ハイスクールハックアンドスラッシュRPG バトル&バイオレンス&ラブな1year二周目俺TUEEEプレイ 作:笛ふき用
今日から豊葦原学園に入学する
「やった。新品嬉しい」
これだった。中学まではこの学園に先に通っている4歳年上の兄のお下がりの学ランを着続けていた次男坊であったから無理もないのだが、確かに彼は兄の言う通り普通の人間とは違う独特な感性を持っていた。
そんな彼は現在背中に背負ったリュック一つだけを手荷物に、一路今日から自分の住まいになる豊葦原第二十男子寮、通称【
古びた洋館の外壁を蔦が覆うその屋根の上に名前の由来であろう金色の鶏の像の姿が見えた。この雰囲気、結構好きかもと思いながら玄関をくぐり、そのまま食堂や洗面所、シャワールームなどの寮内をひと回りして確認する。道中、先輩らしき人や同級生らしき人たちに会釈で挨拶し、それからゆっくりと自分の部屋を目指した。
古い木造三階建ての寮の三階の西側最奥の部屋301号室。清掃済みの部屋の中にあるのはベッドと机が二つづつあるだけのシンプルな相部屋。ここが今日から彼の住まいになる。
「えっと、ここか。失礼します」
一応の礼儀としてノックをしたが返事がなかったので恐る恐るドアを開いて中に入って見ると誰もいなかったので、早い者勝ちとばかり二つあるベッドの右側を自分のものにすることに
短い金髪にヒョロリとした長身の男。右耳にピアス、ヘラヘラとした口元、クセの強そうな顔つき。だが、それ以上に目が強い。修二の第一印象はそれだった。典型的な不良だなと思い、同時に面白そう。そうも思った。
「よお、お前が俺と相部屋のやつ? 俺は
「うん、僕は修二。よろしくね。滋くん」
そう笑顔で返すと滋はクシャッとした笑いを浮かべて近づいてきた。
「おう、修二。よろしくな、仲良くしようぜ。で、お前、なんでもう荷物をそっちの机とかベッドに置いてんの? そういうのってさ、普通俺のこと待ってどっちがどっち使うか相談してからじゃね? 舐めてんの?」
これから始まる新生活を前に浮かれていた滋、そのために持ち前の警戒心が少し緩んでいた彼はこう考えたのだ。
相部屋になったこの修二ってやつ、ガキみてーな顔しててチョロそう。ちょっと脅してこれからの生活でパシリに使ってやろう。そんな軽い気持ちで修二の胸ぐらへと伸ばした滋の右手が修二の胸元に届くことはなかった。
「は?」
その前に自分の手首を掴まれたからだ。そのまま目の前の華奢に見える同室の少年は異常な馬鹿力で掴んだままで手首ごと腕を捻り上げてくる。しかし、顔つきは変わらない。雰囲気もほとんど変わらない。最初から浮かべていた笑顔さえ崩れていない。ただ眉間がわずらわしそうにわずかによっただけだった。
「痛ててて! イテェ! 痛いって! ちょっと待て! いてぇってまじ折れるシャレになんねえ!」
「ごめんごめん。僕が先に部屋についちゃったからさ、荷解き始めたんだよ。確かに君の言う通りだよね。相談もせずに決めるのはよくないもんね。で、僕このまま右側がいいんだけど、それでいいよね?」
腕を捻り上げたまま、手首を握り締めたまま、ニコニコとした笑顔のままそういう修二に激痛に苛まれながら滋は悟った。こいつ見た目通りじゃねぇ! ヤバいやつだ! と。ナメたら殺されると。
「いてぇって! わかった! 俺が悪かったからいったん手離してくれ!」
「うん、わかった」
そういうと案外簡単に腕を放してくれた。抱き抱えるように伸ばしていた右腕を自分のほうに戻した。そうして手首を見ると赤くくっきりと手の跡がついている。ゾッとして改めてそれをやった修二を見るとまるで何事もなかったかのように漫画を読むことを再開していた。今の一連のやり取りの後も修二は別に最初と変わった様子はない。
(コイツ、なんでこんなに暴力に対して躊躇いがねぇんだよ。しかもなんであれだけのことやってもう何にもなかったかのように漫画読んでるんだろ。なんだよ、そのオンオフはっきりした感じ、機械かなんかなのか。明らかに異常だろ、こいつ。でも、俺みたいなヤンチャやってきた人間じゃねぇ。もしそうならさっき俺が離せって言った時素直に腕を離したりしねぇ。そのまま格付けをはっきりさせようとしてくるはずだ)
