※この作品はR-18です。

「25歳でお互いフリーだったら結婚しよう」なんて他愛もない約束を覚えていたダウナー系絵描きの幼馴染に筆おろししてもらって「約束通り」になる童貞の話   作:夜の機動戦士

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<4>です。挿絵あります。濡れ場本番です。


腐れ縁の芽吹き 4

<4>

 

「ぁぷ……♡ んふ♡ はぁ、っちゅ……♡ んっ、ん……♡」

 

 横並びでベッドに腰掛けてから、何分経ったか分からない。キスの間隔は、さっきより格段に狭まっていた。舌と舌が絡まり合って、お互いの口腔を愛撫し合っている。ピチャピチャ、チュルチュルと、涎を混ぜ合う音が、翔真の耳を満たしていた。

 

 今度は、唇だけではない。抱き寄せた胴の細さに感動を覚えながら、背中を撫で回す。皮下脂肪のふかっとした柔らかさが、布地一枚越しの体温と共に伝わってくる。薔薇の茎を思わせる体幹はしなやかな一方で儚く、力を入れたら折れてしまいそうだ。

 

 体の芯が火照るのは、浴室に籠っていた蒸気の残熱ばかりではないだろう。とろみのある唾液が口内で混ぜ合わされていると、脳まで溶けてしまいそうだった。

 

「……硬くなってるね、ここ」

「う、っ……」

 

 太腿を撫でていた美春の手が、不自然に盛り上がったジーンズの股間を撫で回す。身じろぎする翔真を見て、くすりと笑う声がした。

 

「ねぇ、どうしてこうなってるの?」

「え? そ、そんなの分かりきってるだろ」

「え~? ちょっと分かんないな~。アタシおちんちんついてないからさ~」

「こ、の……」

 

 美春の手は、翔真が思い描くよりずっと強い力で陰部を押さえつけていた。指の腹で弄り回される感覚に、どんどん硬さが増してくる。ゴワゴワした厚みのあるデニム越しの微弱な刺激なのに、過敏になった神経が貪欲に快感を拾い上げてしまう。

 

「教えてよ。なんでこんなに大きくしちゃってるの? ねぇ♡」

「……み、美春に、興奮しちゃって、っ」

「ハグとキスだけで、おちんちん太くしちゃったんだ。ふふっ、可愛い♡」

 

 バックルの金具が擦れた。腰元の締め付けがふっと緩み、ベルトが抜かれる。フロントボタンもあっさり外された。吐息の合間に、ファスナーがちりちり解ける微かな音が、妙に大きく聞こえてくる。

 

 ジーンズの前面が開けば、抑圧を押しのけるように、ボクサーパンツに張ったテントがせり出してきた。それを見て、美春が感嘆の溜息を漏らす。

 

「下着、濡れちゃってるじゃん♡」

 

 指先が、ボクサーパンツの染みが作った縁をなぞっていく。脈動する陰部のシルエットを確かめると、掌が竿をそっと握ってきた。

 

 俯いていた顔をふと上げると、そこには興奮に頬を赤らめた幼馴染の顔。美春の手がソコに触れているのだと思うと、既にガチガチのペニスがさらに熱くなった。

 

「脱がすよ」

 

 引っかからないように下着をずり下ろされ、尻を浮かせると――そのまま下半身を丸裸にされた。男の最大のプライバシーが、好奇の視線に晒される。

 

「おぉ~♡ 一緒にお風呂入った時はあんなに小っちゃかったのに……立派になったね~♡」

「どこのこと言ってるんだよ……」

「言わせるの~? 翔真のえっち♡」

 

 美春の顔はニヤニヤと緩んでいる。真っ赤に充血してカウパーでテカッた亀頭に、視線が注がれている。翔真は恥ずかしくなって顔を背けたが、屹立したペニスがぴくりと反応してしまう。

 

「じゃ~……いひひっ♡ 失礼しま~す♡」

「あ……っ」

「わ~……♡ こんなにしちゃってさぁ……♡」

 

 竿を握られた。美春の掌は、ひんやりしていた。ただそれだけのことにさえ、翔真は敏感に反応してしまう。ズボン越しではなく、直接肉茎へ触れてもらっている。たったこれだけの事実と現実を、脳が処理しきれない。

 

「は~い、脚開いて~」

 

 ポンポンと促され、翔真は言われた通りにした。性器を見せびらかすように腰を突き出す。肩の触れあう距離で、女の手が自分の性器を握っている。

 

 細い指が絡みつき、小指から順に締め付けが強まって――先端目掛けて扱かれる。

 

 尿道にプールされた先走りが押し出されて、鈴口に玉を作った。そのまま、ゆっくりと手で愛撫される。

 

「はぁ、あッ、や、やば、これ……ッ」

「すっごい、熱くなってる。期待してるんだ~♡」

 

 自分の右手とせいぜいオナホールぐらいしか知らなかった肉竿が、美春のぷにぷにした柔らかい手で愛でられている。その事実が、翔真の興奮を煽ってやまない。

 

 息が上がる。くらくらする。さっきも浴室で軽く刺激して、臨戦態勢のまま煮えていたのだ。意識をしっかり保っていないと、あっという間に果ててしまいそうだ。しかし――

 

「翔真、こっち向いて♡」

「ん、む! っふぉ……」

 

 重ねた唇を舌でこじ開けられた。

 踏ん張りが効かなくなっていく。

 

「ちゅ、んふ♡ れろぉ♡ はむ、んちゅ♡ っふ、んふ♡」

 

 美春が、翔真の舌を吸い始めた。唇の瑞々しさを堪能する暇もないまま、舌の表をなぞられ、裏側をくすぐられる。

 

 ディープキスの甘い快感に、電撃のような手コキの快感がせり上がってくる。童貞にはひとたまりもない挟み撃ちだ。あっという間に、腰の奥で焦燥感が泡立ち始めた。

 

「ぷはっ、あ、み、美春、っ……!」

「ひひっ♡ 気持ちいい?」

「ま、まっ、待って、もっと、ゆっくり」

「痛い?」

「そうじゃないけど、も、出そ、っ、あっ出るっ――」

「あはは♡ まだダメ♡」

 

