※この作品はR-18です。

ホロライブラバーズX ファンタジック・ピースメイカー   作:とも667

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 人は一人じゃ生きられない。


一人じゃないから

シミズが触手を俊也達に向かって、高速で伸ばす。俊也達はそれを躱したが、刺さった部分の地面が壊れる。

 

「やっぱり、頭脳派でも威力は据え置きか!!」

 

「あの輪っか、秋月にはなかったよね……?」

 

「面白いものをお見せしましょう!!」

 

 シミズは触手の刺さった部分から触手を抜かず、黒いエネルギーを送り込んだ。すると、その部分が変化し……マシンガンが出現する。

 

「地面から銃が出た!? まさか、これが……」

 

「受け取ってください、客人の皆様!!」

 

 ──ズダダダダダッ!!!

 

「チッ……!! 『レーザースライサー』!!!」

 

 フレアがスライサーを回転させて、機銃掃射に突っ込む。ブレードの斥力で銃弾が弾かれて、出現した銃が真っ二つになっていく。

 

「ほら、私のことも見てください!!」

 

「させるか!! 『ランドストライク』ッ!!!」

 

「あなたにもプレゼントを差し上げますよ、お客人!!」

 

 その瞬間、ノエルが触手に叩きつけたメイスが光り始める。それを見て、ノエルはメイスを手放して飛び退いた。

 

 ──ボゴォォォォン!!!

 

「今度はメイスを爆弾に……!?」

 

「お前、物を自分の好きな物に変えられるのか!?」

 

「ご明察ですね、客人!! まだまだ楽しい時間は終わりませんよ!!」

 

 俊也達はそれを聞いて、冷や汗を流す。迂闊に武器すら使えない、しかしあっちは使い放題だ。シミズは更に、触手の先端の形を変化させ……銃の形にした。

 

「ぬぁぁぁぁぁっ!!!」

 

「いくらでもありますから、たくさん食べてください!!」

 

「まずい、俊也くん避けて!!」

 

 しかし……俊也にはアレがある。いつも通り、体を回転させながら……空中で回し蹴りを放つ。

 

「竜巻旋風脚ッ!!」

 

「その技は知っていますよ、素敵な技だ!!」

 

「なっ……なにっ!?」

 

 飛び道具を躱した俊也だったが、そこで天井と床にシミズが触手を突き刺す。そして、俊也は上下を針山に挟まれてしまった。

 

「させないっ!! お願い、ふぁんでっどさん!!」

 

「セントルイススマッシュ、エアフォースッ!!!」

 

 ──ズガァァァッ!!!

 

「グゥッ……ハハハ、良い技ですね!! 秋月さんを倒しただけのことはある!!」

 

 盾の形になった触手で防御されて、シミズへのダメージは軽減されてしまったようだ。それを見た俊也は、更に追撃を加えるためにそのまま跳躍する。

 

「そこだ!! マンチェスター……!!」

 

「これならいかがですか?」

 

「そう来ると思ったよ!! マリン!!!」

 

 俊也はそう言って、マリンに指示を出す。それを聞いて、マリンは俊也の意図を察した。俊也を狙う触手に、狙いを定めた。

 

「OK!! 『チェーンアンカー』!!」

 

 ──ジャララララッ!!!

 

「おっと……?」

 

「そこ!! 『五指爆炎弾(フィンガー・フレア・ボムズ)』!!!」

 

 五つの巨大な火球が、フレアの指から縛り上げられた触手に打ち込まれて……シミズは、チェーンアンカーを振り払い……触手を盾にして防御する。しかし……それも想定内。

 

 ──ドゴォォォォォン!!!

 

「この程度では終われませんねぇ!!」

 

「遅い!! マンチェスター!! スマッシュッ!!!」

 

 ──ドゴォォォン!!!

 

「グッ、ガ……!?」

 

 触手の盾を叩き割って、俊也の踵落としがシミズに炸裂する。それを食らって、怯んだ一瞬を見逃すほど、みんなは甘くない。

 

「食らえっ!! 『ボルテックフィニッシュ』!!」

 

「『苗床の残滓』!! もう一発、『共撃の死霊(ラ・ヴンジャンス・ディ・ファントム)』!!」

 

「ぶっ飛べ、『EARSHOT』ォ!!!」

 

 ──ドガァァァァァン!!!

 

 ──ゴバォォォォッ!!!

 

 追撃の爆炎と爆音がシミズに命中する。そこに二人が放った技と同時に、ノエルとフレアが突撃していく。

 

「団長のマッスル舐めんなよぉ!! そぉりゃあ!!」

 

 ──ドガァァッ!!