こういうやり取りというのは滋の中では案外重要で自分と同じタイプの人間ならそれだけで格付けが完了したとみなして、滋に対してぞんざいな態度で接してくるはずなのにそれはない。
それでいて自分に迫った暴力に対して一切の躊躇がなく反撃してきたことが恐ろしい。反撃の途中でも表情がほとんど変わらなかったのはそういうことに対してなんとも思っていない証明であり、興奮も恐怖も何もなかった証明でもある。
つまりコイツは自分とは、もしくはこれまで自分が生きてきた
冷静に目の前のやべーやつとの関係をどうするか考えていると、だんだんむかっ腹と共に反抗心がもたげてきた。滋はやられっぱなしが一番許せない質なのだ。
(……コイツはヤベェやつと同室になったもんだぜ。それはそうとして……)
「おい、修二でいいか? いきなり胸ぐら掴もうとしたことは謝るけどよ。だからといって別にそっち側の机とベッド、お前に譲ったつもりはねーぞ」
内心恐れながらここでビビって単純に引いたらこれからの学生生活でずっとコイツに負けたと思いながら過ごさなきゃならない。それだけはできないという気持ちで滋がそういうと、修二は驚いたように顔を上げ目を丸くして「え?」っとだけ言った。ガーンという効果音すら聞こえた気がした。
ここから
◆ーーーーーーーーーー◆
あけて翌日。登校初日であり入学式の日でもある。このような世間一般の常識とかけ離れた特別な学校でさえ変わらない退屈な入学式を終えた後。修二はたまたま同じクラスだった滋とともに一年
「なぁ、修二。なんかこの学校、やたらみんな女の子可愛くね? 平均以上の可愛い子しかいねえの流石にやばいだろ、これ」
そう言った後楽しくなってきたーと喜びを爆発させている滋。実際、入学式から見た女子見た女子全てが普通の高校生と呼ぶにはあまりにも美人であったり可愛い子ばかり。しかもほとんどが発育のいい女ばかりで、道中ですれ違った男子どもの多くは色めき立っており、それは滋自身も変わらなかった。入学前に聞いた噂も併せて判断するとこれからの学園生活が楽しくなりそうだと内心で舌なめずりさえしている。そんな滋に対して修二はコテンと首を傾げてこういった。
「うん、みんな可愛いよね」
「んだよ、反応悪ぃなぁ。もしかしてホモか? お前」
「ううん、違うよ。僕も女の子が好きだよ。でもさ、僕は僕が好きになった人が僕を好きになってくれるのがいいと思うんだよね。だからそういうその人以外はあんまりどうでもいいかなって感じなんだ。もちろん逆でもいいんだよ。僕を好きになってくれた人を僕が好きになるのがいい。そんな感じ。なんか上手く言えないんだけど」
えへへと可愛らしく笑いながらそういった修二は、本当にどこにでもいるような見た目通りの普通の高校生の男子にしか見えない。しかし昨日、目の前の修二の中身がバケモンの類だと思い知らされている滋はそのあまりの人間性の落差に薄気味悪いものを感じながら眉をひそめながら言った。
「やっぱお前変わってるわ。今まで中学とかで言われなかったか? 変わってるって」
「言われた」
「だろうなぁ」
そう言って爽やかに笑う修二に苦笑いで返す滋。滋は昨日からのやりとりでなんとなく目の前の一見人畜無害に見えるこの化け物の考えの一部がわかってきたと感じていた。
(おそらく自分と自分の大事なもん、そしてそれ以外のどうでもいいもんで世界をスッパリと切り分けて考えてやがるんだ、コイツは。だからコイツのコアな部分の考え方や大事なモンにさえ不用意に手を出さなきゃコイツは何にも危なくねぇ。普通の一般常識もないわけじゃないみてぇだし、妥協の範囲であれば普通に人の意見や話も聞く。ただし、それはあくまで自分にとってどうでもいい範囲の部分だけ。そうじゃない部分、それに手を出した場合はただじゃすまねぇ。常識なんて簡単に踏み越えて自分が正しいと思ったことをそれがなんであれ平気でやる。多分コイツはそういうやつだ)
それほど長くない人生の中、割と濃密なアウトロー寄りの人生を歩んできた滋の観察眼は修二の人物像をそう結論付けた。そしてそれは完全に大正解であり、そのことを後日修二の兄である
適当に話しながら歩いているといくら広い校舎とはいえ、さすがにいつまでも校舎が続くわけでもない。やがて二人は教室へとたどり着いた。
