過ぎゆく時間を噛み締めるように、私はワカモと夏を過ごした。といっても、私に夏休みらしい夏休みは無いから、普段とほぼ同じ一日を送るのが大半だった。シャーレと家を単純に往復して終われる日なんて、まず無かった。
私とワカモの距離感はさらに近くなった。家を出る前と帰宅した後、互いの存在を確かめ合うように、私達は抱擁を交わすようになった。どちらかが腕を広げれば、吸い寄せられて、抱き締めあう。そうやって、薄い夏服越しの体温を感じて、私達は安らぎを得ていた。
一昨日の休日は、「デートに行こう」と私から誘って、ちょっとばかり奮発して、いいレストランにも行ってきた。ワカモはお出かけ用の浴衣と日傘でおめかしして、その日一日はいつも以上に上機嫌だった。
だが不思議なことに、それ以上の進展はしなかった。私も彼女も、ハグから先には妙な遠慮があった。スキンシップの領域を越えるからだろうか。思えば、共同生活が始まった頃の挑発的なアプローチも、ここの所すっかりご無沙汰だった。
ワカモの豊かな膨らみを胸板に感じても私が一線を踏み越えようとしない理由はシンプルだ。そこまでしたら、私たちは先生と生徒ではなくなる。取り返しのつかない、後戻りできない、男と女の関係になる。
ワカモは言葉と態度と行動で惜しみなく好意を伝えてくるし、私もワカモを愛している。でも、あと少しで終わってしまう生活の中で最後の一歩を踏み出すのには、どうしても躊躇があった。私は、意気地なしと言われても仕方ない。
そして、最後の一日がやってきた。
* * * * *
リンから連絡があった。
リン曰く、もうワカモの復学手続きは進行中で、保護観察期間の終了をもって、彼女は百鬼夜行連合学院に籍を戻し、三年生として復学することになる。必要な教材は既に配達予定が組まれているそうだ。寮の部屋の封鎖も解かれる。狐坂ワカモは元の住処に帰っていくのだ。
「……三ヶ月間よく頑張ったね、ワカモ。おめでとう」
「ありがとうございます。先生が丁寧に指導してくださったおかげです」
「ふふっ、ワカモの努力だよ」
「そんな、もったいないお言葉です」
先生の私にとって、生徒の復学は当然喜ばしいことだ。だけど、個人としての私は、ワカモが私から離れていくことを受け入れられていない。味噌汁の味が、よく分からなかった。そんな私より、ふわふわの尻尾を脛に絡めてじゃれつくワカモの方が、よっぽど心穏やかに落ち着いていた。
皮肉なぐらいいつも通りに、保護観察最終日は進んでいった。
シャーレの仕事を終え、自習室のワカモと合流し、帰り道のスーパーで値引き品を狙い、夕飯の献立を話しながら、植え替えた菜園の様子を見て帰宅する。
お互い部屋着に着替えてそれぞれの洗濯物を入れ、私は湯舟にお湯を張りながら、持ち帰った仕事の一部を進める。その間にワカモは夕飯の支度をしてくれて、その日のことを話しながら同じ食卓を囲む。
繰り返されたサイクルが今日で終わるからだろうか。夕餉の食卓で、私もワカモも言葉少なだった。特別な言葉をかけたかったのに、喉の奥で詰まっていた。
そうして、とうとう二人とも風呂まで済ませてしまい、就寝の時間になった。途切れがちな会話を促すような静けさが、ダイニングルームに満ちている。
純白の布地に梅の花弁があしらわれた寝間着の浴衣も、菖蒲の花を思わせる青紫の
「あなた様……」
ワカモが、一歩二歩と、距離を詰めてくる。
じっとこちらを見上げて、私のTシャツの裾を引っ張ってきた。話を聞いてほしい時の仕草だった。
彼女の頬がぽっと染まっているのは、湯上りの熱のせいだけではないはずだ。
「ワカモのお話に、しばしお付き合いいただけますか」
ワカモは、小さく深呼吸した。
* * * * *
「夜が明ければ、私はこの
意を決したように、ワカモはこの生活の終わりを告げる言葉を切り出した。
そして、三ヶ月の思い出が語られていく。夢のような時間は
能動的に勉強したのは初めてだった。
スタンプで埋まった課題達成シートは、額に入れて飾りたい宝物になった。
台所に居場所を見出し、冷蔵庫の中身に頭を捻る日々が楽しかった。
先生の指揮を受けて力を振るうのは誇らしかった。
あの夜に食べた冷やしトマトと胡麻味噌キュウリが、一番美味しかった。
「ですが、先生。私にもたらされた最も大きな学びは、あの大雨の夜に賜った教えでした」
ワカモの瞳孔が大きく開いている。琥珀色の瞳は透き通るようにキラキラ光って、本物の宝石よりも美しい。その煌めきに私は見惚れそうに――いや、見惚れていた。でも今は、ワカモの言葉を聞き逃してはならない。
