ホロライブラバーズX ファンタジック・ピースメイカー 作:とも667
人は一人じゃ生きられない。
シミズが触手を俊也達に向かって、高速で伸ばす。俊也達はそれを躱したが、刺さった部分の地面が壊れる。
「やっぱり、頭脳派でも威力は据え置きか!!」
「あの輪っか、秋月にはなかったよね……?」
「面白いものをお見せしましょう!!」
シミズは触手の刺さった部分から触手を抜かず、黒いエネルギーを送り込んだ。すると、その部分が変化し……マシンガンが出現する。
「地面から銃が出た!? まさか、これが……」
「受け取ってください、客人の皆様!!」
──ズダダダダダッ!!!
「チッ……!! 『レーザースライサー』!!!」
フレアがスライサーを回転させて、機銃掃射に突っ込む。ブレードの斥力で銃弾が弾かれて、出現した銃が真っ二つになっていく。
「ほら、私のことも見てください!!」
「させるか!! 『ランドストライク』ッ!!!」
「あなたにもプレゼントを差し上げますよ、お客人!!」
その瞬間、ノエルが触手に叩きつけたメイスが光り始める。それを見て、ノエルはメイスを手放して飛び退いた。
──ボゴォォォォン!!!
「今度はメイスを爆弾に……!?」
「お前、物を自分の好きな物に変えられるのか!?」
「ご明察ですね、客人!! まだまだ楽しい時間は終わりませんよ!!」
俊也達はそれを聞いて、冷や汗を流す。迂闊に武器すら使えない、しかしあっちは使い放題だ。シミズは更に、触手の先端の形を変化させ……銃の形にした。
「ぬぁぁぁぁぁっ!!!」
「いくらでもありますから、たくさん食べてください!!」
「まずい、俊也くん避けて!!」
しかし……俊也にはアレがある。いつも通り、体を回転させながら……空中で回し蹴りを放つ。
「竜巻旋風脚ッ!!」
「その技は知っていますよ、素敵な技だ!!」
「なっ……なにっ!?」
飛び道具を躱した俊也だったが、そこで天井と床にシミズが触手を突き刺す。そして、俊也は上下を針山に挟まれてしまった。
「させないっ!! お願い、ふぁんでっどさん!!」
「セントルイススマッシュ、エアフォースッ!!!」
──ズガァァァッ!!!
「グゥッ……ハハハ、良い技ですね!! 秋月さんを倒しただけのことはある!!」
盾の形になった触手で防御されて、シミズへのダメージは軽減されてしまったようだ。それを見た俊也は、更に追撃を加えるためにそのまま跳躍する。
「そこだ!! マンチェスター……!!」
「これならいかがですか?」
「そう来ると思ったよ!! マリン!!!」
俊也はそう言って、マリンに指示を出す。それを聞いて、マリンは俊也の意図を察した。俊也を狙う触手に、狙いを定めた。
「OK!! 『チェーンアンカー』!!」
──ジャララララッ!!!
「おっと……?」
「そこ!! 『
五つの巨大な火球が、フレアの指から縛り上げられた触手に打ち込まれて……シミズは、チェーンアンカーを振り払い……触手を盾にして防御する。しかし……それも想定内。
──ドゴォォォォォン!!!
「この程度では終われませんねぇ!!」
「遅い!! マンチェスター!! スマッシュッ!!!」
──ドゴォォォン!!!
「グッ、ガ……!?」
触手の盾を叩き割って、俊也の踵落としがシミズに炸裂する。それを食らって、怯んだ一瞬を見逃すほど、みんなは甘くない。
「食らえっ!! 『ボルテックフィニッシュ』!!」
「『苗床の残滓』!! もう一発、『
「ぶっ飛べ、『EARSHOT』ォ!!!」
──ドガァァァァァン!!!
──ゴバォォォォッ!!!
追撃の爆炎と爆音がシミズに命中する。そこに二人が放った技と同時に、ノエルとフレアが突撃していく。
「団長のマッスル舐めんなよぉ!! そぉりゃあ!!」
──ドガァァッ!!
「受け取りに来てくれて、嬉しいですねぇ!!!」
「甘い!! 『レーザースライサー』!!!」
──ズギャギャギャギャッ!!!