 

「受け取りに来てくれて、嬉しいですねぇ!!!」

 

「甘い!! 『レーザースライサー』!!!」

 

 ──ズギャギャギャギャッ!!!

 

 フレアがスライサーを回転させて、ノエルを拘束した触手に当てた。ブチブチと音を立てて触手が千切れていく。そして、解放されたノエルが拳を振りかぶる。

 

「そこだぁぁぁぁ!!!」

 

 ──ズガァッ!!

 

「グガッ……!!」

 

「食らえぇぇぇぇ!!!」

 

「でぇぇぇいっ!!!」

 

 ──ズガガァァァァッ!!!

 

 るしあとぺこらの二人の攻撃が、同時にシミズに炸裂した。そこに、離れていた俊也がトドメの一撃をぶつけに行く。

 

「もう一発……!! マンチェスター!!!」

 

「や、やめてくださいぃ……!!」

 

「ッ……スマッシュッ!!!」

 

 その声色に、俊也は嫌でも思い出す。あの時に感じた、嫌悪感と吐き気。殺人をしたという事実を。俊也の体から、汗が吹き出す。

 

 ──ズドォォォォン!!!

 

「……外した!?」

 

「やっぱり、ダメか……俊也くん、あとは団長達に任せて……うわぁぁっ!?」

 

 ──ズダダダダダッ!!!

 

「ッ、みんな!?」

 

 シミズは触手を伸ばし、みんなに攻撃を仕掛けている。シミズの傷は、触手の回復薬ですっかり治っている……つまり、最初からこれが狙い。

 

「お前、わざと……!!」

 

「何のことでしょう? 私には分かりませんね」

 

「貴様ァァァァ!!!」

 

 こいつを倒して、みんなを助ける。俊也はそう決意して、もう一発構えた。その場で回転して、回し蹴りを放つ。

 

「クルーエルディザスター!!!」

 

「グフッ……!!」

 

「サイクロンディザスター……ッ!!」

 

 シミズは怯えた顔をしている。自分が蹴り飛ばせば、彼女達は助かる。そうすべきだ、そうする義務が自分にはある。そう思って、俊也はシミズを蹴ろうとしたが……

 

「……!? 体が、震えて……!?」

 

「お優しい方だ……!!!」

 

 ──ズゴォォォッ!!!

 

「なっ……グハァァッ!?」

 

 シミズの触手を防御できずに食らって、俊也が血を吐く。そこにシミズが、更に追撃を叩き込むために、触手を凶器の形へと変化させた。大剣、チェーンソー、銃……

 

「さぁ、お返しの時間です!! 私からのお礼を、受け取ってください!!」

 

 ──ズギャギャギャギャッ!!!

 

 ──ズダダダダダダ!!!

 

「ごぉっ、あが……げぁっ、ぎ……!!」

 

 俊也は体中を触手に抉り取られ、蜂の巣にされて……吹っ飛ばされる。みんなのところに、俊也が飛んできた。

 

 ──ドサッ。

 

「しゅ、俊也くんっ!!!」

 

「お前ぇぇぇ……!!! 卑怯だぞッ!!?」

 

「怖いから怖いと言っているだけですよ。しかし気分を損ねたなら謝罪します、申し訳ありません……」

 

 そう申し訳なさそうに言うシミズの顔は、愉悦に歪んでいた。俊也はもう虫の息で、戦える状態ではない。それに対して、全員が怒りを顕にしている。

 

「ふざけやがって……!!」

 

「ご、めん……俺の、せい、で……ごっ、がふっ、ごふ……!!」

 

「喋っちゃダメ、本当に死んじゃうよ!!」

 

 フレアがそう言って、奇跡を使って治療を始める。しかし、傷が深すぎて簡単には塞がらない。そして、それを見逃すほどシミズは甘くなかった。

 

「あなた達も、お礼を受け取ってください!!」

 

「ッ、ふぁんでっどさん……!!」

 

「それなら、プレゼントの追加です!!」

 

 るしあのアンデッド達をまとめて爆弾にして、シミズはみんなに投げつける。治療中のフレアはそれに気づけない。

 

「フレア!! 危ないっ!!」

 

「ノエル……!?」

 

 ──ドゴゴォォォォン!!!