「彼方よりあなた様を想っていた頃に創られた幻影。そこより目覚めた翌朝から、私は、自らの目で見たこと、耳で聞いたこと、肌で感じたことを信じると誓いました。都合のいいようにあなた様を解釈せず、ありのままに受け止めようと」
ワカモが、正面から両手を伸ばしてきた。その手を取って、指先が触れ合う。
細い指が、私の手を握ってきた。温かくて、柔らかい。微かに震えている。握り返してあげると、ワカモがはにかんだ。
「……申し訳ありません。私はただ一言をお伝えしたいだけなのに、この口は緊張から饒舌にも前置きを紡ぐばかりで……」
身を寄せてくるワカモを、そっと抱き寄せる。彼女も応えてくれた。布地越しに、心地よい体温が伝わる。私と同じように、ワカモの心臓も、早鐘を打っていた。頭一つ小さな所から、吐息のかかる距離で、ワカモが見上げてきた。
「ありのままのあなた様に、このワカモは改めて惚れ直しました。前より一層、あなた様をお慕いしております。愛して、愛して、止まないのです……」
溢れ出す思いが、切なげな声色に表れていた。
そこまで口にすると、ワカモは押し黙った。私の返事を待っているのだ。
躊躇はあった。でも、ここで話さなければ。
「ねぇワカモ。私はきっと、先生失格だよ。あらゆる生徒を平等に見守り、導いてあげなければいけないのに、ここでこうして、たった一人を見つめている。復学が決まり、自分の家にやっと帰れる生徒を前に、『保護観察処分が続けばいいのに』なんて、ロクでもないことを考えて、胸をズキズキさせているんだ」
大人が、生徒を相手に「会えなくなるのが寂しい」だなんて。
情けない私の本音にワカモは一瞬目を丸くしたが、すぐ目を細めて笑ってくれた。
「そんな私でも、ワカモは慕ってくれる?」
「そんなあなた様だからこそ、愛しいです」
「うん……ありがとう、ワカモ。愛してるよ」
自然と、唇が重なる。ワカモの唇は、しっとり濡れて、柔らかくて、甘かった。
やがてゆっくりと顔を離すと、彼女は私と数センチの距離を開けた。照れを隠せずにはにかみながら、口元を押さえている。表情を隠そうとしても、狐耳の先端の恥じらうような赤が、ぱたぱたと揺れていた。
「あなた様。このワカモ、接吻だけでは、もはや治まりません……」
彼女の視線が、一瞬だけ、私の寝室の方を向いた。
「叶うならば、ワカモは今宵、あなた様と愛を交わしとうございます」
「……うん。私も、同じ思いだよ」
「あ……っ……」
肩を抱いて促すと、ワカモはそのままついてきてくれた。廊下を歩くほんの数歩の間、彼女はぎこちない爪先立ちになっていた。
「あっ、あなた様、その……ワ、ワカモは、こう見えて
「安心して。乱暴になんてしないから」
――でも、我慢できなくなったらごめんね。
そう耳打ちすると、ワカモは狐耳を寝かせて真っ赤になってしまった。私に誘惑をしかけてきたあの大胆さは、耳年増の虚勢だったのかもしれない。
* * * * *
いつもは布団で寝るワカモを、ベッドに招いた。腰を下ろして何秒か見つめ合う。じれったかったのか、ワカモはすぐにキスを求めてきた。私達の影が重なり合う。何度も角度を変えて、お互いの呼吸を貪り合った。
「ん……ん……っ」
唇を割り、歯列の隙間へ舌を滑り込ませると、拙い舌はおずおずと答えてくれた。雲吞みたいにぷるぷるした潤いを優しく食んでいると、くぐもった声が鼻から聞こえてくる。
くちゅっ、くちゅっと唾液の潰れる音がする。ワカモの口は熱くて、触れ合う体温がどんどん上がっていく。
唇を吸い、舌を絡め合う水音が、口内に反響する。息苦しさを覚えたけれど、酸素よりもワカモが欲しい。
絹糸のような髪を撫でながら、彼女の唇を貪る。ワカモも舌を絡ませるのに慣れてきた。私が唾液を送り込むと、時折こくっと喉を鳴らして、溶けあった体液を飲み下していく。
「はぁ……っ……」
酸欠でぼんやりしつつ顔を離すと、つつっと銀色の橋がかかった。それを指で拭い、ワカモの前に差し出す。子猫が器からミルクを飲むように、遠慮がちな舌が残滓を掬い取った。
――可愛い。
上気した頬で肩を揺らし、ワカモは呼吸を整えている。まだ交合の入口なのに、キスをしただけで彼女は夢見心地だ。思わず、口角が上がってしまった。この後どうなってしまうのだろうか。
肩をそっと押すと、ワカモは素直に押し倒されてくれた。仰向けで私の影になった彼女は、体の力を抜いている。
「…………」
私の手が止まった。まずは兵児帯をほどく必要があるが、どこを引っ張ればいいのだろう。そもそも、これはどうやって結んでいるのだろう。慣れない手つきで弄り回していると、ワカモがくすりと笑った。
「手間取ってごめん。ちょっと格好悪いね」