 肉竿に走っていた刺激が止まった。圧力が緩み、噴き出しかかっていた熱いものが、腰の奥へと引っ込んでいく。

 

 ねちゃりと糸が架かった手を見ながら、美春は悪戯っぽく笑っている。シーリングライトの光を浴びて、濡れた掌が淫靡な輝きを放っていた。

 

「翔真って、早漏い?」

「わ、分かんない、けど……」

「それとも、アタシにコーフンしすぎちゃってる?」

「……そうかも」

「やったぁ~♡ でも、あんまりガマンばっかりなのも、ちょっと困っちゃうよね。じゃあさ、じゃあさ」

 

 翔真が素直に頷くと、美春は目を細めて、ベッドから下りた。

 

 だらしなく開いたままの股へ割って入り、反り返ってビクビク震えるペニスに顔を近づける。生温かい吐息が亀頭に吹きかかり、翔真はぞくりと身震いした。

 

「一回、スッキリしちゃおうか♡」

「えっ? もっもしかして」

「……ひひ♡ お口えっちだよ~♡」

 

 美春は舌なめずりして、妖艶に微笑みかけてきた。

 横から、上から、下から、翔真の童貞ペニスを眼で舐め回す。

 

「いい形してるよね~。今度、デッサンしてもいい?」

「はぁ? こんなの描いてどうするんだよ」

「参考資料だよ。アタシ、アダルトの絵も描くからね。モザイクで隠すたびに泣きそうになるんだよ。『こんなに描き込んだのに~!』ってさ」

 

 竿に鼻先が近づき、亀頭の匂いを嗅がれた。すん、すんと鼻先が動くたびに、くすぐったさと恥ずかしさが翔真を襲う。しかしそれが逆に昂りをさらに燃え上がらせ、シロップのように濃い我慢汁が鈴口に玉を作っていく。

 

 息がかかる微弱な刺激だけで、一度は遠ざかった射精感がじりじりと翔真を追い詰めていった。

 

「美春、その……!」

「ん? 大丈夫? 気持ちよくなるのはこれからだよ?」

 

 サクランボ色の唇から赤い舌が覗き、上下に揺れる。

 窄めた唇がゆっくり近づき、翔真はごくりと生唾を呑み込んだ。

 

「――ちゅっ……♡」

 

「ぉ、あ……!」

 

 甘い電流が流れ、腰が浮き上がった。美春が、亀頭に口付けを交わした。そのまま舌先で裏筋の縫い目をなぞられ、鈴口の雫を舐め取られる。

 

 ぬめった舌の生温かさが、亀頭にまとわりつく。踵がぴんと持ち上がり、親指が力んでしまう。

 

 上目遣いの美春と目が合った。黙って頷く以外のことが、身悶えする翔真にできるはずもない。

 

「ちゅ……♡ んりゅ♡ れるっ♡ ちゅ♡ ちゅっ♡ ちゅっ♡」

 

 さっきまでキスしていた唇が、とうてい綺麗とは言えない陰部を優しく啄む。落としきれなかった汚れを掃除するかのように、カリ裏の窪みや竿に浮き出す血管が舐められていく。美味しそうにペニスを舐める様は、アイスキャンディを味わっているかのようだ。

 

 ――あぁ、美春が、こんなことを……!

 

 ちらり、ちらり。翔真とこまめに視線を合わせては、亀頭に愛おしげなキス。いきり立った肉茎を幼馴染に舐めさせる申し訳なさが込み上げるが、同時に背徳的な支配の悦びが込み上げる。ちょうどいい位置にあった頭に左手を乗せてそっと撫でると、美春は嬉しそうに目を細めてくれた。

 

「んっ、あっ、美春、っ、そこ、っ……」

「んふふ♡ 裏側の縫い目、やっぱり弱いんだ♡」

 

 一方的に弄ばれる羞恥心に顔が燃え上がりそうだ。それなのに、上擦る声が止まらない。亀頭の裏側をチロチロ舌でくすぐられている。ただそれだけの甘い責めに、翔真はもう腰砕けになりそうだった。ちゅっとキスされた拍子に緊張が緩み、腰を前に突き出してしまう。

 

 竿の側面に、リップの痕が残っているのが見えた。吸い付いた拍子に付いたのだろう。敏感な亀頭粘膜を濡らしていたカウパー氏腺液は唾液に置き換わってしまった。

 

「あ……ッッ……!!」

 

 カリ首の裏側のくびれを舌の側面でゾリゾリ擦り上げられて、翔真はまた、情けない悲鳴をあげた。鈴口へ重なった唇にちゅるっと先走りを吸い上げられると、そのまま劣情をぶちまけてしまいそうだった。だけど、射精に至るにはほんの少し、刺激が足りなくて――

 

「ふッ、ううッ……う……!」

「ん~? 切ない顔して、どうしたの?」

 

 どんな顔をしているのか、翔真自身には分からなかった。ただ、心に余裕はまるでなく、イけそうでイけないもどかしさに、腰を揺すらずにはいられない。

 

 人差し指と親指で作った環が、竿の根元を締め付ける。左手で持ち上げた陰嚢ににも、とろけるようなキスが交わされた。

 

 唾液で滑りの良くなった竿を右手がゆっくりと扱いてくる。にちっにちっと先走りが泡立つ音が、射精感を煮詰めていく。

 

「美春、その、イきたい……」

「もうガマンできない?」

「う、うん……こんなの、初めてで……」

「ふふ……いいよ♡ お口で受け止めてあげる♡」

 

 また亀頭とキスすると、美春は頭を沈めてきた。

 

「ん、あむ……♡」

「あおぉぉ、お……ッ!」

 

 ぽってりと柔らかな唇に、敏感な鈴口がぬるっと嵌まり込む。そのまま唇を押しのけて、亀頭がずるりと口内へ呑みこまれていく。ねっとりした舌がカリ首を上下する感覚に、頭が真っ白になった。

 

「あぁ、あったかい……」

 

 唇が窄まり、竿がヌルヌルの肉筒に扱かれる。速度はゆっくりだ。それだけに、ペニスの感じやすい所が、隅々までにゅるりとこそぎ上げられる。局部を優しく抱かれるような幸福感に、翔真の背筋がぞくりと震えた。

 