フレアがスライサーを回転させて、ノエルを拘束した触手に当てた。ブチブチと音を立てて触手が千切れていく。そして、解放されたノエルが拳を振りかぶる。
「そこだぁぁぁぁ!!!」
──ズガァッ!!
「グガッ……!!」
「食らえぇぇぇぇ!!!」
「でぇぇぇいっ!!!」
──ズガガァァァァッ!!!
るしあとぺこらの二人の攻撃が、同時にシミズに炸裂した。そこに、離れていた俊也がトドメの一撃をぶつけに行く。
「もう一発……!! マンチェスター!!!」
「や、やめてくださいぃ……!!」
「ッ……スマッシュッ!!!」
その声色に、俊也は嫌でも思い出す。あの時に感じた、嫌悪感と吐き気。殺人をしたという事実を。俊也の体から、汗が吹き出す。
──ズドォォォォン!!!
「……外した!?」
「やっぱり、ダメか……俊也くん、あとは団長達に任せて……うわぁぁっ!?」
──ズダダダダダッ!!!
「ッ、みんな!?」
シミズは触手を伸ばし、みんなに攻撃を仕掛けている。シミズの傷は、触手の回復薬ですっかり治っている……つまり、最初からこれが狙い。
「お前、わざと……!!」
「何のことでしょう? 私には分かりませんね」
「貴様ァァァァ!!!」
こいつを倒して、みんなを助ける。俊也はそう決意して、もう一発構えた。その場で回転して、回し蹴りを放つ。
「クルーエルディザスター!!!」
「グフッ……!!」
「サイクロンディザスター……ッ!!」
シミズは怯えた顔をしている。自分が蹴り飛ばせば、彼女達は助かる。そうすべきだ、そうする義務が自分にはある。そう思って、俊也はシミズを蹴ろうとしたが……
「……!? 体が、震えて……!?」
「お優しい方だ……!!!」
──ズゴォォォッ!!!
「なっ……グハァァッ!?」
シミズの触手を防御できずに食らって、俊也が血を吐く。そこにシミズが、更に追撃を叩き込むために、触手を凶器の形へと変化させた。大剣、チェーンソー、銃……
「さぁ、お返しの時間です!! 私からのお礼を、受け取ってください!!」
──ズギャギャギャギャッ!!!
──ズダダダダダダ!!!
「ごぉっ、あが……げぁっ、ぎ……!!」
俊也は体中を触手に抉り取られ、蜂の巣にされて……吹っ飛ばされる。みんなのところに、俊也が飛んできた。
──ドサッ。
「しゅ、俊也くんっ!!!」
「お前ぇぇぇ……!!! 卑怯だぞッ!!?」
「怖いから怖いと言っているだけですよ。しかし気分を損ねたなら謝罪します、申し訳ありません……」
そう申し訳なさそうに言うシミズの顔は、愉悦に歪んでいた。俊也はもう虫の息で、戦える状態ではない。それに対して、全員が怒りを顕にしている。
「ふざけやがって……!!」
「ご、めん……俺の、せい、で……ごっ、がふっ、ごふ……!!」
「喋っちゃダメ、本当に死んじゃうよ!!」
フレアがそう言って、奇跡を使って治療を始める。しかし、傷が深すぎて簡単には塞がらない。そして、それを見逃すほどシミズは甘くなかった。
「あなた達も、お礼を受け取ってください!!」
「ッ、ふぁんでっどさん……!!」
「それなら、プレゼントの追加です!!」
るしあのアンデッド達をまとめて爆弾にして、シミズはみんなに投げつける。治療中のフレアはそれに気づけない。
「フレア!! 危ないっ!!」
「ノエル……!?」
──ドゴゴォォォォン!!!
「ぐはっ、あ……」
ノエルが爆発に巻き込まれて、倒れる。それを見て、シミズがまた笑う。
「ウヒヒヒヒッ、喜んでいただけたようですね……」
「ふざけんじゃねえぇぇっ!!!」
「喰らえ、『EARSHOT』!!!」
二人がシミズに向かっていったが……もちろん、怒りに任せた攻撃など食らうわけもない。砲弾を盾で受けきり、剣の形をした触手で切り裂く。
──ドガァァァァン!!