「そんなあなた様も、可愛らしくて素敵です……」
胸をきゅんと射抜かれた。
可愛らしくて素敵、だなんて、こっちの台詞だ。
私の浮かべた苦笑いが、安堵に変わる。
「どこを引っ張れば解けるのか、教えてほしいかも……」
冗談交じりに言った一言に、ワカモは首を振った。
「あなた様が試行錯誤する所を、眺めさせてほしいのです。そして、蜜柑を召し上がる時のように……このワカモの薄皮を、一枚一枚、剥いてください……」
甘えるような口調で囁かれた言葉に、理性が引き裂かれそうだった。すんでの所で、力が入りそうになるのを堪える。
ワカモに見つめられながらようやく帯が外れ、前身頃が開く。浴衣を外してみると、あと一枚。真っ白な肌襦袢だ。湯上りの石鹸の匂いが、色濃く立ち上る。
「あっ、あなた様に脱がされて……裸にされてしまいます……はぁ、はぁ……」
胴の前面で結ばれた紐は、内側に潜む巨大な存在に押し上げられてぱつぱつに突っ張り、悲鳴をあげている。
膨らみの頂点にうっすらと浮き上がる輪郭の存在を認めた。乳頭の色が気になって、手が止まった。
私の視線が自身へ釘付けになっているのに気付いたワカモは身じろぎして、目を逸らしてしまった。恥じらう様は誘惑よりも煽情的で、私はごくりと唾を飲み込む。
蝶結びの紐を引っ張ると、結び目と緊張が一挙にほどけた。寄せられていた膨らみが左右に流れ、自身の弾力でぷるっと揺れた。
この下は裸だ。
そう思うと、鼓動が高鳴り、息も荒くなる。
裸体を守る一枚はあっさりと肩を滑り落ちて、上半身が露になった。
――ああ、これがワカモの……。
「あ……あなた様……」
「綺麗な体をしてるんだね、ワカモは」
「……っ……おっ、恐れ入ります……」
花が咲くように、デコルテまでほんのりピンクに染まっていく。陶器みたいな白い柔肌にはシミ一つ無い。
豊満ながらも均整の取れたプロポーションは、精巧な美術品を思わせた。ただ、その頂点に息づく春色の粒は、ひどく生々しい淫靡な存在感を放っている。一も二もなく吸い付いてみたい衝動に駆られたが、それよりも先に、生肌に触れたかった。
せっかく寝かせた所だったが、肌襦袢を抜き取りながらワカモを起こし、背後から抱きすくめる。黒髪に鼻先を埋めて、私の好きな匂いを肺いっぱいに吸い込む。
「っっ……ふ……こそばゆい、です……」
うなじを啄んでいると、ワカモが身を捩った。
背中の中心線を腰に向かってなぞれば、胸を反らして官能的な声が上がる。
脇腹や臍の周りを、指先でくすぐられて、照れ笑いと共にワカモの胴が揺れる。ぶるんぶるんと空気を掻き混ぜる巨峰は、肩越しの絶景だ。思わず手を伸ばす。
ずしっ……。
「あっ……」
腋の下から手を突っ込むと、手首が負けそうな重みがかかった。思い切り掌を広げて鷲掴みにしても収まりきらず、零れてしまう。たわわに実った果実は瑞々しいのに、とろんとろんと手の中で溶けそうだ。
手の中で自在に形を変える乳房は、揉まれるために生まれてきたかのようで――力んではならないと念じつつ、指を深々と沈めて揉みしだく。
「ん……んぅ……っ」
「大きくて、フカフカだね。それなのにしっとりしてて、お餅みたい」
「ふふ……お気に召しましたか?」
「うん。……もうちょっと、触っててもいい?」
「……はい。あなた様のワカモです。たっぷり愛でてくださいませ……」
彼女も、私の愛撫を楽しんでくれているみたいだ。乳肉の弾力を試すように揺らしていると、心地よさそうに鼻を鳴らした。
「は……ぁ……」
乳房の芯をほぐすように。根元から先端へ搾り出すように。ワカモの口からは切なげな溜息が漏れる。肩を上下させて、呼吸も乱れていく。
不意に、私の手の甲に、ワカモの手が重なってきた。手の甲を指が撫でて、何かを催促してくる。乳輪の縁を掠めているのがじれったいのだ。ワカモの疼きを満たすために、乳芯を指で挟み込む。
「はうんっ……!」
ワカモの顎が持ち上がる。優しく優しく指で転がしてあげると、可愛らしい蕾はどんどん硬くなっていく。隙だらけの首筋に舌を這わせ、ヒトの耳へ息を吹きかける。肩がびくんと跳ねて、吐息に艶が混じった。ワカモは耳も弱いようだ。
「あっ、ああっ! せ……先生……ご容赦、を……っ……」
コリコリ乳首を愛でながら、うなじや肩を味わっていると、ワカモはふるふると首を振った。痛かったのかと思ったが、どうやらそうではなかったらしい。
「……あなた様に触ってもらうのが、こんなに心地よいとは思わず……全然、違っていまして……」
「……何と違うの?」
「……あ……う~っ……」
