※この作品はR-18です。

シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚   作:グレン×グレン

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はいどうもー! 型落ち品だけど自分用のPCを買ったグレン×グレンでっす

試験的にそっちで投稿してます! 不具合があったらごめんなさい!

では本編!


第十四話 狂光覚醒

《アザゼル》

 

 

 

 

 

 

 

 

 ったく! 情報が漏れたとしか思えねえが、諜報工作とかしっかりやってんだな!

 

 四勢力が入り乱れる乱戦状態。しかも面倒なことに、思った以上のどこもかしこもやりやがる!

 

 そして、だ。

 

「とりあえず会えて嬉しいぜぇ、オーフィス……!」

 

「ん。アザゼル、久しい」

 

 昔会った時のじいさんの姿じゃないどころか、露出度高めのゴスロリ幼女になってるが、オーラは間違えようがねえ。

 

 俺は今、オーフィスに出くわしている。

 

 禍の団の首領自らが出てくるたぁ、一体何を考えてやがる……?

 

 そう思った時、空が僅かに歪み始めている。

 

 チッ! 強大な存在が集まりすぎて、人間界が歪んでやがる。

 

 結界は一応張ってんだが、これだけの勢力が入り乱れると限度もあるか。人払いをしていて正解だったぜ。

 

「……大丈夫、我、ここで暴れる気はない。ただ、一度相まみえたいだけ」

 

 相まみえたい?

 

 その言い草に首を傾げた時だ、大量の魔力が迸った。

 

「……やってくれるな、クルゼレイ。いや、そこの彼もあってのことか」

 

「これが真なるアスモデウスの力だ。……偽物風情が、よくここまで苦しめてくれたな……っ」

 

 ちっ。サーゼクスも手古摺っているか。

 

 俺は視線を向けるが……いや、これ違うな。

 

 サーゼクスはサーゼクスでばて気味だが、それ以上の相手の方が消耗している。

 

 旧魔王アスモデウスの末裔、クルゼレイ・アスモデウス。

 

 服はボロボロ。全身血まみれ。しかも肩で息をしている上、見るも無残な姿だった。

 

 どうやら数十人レベルの蛇で強化した悪魔を投入した上での猛攻だったようだな。ま、あのサーゼクスの真の姿を知っていれば、蛇を使って魔王クラスになっても勝ち目はないし当然だろ。

 

 しかもどこから調達したのか、折れているとはいえ聖剣まで用意してやがる。使い手はどうやって見繕ったことやら。

 

 そしてその上で明らかに消耗している。もはやへとへとだ。

 

 明らかにサーゼクスの方が現状優勢だ。これで勝っても勝ち誇れないレベルでクルゼレイはコテンパンにされている。ついでに言うと、ここからなら確実にサーゼクスが勝てる。

 

 それをしないのは、明らかにやばい力量の悪魔が一人奴の隣にいるからだ。

 

 クルゼレイと似た雰囲気の、ヴァーリよりちょっと上程度の悪魔の坊主。これまた大分消耗しているが、しかしサーゼクスよりは万全だ。

 

「お手数おかけして申し訳ありません、オーフィス様。もしよろしければ、彼の相手もしていただけると幸いです」

 

「……ん。ラウルレルにはお菓子五回もらった、わかった」

 

 げ、サーゼクス達までターゲットに入りやがった。

 

 ちゃっかり立ち回っているその坊主はちゃっかりオーフィスを間に挟んだ位置でにっこり微笑んできやがった。

 

「お初にお目にかかります。私はクルゼレイ兄様の遺伝子的な弟になりますラウルレル・アスモデウスという者です。……クルゼレイ兄様、ここは私がオーフィスと共に引き受けますので、少しお休みください」

 

 そう促されたクルゼレイの奴は、血涙まで流して悔しがりながらサーゼクスを睨んでやがる。

 

「ここまで準備して……っ! 何故、本物が偽物に負けねばならぬのだ……っ!!」

 

 もの凄い勢いで悔しがっているが、ラウルレルとかいう坊主はそれを宥める様に手を前に出す。

 

「あれはもはや悪魔というのも難しい化け物でしょう。人間の戦闘機が核爆発には無力なのと同じことです。戦力として負けていようと王としての格は別問題。それより報復こそを考えるべきです」

 

「……分かった。オーフィスと共に任せるぞ……っ」

 

 そう説得され、クルゼレイは転移の光に包まれて消えていく。

 

 追撃したいが、オーフィスが軽く戦闘態勢を取ってるから無理だな。

 

