シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚 作:グレン×グレン
野菜豊富な生活+好きなモノ作れるからこともあって、精神的にはちょっとプラスになっているかも? 帰りに「冷蔵庫の中身」から「今日の晩御飯と必要な買い物」を考えるのは結構楽しい辺り、自分は料理を作るのがかなり好きなんだと思いました。ちなみに今夜は「カリーヴルスト」に「洋風サラダ蕎麦」です! ……クックパッド始めるか……?
それはそれとして本編!
《樹下誠二》
素早くフリック入力でスマホにメッセージを入れ、それをイッセーに見せつつ俺はディオドラと対峙する。
そして遅れて入ってきたコガネさんを背負ったコナユキをちらりと見てから、俺は青蘭に振り向いて苦笑した。
「完敗だ。誇っていいぞ、お前は俺に決定的な一撃を与えたとも」
「え、あ、ご主人さま……?」
困惑している青蘭には悪いが、とりあえず言うことを言っておこう。
「一つ聞こう、ディオドラ・アスタロト。お前、万が一この場を切り抜けて禍の団に鞍替え成功となってからどうする気だ?」
「……なめるなよ? 色々と動いてきたようだけれど、そもそも念の為に前から資産は流している。このアスタロトのディオドラが態々来てあげたんだし、まぁお前達を倒すまで比較的質素な生活をするだけだ。何の心配もない」
あ、こいつ本当にバカだ。
アスタロト家に対して心から同情する。こいつ、元七十二柱本家の一つを継ぐに足るポテンシャルを持ってない。
「ブ……フッ……ぅ……っ!」
駄目だ、噴き出すのが止めきれなかった。
実際、このレベルの馬鹿が次期当主になったらなったで酷いことになる予感しかしない。
おいおい勘弁してくれ。ここ最近で一番笑えるぞ。
ほれ、事情もある程度は知っているイッセー達も軽く引き気味だし。
「おいおい冗談だろ。確かに完璧には把握できてなかったが、お前あの検挙が突発的だとでも思ってるのか!?」
「な、なんだと!? 僕達の動きを察知して、急いで動いたんじゃないのか!? 本格決行はともかく、準備は何年も前からしているんだぞ!?」
え、あれでか!?
確かに完璧にではなかったが、割と早めに把握できていたというのにか?
もはや旧魔王派が倒されるべくして倒される組織にしか思えない。そりゃ王族の集まりだってのに政権転覆レベルで反乱されるわけだよ。
「バカかお前。言っとくがお前の保有していると思われる個人資産の九割及び、隠し資産として推定された個人資産額の五割相当は確保済みだぞ?」
俺がはっきり言ってやると、ディオドラの奴は目を見開いて愕然としていた。
「な!? て、手持ちの八割近くが……っ!?」
思った以上に獲得できていたようで良かった良かった。
まぁ意地が悪いが、俺もいい加減腹が立っている。
悪党相手なら何をしてもいいなんて言う悪党に成り下がる気はないが、流石にもうちょっと言ってもいいだろう。
「元からグラシャラボラス家の次期当主死亡事故関係でお前は怪しまれていたが、夏の大暴れでオーフィスの蛇を使用した疑惑もあってお前は重要捜査対象だった。更に俺の情報提供やある種のタレコミもあってな。……その様子だと、先月の時点でコガネさんが自分の来歴を俺に言っていたことも、少し前にヴァーリがイッセーにお前を警戒するように伝えていたことも知らなかったようだなぁ?」
俺がわざと厭味ったらしく言ってやると、ディオドラはもう唖然となっていた。
「あ、あんな過去を自ら話すだと!? それに、ヴァーリは何をしているんだ、あのバカ!!」
まぁその辺は同感だが。
コガネさんの過去は間違いなくトラウマ級で、親しくなければカウンセラーでもない人に話すことではない。
ヴァーリに対しても、助けられてなんだがあいつは自分の所属をなんだと思っているのかと思ったりはする。ディオドラは一応味方であり、奴の存在が今回の作戦で割と重要なポジションなのも間違いないだろうに。助けられてなんだがツッコみたい。完膚なきまでに容赦する価値の無いディオドラだが、ヴァーリを殴ってもバチは当たらないだろう。
だがまぁおかげで、捜査はだいぶ進んだよ。隠し資産の大量確保はそのおかげだ。
「もうどこもかしこもお怒りだぞ? お前の兄貴の現ベルゼブブ様に至っては、魔王の勅命で討伐許可を出したしお前の個人資産をお詫びとして教会に