ワカモは口を噤んでしまった。小刻みに身を震わせ、尻尾の先がぺしぺしとマットレスを叩いている。答えを教えてくれているようなものだった。
「自分でも触ってたんだ?」
「ひあぁっ……! あぁ、もっ、申し訳ありません……あ、あっ、あっ、優しく愛でられると……かっ、感じて、しまいます……」
きゅっ、きゅっ、きゅっ。
敏感な粒をソフトに摘まみ、関節の間に挟み込んで転がす。
「あぅ……ふうぅぅ、んんっ、うぅぅん……」
飴玉サイズに膨らんだ乳首は蒟蒻のような弾力だ。狐耳をピンと張り詰めて感じ入るワカモが可愛い。たぽんと重たい乳房を揉むことも忘れて乳頭をこりこりと弄んでいると、腰布の奥でむっちりした太腿がしきりに擦れだした。
敏感な所を狙い撃ちされるのに耐えかねたのか、ワカモは身体をよじり、私の腕の中で反転した。正面から向き合うと、潤んだ瞳からは涙が零れ落ちそうになっていて、上気した肌は首筋まで染まっていた。
快感に翻弄されるワカモが愛しくて、顔が近づいたのをいいことに唇を重ねる。
「ん…… んふ……! あ、はふ……っ……」
もち肌の身体を抱き寄せ、貪るようなディープキスに耽る。互いの唾液を互いの舌で奪い合い、唾液を交換する。
すべすべの背中を撫でながら手を下ろし、お尻を掴もうとすると、途中で尻尾に当たった。私の手にすぐ気づき、擦り寄ってくる。ふさふさの毛並みに指を通して睦み合う。
妙なことが起こったのは、私が尻尾の付け根を撫でている時だった。
「……ふ……うぅぅ……」
ワカモの身体に緊張が走る。皮膚と体毛の境目の感触が独特で、とん、とんとタップすると、びくんと腰が跳ねた。
「もしかして、ここ弱いの?」
「う~、うぅ~~~~!」
泣く子をあやすように「そこ」を叩いてあげると、ワカモはお尻を持ち上げだした。「もっとして」とでも言わんばかりに、尻尾がゆらゆら揺れている。まるで猫みたいだ。
調子に乗ってもっとトントンしていると、ワカモが思い切り私に抱き着いてきた。加減することも忘れているのか、ミシミシと体が軋む。
「そ……そこを、叩かれると、昂ってしまいます……。発情期の、ように……」
「発情期……」
ワカモのように、獣の身体の一部を持つ者には、体が子を成すコンディションを整え、本能的に繁殖活動を求める発情期が、周期的に訪れるらしい。ヒトの月経と同様の現象だが、彼女の場合は両方が数日ずれてやってくるのだとか。
前回からは二週間以上経っており、本来は落ち着いている状態。だが、発情を呼び覚ますツボを刺激され、心と体の昂りだけが発現している。ふわふわの尻尾は、私の脚に巻き付いて、離れようとしない。フーフーと乱れた吐息が首筋にかかる。
「発情期が来たら、どうしてたの?」
「あ……そっその……」
一瞬、ワカモが口籠った。
だがすぐに、彼女は小声で赤裸々な隠し事を告げた。
「自室で、淫らな慰みに耽っておりました……」
「……そうだったんだ」
「も……申し訳ありません。あなた様に与えてもらった寝室で、
オナニーを自白すると、さすがにワカモは俯いてしまった。でも、恥ずかしいことを正直に口にしてしまうワカモがやっぱり可愛くて、私はつい、大福みたいに柔らかい頬を撫でた。
「ここ、好き?」
「は……はい……。あっ、あ、あぁぁ……!」
とん、とん、とん。
尻尾の付け根を揺らして刺激してあげると、まさに発情した獣よろしく、ワカモはフーフー深く荒い息を吐く。ぴくりぴくりと腰が跳ねる。
「あ……う~っ……ふうぅぅぅっ……!」
彼女は私にしがみつき、爪を立てないよう私の背中をわしわし引っ掻いていた。乞われるままに口付けを交わしながら、厚みのある尻肉を空いた手でギュッと掴む。
ワカモが気付いているかどうかは分からないが、私はもうハーフパンツの中をガチガチにしている。彼女の股も気になって仕方なかった。
巻きスカートのような布をほどくと、その下に期待していた布の感触が無い。べっとり蜜に濡れた内腿に手を登らせると、しゃくっとした陰毛に触れた。
「
「これはこれで、いいものだね。……すごくエッチだ」
はらりと湯文字が腰から離れて、ワカモはとうとう丸裸になってしまった。ふんわり柔らかい茂みを見下ろし、涎まみれの太腿を撫でていると、熱を帯びた視線が私のTシャツに注がれた。
「あ……あの……私も、あなた様のお体を……」
「うん。脱がしてもらってもいい?」
ワカモの手がTシャツの裾を翻して、上半身が外気に晒される。
「あっ……あなた様、この傷は……」
「エデン条約事変の時にね」
「……あなた様の大切なお体に、このような……」
「今はもう大丈夫だから。気に病まないでね」