 真の姿のサーゼクスならタイマンで足止めもできるだろう。だがここまで消耗している奴に全部任せるわけにもいかねえ。ラウルレルってのが未知数なのも含めると尚更だ。

 

「気を付けるんだアザゼル。私はクルゼレイの蛇をまず消したが、彼が来た途端底上げされたことで、持ってきた蛇を摂取するまでの時間を押しきることができなかった」

 

「バフ系の異能持ちってか? 厄介な奴だなオイ」

 

 サポート系の魔王血族とか、何をしでかしてくるか分かったもんじゃねえ。

 

 ただ警戒してたんだが、ラウルレルの坊主は肩をすくめる。

 

「いえいえ、基本的に魔王血族限定のブーストです。星辰奏者技術を流用した、オーフィスを抱きかかえる前の対現四大魔王用の切り札と思っていただければ」

 

 ……懸念点があるが、なら何でここにいる?

 

 いや、だからこその懸念点だな。

 

 というより残ってるのはあれだ。オーフィスを見守る為だろうな。

 

 どうも何を考えてるかさっぱりなところがあるしな。

 

 さて、それはともかくだ。

 

「ディオドラの坊主はイッセー達がぶちのめす。悪いがアーシアは助け出させてもらうぜ?」

 

「そう簡単にはいきませんよ。一応、彼女の拘束具は特別性なので」

 

 ラウルレルはそういうが、同時にオーフィスは首を傾げている。

 

「ディオドラ、我の蛇を与えた。赤龍帝が勝てるか?」

 

 ……はっ。

 

「悪いがイッセーのことを舐めすぎだ。蛇で底上げしただけの上級悪魔が勝てるような奴じゃねえ。それにだな?」

 

 ちょっとそれは計算が甘すぎるぜ?

 

「今のアイツは洒落にならねえのさ。蛇クラスの隠し玉があと三つはいるぜ?」

 

「……それは流石に懸念点ですね」

 

 ラウルレルはそう呟き、眉間にしわを寄せる。

 

「あと一つ必要ですか。これは増援を送った方がいいかもしれませんね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「二つはあんのかよ!?」

 

 イッセーも大変だなオイ! 頑張れよ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

《空本麗夜》

 

 

 

 

 

 

 

「その程度か、どいつもこいつも!」

 

 そう吠える充二君は、はっきり言って鎧袖一触だった。

 

 というか、さっきからほぼほぼ無双だ。

 

 振るう剣は稲光を纏い、切り裂くだけでなく稲光の斬撃はそのままビームのように飛んで遠くの敵まで吹き飛ばす。

 

 冗談きつい。あれ、多分星辰光だろうけど星辰光の出力では断じてない。

 

 賭けてもいい。出力だけならヴァーリ・ルシファーすら段違いに上回っている。下手をすると、星辰光だけで星辰光まで使ったヴァーリに覇龍を使わさせかねない。

 

 更に隠し玉がいくつもあるという。真剣に勘弁してほしい。

 

「と、とりあえず話を聞いてくれないかな充二君! いや、俺の話なんて聞きたくないだろうけどね!?」

 

「愚かな姉に乗せられたとはいえ強姦に手を出し、あろうことか悪魔に成り下がった者の話など、打ち倒して引っ立ててからで十分だ!」

 

 駄目だやっぱり聞く耳持たない!

 

 さっきから回避するのも大変なんだけどなぁ!?

 

 それに―

 

「と、止まってくださぁあああああっい!」

 

 ―さっきからギャスパー君が全力で停止を試みていてこれだ。ありえないだろう。

 

 いや、厳密に言うと一瞬だけ急減速したりしているときがあるから効いてないわけではない。

 

 だけど、いざそうなった時にすぐ振り払ってくるんだ。

 

()()()ぁっ! この程度で止まるものか!」

 

 強引に振り切ってくるわけだよコレが。

 

 理屈はない。というか、経験したことがある。

 

 秀華所長の星の加護を受けた時、彼女の気合に背を押される形で俺もやったことが何回かある。

 

 本当に気合で限界を超える手合いだ。反則の権化だろ。

 

 敵に回して初めて分かる糞みたいな展開っぷり! 思わず謝りたくなるぐらいだよ!