あれはちょっとスカッとしたな。
そしてディオドラはもの凄く唖然としている。
「なぁ!? 何故、弟の僕を!?」
「いやいや
思わずマジレスをしてしまった。
ま、そういうわけだ。
「好き勝手に動いたツケを払う時だ。自分の行動と発言に責任を負うことこそ自由の本質。もっとも、お前はそんなものがない無法を自由とはき違えているんだろうがな」
俺は確信をもって断言する。
でなければここまで醜態をさらすわけがない。よしんば追い詰められたとしても、もう少し立ち振る舞いというものがあるだろうからな。
そして容赦をする理由もないし、そこまで窮地というわけでもない。
「外から来たおかげですぐに分かった。この部屋はお前という星辰奏者を強化する為の特注品で、つまり壊している以上その恩恵も激減だ。……今更お前に勝ち目があると思っているのか?」
「この……っ! 僕はアスタロトのディオドラだぞ!? アーシアやコガネにしたって僕の物だ!! どれだけ苦労したと思っている!?」
俺が最後通告をしても、ディオドラはその意味にすら気づかず妄言を吐き散らかす。
まぁ、相当苦労はしているし大変ではあるだろうがな。
やり方も目的も方法も論外だが、まぁ並大抵の根性でし続けられることではないだろうさ。その点だけは危険視したほうがいいだろうと思うぐらいにはな。
「コガネの時は本当に死にかけた! 断罪の聖女に恨まれるのもあれだと思って珍しく親を説き伏せて取り込もうとしたら、馬鹿が情報を流した所為で、念の為に購入していたフェニックスの涙を使う羽目になるほど深手を負った! その経験があるからこそ問題ないとはいえ、アーシアを引き込む為にこれだけの傷跡まで負ったんだぞ!」
「その根性とへこたれなさは認めてやるさ。……だからこそ、容赦は一切しないがな」
間違いなく小物だが、この根性がかみ合うと何をしでかすか分かったものではない。
世の中には禄でもないことにばかり機転・根性・潜在性能を見せつける奴がいるものだ。ディオドラはその分かり易いケースといえるだろう。野放しにしておくと何をしでかすか分かったものではない。
殺すことも視野に入れつつ、俺はもう少し言った方がいいだろうと思いはっきりと告げる。
「後コガネさんはお前の物じゃない。流れ的には秀華がもらい受けるし、その後の流れで俺がもらい受けることも視野に入れている」
「「…‥は?」」
もの凄くきょとんとされているが、そういえば言い忘れていたから言っていいか。
ディオドラの対する警戒を取りつつも、同じようにきょとんとしているコガネさんへと振り返る。
「言うのが遅れていたから今ここで言わせてくれ。……コガネさん、もしあなたが本当に歩めないと、道を踏み外すというときは……俺がこの手で終わらせることを約束する」
「……………え、ぇ……えぇえええええええっ!?」
ものすごく顔を真っ赤にしたうえで、コガネさんは困惑の絶叫を上げる。
まぁそうなってもおかしくないだろうが、この発言にもはやためらいはない。
「これが原因で惚れてしまっても安心してくれ。俺はきっと、コガネさんを好きになれる。もっとも同様のパターンが多すぎるから、まぁ上級悪魔になったうえで色々となるだろうけどそこはさすがに了承してほしい。……多分、まだまだやらかす」
そのあたりは確信すらしている。
今後もこの対応は必要だと判断した相手には躊躇なくする所存なので。腹をくくってしまったので。
これはあれだな。もう専門機関を作るぐらいでいいだろう。タービンズ《「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」に登場する組織。女性救済の側面を作品内の世界観で成している結果、広義的なハーレムになっている》的な組織、作るか。
「ちょ、それはいいんですが……いや、その大丈夫ですか!? 私、色々重いですよ!?」
コガネさんからも色よい要素が出ているようだが、それは問題ない。
「大丈夫大丈夫。確かに今まででもヘビーよりだが、ヘビーより程度だから問題ない」
そもそも俺の過去がもっとヘビーよりだからな。来歴のヘビーさに限れま、まったくもって問題ない。
「わ、私……まだ会って少ししか経ってませんよ!?」
「ならこれからお互いに知っていこう。今度時間を作る」