痛みが無くなっても私に残った銃弾の痕を、慈しむ手つきが包む。私にしなだれかかりながら、ワカモが傷痕を舐めた。ザラついた舌の感触に、ゾワっと背筋に電気が走る。
そうやってワカモは私の胴を舐めたり吸ったりしていたが、不自然な盛り上がりを前に、一瞬硬直した。期待と不安の入り混じった目で、私を見上げてくる。恐る恐る掌を重ねて、ぴくりと人差し指が持ち上がった。
「これが、あなた様の……」
「無理はしなくていいからね」
「……これから、ここで愛していただくのです。ご挨拶をさせてください」
ハーフパンツが、その下のアンダーウェアごと引き下ろされた。劣情を催した陰茎がぶるんと露になり、私が膝立ちになった拍子に、ワカモの顔に影を落とす。
「……っ……」
初めて見るペニスに、ワカモがごくりと生唾を飲んだ。
先走りで妖しくヌラついた亀頭に、釘付けになっている。
温かい吐息がかかり、そよ風が粘膜を撫でていく。鼻がヒクついて、臭いを嗅がれたのが分かった。きっと顔をしかめるに違いない、と思いきや、陰毛に鼻先を埋めて、ワカモはすんすんと蒸れた精臭を吸い込んでいる。
「……あなた様のにおい……頭が、とろけてしまいます……」
フェロモンに酔ってうっとりした眼差しが、私を見上げた。
熱い、硬いと感想を呟きながら、しなやかな指が竿に巻き付いてくる。
「では……ご奉仕、いたします……」
ちゅっ、ちゅっ。
ワカモが亀頭にキスを交わす。私と濃厚に愛し合った唇が、いきり立つ欲望の塊にじゃれついてくる。
「こちらのあなた様は……ふふっ、可愛らしい。食べてしまいたいです」
アイスキャンディーを舐め溶かす舌遣いが、ぺろぺろと杏の果実を舐め回す。ザラつく舌が裏筋をぞりぞり擦り上げて、甘い痺れが走った。
生徒にペニスを舐められている――背徳感にますます陰茎を太くする私を、ワカモは上目遣いで見つめた。傘裏に唾液を塗り込まれてぴくんと反応すれば、彼女はそこばかり責めてくる。
「穂先が心地よいのですね。では……あむ、ん……」
舌を伸ばしてウェルカムマットにしながら、ワカモが先端を咥えこんだ。粘膜同士で触れ合う快感が分かっているのか、唇で竿をくるみ、頬を窄めてにゅるにゅると包んでくる。
ワカモの口の中はねっとり熱く、ヌルつく肉が私の敏感な所へ吸い付いてくる。尻尾をふりふり、甘える眼差しで、ワカモは頭を前後させた。
「ん…… んっ……ん……」
何度もキスした唇から、グロテスクな亀頭がぬるりぬるりと出入りする。裏筋の皺をほじくられて先走りが込み上げると、鈴口を吸われる。舌が引っ込んで、男の体液が嚥下されていく。
もっともっととねだるように、ワカモは体液の出口を舐ってくる。竿への刺激が無いのが、却って意識を先端に集中させてしまう。
「ぷはっ……」
ワカモが息継ぎした。とろんとした目で私を見上げてくる。唇とペニスに、粘ついた橋が架かっていた。
「いかがですか……? ワカモの愛は、伝わっておりますか?」
「うん……すごく気持ちいい……」
「うふふ、嬉しいです……。では、続きを……」
私に見せつけるように亀頭へ熱烈なディープキスを浴びせながら、ワカモはさっきよりも深く私を咥え込んだ。根元まで熱い粘膜に包まれて、思わず声が出る。様子をうかがう彼女の頭を撫でてやると、真心のこもったフェラチオが再開された。
「んむ……っちゅ、ぢゅ……ぢゅる……」
男の弱い所を学習したワカモは、着実に私を追い詰めていた。エラをぐぽぐぽ唇に出し入れして、裏筋を舌先で扱いてくる。何かしていないとそのまま達してしまいそうで、私は頭を撫でていた手をワカモの尻へ滑らせた。
「ふ……! ぅんんん、ん……!」
ぱたぱた左右に揺れる尻尾を撫でながら、その付け根に刺激を与える。
トントンされて、ワカモが悦びにくぐもった声をあげる。
上擦った鼻声を吐息に混ぜて、吸い付きが激しくなった。
「ぢゅっ、ぢゅ……。はふ、はふっ、はふ……」
ワカモは私の腰にしがみついて、一心不乱に怒張をしゃぶっている。私の手に反応して、彼女はヘコヘコと腰を揺らし、涎が溢れるのも構わず男根を舐め回す。
愛するワカモに口淫で奉仕されて、気持ちよくないわけがない。空気の隙間も無くなるほどにぴっとりと粘膜に包まれる。大胆かつ丁寧に愛でられて、いよいよ熱いものが迫り上がってきた。
限界が近い。このまま出したい。排泄したい。煮える劣情を飲んでほしい。
「ワカモ……イきそう……。いい? このまま出してもいい? ダメだったら、口から抜いて……」
「フー……フー……」
ワカモは言葉で答えなかった。代わりに、じゅぽっじゅぽっと音を立てて、激しいストロークを始めた。
射精をねだるように、鈴口を吸い上げられて、弾ける――