「ありがとうございます!! これは、お礼です!!」
──ズジャウッ!!
「がぁっ、ぎ……!?」
「ぐがぁぁっ!?」
そのまま跳ね飛ばされて、二人も戦闘不能。フレアは奇跡に力を使いすぎて、魔力が残っていない。あと戦えるのは、るしあ一人のみ。
「そんな、みんなが……!!」
「あなた達も受け取ってください。さぁ、今すぐにぃ……!!」
「テメェッ……!!!」
るしあの顔に青筋が浮かぶ。歯軋りしながら、激怒する。呪術の火を構えて、後先考えずにアンデッドを召喚しようとした。しかし……
『どうか思い出して。あなたの中にある優しさと思いやりを……』
「あ……」
『そして、忘れないで。お姫様の童話を……あなたなら、きっとなれる』
そこでるしあは、もう一人の自分の言葉を思い出した。そこでるしあは、目の前の敵以外を見てみる。
「ぐっ、うぅ……」
「……がはっ、ぐっ……」
「まだ立つおつもりですか? ああ、感動しますね!! それに敬意を評して……最高のプレゼントを差し上げましょう!!」
そう言ったシミズが、触手を目の前に集めて……大きな一塊の真っ白なエネルギー弾を作り出す。喰らえば即死であることは、誰もが理解できた。
「あれを、食らったら……」
「天国への特別招待券です!! ではさようなら、客人の皆様!! また逢う日まで!!」
「……させないっ!!」
るしあは気づいた。誰も戦うことを諦めてなどいないことに。それなら、今自分がすべきことは敵に特攻することではない。
「えっ、るしあちゃん……!?」
「全員まとめて……行ってらっしゃいませ!!!」
──ドォォォォォン!!!
「うぉぉぉぉぉぉっ!!!」
るしあがみんなの前に立ちはだかって、庇う。その程度で受け切れる物でないことは、シミズもわかっていた。それを嘲笑いながら、その様子を見る。そして……
──ドゴォォォォォォン!!!
大爆発が巻き起こり、それが全員を包んだ。嘲笑を顔に浮かべながら、シミズは残念そうに言う。
「客人や、友人との別れはいつでも辛い……あぁ、悲しいです……」
「それなら、ラッキーだね」
「……は?」
その時シミズは、人生で初めて褒め言葉以外を口にした。煙が晴れた先の潤羽るしあには……その目の前にいる巨大な骸骨には、傷一つついていない。あれを食らったにも関わらず、だ。シミズは頭をいくら回しても、意味がわからなかった。
「言っとくけど、奇跡じゃないよ。これは……みんなのおかげだから」
「なんですって……?」
「ネクロマンサーのお姫様は……いつだって優しくて、思いやりがあって……誰かのために、力を使う人」
るしあが、頭につけていた髪飾りを投げ捨てた。るしあの髪が伸びて、色がどんどんピンクになっていく。
「これは一体、何が……!?」
「今度こそ、なってみせる。みんなを助けてみんなに好かれる、お姫様に……!!!」
「えっ、私達の傷が……!?」
るしあの力で、全員の傷が一瞬で癒えてゆく。そこで、シミズが気づいた。
「これは……死者の蘇生か!? なんという……!!」
「体の底から、力が溢れてくる……なんだ、これだけでよかったんだね……!!」
「すごい、本当に童話のお姫様みたい……」
ピンク色の髪に、さっきまではなかった白黒のリボンがついている。今日着てきていた、ゴスロリ衣装と相まって……その姿は、童話の姿と瓜二つだ。
「死者の蘇生……歴史上数人しか辿り着いたことのない、神の領域の業……まさかるしあちゃんが、今ここでそれに目覚めるなんてね」
「助かったぜ、るしあ。悪いな、心配かけた」
「大丈夫、これくらい朝飯前……なのです!!」
そう言ってるしあが、俊也にウィンクした。シミズは勝ち確の状況をひっくり返され、歯軋りをしている。
「素晴らしい愛ですねぇ!! お祝いです、これを受け取ってください!!!」
「……はぁぁっ!!」
──ガキィィンッ!!!