なにも付き合ってくださいではないからな。そういうことになったらなったで受け入れますでしかないからな。
そうならない選択肢も尊重するし、それを決める為にも今後腹を割った話をする時間は作らないといけない。……本当にタービンズじみたグループになりそうだな。
ま、それはともかく太鼓判を押しておこう。
「大丈夫。貴方は人に語るのだって嫌になるようなものを、誰かの為に明かすことができる人だ。……道を踏み外して引きずり込まれたけど、それは消え去っていない。俺はその側面こそ尊重したいし、そんな尊重できるところを持つ人を……好きでいたいと思っている」
「え……ぁ……ぅ……///」
あ、顔真っ赤。
「うんうん。来ますよ、ね……それ」
そしてしたり顔で頷かないでくれ、コナユキ。
ただまぁ、さっき躊躇していたから尚更なところもあるだろうがな。
だから、その上でもう勢いに任せて言うとしよう。
「そして青蘭。悪かった」
「え!? いや、そういうのは―」
青蘭は反論しようとするが、俺はそれを認めない。
「ちょっと黙ってろ」
「っ!!」
お、素早く直立不動になった。
しかもちょっとゾクゾク来てるな。筋金いりだな。
そして妙な誤解はさせないほうがいい。そこもちゃんと言っておこう。
「これは今までいい加減な対応だったことに対する謝罪だ。そして、これからはもっとちゃんとするという意思表示だ」
ああ、今まではとにかくいい加減だったところがある。
いや、ちゃんと命令しているし縛っている。だが、それは「最終的にあきらめてほしい」という願望があったことは否めない。
だから、そこはきちんと謝る。
「さっきの宣言は聞いた。聴き入った。……ありがとう、そこまで、俺に全てを預けてくれて。俺に惚れこんでいてくれて」
どこかで躊躇している自分がいた。
恋愛という関係に、誠意をもって向き合うことを基点とする。それは誠実ではあるかもしれないが、だからこそ何かがずれていると思っていた。
俺は愛という関係を作ることに躊躇してたんだろう。
だけど、あの言葉は染み入った。
だから言おう。心の底から。
「お前の言葉で俺も腹を括れた。俺は、俺を愛してくれる人達を、愛してもいいんだと素直に思えた。それほどまでに、お前が俺を主とすることに、愛をもって忠誠を誓うことに感じ入った」
なんというか、背中を押されて気分だ。
俺は、俺を愛してくれる女性に対して愛を向けていいのだろうかと、そういう悩みだったのかもしれない。
だが違う。それほどまでに、青蘭は俺を選ぶことを決めてくれた。
責任はとる。誠意をもって向き合う。それは決して変わらないし、変えるべきでもない。
だけどそれと同じぐらい、俺は俺を愛してくれるということに感謝していいのだ。それほどまでの想いに対して、うれしく思っていいのだ。
だから―
「生涯ついて来い、青蘭。俺の愛するお前という、下僕のその姿をもって俺もその愛に足りる主であることを戒める。きっと心から愛せるし、あれは俺の好感度を稼ぎに稼いでくれたからな。……返事していいぞ?」
―これは心からの言葉だ。
そして青蘭は、もうぶるぶる震えて顔も真っ赤で、にやける口元を抑えられてない。
「ぁ……ああ! もちろんだ!!」
満面の笑みで答えられたら、もう俺も答えるに決まっている。
っと。それにこれは言っておかないとな。
さすがにちょっと照れくさいが、勢いに任せて言ってしまおう。
「俺が恋愛に前向きになれたのはお前のおかげだ。……本当にありがとう」
「!? そ、そこまで言われると、その、下僕冥利に―」
「お前らいい加減にしろぉおおおおおおっ!」
思いっきり横から魔力が放たれて、俺はため息をついてぶった切った。
「空気を読め、糞野郎」
「お前が読め!! なんでこの状況下で告白とか主宣言ができる!? もう終わった気なのか!?」
思いっきり絶叫しているところ悪いが、ディオドラの奴は本当に気づいていないようだ。
「一応断っておくがもちろん本気の発言だ。まぁ、ついでにやっていることもあるからそこは断って置くぞ」
「ついでってなんだ! この僕を、アスタロトのディオドラをなんだと思っている!?」
「面汚しが何を言っているのやら。あと、今のお前に相応しい日本のスラングを教えてやろう」
ちょうどいいタイミングなので、俺は指を指して言ってやる。