「あっ……い、いいの? う、出すよ、ワカモのお口に出す……ッ……!」
教え子に口内射精する。
そう意識した瞬間に睾丸がざわめき出して、理性が濁流に押し流された。咄嗟に頭を掴み、腰を突き出してしまう。
「んっ……! んむ、んも、ぉ……!」
解放のカタルシスに、思考が止まった。
放心状態で、どくっどくっと吐精する。
尿道を駆け上がる白濁液を吸われ、根こそぎ搾り取られる。
視界がぼやけてしまう程のエクスタシーに、目の前で星が瞬いた。
やがて長い放精が終わり、ワカモはようやく口を離してくれた。
唾液と精液が混ざり合って糸を引き、顎まで垂れて、綺麗な顔を汚している。
ごくっ……こく……。
喉が蠕動して、私の欲望をワカモが飲み下していく。
「あなた様のお味……ふふっ、濃厚です……」
唇の残滓を、舌なめずりがこそげ取る。
品の無さに気づいて、ワカモは手で口許を隠そうとした。だが、たらりと鈴口から伸びる白い糸を迎えようと、すぐ舌を伸ばす。
「……まだ、お残しが……んぢゅ……」
「あ……ワ、ワカモ……イッたばかりだから……ん、んっ……」
横笛を吹くように、唇が竿の稜線をなぞっていく。
表面を口で拭き取るだけには留まらず、尿道の残り汁まで啜られた。
そのまま皺の一枚一枚まで掃除されていれば、柔らかくなる間もなく、ペニスはまた硬さを取り戻してしまう。
* * * * *
「ワカモ」
ご奉仕を続けてくれる彼女を呼び止める。
「そろそろ私にも触らせてほしいな」
「あっ……」
「ほら、仰向けになってごらん」
「あ、あぅぅ……」
ワカモをそっと押し倒す。さっきまでその身を包んでいた浴衣は、今や御馳走を彩る背徳的な大皿だ。俎板の上の鯉と化したワカモが、微かに震えている。
膝を掴んで、おもむろに割り開く。太腿同士でネバッと糸を引くぐらいに、ワカモの股はぐしょぐしょだ。生え揃った陰毛に付いた滴がキラリと光った。
「は……あっ、先生に、見られて……あっ、あっ……」
新鮮なサーモンを思わせる粘膜は私が見つめただけでヒクヒク蠢いている。膣口はきゅっきゅっと収縮して「ここで交尾したい」とアピールしている。とろっと濃厚な愛液が裂け目から零れ落ち、可愛い窄まりまでも濡らしていた。
「あぁっ……こんな、はしたない所を……!」
ワカモは顔を隠したが、肝心の恥ずかしい所は丸見えだ。膝に力が入らないのか、あるいは私に逆らわないよう懸命に脱力しているのか。股を開いたまま、現在進行形で、ワカモはどんどん昂っていた。浴衣の内側に蜜が滴って、色濃い染みが広がっていく。
「脚を閉じたらダメだよ。ワカモは、私の言うことを守れるね?」
腕で目を隠したまま、ワカモは頷いた。
丸出しの秘所に、指を這わせる。ぬちゃ……と重い水音がした。軽く触れただけで指先が糸を引いている。肉厚な大陰唇は充血してぷくっと膨らみ、左右に開かれるとむわっとメスの匂いを放った。
「ん……ひッ! あ、あっ、あ!」
小陰唇の縁をなぞりあげただけで、ワカモは腰を跳ねさせた。包皮の下で、大粒のクリトリスもぴくぴく震えている。その愛くるしい豆へ、顔を近づける。
「くひぃんっ!」
薄皮越しに豆を転がす。舌先に少し乗せただけなのに、愛液の味が口内に広がる。甘酸っぱくて、少し生っぽくて、もったり濃厚だ。
「きゃひ! ひっ、いいっ、い……!」
唇を押し当てて陰核を啄んであげると、衣擦れがせわしなく音を立てる。激しく息を乱すワカモは、それでも脚に力を入れるまいと堪えていた。健気で可愛い。
そっと割れ目に指を当てると、キスするみたいに膣口が擦り寄ってきた。大量の呼び水のおかげで、初めての客人は温かいもてなしを受けた。
「ふうぅぅ……んうぅ~~……!」
じんじん火照った粘膜に、ずぶずぶ指が沈んでいく。ワカモの膣肉は、火傷しそうなぐらいに熱くなっていた。中指をきゅうきゅう締め付けてくるのに、トロトロの潤いで満ちていて、どこもかしこも柔らかい。
「は……んぁ……ああぁぁあ……」
初めてのワカモが痛くないように、ゆっくり抜き差しする。呼吸に合わせて深く沈める。引き抜く時に、名残惜しそうに膣壁が吸い付いてくる。
ぬぷ……っ……。
ワカモが好きな箇所を探りながら、どさくさ紛れに二本目を挿入すると、よく濡れた花弁はぐにゅっと広がって、その直径を受け入れてくれた。
「っっっ~~~~~! は、あぅ、あぁっ、あなた様……あ、あ、あ」
「ワカモ、ここが感じやすいの?」
「はっ……はい……あ、はぁ……あぁぁん……!」
天井を圧迫しながら抜き挿しされるのが、ワカモは気持ちいいようだ。何往復かそうしてあげると、腰がかくかく揺れだした。尻尾の先も、官能的な声に合わせて悶えている。