「んぷ♡ んっ♡ ふっ、ん、んぅ……♡」

 

 あんなに気持ちよかった手コキの刺激が前座に思えた。舌だけで可愛がられていたのも、本番の前の助走に過ぎなかった。温もりに包まれるフェラチオは、それほど凄まじい快感だ。

 

 口腔粘膜と唇、そして舌の温度と柔らかさで翔真を包み込み、美春は顔を前後に揺する。高級なシルクを思わせる金髪がさらさら揺れる。垂れてきた髪を耳の後ろに掻き上げる仕草が艶めかしい。

 

「っぷ♡ はぷ♡ っぢゅ、ちゅうぅ……♡ くぽ♡ くぽっ♡ ちゅぽ♡」

 

 綺麗な口に、醜悪なペニスが出入りする。唾液と先走りが口内で混ざり合って、ぐちゅぐちゅと卑猥な水音を立てる。

 

 肩を上下させて息を乱す。そんな翔真を見詰めて、美春が目を弓なりに細める。力なく腿の上に投げ出していた右手がそっと握られた。甘やかに指が絡みついてくる。

 

 手を繋いだまま男の弱点を美春に委ねていると、いよいよ限界が近づいてきた。射精に備えて尿道が膨らむ。亀頭がバキバキに張り詰める。踵がひとりでに持ち上がって、ピンと緊張した。

 

「美春……いい? このまま、出して」

「ん……♡」

 

 恋人繋ぎの手がギュッと握られた。口内にぶちまける非礼を赦してくれるのだ。ずっと堪えていた射精欲は睾丸でグツグツに煮立つ。弾ける瞬間はすぐそこだ。

 

「あ、イく、イっ、く……!」

 

 翔真は無意識に美春の後頭部を掴み、抱き寄せる。吸い付く肉竿に粘膜を締め付けられる。その刺激に、とうとう翔真は音を上げた。

 

「…………っン˝!!」

 

 翔真は腰を突き出した。仰け反りながら、びゅるびゅると精液を放つ。ティッシュに吐き出すことしか知らなかった童貞が、温もりと潤いに包まれながら、ドクドクと射精する。言葉にならない、獣のような唸り声が喉から溢れ出す。

 

「んぶ♡ じゅっ♡ じゅる♡ じゅぞぞ……♡」

「おあぁぁ……! あぁ、っ、ヤバい、全然、止まらな、っ……」

 

 吐精の間も、美春はゆっくりと頭を動かし続ける。竿に唇が吸い付き、尿道の中身を啜られる。電撃のような鋭い快感が、絶頂を持続させる。

 

 止まらない。精嚢に溜め込んだ白濁液を吸い尽くされてしまう。そう錯覚するぐらい、長く激しい射精だった。

 

「はぁ……あ……美春、うぅ……」

「ん……ん~……♡」

 

 普段なら10秒も経たずに終わる射精が、1分は続いただろうか。出しきった頃には、翔真は全身に汗を滲ませていた。

 

 ちゅぽ……と吸い出しながら、美春がゆっくりと唇を離す。ほかほかの口内から引きずり出され、肉竿が外気に晒される。

 

 熱に浮かされていた頭が、僅かばかりの冷静さを取り戻す。一度射精して醒めた翔真は、自分がどこに射精したのかを思い出して、ぞっと青ざめた。

 

「あっ、美春ごめんっ、口の中に」

「ん? ほれ……?」

 

 べっ、と美春が口を開き、舌を伸ばした。翔真の吐き出した真っ白な劣情が、ちゃぷちゃぷと口の奥で揺れている。口内射精の証拠を翔真に見せびらかすと、ぱたんと唇を閉じて、美春は顎を持ち上げた。

 

 ごくん。ごく、こく……♡

 

 顎を持ち上げて晒した喉が、ゆっくりと蠢いた。見せつけるように二回、三回と嚥下すると、美春は唇をぺろりと舐め回した。さっきと同じように口内を見せてくる。もう、そこには何も残っていない。

 

「えへへ、お疲れ♡ すっごい出すじゃん♡」

 

 ベッド脇に置いていたペットボトルを手に取り、美春は紅茶を飲み下して口内を掃除した。一口では綺麗にならなかったようで、何度か口に含んでは、喉を鳴らす。オーガズムの余韻がまだ残る頭で、翔真はその光景を呆然と眺めていた。

 

「結構上手かったでしょ?」

「えっと、上手かったかどうかは、よく……あぁ、でも、俺、美春にあんなものを……」

「好きな人のカラダだからね♡ もっかいしゃぶってあげよっか?」

「……っ!」

 

 美春が口元を緩める。翔真を見てからかうように笑い、そのままベッドの隣に戻ってきた。三白眼には慈愛の色が滲み、青年になった幼馴染をじっと見詰める。胸の奥を、ズキズキと甘い疼きが満たしていく。

 

「ま、それはさておき……交代かな」

 

 後方に手をついて、美春は胸を突き出してきた。白いTシャツにピンクのブラを透けさせる、豊かな膨らみを。薄いシャツをパツンと押し上げ、余った布地をカーテンよろしくヒラヒラさせる双丘の輪郭を見て、翔真の賢者モードは早くも終わった。

 

 

 * * * * *

 

 

「さ、翔真の番だよ」

「……おう」

 

 手を伸ばそうとして、ふと翔真は考え込んだ。何から始めればいいのだろう。

 

「アタシからは脱いであげないよ。ハダカにしたかったら、翔真が脱がして♡」

 

 半開きにした誘惑の目つきに、喉が渇いた。自ら手を伸ばして衣服を剥ぎ取る。それは、裸体を見たいという意思表示に他ならない。行動は言葉よりも雄弁なのだ。

 

 下世話なことに、翔真は幼い頃に見た美春の裸体を思い出そうとしていた。大雨に降られてビショビショで、二人揃って上條家の浴室に押しこまれたことがあった。まだ男女の体つきの違いも知らないような歳。自分にはあるものが美春にはなくて、思わず声を上げた。当時の翔真は、それぐらいしか思わなかった。

 

 それが、どうだろう。

 

「ぼんやりして、どうしたの?」

「いや……その、大きくなったなぁ、って」

「ふふっ、どこ見て言ってんの?」

 