 

「ぐはっ、あ……」

 

 ノエルが爆発に巻き込まれて、倒れる。それを見て、シミズがまた笑う。

 

「ウヒヒヒヒッ、喜んでいただけたようですね……」

 

「ふざけんじゃねえぇぇっ!!!」

 

「喰らえ、『EARSHOT』!!!」

 

 二人がシミズに向かっていったが……もちろん、怒りに任せた攻撃など食らうわけもない。砲弾を盾で受けきり、剣の形をした触手で切り裂く。

 

 ──ドガァァァァン!!

 

「ありがとうございます!! これは、お礼です!!」

 

 ──ズジャウッ!!

 

「がぁっ、ぎ……!?」

 

「ぐがぁぁっ!?」

 

 そのまま跳ね飛ばされて、二人も戦闘不能。フレアは奇跡に力を使いすぎて、魔力が残っていない。あと戦えるのは、るしあ一人のみ。

 

「そんな、みんなが……!!」

 

「あなた達も受け取ってください。さぁ、今すぐにぃ……!!」

 

「テメェッ……!!!」

 

 るしあの顔に青筋が浮かぶ。歯軋りしながら、激怒する。呪術の火を構えて、後先考えずにアンデッドを召喚しようとした。しかし……

 

『どうか思い出して。あなたの中にある優しさと思いやりを……』

 

「あ……」

 

『そして、忘れないで。お姫様の童話を……あなたなら、きっとなれる』

 

 そこでるしあは、もう一人の自分の言葉を思い出した。そこでるしあは、目の前の敵以外を見てみる。

 

「ぐっ、うぅ……」

 

「……がはっ、ぐっ……」

 

「まだ立つおつもりですか? ああ、感動しますね!! それに敬意を評して……最高のプレゼントを差し上げましょう!!」

 

 そう言ったシミズが、触手を目の前に集めて……大きな一塊の真っ白なエネルギー弾を作り出す。喰らえば即死であることは、誰もが理解できた。

 

「あれを、食らったら……」

 

「天国への特別招待券です!! ではさようなら、客人の皆様!! また逢う日まで!!」

 

「……させないっ!!」

 

 るしあは気づいた。誰も戦うことを諦めてなどいないことに。それなら、今自分がすべきことは敵に特攻することではない。

 

「えっ、るしあちゃん……!?」

 

「全員まとめて……行ってらっしゃいませ!!!」

 

 ──ドォォォォォン!!!

 

「うぉぉぉぉぉぉっ!!!」

 

 るしあがみんなの前に立ちはだかって、庇う。その程度で受け切れる物でないことは、シミズもわかっていた。それを嘲笑いながら、その様子を見る。そして……

 

 ──ドゴォォォォォォン!!!

 

 大爆発が巻き起こり、それが全員を包んだ。嘲笑を顔に浮かべながら、シミズは残念そうに言う。

 

「客人や、友人との別れはいつでも辛い……あぁ、悲しいです……」

 

「それなら、ラッキーだね」

 

「……は?」

 

 その時シミズは、人生で初めて褒め言葉以外を口にした。煙が晴れた先の潤羽るしあには……その目の前にいる巨大な骸骨には、傷一つついていない。あれを食らったにも関わらず、だ。シミズは頭をいくら回しても、意味がわからなかった。

 

「言っとくけど、奇跡じゃないよ。これは……みんなのおかげだから」

 

「なんですって……?」

 

「ネクロマンサーのお姫様は……いつだって優しくて、思いやりがあって……誰かのために、力を使う人」

 

 るしあが、頭につけていた髪飾りを投げ捨てた。るしあの髪が伸びて、色がどんどんピンクになっていく。

 

「これは一体、何が……!?」

 

「今度こそ、なってみせる。みんなを助けてみんなに好かれる、お姫様に……!!!」

 

「えっ、私達の傷が……!?」

 

 るしあの力で、全員の傷が一瞬で癒えてゆく。そこで、シミズが気づいた。

 

「これは……死者の蘇生か!? なんという……!!」

 

「体の底から、力が溢れてくる……なんだ、これだけでよかったんだね……!!」

 

「すごい、本当に童話のお姫様みたい……」

 

 ピンク色の髪に、さっきまではなかった白黒のリボンがついている。今日着てきていた、ゴスロリ衣装と相まって……その姿は、童話の姿と瓜二つだ。

 

「死者の蘇生……歴史上数人しか辿り着いたことのない、神の領域の業……まさかるしあちゃんが、今ここでそれに目覚めるなんてね」

 

「助かったぜ、るしあ。悪いな、心配かけた」

 

「大丈夫、これくらい朝飯前……なのです!!」

 

 そう言ってるしあが、俊也にウィンクした。シミズは勝ち確の状況をひっくり返され、歯軋りをしている。

 

「素晴らしい愛ですねぇ!! お祝いです、これを受け取ってください!!!」

 

「……はぁぁっ!!」

 

 ──ガキィィンッ!!!