茂みに鼻先を埋めて、コリコリに勃起したクリトリスに吸い付いた。ぐぐっと尻が持ち上がって、悲鳴のような嬌声が響いた。
「あぁぁっ、いけません……っっ」
ぷしっ――
切羽詰まった吐息と共に、がくんとワカモの胴が揺れた。尿道から飛沫があがり、染みが更に広がっていく。膝を擦り合わせてワカモは絶頂してしまい、鬱血しそうなぐらいに指が締め付けられた。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
ぢゅうぅ……と膣壁にしゃぶられながら、指を引き抜く。ローションをまぶしたようにヌルヌルで、二本の指の間には、粘った糸が何本も伸びている。
「あぁ……も、申し訳ありません……ワカモは、あなた様のお言いつけを破って、脚を閉じてしまい……粗相まで……ど、どうかお許しください……」
「ふふ、いいんだよ。ワカモは可愛いね」
涙目になって謝るワカモの顎をくすぐってあげると、申し訳無さそうにしつつも彼女が笑みを見せた。そんな彼女を前にして、元気を取り戻したままの怒張はガチガチに張り詰めていた。早く繋がりたくて、疼きが爆発してしまいそうだ。
いよいよワカモの方も準備が良さそうだ。こうなることをどこかで期待してこっそり買っていたパッケージを手に取ると、ワカモはかぶりを振った。
「……剥き出しのあなた様を下さい……」
「ワカモ……」
「一度きりの初めて。その……ワカモの我儘を、聞いていただけますか?」
こうなることを期待していたのは、ワカモも同じだったらしい。ただ私とは備えが違っていて、ナマでしても大丈夫な日を、体温測定をしつつ探っていたようだ。もっとも、確実な安全日なんて存在しないけれど。
「分かった。何かあったら、責任は私が取るからね」
「……あぁ……嬉しいです……」
意を決して、ワカモに剛直を突き付ける。亀頭の先端が臍の直下に届いているのを見て、彼女はゴクリと唾を呑んだ。
「……なんて逞しい……私は、あなた様にここまで貫かれてしまうのですね……」
怖い、とワカモは漏らしたが、その声は上擦っていた。
穴に先端を押し当て、潤滑液を塗り付ける。
くちゅっ、くちゅっ。
下の口で交わすディープキスに、ワカモは眼差しをうっとりと緩ませた。
「ワカモ、大好きだよ」
「あぁっ、あなた様ぁ……」
両手を繋ぎ、腰を推し進める。ずぶずぶと熱いぬかるみに沈む感覚に、腰が震えた。肉壁を押し広げて進む刺激は、筆舌に尽くしがたい快楽だ。初めて男を受け入れる蜜壺は窮屈だが、一度通り過ぎると温かく陰茎を包み込んでくれる。
「もう少しだよ、ワカモ」
大きく息を吐き、力を抜こうとするワカモに合わせて、少しずつ身を沈める。
そうして根元までずっぽりと入れ切った所で、壁に行き当たった。
「……頑張ったね」
全部入ったことを教えてあげると、ワカモはぽろりと涙した。
「幸せです……このワカモ、愛する人と……こんなに心地よく……」
「ふふっ、心地よくなるのはこれからだよ?」
「……はい……」
ワカモが照れ笑いを浮かべると、膣壁がキュッと締まった。うねうねと複雑な襞が竿に絡みつき、最奥では子宮口がちゅっと吸い付いてくる。今すぐにでも腰を振ってしまいたくなる衝動をなけなしの理性で堪え、馴染むのを待つ。
「あの……あなた様……」
目を閉じてキスを求めるワカモに応える。体液がまだ口の中に残っていたけれど、それはもうお互い様だった。もうワカモも舌遣いの勝手が分かって、濃密に絡んでくる。くぐもった甘い声を聞いていると、頭が蕩けてしまいそうだ。
彼女が異物感に慣れ、ぴったりと私の竿が包まれた頃、ゆっくりと動き始めた。
くちゅ……くちゅ……。
太さに慣れてもらうために、最初は浅く、優しい抽挿を繰り返す。
「はぁ……っ……あぁ、熱い……腹の中を焼かれるようです……」
ワカモが、夢見心地な瞳で陶酔する。
昂りっぱなしだった所で一度絶頂して、ワカモの膣内はトロトロだ。それなのに、感じやすいスポットを擦るときゅうっと締め付けてきて、気を抜いていたら一瞬で達してしまいそうだ。
「……気持ちいいです……」
彼女も、同じ思いだった。初めてで痛がるどころか、一往復ごとにどんどん快感が高まっているようだ。挿入を深めていくと、ぎゅうっと目蓋を閉じて、目を開くとうっとりして私を見つめる。心の襞を焦がされて、愛しさが込み上げた。もっと深くまで繋がって、彼女の中を私でいっぱいにしたい。
ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ……!