「なっ……プレゼントにならない!? 何故!? 何故受け取ってくれないのですか!?」
触手を握りしめて止める、巨大な骸骨。その頭には、小さな王冠が載っている。丁度、るしあがつけて丁度いいくらいの。そこで骸骨の目が輝いて、白い光が宿る。
「……そうか!! このアンデッドには、『生命』がある……!! お前、自分以外の生物は爆弾にしたりできないんだろ!?」
「ッ……!!」
「それができるのなら、私達を爆弾にしちゃえば済む話だもんね」
最早、るしあのアンデッドはただの道具ではない。生命を手に入れた、新たな生物と化したのだ。そして生命を手に入れたことで、力も前よりずっと強くなっている。シミズはいつの間にか、筋骨隆々のアンデッド達に囲まれていた。
「なにっ!?」
「これまでのお礼だよ!! いっけぇぇぇ!!!」
「ぐぉぉあぁぁぁ!?」
爆弾にできない、雑兵の大軍。ここまで大量にいるのでは、対処することも難しい。それを見て俊也達も、武器を構え直す。
「今がチャンスだ!! 行くぞっ!!!」
「「応ッ!!!」」
「攻撃はふぁんでっどさんが止める!! みんなは回復の暇を与えないで!!!」
そう言われて、全員が頷く。まずは俊也がまた向かっていく。
「食らえ、マンチェスター……!!」
「ひぃぃっ!!」
「……なんてな」
それを聞いて、シミズは困惑する。そしてその答えは、後方から飛んできた。
「ボルテックフィニッシュゥゥゥ!!!」
「ぐはぁぁぁぁぁ!?」
「怯えるフリするなら、動きを止めないといけないからな!!」
突然の攻撃に吹っ飛ばされたシミズ。しかし、触手ですぐに体勢を立て直す……ところで、上から大きな骨をメイス代わりにして、ノエルが降ってきた。
「砕け散れ、『白亜の鉄槌』ッ!!!」
「ごぉぉあぁぁぁっ!?」
「るしあちゃんの骸骨の骨、使えそうだったんだよね!!」
背骨と肋骨を全てへし折られて、シミズが血を吐いた。触手で回復しようにも、アンデッド達に押さえられてまともに動かせない。そこにフレアが、大地魔法で逃げ道を塞いで剣を投げつける。
「ぐうっ!?」
「はぁぁぁぁぁっ!!!」
──バヂュチヂィィッ!!!
「がぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
シミズを掴んで、電気を直接シミズに流し込むフレア。更にそこにもう片方の炎を纏った拳で、アッパーを叩き込む。
「でぇぇぇいっ!!」
──バグォォォォン!!!
「ぐわぁぁぁぁぁッ!!!」
「『狩人の連撃』ィィ!!!」
最後にフレアは、炎魔法を全力で放った。体を焼き尽くされて、シミズが大きく吹っ飛ぶ……更にそこに、マリンが大砲を構えて待ち構えていた。
「君たち~!! 一斉射撃だぁぁ!!!」
──ドゴゴォォォォン!!!
「ぐげぇあぁぁぁッ!!!」
「もう一発!! 『EARSHOT』!!!」
──ドガァァァァァン!!!
その名に違わず、耳鳴りのような爆音と爆炎がシミズを襲う。シミズはさらに大きく吹っ飛び……壁にめり込んだ。
「お前の負けだよ。降伏して、今なら命は助けてあげる」
「ハ、ハハハ……すば、らしい、提案です、ね……そのお気遣いが、嬉しいです!!!」
「どうやら、降伏する気はないらしいな……」
るしあはそれを見て、骸骨に指示を出す。シミズも触手の全エネルギーを注ぎ込み、さっきより大きなエネルギー弾を作っている。
「これが私からの、最後の、プレゼントです……!! どうか、受け取ってください……!!」
「それなら……るしあの全力、見せてあげる!!!」
「骸骨の口に、エネルギーが集まって……まさか、ビームか!?」
骸骨の口が大きく開いて、そこに真っ赤なエネルギーが収束していく。そして……二人が同時に、力を溜め終わったようだ。
「私の全力を、持って逝けェェェ!!!」
「喰らえ!! 『グランデッドクルス』!!!」
──ズドォォォォン!!!