 乳房の膨らみに引っかかってカーテンのようになった、緩いTシャツの裾を捲り上げる。中は広かった。空間がある。手品にでもかけられたのかと翔真は錯覚したが、すぐに手の甲が素肌に当たった。

 

 臍の窪みが、中指の甲に感じられる。美春が細身のシルエットであることは知っていたが、思った以上の細さだった。

 

「ん……ねぇ、お腹はあんまり……」

「気にしてるのか?」

「ウエスト61。50台まで到達したことないんだよ」

「えっ、そうなのか?」

「あ、今『60台って太い』って思ったでしょ? は~、これだから。ウエスト50台は選ばれし者なんだよ。見栄か才能だよ」

「こんなにくびれてて細いのに。すべすべで、あったかいし……」

「……もう、もっと気になる所があるんじゃないの?」

「そ、それもそうだけど……」

 

 翔真は急かされるままにお腹から手を離した。崖を登るようにシャツを捲り上げる。清らかな肌。平らなお腹。筋肉や肋骨が作る微かな影。鮮やかなピンク色が目に飛び込んできた瞬間、股間に熱が走った。

 

 さらにずり上げると、レースの入った高級そうなカップに、ぎっちりと乳房が押し込められているのが見えた。女性の谷間なんてグラビアや動画で、そうでなくたっていくらでも目にするものだったが、肌の匂いが感じられる距離でそうするのは、翔真にとっては当然初めてだった。

 

「うお、でっか……」

「率直な感想、どうも♪」

「あ、ホクロ、そっちの胸にもあるんだ……」

「エッチでしょ♡」

 

 翔真の視線を引き寄せた、向かって左の胸で存在感を放っていたホクロ。いざ布地をめくりあげてみれば、向かって右の胸にもう一つ、肌の白さを強調するみたいにホクロが位置していた。片方は、タンクトップで隠れていた谷間近くに、もう片方は乳の根元で、ブラ紐に半分隠れている。

 

 手繰り寄せた裾を膨らみの根元に乗せると、薄布は滑り落ちることもなく静止した。翔真の興味はぎゅうぎゅうに肉の詰まった魅惑の谷間に注がれる。

 

「ムネはね、そこそこ自信あるんだ~。Gあるし♡」

「そ……そうなんだ」

 

 ――こんなにデカいんだ。顔ぐらいあるんじゃないか……?

 

 指を沈めたら根元まで飲み込まれてしまいそうだ。それこそ、さっき手と口で可愛がってもらった陰茎も、ここに挿し入れたら隠れてしまうだろう。

 

 口が乾く。翔真は白いTシャツを持ち上げて脱がせた。美春は素直に身を任せてくれた。

 

 ふわりと浮いた金髪が背中に着地して、ミント混じりの香りが鼻孔をくすぐる。

 

 白いTシャツの下には、透き通った白磁の素肌が一面に広がっていた。丸みを帯びた首筋や肩。きゅっとくびれたウエスト。滑らかな曲線が息を呑むほどに艶めかしい。

 

 きめの細かい素肌は、手を触れただけで汚れてしまいそうだ。そのキャンバスに下着のピンクが鮮やかな輝きを放つ。翔真はしばし、放心していた。

 

「……どうしたの? あと一枚だよ?」

 

 ――あと一枚。あと一枚。あと一枚。

 

 目を凝らしても、レースの向こうは見えない。自ら動かなければ、この先へ進めない。脳の芯がカッと熱を持っているのに、熱の逃がし方が翔真には分からない。

 

「下着姿で満足しちゃった? ハダカには興味ない?」

「いや、あ、あ、あるっ」

「ひひひっ♡ おっぱい見たいんじゃん♡」

「う……」

「ほら、脱がさないと♡」

 

 くすりと美春が笑う。胴を振って自慢げに乳肉を揺らす。しっかり支えられているのに、上下、左右。重そうな質量が、茹だった男をさらに挑発する。

 

「は・や・く♡」

「わっ、分かった……」

「ホント慣れてないんだね。さ、やってごらん」

 

 自転車に初めて乗る子どもを励ますように、美春は胸を突き出した。それに合わせて、恐る恐る翔真が手を伸ばす。

 

「……目が血走ってるよ?」

「あぁ、うん……」

 

 翔真は生返事を自覚していた。カップをずらして脱がすのは嫌がられると、何かで見た。SNSの投稿だっただろうか。設計通りに外してやろうと背中に手を回す、のだが――

 

「えっ、あれっ?」

「あははっ、残念。そっちじゃないよ」

 

 布地の感覚はあっても、繋ぎ目がない。焦る翔真の鼻先に指が突き付けられ、視線を誘導される。探していたギミックは目の前だった。

 

「ほら、ここにフロントホックがあるでしょ」

「……ホントだ」

「外したら、乳首見えちゃうな~。恥ずかしい所、翔真に見られちゃうな~♡」

「あ、煽るなよ」

 

 震える指先で留め具を摘まんでずらす。ピンと張っていた肩紐がたわみ、押し込められていた乳房が、重力に引かれて僅かに下がった。余裕の笑みを浮かべる美春とは対照的に、翔真は何だか気恥ずかしかった。

 

 当たり前のことだが、AVで見た女性のヌードが、幼馴染にも存在する。あまり想像することがなかった、触れあえる相手のプライバシー。それを覗き見る背徳感に喉が鳴る。

 

 カップをずらすのが戸惑われる。そんな翔真の迷いを揶揄うように、ピンクのカップは膨らみの丸みをつるんと滑り落ちる。

 

 そうして、真っ白な雪原に、ぱっと桜が咲いた。

 

【挿絵表示】

 

「わ……!」

「や~ん♡ 見られちゃった~♡」

 

 美春のブラジャーは、はみ出る肉を押さえ込む拘束具だった。ロケットよろしくドンと前方にせり出した肉の塊。服の上から見たよりもむしろ大きいぐらいだ。

 

 目を引く鮮やかな乳輪の縁はくっきりしている。「ここから乳首ですよ」と鮮やかなアピールが翔真を誘った。

 

 はらりと布地を取り去ると、もう美春の上半身を隠すものは何もない。乳肉の存在感があまりに大きく、谷間が影で暗くなっている。雨宿りでもできそうな庇になった下乳も、くっきりと影を作っていた。