肌同士がぶつかって音を立てる。シングルベッドに二人分の体重は重すぎるのだろう。ギシギシ軋んでスプリングが悲鳴をあげている。
「あ、んんっ! あふうぅぅぅっ……!」
手首を掴んで、ワカモの身体を引き寄せる。腰を打ち付けるリズムに合わせて、たわわな乳肉がたぷんたぷんと前後に弾んでいる。鞠のように跳ねる乳房が形を変える瞬間、腰の奥底からゾクゾクした興奮が湧き上がってくる。
「んあぁあっ! あああっ……!」
折り重なって乳首に吸い付くと、ワカモは悲鳴をあげて顎を仰け反らせた。硬い肉粒をコロコロと口の中で転がし、舌で乳輪の中へ沈める。
乳首の快感は下半身にも波及していて、蜜壺がぎゅうぎゅう締まる。密着感が高まって、このまま一つに溶けあってしまいそうだ。
「ああ……きもちいい、きもちいい……!」
肉の弾ける音が激しさを増して、結合部からは絶えず水音が立っている。ワカモはもう、何をされても気持ちよくて嬉しいみたいだ。蜜肉を舐めるように腰を振っていても、膣奥を小刻みにノックしていても、貪欲に私を求めてくる。初めてだから優しくしないと、という気遣いが薄れていく。
ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ……
ぬぷ、ぬぷっ、ぬぷっ……
ワカモの細い腰を掴み、引き寄せながら、己の腰を何度もたたきつける。
悩ましい声をあげながら、ワカモは腰を持ち上げて、抽挿を求めてくる。
隔てるものの何も無い粘膜同士の接触に、私の限界が近づいていた。射精感が高まり、膣奥をこじ開けようと亀頭がパンプアップする。
「……あ……」
びくびく痙攣しながら膨張する変化を感じ取ったのか、ワカモは潤んだ瞳で見上げてきた。その表情に、最後の最後で私はためらってしまった。
まだもう少しだけ彼女と繋がっていたい。
この幸せな時間を終わらせたくない。
最も敏感な器官で、互いに溺れ合っていたい。
そんな我欲が出て、私は我慢しようとしてしまった。
その時――
「……ください…… くださいっ……」
ワカモが、両手両足を使って私にしがみついてきた。
硬く抱き着いて、離れようとしない。
踵で尻を押されて、根元までずっぽり挿入させられる。
ごちゅ……
ぐりゅっ……ぐりゅっ
「ふゔぅぅ……! あぐぁあぁっっ……!」
爆発寸前の亀頭が子宮口にめり込み、ワカモの喘ぎ声が濁った。喉元を晒して悶絶し、腰に絡みついた両足が暴れている。
膣壁が収縮して、根元から強く搾られる。
押し出されるマヨネーズみたいに、陰嚢から熱い泥が噴き上がってきた。もはや抑えることもできず、堤防が決壊する。
「あぁ……出る、ワカモ……っ」
「んぁ、あなたひゃま……んふ、んん~~~~~~!」
上も下も引っ付いたまま、お互いに絶頂を迎えた。
どく……どくっ……どくっ……
鼓動にシンクロして、勢いよく放たれた白濁液が、ワカモの胎を満たしていく。意思とは無関係に腰が動いて、射精しながら膣奥を捏ね回す。
痙攣する膣に吸い付かれ、鈴口から子種をごくごく直飲みされていく。
「……はぁ……ぁ……あたたかい、れふ……」
身体の最も深い所で迎えるオーガズム。快楽物質で全身がいっぱいで、多幸感に頭はドロドロだ。舌を絡め、唾液を飲ませあい、吐息を混ぜ合わせていると、溶けあって本当に一つの生命体になってしまいそうだった。
長い絶頂を終えて、名残惜しみながら、唇を離す。法悦の極みに蕩けた瞳で、ワカモは私を見つめていた。腰を回して膣内をゆっくり掻き混ぜると、夢見心地な甘い声があがり、唇の端から涎がとろりと垂れた。
亀頭で子宮口を撫でてていると、甘イキを繰り返すワカモの赤いヘイローが、とろんとろんと輪郭を緩ませているのが見えた。
「……痛くなかった? ごめんね、途中から夢中になっちゃって」
「わ、分かりません……この、股でじんじんする熱さが、痛みなのか、火照りなのか……まだ、夢を見ているようで……」
密着して交わっていたせいか、互いの身体が汗でヌルヌルだ。かっかと熱を持った肌を撫で合う。そうしながら、軽い口付けを何度か交わして、ゆっくりと体が離れた。
栓を失った秘裂から、愛のカクテルが湧き出している。微かに赤いものも混じっていた。既に色濃く染みていたシーツに、一滴の血痕が残っている。
初めてのセックスはやはり負担が大きかったようで、呼吸を整えるワカモの顔に疲労が見えた。もう日付も変わっている。後ろ髪を引かれる思いだったが、何をどうしたって明日は必ずやってくるものだ。
「ワカモ、明日のこともあるし、落ち着いたら寝ようね……って、ベッドがめちゃくちゃだね……」
「それなら、私の――いえ、あなた様に貸していただいた――」
「ワカモの部屋だよ」
私がそう言い切ると、ワカモは嬉しそうに尻尾を振った。
「では……お布団で、一緒に……」
体を起こしてベッドを出る前に、ワカモはもう一度キスを求めてきた。
<続く>