 

「ちょ、充二! あんたせめて敵は選びなさい!!」

 

「選んでいるさ! 見境なく和平を結ぶような愚行はしない!!」

 

 駄目だ。麗奈の言うことも取り付く島もない。

 

 これは俺達だと無理だな……と、なると。

 

 もういっそのこと麗華に頼むか……いや、魔王末裔だからややこしいことになる。

 

 とはいえ、この騒がしい戦いもほどほどにしておかないと―

 

「……ほぉ? どうやら面倒な手合いが集まっているようですね」

 

 ―この声は!?

 

 思わず振り仰げば、そこにいたのはカテレア・レヴィアタン。

 

「忌々しいセラフォルーはいないようですが、優先順位はきちんとつけませんと。……そこの忌々しいまがい者どもには滅んでいただきましょう」

 

 前門の信徒筆頭に後門の魔王末裔……っ!

 

 おまけに乱戦なので逃げ場がない……っ!

 

「……はぁ。こりゃやるしかないか」

 

 寒気すら覚えたその時、それすら超える鋭い意志を感じる声が響いた。

 

 まさか、所長が自ら!?

 

「ちょ、本気ですか!?」

 

「やりたくないけどやるしかないでしょ。……ちょうど、あっち側は敵しかいないっぽいしね」

 

 俺が確認を取ると、所長は力強く地面を踏みしめ、鋭い視線でカテレア・レヴィアタンを睨みつける。

 

「……かかって来い。誰もアンタに殺させない……そう―」

 

 その瞬間、所長が切り替わった

 

「―()()()……っ!!」

 

 明らかに所長の魔力が膨れ上がる。

 

 明らかなレベルの出力の上昇に、一瞬だけど充二君が戦闘の手を止めて警戒に入るほどだ。

 

 これは、ちょっとやばいことになるんじゃないか!?

 

 

 

 

 

 

 

 

《樹下誠二》

 

 

 

 

 

 

 コガネさんの諦観ややけっぱちにすら思える行動は、彼女の来歴にこそあった。

 

 断罪の聖女。それがコガネさんに名づけられた尊称にしてコードネーム。

 

 英国北部における教会が保有する、危険因子を闇に葬ることを目的とした暗部の称号。

 

 厄介なのはその来歴から汚れ仕事であるにも関わらず、歴代の彼女達が現地の信徒にとって理想的な者達ばかり在籍していたことで、現地の聖職者にとって本当に崇拝の対象となっていたそうだ。

 

 そして彼女の場合、その称号を若くして与えられるに足るほどポテンシャルが高すぎた。

 

 こと彼女が行っていたのが、船上にいる対象の暗殺。これを為すにおいて彼女の持つ才能はあまりにもシナジーが高すぎた。

 

 瞬く間に彼女は断罪の聖女として、その実態を知る者達から畏怖とそれ以上の尊敬を集めることになる。

 

 彼女がディオドラを助けた時も、それが大きな要因となって庇われることとなった。だが、その諍いとそもそも庇われた理由が「数多くの悪を人知れず葬ってきた事実」に由来する事が、彼女を更に消耗させたのだろう。

 

 そして精神的に追い詰められたコガネさんだが、それでも最後の一線として仕事以外での殺人は当然だが行わなかった。

 

 ……それが、両親を殺されたことで一線を踏み越えてしまった。

 

 俺は資料しか読んでいないが、本当に酷かったとのことだ。

 

 いまだにPTSDで病院に通院している者すらいるほど、凄惨な現場だったと書かれている。

 

 凶手は全員ばらばらに惨殺されており、それも短い時間だがなぶり殺しだった。

 

 まず逃げられないように足の腱を切り、首を絶妙に切り裂いて降参を示すことができないようにした。

 

 そして十秒かけての全身を滅多切り。その結果として、即死ができないが蘇生も不可能な状態になり、下手人は痙攣しながら声にならないうめき声を数分間は上げ続けていたという。

 

 ……それほどまでに彼女は追い詰められていて、両親が最後の縋れる対象だったのだろう。知識や知見としての理解はできる。

 

 俺とて母親を無残に通り魔に殺された男だ。激情や憎悪がないわけでもないし、多少は共感もできるだろう。少なくとも、目の前にいれば冷静さを維持できる自信はいまでもない。

 

 そしてだからこそ、コガネさんはディオドラに依存している。厳密に言えば「ディオドラに縋って堕ちるところまで墜ちた」という認識を支えにしている。

 

 この迷走の原因はそれだ。彼女がディオドラという存在に縋りつく弱者でいることにアイデンディティを持っている以上、強引にぶち壊さなければそこから出ることはできないということだ。

 

 そして、そんな状態ですら彼女は俺とコナユキを助けてくれた。

 