 

 向かって左の谷間。向かって右、谷間から離れて乳輪を示唆する位置に一つ。同じ山脈の、乳の根元にもう一つ。三つの小さなホクロが、真っ白な乳平原の白さと面積を強調している。

 

 ホクロに注目すると、必然的にすぐ傍の薄ピンクにも目を惹かれる。マンガで見たよりも綺麗だ。ぷくっと微かに膨れた乳輪がたまらなく美味しそうで、赤ん坊よろしく吸いつきたくなってしまう。

 

「……ふふ♡」

 

 翔真が幼馴染のセミヌードに目を奪われていると、美春が口元を緩めた。しかし、どうだと言わんばかりの顔には、若干の照れが混じっている。

 

「……見過ぎじゃない?♡」

「その、触っても……?」

「ど~ぞ♡」

 

 美春が堂々と胸を貼ると、重そうな乳肉がだぷんっと揺れた。

 

 まんまる。ふっくら。ぷるぷる。

 

 頭で考えるよりも先に、翔真は手を伸ばしていた。

 

「うわ、重た……っ」

 

 下から支えてみると、手首にずっしりした質量がかかる。掌を広げても包み切れない。ふかふかなのにしっとり吸いつく不思議な肌触りに、背筋がぞわぞわした。

 

「わ、柔らか、え……?」

「あははっ、凄い顔してる♡」

 

 指をそっと沈めたら柔らかな肉に包み込まれ、二度と戻ってこなくなりそうだ。翔真の息が荒くなる。美春はそんな翔真を見て、楽しげに目を細めた。

 

 初めての感触に翔真は酔い痴れた。重力に逆らうようにツンと上を向いた乳房を鷲掴みにし、懸命に手加減しながら揉みしだく。

 

「美春がこんな、エロいなんて、っ」

「今さら気づいたの? それなりに露出はしてたんだけどな~。は~、やっぱり翔真は、アタシのこと、今まで女として見てなかったんだ……」

「そ、そういうわけじゃ……ごめんって」

「いいよ、許してあげる」

 

 まるで人肌の水風船。押し返してくる弾力の豊かさに心が躍る。指の形に凹む乳肉の感触はどこまでも心地よい。くすくす笑われているのも構わず、翔真は夢中になった。

 

「翔真さ、大きいおっぱい好きでしょ」

「えっ、なんで」

「アタシがそういう女の子の絵をアップすると、速攻で『いいね』するじゃん」

「いやっ、それは、美春の描いた絵だから、っ」

「へぇ~、ふぅ~ん……♡」

 

 指の間からむにゅっとはみ出す乳肉が、左右に揺れる。指で〇を作ったぐらいの乳輪はやや大きめだ。掌に当たる乳首は自分のそれよりもふっくらして大きく、少しずつ存在感を強めていく。

 

「ふ、っん……」

「痛くないか?」

「うん……いい感じだよ。気分、高まってきた……♡」

 

 掌で下から支えて、ふるふる揺らす。日陰を作る下乳がほんのり汗ばんでいる。長い乳房を扱くように揉んでいると、美春が肩を上下させ始めた。

 

 親指を深く沈めて、こじ開けるように谷間を開く。むわっとした空気が立ち昇ってきた。それを吸い込むと、股の間がひどく疼いた。

 

 美春の大きなおっぱいが、自由自在に姿を変える。押し付け合った肉が作りだす谷間は深く、男の意識が吸い込まれていく。フェロモンでも出ているのだろうか。

 

 ――顔を、埋めてみたい……。

 

 翔真はそんなことを思った。男として生を受けたら誰だって夢見る魅惑の深淵。ぽちっとしたホクロが存在感を放つ。ぷらぷら揺れるトルコ石のネックレスが、翔真を誘っていた。

 

「はは~ん、気になってるな?」

「え……?」

「ほら、いいよ。おいで♡」

「んむぁっ……!」

 

 すっと伸びてきた手が翔真の後頭部を捕らえた。押し付けられたのか。それとも自分から突っ込んだのか。とにかく翔真の視界は真っ白に塗り潰された。

 

「…………!」

 

 息が苦しい。すーはーすーはーと肺を収縮させないと酸素が入ってこない。それほどの密閉感だ。

 

 どこか懐かしい体臭が鼻から喉に染みていく。そう感じた瞬間、鼻や口を塞ぐ圧迫感が心地よくなってきた。顔を挟んでいる膨らみはフカフカで、手をあてがって押してみると、頬がぐにゅっと潰される。

 

 ちら、と上を見ると、ニヤニヤした美春と目が合った。幼馴染に甘やかされている――熱くなる顔を離そうとしたが、しっとりした密着感から逃げられない。美春の手が頭を押さえつけているのだ。

 

「うりうり、もっと甘えていいんだぞぉ~♡」

「ふが、っ……」

 

 極上のクッション。真冬の布団を遥かに凌ぐ引力に、翔真は逆らえない。鼻と口が美春の巨乳に埋まっていく。むにゅっと顔が潰れる感覚を、翔真はもう覚えてしまった。幼馴染に促されるまま、鼻先を擦りつけていた。

 

「はふ……ふが……」

「や~、翔真くんはおっぱい星人であったか」

「えっ、ちが」

「素直になりなよ。大丈夫、ここにはアタシしかいないからさ」

 

 息苦しさが流石に限界を迎えつつあった。美春にからかわれる恥ずかしさも手伝い、翔真は頭を引いて息継ぎした。その瞬間、ぷくっとした桃色と目が合った。

 

「うぉ……」

 

 間近で見る乳輪のインパクトに、思わず声が漏れた。上向きの乳首はツンと尖っている。絹の肌より色濃く、舐めたら甘そうだ。

 

 翔真の視線の行く先はずっと観察されている。口元を緩めっぱなしの美春は、またくすりと息をこぼす。

 

「ねぇ、ここ……♡」

 

 美春の人差し指が、乳輪の縁をゆっくりとなぞる。一周し終わると、頂点に息づく蕾をそっと押してから、指先を翔真の顔へ近づけた。爪の先で翔真の唇に円を描くと、またそれを乳首にちょんと乗せる。