「志村ー、後ろ後ろー」
「は? 誰が志村……だ……」
そう言い返しながら振り返ったディオドラは漸く気付いた。
消滅の魔力魔力を溜めに溜めて凝縮させたリアス部長。
二本の聖剣から聖なる力を凝縮させているゼノヴィア。
そして倍化満タンでオーラを込めたイッセー。
はっきり言おう。言うべきことを言うついでにディオドラの意識を誘導もしたわけだ。おかげで三人揃って最大級の攻撃を放てる状態になっている。
「言いたいことを言いまくったのは事実だが、ついでに陽動とさせてもらった。その三人がお前をぶちのめしたくてたまらないトップ3だからな。……じゃ、さよなら」
多分この世から物理的に消滅するだろうディオドラに最後の別れを告げたうえで、俺は親指を立てて下に下げる。
じゃ、とどめお願いしまーす。
「「「今すぐ滅べぇえええええええええっ!!」」」
「ぎゃぁああああああああああっ!?」
ディオドラ終了のお知らせとでもいうんだろうな、これ。
《Other side》
「………え、え~?」
その光景を、波柴・光吉・モンタギューはちょっと戦慄しながら見ていた。
樹下誠二ってあんなキャラだったっけ。そう疑問符が浮かんでいる。
それ以外も中々に驚きではあるが、真っ先にそこが来てしまった。
とはいえ、実験は成功といえるだろう。
ディオドラ・アスタロトに対グレモリー眷属の切り札として用意したあの部屋は、「室内にいる指定対象である
人造惑星。それは星辰奏者の完全上位互換。スキルツリー的に言うのならば、そもそも星辰奏者とは人造惑星をデチューンした普及仕様であり、そうする大きな理由の一つである「非人道性」を克服する実験ともいえる。
実戦データを取ることも考え、色々とかき集めた下位の聖剣を多数セットしたあの部屋での戦闘をこなせるように色々と手を回したが、結果は上々だろう。
間違いなくその性質上「待機している部屋に敵を誘い込むことが必須」に「部屋を外から壊された瞬間に無力化されるうえ、部屋なので対抗策を用意することも困難」という欠陥品。だが、あえて作ることで手に入ったデータは十分すぎる価値がある。大組織と手を組んでリソースを確保できてよかったよかった。
あれだけの実力者を相手にして、ディオドラ風情があそこまで戦えていた。これは十分すぎる成果だ。
このデータは今後に大きな好影響を与えるだろう。それだけでも、あの小物を態々厚遇したかいがある。
そして、その上で彼は小さく微笑んだ。
「さて、満身創痍だけど第二ラウンドはどうするかな?」
そう、ここからが最終局面。
そして、それにより波柴・光吉・モンタギューは再度の戦慄を覚えることとなる。
本作のディオドラがやばかったのは「自分を人造惑星にする部屋」で挑んでいたからとなっております。
これは原作シルヴァリオにおいて神星鉄がそもそも「エネルギーを取り出す炉心の触媒」として開発されていた点から着想した「設備としての強化ユニット」というコンセプトですね。
広域破壊がシルヴァリオとは比べ物にならない規模でできるD×D世界では部屋ごとぶち壊せば簡単じゃね案件なので価値は薄いのですが、それでも実際に作ってデータを取るというのは価値があるという感じで、光吉が作ってディオドラをテスターにした形です。これを基にもっとやばいのを作らせたい所。
そしてめっちゃのろける誠二の巻。
いえ、本編を書いている最中に「あれ? 誠二の性格だと後半になるにつれてこの殺し文句言いにくくなるんじゃね? なんならハーレムに覚悟と決意必要じゃね?」と思いまして。その対策となりえるキャラ設計をたまたままとめ買いした漫画から着想して、楽青蘭というキャラが誕生しました。
方向性としては、とにかくほかのヒロインとは毛色が違う「ペット根性」が中核ですね。学歴面においてずば抜けているのも、元キャラの優秀さからインスパイアもありますが、「桃山警護事務所最大の弱点―社員の学歴問題」を解決する要素から来ております。
これらもあって誠二は本人の恋愛方面最大の難点に直面し、それをほかならぬ青蘭によって答えに導かれることで一皮むけました。ただしちょっとお馬鹿になりましたが、発作的な物なので基本的には大丈夫です。
さて、これで前座は終了。
ここから、クライマックスが迫ってくるぜぇえええええ!