 追い詰められた時や酒に酔っぱらっている時に出てくるものが本質……というのは必ずしもイコールではないだろう。

 

 精神的の余裕がない時はそもそも脳の機能が一部マヒしているのだから、側面という方が正確なはずだ。

 

 だが、少なくとも彼女は「追い詰められていても人を助けようとできる」側面を持っている。

 

 得難い資質だ。危うさもあるだろうが、尊ばれるべきだしそういった人が大切にされるべきだとも思う。

 

 だからこそ。

 

「貴女は此処で殺さず止める!!」

 

『正気を……疑いますね!』

 

 俺が投擲した魔剣を、コガネさんはたやすく断ち切りながら転移を乱れ打つ。

 

 幸か不幸か、彼女の星辰光についてもある程度の情報は掴んでいる。

 

 神滅具である絶霧の劣化再現。そういう意味では俺に近しいタイプの星辰光だ。

 

 ただし正真正銘劣化再現。本来の絶霧は絶大な防御性能を持つ結界であると同時に、霧に包み込んだ対象を自在に転移させることも可能な神滅具。上位にカテゴライズされるだけあり、理論上は都市一つ丸ごと包み込んで異空間に飛ばして滅ぼす……なんて真似も理論上はできる。

 

 だが彼女の場合、霧全体を結界とする形で攻撃を減衰させるという形が結界の限界。更に転移においても霧の中を自在に転移する程度であり、抵抗すれば防ぐことは簡単にできる。

 

 だが、この視界を塞ぐ霧が結界と転移をもたらすという点が十分すぎるほどに凶悪だ。こと事前に準備を整えたうえでの暗殺において、それだけでも十分すぎる。

 

 更に異能こそ持たせられないものの、自在に得物を作ることができる霊武創造(アタック・プリンタ)は武器としての攻撃力と強度は魔剣創造や聖剣創造以上。これも強敵を真っ向から打倒するのではなく、多少のボディーガードを打倒することを視野に入れた要人暗殺なら、凶器の特定が不可能になる為十分すぎる。

 

 更に湖の精霊としての在り方を先祖返りで会得した結果、彼女は長距離の水中活動すら可能。これが船に乗っている危険因子を狙い撃つ暗殺活動の適性をあまりに持ち合わせすぎていた。

 

 故に、この環境は俺達にとって圧倒的に不利。本領を発揮できる彼女は、問答無用でディオドラ・アスタロト眷属最強の戦力だ。

 

 だが、こちらも準備は整った……っ!

 

「……もらった、よ!」

 

 それは、コガネさんが空中に飛び出して俺達に切りかかったその瞬間。

 

 一瞬で、下の水は全部が凍り付いた。

 

「そう来ましたか。ですが、これで彼女は脱落でしょう!」

 

 歯を食いしばりながらコガネさんは素早く追撃態勢に移る。

 

 転移すると同時に回り込むのはコナユキの側面。

 

 安易に真後ろを取らない判断は、同時に冷徹なまでに隙を狙ったものだ。

 

 コナユキのPTSDは深刻だ。凍結能力そのものの発動が引き金になる以上、どうしても動きに粗ができる。

 

 それを分かっているからこそ、あえて彼女は動いた。

 

 ……まったく、困った人だよ。

 

 そんなつらそうに歯を食いしばって、人を殺し続けてきたんだな。

 

 だが―

 

「悪い、けど! それは対策済みです!」

 

 ―対策を取っているがゆえに、コナユキは迎撃を成功させる。

 

「っ! それは……聖剣!」

 

 コナユキがコガネさんの迎撃に使ったのは聖剣だ。

 

 コナユキはコカビエルの一件で、後天的な聖剣使いになっている。それはすなわち、聖剣を得るという形で彼女の力を底上げできるというメリットが存在している。

 

 そしてコナユキが振るうのは、雨宮司教が一から彼女用に作ってくれた特別製。

 

 重度のPTSDにより己の異能を振るうことが困難なコナユキの問題を緩和することを目的とし、精神の鎮静や心肺機能の調整といった加護を与える新型の聖剣。名をハートエイド。

 

 コナユキ・フロージアが戦う為の聖剣。

 

 そして、その聖剣はコナユキ専用に調整しているがゆえに、発動体としての性質を持つ。

 

「創生せよ、天に描いた星辰を―――我らは煌く流れ星!」

 

 だからこそ、ここからが本番だ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《兵藤一誠》

 

 

 

 

 

 

 

 

 ディオドラ、こいつ……っ!

