り~♪ はぐれ悪魔祓い改め、英雄派サブリーダーのコハヤの姉さん直属、
ウインクまでするフリードは、しかし殺気をこちらにビンビンと飛ばしている。
面倒な奴らがバーゲンセールで……本当に勘弁してほしいよ!!
《兵藤一誠》
なんか新技を使ってみたら味方に突っ込まれたけど、そんなことをいちいち気にしている場合じゃねえ!
とにかくここは突破しないとまずい。
こうなれば俺の洋服崩壊を使って一気に―
「青蘭、リアス部長達についてここを突破し、アーシアを救出しろ。俺とコナユキはコガネさんの相手を先にする」
―って樹下!?
「分かった。リアス様、いつでもいいです」
「……いいの?」
リアス部長が確認すると、樹下もフロージアさんも頷いていた。
「彼女を倒すのは時間が掛かるし、俺達としても無視するのは不本意だ」
「お願い。というか、私はこっちが本命ですから」
……なるほどな。
樹下やフロージアさんにとって、無視できない理由があるってことか。
ならいいさ。そういうのは大事だよな。
「死ぬなよ、二人とも」
「承知した。ここは一気に突破する!!」
俺と青蘭さんが答えて、樹下は頷くと魔剣の連続投擲を敢行した。
それをレイクメイデンさんは僅かな動きで回避する。
これだけで強いのがよく分かる。倒してからの突破は時間が掛かりそうだな。
だけど、樹下とフロージアさんはそれを織り込み済みだった。
「今だコナユキ!」
その瞬間、魔剣が熱を発生させて周囲の水分を蒸発させる。
そして次の瞬間、フロージアさんがその蒸発した水蒸気を冷やして凍り付かせる。
それに合わせて俺達は一気に走り出す。
そして通り過ぎたその瞬間、鋭い殺気が突き刺さる。
「やすやすと通す気はありませんよ?」
「だから俺達が足止めなんだ」
それを樹下が攻撃を入れることで意識を割かせてくれたおかげで、首に刺さりそうだった攻撃はキャンセルされる。
「そちらは任せる! 頼んだぞ!」
「必ず生きて戻りなさい!!」
ゼノヴィアとリアス部長が声を飛ばし、俺も腕を突き出した。
「絶対無事でこっちにこいよ!! こっちも大変なんだからな!!」
そっちは任せるけど、こっちも大変なんだ。
しっかりきっかり終わらせろよ、樹下にフロージアさん!!
じつは本編ではタイミングが悪く発動しなかったアレにより、最重要部分が誠二たちに知られました。読者の方々とコガネ本人はまだ知らぬ罠……!