扉を開いて自分の席を探す。苗字は真名を隠すというこの学校独特の習慣のせいで誰もがわからないため、入学最初の席順は男女別で前から名前のあいうえお順だった。
つまり修二と滋は席の前後の関係だったというわけであり改めてよろしくと言いながら二人は席についた。そうして滋が教室を見渡してさてどんな奴がいんのかね? と観察し始めようとした次の瞬間、斜め後ろに座る女子のところでいきなり目が止まった。
艶のある黒い髪を一本のお下げ髪にした眼鏡の女子。地味で真面目な委員長タイプの典型であるその特徴とは裏腹、彼女は一目でわかる極上の美人だった。眼鏡の下の切長の美しい目と整った鼻筋を辿った先にある唇の清純な艶かしさ。姿勢良く座るすらりとした肢体とブレザーの胸元を押し上げる豊かな胸と長めのスカートでも隠しきれない長くしなやかな太もも。
極上の文系美人がそこにいた。しばし見惚れていた滋だったが、不意に聞こえてきた言葉に我にかえった。
「あの、何か?」
その言葉に慌てて何かを返そうとしたがその前に言葉を返す奴がいた。後ろの席の修二だ。
「う、ううん、ごめんね。隣の君があんまり綺麗な女の子だったからびっくりしてたんだ。ジロジロ見ちゃってごめんなさい」
「いえ、あの、はい」
うろたえたように返し赤面する少女。これほどの美少女であっても流石に初対面の男子にここまでまっすぐ褒められたことはなかったんだろう。無理もない。
滋は自分の席から後ろをふりかえって二人の顔が見れる状態だったのでこの時の修二の顔もよく見えていた。
わかりやすく顔を真っ赤にして照れていた。不意に口から出た彼女に対する褒め言葉は本人も思わず出てしまったんだろう。恥ずかしいのか、両手で顔を覆うように隠している。それでいて気になるのだろう、目だけチラチラとバレないように(ただしバレバレだが)隣の席を見ている。
(あ、コイツ惚れたな)
案外わかりやすくて可愛い奴と面白くなった滋だったが、同時に彼女の机に小さく貼られた【
(いい女なんだけどなぁ。けどあの女を自分のモンにしようとすると修二のやつを敵に回す可能性がある。状況次第じゃ美味しくいただくが俺も命が惜しいからな。この女には手を出さんようにしよう)
昨日こそ間違いを犯したがこういう用心深さと観察眼が自分の武器であり、今までにも自分を救ってきたという自信が滋にはあった。
そして警戒すべき男子がいないかどうかの観察と他のめぼしい女がいないかどうかの物色を再開した。
しばらく見ていたが男子には今自分の後ろに座る修二のようなヤバいやつはどうやらいないらしい。昨日のこともあり用心深く観察していたがとりあえず他のやつはどうとでもなりそうだと、次に女子に目を向けた。とにかく目についたのはなんと言っても女子の席順一番に座る金髪褐色肌のギャルっぽい姿のモデル体型の高身長爆乳爆尻美女だ。どうやら名前は【アゲハ】というらしい。
正直、割と歳の割に異常に経験豊富な滋ですらあんなヤバイくらいイイ女今まで見たことないと思うくらいにはその顔も身体も魅力的であり、その証拠に早速ケツの軽いクラスの男子たちが目の色を変えて彼女に群がっていた。そしてそれを防ぐように彼女を守っているのが、おかっぱ頭の小柄な女子。こちらも非常に整った顔立ちをしており、古風な日本美人の頂点のような美貌の少女だった。体つきという面ではあんまりではあったので滋としてはあまり興味が出なかったのだが。
なお彼女の名前を【
何やってんだか、と思いながら他の女にも目を向ける。目についたのは明らかに自分と同類の金髪の女、つまりヤンキー女。めちゃめちゃ気が強そうでソソる。あとは他数人、滋基準でイイ女がいた。
だが、その中でもやはり金髪褐色ギャルのアゲハのイイ女度は群を抜いている。
(流石にあいつらがっつきすぎだろ、へへっ、助けてやるか)
内心の言葉に反して下心満載で席を立とうとした滋。だが、その前に栞里が立ち上がり澪に加勢するようにアゲハの前に立った。なんとか近づこうとする男も何故かクールな栞里の視線を浴びると気が削がれるようでやがて大人しく席に戻ったり、数人のグループに分かれたりした。
(度胸もあんのかよ、ますますイイ女だな)
アゲハに何度も礼を言われて逆に戸惑っている栞里の姿を見ながら素直にそう思った。そしてそれを目を追ったままの修二に、
(おーおー、純情なこって。これからコイツ大丈夫か?)