 

「なっ……プレゼントにならない!? 何故!? 何故受け取ってくれないのですか!?」

 

 触手を握りしめて止める、巨大な骸骨。その頭には、小さな王冠が載っている。丁度、るしあがつけて丁度いいくらいの。そこで骸骨の目が輝いて、白い光が宿る。

 

「……そうか!! このアンデッドには、『生命』がある……!! お前、自分以外の生物は爆弾にしたりできないんだろ!?」

 

「ッ……!!」

 

「それができるのなら、私達を爆弾にしちゃえば済む話だもんね」

 

 最早、るしあのアンデッドはただの道具ではない。生命を手に入れた、新たな生物と化したのだ。そして生命を手に入れたことで、力も前よりずっと強くなっている。シミズはいつの間にか、筋骨隆々のアンデッド達に囲まれていた。

 

「なにっ!?」

 

「これまでのお礼だよ!! いっけぇぇぇ!!!」

 

「ぐぉぉあぁぁぁ!?」

 

 爆弾にできない、雑兵の大軍。ここまで大量にいるのでは、対処することも難しい。それを見て俊也達も、武器を構え直す。

 

「今がチャンスだ!! 行くぞっ!!!」

 

「「応ッ!!!」」

 

「攻撃はふぁんでっどさんが止める!! みんなは回復の暇を与えないで!!!」

 

 そう言われて、全員が頷く。まずは俊也がまた向かっていく。

 

「食らえ、マンチェスター……!!」

 

「ひぃぃっ!!」

 

「……なんてな」

 

 それを聞いて、シミズは困惑する。そしてその答えは、後方から飛んできた。

 

「ボルテックフィニッシュゥゥゥ!!!」

 

「ぐはぁぁぁぁぁ!?」

 

「怯えるフリするなら、動きを止めないといけないからな!!」

 

 突然の攻撃に吹っ飛ばされたシミズ。しかし、触手ですぐに体勢を立て直す……ところで、上から大きな骨をメイス代わりにして、ノエルが降ってきた。

 

「砕け散れ、『白亜の鉄槌』ッ!!!」

 

「ごぉぉあぁぁぁっ!?」

 

「るしあちゃんの骸骨の骨、使えそうだったんだよね!!」

 

 背骨と肋骨を全てへし折られて、シミズが血を吐いた。触手で回復しようにも、アンデッド達に押さえられてまともに動かせない。そこにフレアが、大地魔法で逃げ道を塞いで剣を投げつける。

 

「ぐうっ!?」

 

「はぁぁぁぁぁっ!!!」

 

 ──バヂュチヂィィッ!!!

 

「がぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 シミズを掴んで、電気を直接シミズに流し込むフレア。更にそこにもう片方の炎を纏った拳で、アッパーを叩き込む。

 

「でぇぇぇいっ!!」

 

 ──バグォォォォン!!!

 

「ぐわぁぁぁぁぁッ!!!」

 

「『狩人の連撃』ィィ!!!」

 

 最後にフレアは、炎魔法を全力で放った。体を焼き尽くされて、シミズが大きく吹っ飛ぶ……更にそこに、マリンが大砲を構えて待ち構えていた。

 

「君たち~!! 一斉射撃だぁぁ!!!」

 

 ──ドゴゴォォォォン!!!

 

「ぐげぇあぁぁぁッ!!!」

 

「もう一発!! 『EARSHOT』!!!」

 

 ──ドガァァァァァン!!!

 

 その名に違わず、耳鳴りのような爆音と爆炎がシミズを襲う。シミズはさらに大きく吹っ飛び……壁にめり込んだ。

 

「お前の負けだよ。降伏して、今なら命は助けてあげる」

 

「ハ、ハハハ……すば、らしい、提案です、ね……そのお気遣いが、嬉しいです!!!」

 

「どうやら、降伏する気はないらしいな……」

 

 るしあはそれを見て、骸骨に指示を出す。シミズも触手の全エネルギーを注ぎ込み、さっきより大きなエネルギー弾を作っている。

 

「これが私からの、最後の、プレゼントです……!! どうか、受け取ってください……!!」

 

「それなら……るしあの全力、見せてあげる!!!」

 

「骸骨の口に、エネルギーが集まって……まさか、ビームか!?」

 

 骸骨の口が大きく開いて、そこに真っ赤なエネルギーが収束していく。そして……二人が同時に、力を溜め終わったようだ。

 

「私の全力を、持って逝けェェェ!!!」

 

「喰らえ!! 『グランデッドクルス』!!!」

 

 ──ズドォォォォン!!!