──バギュオォォォォォッ!!!
「ぐっ、すごい衝撃波だ……!!」
赤い光線と、真っ白なエネルギー弾がぶつかり合う。凄まじい衝撃波が発生して、床が砕け散り始める。光線と弾が拮抗して、その場でスパークしている。
──ヂヂッ、ヂュヂヂヂヂッ……!!!
「……頑張れ、るしあちゃん!!」
「負けるな、るーちゃん!!」
「るしあ、頑張れーっ!!」
声援を受けて、徐々にるしあの光線がシミズのエネルギー弾を押し始める。
「あなたならできる、頑張って!!」
「頼むよ、るしあちゃん!!」
「るしあ!! お前ならできる、いっけぇぇぇぇ!!!」
俊也がそう言った瞬間、エネルギー弾が光線にかき消される。そして、赤い光がシミズに炸裂した。
「……こんな、素敵な贈り物、を……素晴らしい……ウギャアァァァァァァッ!!!」
「すごい……」
「成仏してね」
──ドゴォォォォォォン!!!
るしあがそう言って、合掌……その刹那、十字架型の大爆発が起きた。その煙が晴れると……そこには、大きな十字架型の大穴が空いている。
「……るーちゃん!!」
「わっ!? み、みんな……!?」
「すごいよ、るしあ!! あいつを倒しちゃうなんて……!!」
ぺこらとマリンが、とにかくるしあを褒めている。そこに、三人も賞賛の言葉をかけた。
「うん、凄まじい力だった。ここまで強いなんて思わなかったよ」
「ホントに助かった、今回ばかりはもうダメかと思ったよ」
「るしあ……諦めないで、よかったな」
俊也にそう言われ、るしあは満面の笑みを浮かべた。
「うんっ!!」
「さて、資料とかを回収しないとね。とりあえず他の基地の場所とか……」
『シミズ主任の生体反応消失を確認。三分後に、基地を自爆させます』
そう聞こえてきて、全員が焦る。このままでは資料が全て、火の中に消えてしまう。
「任せて!! ふぁんでっどさん、集められるものを全部集めてきて!!」
「前より細かい指示が可能になってる……すごいな、るしあ!!」
「このくらい朝飯前なのです!!」
そう言ってるしあは、呼び出したアンデッド達に手分けして、あらゆる物を集めさせながら脱出する。そして……外で待っていると、アンデッド達がぞろぞろと出てきた。
「おぉ、こんなにあったのか……」
「ふぁんでっどさんは……うん、これで全部だね」
『爆発まで……3,2,1……0』
──ボガァァァァン!!!
内部から爆発して、何もかもが消し炭になる。これで、シミズの野望は完全に潰えた。
「終わったな……るしあのおかげだ、ありがとう」
「ううん。みんながいたから、るしあはお姫様になれたんだよ。俊也くんがいなかったら、なろうとも思えなかった……ありがとう」
「……そうか!! よし、みんなウチに来い!! 食べたいもの食べさせてやる!!」
俊也がそう言うと、重かった空気が一気に明るくなる。それぞれ、口々に食べたい物を言う。
「あ、じゃあぺこらは寿司がいい!!」
「るしあは中華料理!!」
「船長は揚げ物で!!」
「牛丼食べたい!!」
「卵料理食べたいな!!」
みんなが口々に食べたいものを言って、俊也がそれを全て聞き取る。聖徳太子並の聴力を発揮し、俊也が笑って返事した。
「よし、わかった!! 買い物行くぞー!!」
「「おー!!」」
「ついでにアイスも食べたいな……いい?」
「ダメなわけないだろ? いいよ!!」
そう言われたるしあが、子供のようにはしゃいで喜ぶ。
「やったぁぁ!! 俊也くん大好きっ!!」
「うん、俺も!!」
「えへへ……!!」
るしあは大好きな人達に囲まれて、とても幸せだ。幸せはきっと、これからも続いていく。
だからこそ、手を繋ごう。