この学園の黒い噂を聞いてそれを面白いと思ってあえて入学してきた滋はそんなことを考えていたが、チャイムの音で入室してきたやたらとクソ美人で異常にエロい担任の桃香先生の姿を見た瞬間に激しく勃起し、彼女の美貌とでかい乳とケツに夢中になりそれまで考えていたことを全て忘れてしまった。
◆ーーーーーーーーーー◆
チャイムが鳴った。それもスピーカーから流れる電子音ではなく、学園に存在する今も現役の時計塔から鐘の音が響き渡った。
「おー、授業やっと終わったぜ、きちー」
そんな滋のひとりごとともそうでもないともいえない一言が全てだろう。
あれからそのまま何事もなく時間は過ぎ、昼食を挟んで午後3時。いくつものオリエンテーション的な授業が終わりようやく放課後となった。いくらかまばらになった教室にはまだ多くの生徒が残っていた。明日以降順番にこの学校独自のカリキュラムであるダンジョンダイブが行われるのだが、一学年24クラス、およそ千人ほどの新入生が入学するモンスター高校である豊葦原学園なので、さすがに一度に全てのクラスで同時に実施されるわけではなく、実際修二たち壬組は三日後の最終日だった。
とはいえ新入生一同にとってこの高校最大の謎であり目玉なのがこのダンジョンダイブというカリキュラムであり、同然教室に残る生徒たちの話題はもっぱらその話で持ちきりだった。
ダンジョンとか一体全体何をやらせるのか? うっすらと話を知っているもの、全く知らないもの、楽しげなもの、不安げなもの、そんなことはどうでもいいとばかりに担任の桃香先生のエロさについて語るもの。それぞれがそれぞれの表情を見せる中、修二は特に急ぐこともなくのんびりと寮へと帰る支度をしていたのだが。
「お、いたいた。おーい、シュウ」
そんな時に教室の外から不意に声がかかる。
振り返るとそこには修二自身とよく似た顔に丸眼鏡の男が手を振っていた。それも瓜二つくらいにはよく似ている。それでもこの二人を見間違える人はあまりいないのではないかと思わせるほどに二人の顔以外の要素が違った。明らかに表情の豊かさが違う。どちらかというと基本無表情か僅かに笑みを浮かべているだけで大きな声もあまり出さないし表情にあまり変化のない修二と違い、その男は実にコロコロと表情が変わりも声も大きく全体的にオーバーリアクション気味だった。今はいかにも嬉しそうに満面の笑みを浮かべている。対する修二は面倒なのがきたとばかりに顔を顰めていたが。
「……隆一にいちゃん」
「おう、にいちゃんだぞ。久しぶりだな、シュウ! でっかくなったな!」
そういってそのままするりと教室に入り込み修二に抱きつく男。そのままバンバンと背中を叩く。さらに抱き上げてグルグルその場で回り出した。まるで小さな子供にするようなコミュニケーションにさすがに顔をしかめた修二が頭上から一言。
「うん、にいちゃんはあんまりでっかくならなかったみたいだね」
その痛烈な一言に男は思いっきりしかめ面になりつつ床へと下ろした。
「……元気そうで何よりだわ。な〜〜〜〜んも変わってねぇ」
そのやりとりに廊下の方でブッと誰かが吹きだす音がした。
「まぁいいや。シュウ、放課後時間あるだろ? ちょっと付き合えよ」
「今日は寮で歓迎会があるって言われてるんだけど」
「まぁまぁ、いいから付き合えよ。金鶏寮だっけ? お前の寮。寮長には俺の方から言っといたから大丈夫大丈夫。それにシュウ。お前、これ兄弟の丸四年ぶりの兄弟感動の再会だぞ? さすがにもうチョイ喜んでくれないとにいちゃん泣くぞ? 泣いちゃうぞ? ということでほらほら、レッツゴー! いくぞー!」
イエー!! と大きな声をあげながら修二の背を押して教室から何処かへと連れていこうとする兄、隆一の学年章には【伍】の文字が。
それはこの豊葦原学園最高学年の証。この地獄を4年間生き抜いてきた修羅の証明。なお、この学年章をつけている人間はこの時点でもう百人に満たない。
感想、評価気が向いたらよろしくお願いします。
アンケート 第6話最後の質問について
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