 

「……舐めてみない?」

「いっ、いいの――あッ」

「あははっ♡ いいよ、どうぞっ♡」

「……っ」

 

 胸を突き出して誘う美春。揺れる乳房を腕でぎゅっと寄せて、乳首を差し出してくる。幼馴染の目の前で赤子に戻ってしまうようで、翔真はさすがにためらった。だが、自分より経験豊かな彼女にリードされるまま、舌を伸ばしてしまう。

 

「あっ、ん……♡」

 

 舌先が乳首に触れた瞬間、煽情的な声がした。

 

「こっ、声」

「声がどうしたの?」

「いや、その、エロいな、って」

「気持ちいいと出ちゃうんだから、しょうがないじゃん……♡」

 

 気持ちいい。

 

 呟かれた一言が、翔真の芯を燃やした。

 

「ん♡ あっ♡ くすぐった……♡」

 

 舌先で乳輪を撫でる。白い風船みたいな肌が熱くなっている。瑞々しさが理性を揺るがしてくる。好奇心のまま吸い付くと、美春は腰を揺らした。

 

「……っ♡ はぁ~……♡ ん、その感じ、好き♡ キス――あっ♡ あ、はぁんっ……♡」

 

 キス、という響きから連想されるまま、吸い付く。唇で食みながら、舌の面で上向きの乳首をなぞり上げる。美春の丸い肩がぴくぴく震え、時に跳ねた。

 

 感じている。幼馴染の濡れていく息遣いから、翔真はそれを感じ取った。鼻から抜ける吐息も艶めかしい。

 

 皮膚と感触が違うのを確かめるように乳輪を舐っていると、美春の呼吸が荒くなっていく。小指の爪ほどの乳首を舐め上げると、色っぽい声が頭上から降ってくる。それが聞きたくて、翔真は無我夢中で乳首と戯れていた。

 

「ね……分かる? 乳首、硬くなっちゃって……アッ♡ ん、こうなっちゃうと、すごい、感じちゃうの、ッ……♡」

 

 美春の言葉通りだった。舌先でくすぐり続けるうちに、弾力ある乳首はコリコリと尖っていく。ちゅっと音を立てて吸い付くと腰が跳ね、もぞもぞとシーツの擦れる音がする。

 

「はっ……♡ はっ……♡」

 

 翔真がふと顔をあげると、美春は目を潤ませていた。悩ましい吐息と、首筋まで赤らんだ艶やかな表情。幼馴染がこんなにセクシーだなんて、今までどうして気づかなかったんだろう。翔真の胸中に、薄い後悔が込み上げた。

 

 頭を撫でられながら、木苺みたいに膨らんだ乳首を愛でる。美春の背中が熱い。その美春は、ハァハァと息を乱している。甘い声があがる。時折ぐっと胸を反らし、腰を揺らしていた。

 

 ずっとこのまま、授乳される赤子みたいにしていたかったが、首筋をそっと引っ張られて、翔真は唇を離した。

 

「ちょっと、こっちが寂しいかな、って……♡」

「あ……」

 

 しゃぶりついていたのと反対側。まだソフトな質感の乳首。乳輪の縁をくるくるなぞって、美春が誘った。翔真はさっそく口を近づけたが、額にツンと指が当たった。

 

「手でもしてもらいたいな~……♡」

「手?」

「うん……こう、両方いっぺんに、『くりくり~♡』って、くすぐったり、ナデナデしたりさ……♡」

「あ……あぁ――ぉほッ!」

 

 脳天に電撃が突き抜けた。すっかり気が逸れていたペニスが、柔らかい掌に握られたのだ。

 

「それでまぁ、アタシも触らせてもらうね。さっきあんなに出したのに、もうこんなにしちゃってさぁ♡」

 

 握手するように竿を握り、ごしごしと扱き立てる。

 

「ぁ、はっ、美春……あっ、あっ」

「先っぽ、もうヌルヌルじゃん……♡」

 

 ねちゃねちゃした卑猥な摩擦音が、互いの吐息に溶けていく。美春の手コキはさっきよりも激しかった。翔真の背筋がぴんっと伸びきり、びくんびくんと肉竿がを脈打ってのたうち回る。

 

 あっという間に翔真は絶頂感を意識した――だが、根元から先端まで、何往復か勢いよく扱くと、そこで美春は手を止めてしまった。

 

「ねぇ、翔真も♡」

「わっ……悪い……」

「ほら、先っぽの弱い者同士、さ♡」

 

 つかず離れず。微妙な距離感で、美春が亀頭をくすぐってくる。かと思えば、根元を掴み、ぎゅうっと圧力をかけて、先走りの汁を搾り出してきた。翔真は肩で息をしながら、美春のリクエストに従った。

 

「――あっ♡」

 

 人差し指が蕾を撫でる。美春はくすぐったそうに首をすくめた。指の腹に、コリッと硬い粒が当たる。指先を被せて、円を描くようにそっと捏ね回す。

 

 片方は硬く尖り、もう片方はまだ柔らかい。その違いに胸が高鳴る。乳頭を指の腹で撫で回していると、さっきは見えなかった美春の表情がよく見える。うっとりと目蓋を半分閉じ、気持ちよさそうだ。

 

 下から上へ乳頭を撫で上げたら、きゅっと目を閉じて顎が持ち上がる。乳輪をなぞり、敏感らしい先端を捏ねる。向かって右の、柔らかかった方の乳首もむくむくと膨らみ始めた。

 

 小刻みに震える乳房の振動が、握られたペニスにもジンジン響いてくる。あられもない声で喘ぐ美春に呼応するように、翔真も声を漏らした。甘握りで亀頭のくびれ目を刺激されると、たまらず腰を突き出してしまう。

 

「あ……美春、それ……!」

「はぁっ……♡ スリスリ、気持ちいい……♡」

「はっ、はっ……」

「あっ、あひっ♡ ねぇ摘まむのだめっ♡ よ、弱いんだからさぁ……♡」

 

 美春が腰をくねらせる。美春が、自分の拙い指で感じて、淫らな甘い声を出している。幼馴染の喘ぎ声は脳の深い所をぐらぐら揺さぶってくる。翔真の興奮は最高潮に達しようとしていた。美春の手の中でペニスがビクビクと暴れる。火照った吐息をこぼしながら、互いの「先っぽ」を愛撫しあった。