 

 ──バギュオォォォォォッ!!!

 

「ぐっ、すごい衝撃波だ……!!」

 

 赤い光線と、真っ白なエネルギー弾がぶつかり合う。凄まじい衝撃波が発生して、床が砕け散り始める。光線と弾が拮抗して、その場でスパークしている。

 

 ──ヂヂッ、ヂュヂヂヂヂッ……!!!

 

「……頑張れ、るしあちゃん!!」

 

「負けるな、るーちゃん!!」

 

「るしあ、頑張れーっ!!」

 

 声援を受けて、徐々にるしあの光線がシミズのエネルギー弾を押し始める。

 

「あなたならできる、頑張って!!」

 

「頼むよ、るしあちゃん!!」

 

「るしあ!! お前ならできる、いっけぇぇぇぇ!!!」

 

 俊也がそう言った瞬間、エネルギー弾が光線にかき消される。そして、赤い光がシミズに炸裂した。

 

「……こんな、素敵な贈り物、を……素晴らしい……ウギャアァァァァァァッ!!!」

 

「すごい……」

 

「成仏してね」

 

 ──ドゴォォォォォォン!!!

 

 るしあがそう言って、合掌……その刹那、十字架型の大爆発が起きた。その煙が晴れると……そこには、大きな十字架型の大穴が空いている。

 

「……るーちゃん!!」

 

「わっ!? み、みんな……!?」

 

「すごいよ、るしあ!! あいつを倒しちゃうなんて……!!」

 

 ぺこらとマリンが、とにかくるしあを褒めている。そこに、三人も賞賛の言葉をかけた。

 

「うん、凄まじい力だった。ここまで強いなんて思わなかったよ」

 

「ホントに助かった、今回ばかりはもうダメかと思ったよ」

 

「るしあ……諦めないで、よかったな」

 

 俊也にそう言われ、るしあは満面の笑みを浮かべた。

 

「うんっ!!」

 

「さて、資料とかを回収しないとね。とりあえず他の基地の場所とか……」

 

『シミズ主任の生体反応消失を確認。三分後に、基地を自爆させます』

 

 そう聞こえてきて、全員が焦る。このままでは資料が全て、火の中に消えてしまう。

 

「任せて!! ふぁんでっどさん、集められるものを全部集めてきて!!」

 

「前より細かい指示が可能になってる……すごいな、るしあ!!」

 

「このくらい朝飯前なのです!!」

 

 そう言ってるしあは、呼び出したアンデッド達に手分けして、あらゆる物を集めさせながら脱出する。そして……外で待っていると、アンデッド達がぞろぞろと出てきた。

 

「おぉ、こんなにあったのか……」

 

「ふぁんでっどさんは……うん、これで全部だね」

 

『爆発まで……3,2,1……0』

 

 ──ボガァァァァン!!!

 

 内部から爆発して、何もかもが消し炭になる。これで、シミズの野望は完全に潰えた。

 

「終わったな……るしあのおかげだ、ありがとう」

 

「ううん。みんながいたから、るしあはお姫様になれたんだよ。俊也くんがいなかったら、なろうとも思えなかった……ありがとう」

 

「……そうか!! よし、みんなウチに来い!! 食べたいもの食べさせてやる!!」

 

 俊也がそう言うと、重かった空気が一気に明るくなる。それぞれ、口々に食べたい物を言う。

 

「あ、じゃあぺこらは寿司がいい!!」

 

「るしあは中華料理!!」

 

「船長は揚げ物で!!」

 

「牛丼食べたい!!」

 

「卵料理食べたいな!!」

 

 みんなが口々に食べたいものを言って、俊也がそれを全て聞き取る。聖徳太子並の聴力を発揮し、俊也が笑って返事した。

 

「よし、わかった!! 買い物行くぞー!!」

 

「「おー!!」」

 

「ついでにアイスも食べたいな……いい?」

 

「ダメなわけないだろ? いいよ!!」

 

 そう言われたるしあが、子供のようにはしゃいで喜ぶ。

 

「やったぁぁ!! 俊也くん大好きっ!!」

 

「うん、俺も!!」

 

「えへへ……!!」

 

 るしあは大好きな人達に囲まれて、とても幸せだ。幸せはきっと、これからも続いていく。




だからこそ、手を繋ごう。
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