 

「思った以上にしぶといね。というか……痛いじゃないか!?」

 

 顔に血をにじませてアザもできているディオドラだけど、ここまで粘られているなんて思わなかったぜ。

 

 流石にリアス部長の同期が、それもオーフィスの蛇まで使ってるだけってことはあるってか? 笑えないな。

 

 俺も肩で息をしながら、ディオドラを睨みつける。

 

 ディオドラは星を開帳した途端にヤバイ暴れっぷりを見せてくれたよ。

 

 部屋中から聖なるオーラが剣になって出てきたうえ、ゼノヴィアのデュランダルと切り結べるぐらいの聖なるオーラの剣をディオドラ自身が振るってきやがった。

 

 部屋中ごっそり聖なる光があふれている星で、リアス部長とゼノヴィアがかなり消耗している。青蘭さんは転生悪魔でこそないけど、妖怪の血まで先祖返りしているからダメージは十分ある。

 

 こっちも何度も殴り飛ばしているけど、オーラを楯にして防いできやがる。勘弁してほしいぜ。

 

「なんでぴんぴんしているんだ、お前! 転移もろくにできないくせに! 下級の、転生の、屑のような奴が、僕の星を耐えるんじゃない!!」

 

「うるせえよ! お前こそそろそろ死んどけよ!!」

 

 流石にいい加減うざくなってきた。

 

 ただでさえむかついてるってのに、無駄にしぶといとか勘弁してほしい。

 

 くそ! 他にも別ルートから突入している味方がいるはずだってのに! 足止め喰らってんのか?

 

 いや、俺達は俺達でやるべきことをするだけだ。

 

 そう思った時だ。

 

「……え?」

 

 アーシアがきょとんとした声を上げて、つい視線をそちらに向ける。

 

 そこで、アーシアを拘束している拘束具から妙なオーラが出てる。

 

「始まったか。ま、この部屋は無事だろうから問題ないけどね」

 

「何を言っているの、ディオドラ!!」

 

 リアス部長が滅びの魔力を叩きつけながら、ディオドラに問い質す。

 

 それを聖剣で薙ぎ払いながら、ディオドラはにやりと悪意を込めて笑ってきやがった。

 

「シャルバ達の作戦だよ。あの拘束具は英雄派の幹部が持っている、結界系最強の神器でもある上位神滅具の絶霧(ディメンション・ロスト)の禁手で作られたものでね」

 

 な、なんかヤバそうなのが出てきたな。

 

『絶霧は神滅具の一つだが、上位の名がつく通り俺が宿るこの赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)より強力な代物だ。更に結界系神器なだけあって、守りに徹した禁手だとするなら今の相棒でも壊せるかどうか分からんぞ』

 

 マジかドライグ! そんなレベルか!

 

 くそ! 壊すにしても、ディオドラが邪魔で時間を掛けられないし―

 

「仕方がない。私がオフェンスに回る、持ち回りでまず壊せないか確かめてくれ!」

 

 ―その時、青蘭さんが一歩を踏み出した。

 

「……長時間使えるような物ではないから最終手段にしていたのだが、どうやら今がその時なようだな」

 

 な、なんか知らないけど隠し玉があるということですね!

 

 助かります。ぜひお願いします!

 

「ハッ! 三下の人間もどきがよくほざくねぇ!」

 

 ディオドラは遠慮なく馬鹿にしながら、聖なるオーラと魔力の波状攻撃を放っていく。

 

 って青蘭さん避ける様子がないんですけど!? 当たるとやばいのでは!?

 

 ってこれもう絶対に躱せないって思っちゃった時だった。

 

「……創生せよ、天に描いた星辰を―――我らは煌く流れ星!」

 

 その起動音声と共に、青蘭さんが真正面から突貫してディオドラに蹴りかか……るなあれ。

 

 いや、一瞬混乱するんだけど、なんか足に装着してるな。

 

 金色に見える毛皮がついているような足を覆う鎧に、あろうことかごつい刃がついているんだけど。

 

 樹下の星辰光に似てるな。……あ、神器の再現とかそういう系統か。

 

 つってもあの神器がどういったものなのかで頼りになる度合いが代わるけれど―

 

『おいおい、今度は獅子王の戦斧(レグルス・ネメア)か。神滅具祭りだな今日は』

 

 ―神滅具なんですかドライグさん!?

 




ガチ勢がアップを始めました。

さて、次も頑張って投稿するぜー!


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