 

 剥き出しの乳首を摘まみ上げる。美春の嬌声が大きくなる。翔真の責めも加速していった。しっとり濡れた乳輪を指でなぞり、親指と人差し指でくりくり弄ぶ。グミみたいに硬くなった乳頭は、翔真のペニスに劣らずコチコチだった。

 

 互いの吐息が顔にかかる。鼻先がくっつきそうになると、どちらからともなく唇を重ね、舌を入れて貪った。

 

「ちゅ……♡ れる、にゅる♡ くちゅっ♡ はむ、んふ、っ……♡」

 

 翔真は美春の舌に吸い付くようにキスをして、美春もそれに応えて口内を明け渡した。唇を押し付け合うだけで全身が熱くなる。舌が絡み合い、唾液を交換しながら、手コキとキスの快感が混ざり合っていく。

 

 ペニスの先端からは先走り汁が溢れ出し、美春の掌を汚していた。ぬめりを帯びた指がカリ首を撫で回し、鈴口を指の腹でぐりっと押し潰すと、翔真は腰が抜けそうな快感に襲われた。サカった犬みたいに、息を乱す。

 

 離れた唇に、つぅっ……と糸が伸びた。どちらも半開きの口で、はぁ、はぁと甘い呼吸を繰り返す。美春の両目はとろんと潤み、頬が上気していた。

 

 

 * * * * *

 

 

「気持ちいいね……♡」

「あぁ……」

「でもさ、まだ触ってほしい所があって……♡」

 

 ドルフィンパンツに覆われた腰が、小刻みに揺れていた。ベッドの上で膝立ちになり、美春が翔真の手を取って導く。平らなお腹に触れた瞬間美春はぴくっと身じろぎしたが、そのままドルフィンパンツの内側へ、翔真を招き入れた。

 

「アタシのここ……おまんこもさ……♡」

 

 彼女の唇から紡がれたのは、四文字の卑猥な響き。生唾を飲み込まずにはいられなかった。

 

 促されるままに、恐る恐る、ドルフィンパンツの内側へ手を忍ばせる。ぐちゅり、と熱い泥みたいなものに触れた。

 

「あんっ……♡」

「わ、凄い濡れてる……」

「翔真がおちんちんおっきくしてるのと一緒だよ……♡」

 

 美春は翔真の耳元に口を寄せ、吐息と共に囁いた。掌にはふわっとした毛の感触があったが、指先で触れた場所は火傷しそうなぐらいに火照っている。

 

「あぁ、翔真とエッチしちゃうんだ、童貞もらえちゃうなんてラッキーだな……♡ って思ったらコーフンしちゃって、もうびちょびちょ……♡」

「おっ……おう……」

「うぅ~、触ってよ~♡」

 

 何があるのか探るように触れているだけで、とろとろしたものが指を濡らしていく。下腹部にできた僅かな隙間から、メス臭とでもいうべきジメッとした甘酸っぱい匂いが立ち昇ってきた。ドルフィンパンツの内側を想像せずにはいられなかった。

 

「ねぇ、いじって……♡ ねぇ、ねぇ、ねぇ……♡」

「わ、分かった、分かった……」

「はやく、っ……♡」

 

 翔真が興奮と緊張に固まっていると、美春が息を乱しておねだりしてきた。腰をくねらせ、媚びるように抱き着いてくる。その仕草と甘えた声が色っぽくて可愛くて、翔真はドギマギしながら美春をまさぐった。

 

「あぁっ、あはぁ……♡」

 

 人差し指と薬指で、熱く蕩けた溝を左右に割り開く。むわっとした熱気が漂い、媚肉にまぶされた生ぬるい愛液が指先を濡らす。しっとり濡れた秘部の縁を掠めると、美春は電気を流されたように腰を浮かせ、深く息を吐いた。

 

「んっ♡ くぅ、ふうぅぅん……♡」

 

 指の腹で割れ目を撫で回す。陰毛のふわふわした手触りが心地よい。そのすぐ下にはコリッとした突起がある。クリトリスだろうか。上から下へそっと撫で下ろすと、美春の肩がびくんと跳ねる。

 

「そこ……すごい敏感だから、優しく、ね?♡」

「ど、どれぐらい……?」

「とりあえず、やってみよっか……♡」

 

 色香を滲ませる溜め息。耳にかかったそれがこそばゆくて、翔真はぞくりとした。今度は指先ではなく、掌全体でクリトリスを押し潰す。肉付きのいい腿がぶるっと震えるのを見て、自分の手で美春を心地よくできている実感が湧いてきた。

 

「あっ♡ そ、その感じ、あっ優しいっ♡ あっ♡」

 

 クリトリスは、男性のペニスに当たる器官だと何かで見た。包皮越しに指の下で膨らんできているのが分かる。豆粒ほどしかないこの突起に、男性器とほぼ同数の神経が密集しているのだという。

 

 割れ目の内側も、翔真の亀頭みたいに、どこもかしこもヌルヌルで、柔らかな粘膜はデリケートな触感だ。

 

 なるほど、と翔真は納得した。だから、美春は爪の手入れをさせたのだ。こんなに敏感な所を引っ掻くようなことがあったら、さぞかし痛いに違いない。

 

「……痛くないか?」

「うん……だいじょうぶ、きもちいいよぉ……♡」

 

 そっと尋ねる翔真に、美春は甘く蕩けた声でハグを強め、腰を前後に揺すり始めた。掌にクリトリスを押し付け、円を描くように腰をグラインドする。へこへこ、カクカクと、翔真の手でオナニーしているかのようだ。

 

「は~、きもちい……♡ ね、翔真、穴の方も……♡」

「穴……ここかな?」

「そ、そこはおしっこの穴!」

「あっ、ごめん……」

「もうちょっと、奥……すごい、ドロドロの所があるはずだから……♡」

 

 ドルフィンパンツの隙間から、ぬちゅっ、くちゅっと水音が漏れてくる。手探りで膣穴を探る。

 

 ぬるっ――指が滑った。

 

「ん゛んっ……♡♡」

 

 美春が鼻にかかった声を漏らす。翔真は愛液の量と厚みに驚いた。何層にも重なった膣肉は熱で溶けたようで、指をめり込ませるとねっとり絡み付いてくるのだ。

 

「これが、美春の……」

「うん……翔真のおちんちんが、入るトコ、っ……♡」

「ヌルヌルで、きつくて、凄く熱い。……興奮してるんだ」

「おっぱいばっかりいじるからだよ……♡」

「それで、こんなになるのか?」

「もうっ、手が止まってるじゃん。焦らすなら、キスぐらいしてよ……♡」

 

 翔真は返事の代わりに、言われた通りにした。美春は舌を出して迎えてくれた。重ねた唇の内側で、ぬるりと舌を絡め合う。そうしながら、重い乳房を掴んで、コリコリの乳首をくすぐる。膣内に挿れた指でナカを探検していると、荒い鼻息で口元がこそばゆい。

 

「っ♡ んふ♡ ふ~~~っ♡ んぉ♡ んむ……♡」

「……ぷは」

「は~……♡ やるじゃん♡ 三点責め、すっごい気持ちいい……♡ ね、続き♡」

「ん……」

 

 唇を離した途端、美春の腰がカクつき始めた。美春の膣内は体表面より明らかに熱く、指全体が蒸れてくるような気さえする。この中に自分のモノを挿れたら……想像するのも恐ろしいほどの快楽が待っているだろうことは想像できた。翔真は肉襞を指先で抉じ開け、奥の方へ押し込んでみた。

 

「んぅ~~~っ……♡」

 

 美春が背筋を反らして悦び、唇を結んだ。滑りの良さに任せて出し入れすると、美春は内腿をぴくりと震わせ、キスの合間に声を漏らす。

 

「ふぉ……おン♡ あっふ♡ ほ……っ♡」

 

 つぽつぽと指を出し入れして、体内の具合を探る。根元まで挿入しても、肉厚な膣襞にはまだ奥があった。

 

 どこがイイのだろう。好奇心が男の本能を揺さぶった。翔真は第二関節辺りまで中指を挿入し、指先を軽く曲げる。すると、唇が突如離れ、しがみつく腕に力が籠った。

 

「ぷぁ、そこ……ッ♡」

 

 ある一点で、美春が細い鳴き声をあげる。

 

「どこ……?」

「もうちょい、下……や、もうちょい、上……」

「あ……ここ、なんかぷくっとしてる」

「~~っ♡ う、ん♡ そこっ♡ あっ、軽く押して、ぐりぐり――はあぁんっ♡ そ、そうっ♡ あっ、それ、つづけて、っ♡」

 

 教えてもらった通りのツボを、指の腹で撫で回す。膣天井の浅めの位置にあるもの――Gスポットだろうか。指がはまり込むポイントを撫でつけ、くすぐり、圧迫する。美春は息を乱し、いやらしく腰をヘコつかせて、蕩けた声をあげる。

 

「もう一本、ちょうだい、っ……ン゛! はぁっ、あはぁ……♡」

 

 つぽつぽ出し入れする中指に薬指を添えたら、ぬるりと飲み込まれた。美春が下腹部を押し付けて、根元まで指を咥えこむ。きゅうぅ、と蜜穴の締まりが強くなった。

 

 指二本でこれなのだ、ペニスでこの締め付けを味わったら――。翔真は生唾を飲むと、二本の指をくいっと曲げて、Gスポットの少し奥辺りを押し込んだ。

 

「んぅぅううう~~~~っ♡♡」

 

 美春の背中がぐんっと反り返った。膣内の圧迫は一層強くなり、翔真も指の付け根に痛みを覚えるほどだった。だがその痛みが、美春の快楽がいかに強いかを物語っているようで、翔真の興奮をさらに煽る。

 

 さらさらしていた愛液がいつの間にかネトネトしていたのに気づき、ふと翔真は思った。

 

 ――下も脱がしてあげた方がいいのかな。

 

 思考が止まり、乳首を愛でる手も止まっていた。

 

「ねぇ、やめないで……イケそうなのに焦らしたら、意地悪だよ……♡」

 

 マットレスについた膝が、ぷるぷる震えている。翔真が手を止めたせいで、美春はもどかしそうに腰を振る。ゆさっゆさっと存在感をアピールする巨乳の先で、さっき以上に乳首がビンと張り詰めていた。

 

「イケそう」という一言が脳内にエコーする。

 翔真は再び手を動かした。

 

「はぁっ♡ ああぁ……♡ イキそ……♡ ね、翔真、きひゅ……♡」

 

 顔を寄せてきた美春が口付けをねだる。探り当てた性感帯を抉り、膣の天井を擦りながら指を抜き差しする。ドルフィンパンツの中からぐちゅぐちゅと水音が聞こえてきて、指を締め付ける圧力が強くなっていく。苦し紛れに肉天井を押し上げる。

 

「イ゛……♡ オ゛♡ んふぉ、ッ♡ ぃふうぅッッ♡」

 

 美春の舌が硬直した。翔真の首に回された手に力が籠る。内股がぶるぶる痙攣して、指を千切らんばかりに膣がきつく締まる。直後、だらりと弛緩した体がしなだれかかってくる。

 

 荒い呼吸が翔真の耳朶を湿らせる。情欲を煽る吐息に、勃起しっぱなしの肉竿がびくりと脈打った。翔真は美春の顔を覗き込んだ。紅潮した頬に、潤んだ瞳。緊張感を失ったトロ顔が、ひどく官能的だった。

 

 指にかかる圧迫感が弱まったところで、ゆっくりと引き抜く。二本の指はふやけ、指先に付着した愛液は白濁している。

 

 まだ美春は瞳孔を揺らしていたが、焦点の合わない目で翔真を見詰め、舌を入れてきた。ふーふーと鼻息は荒く、貪られてしまいそうだ。

 

「……んふ♡ はむ、んっ♡ ちゅぴ……っ♡」

「美春、大丈夫?」

「うん……♡ はぁ~、前戯で深イキしたの、久しぶりかも……♡」

「そ……そっか。イッたんだ」

「ひひ……♡ やるじゃん、童貞のくせにっ♡」

「……うるさいな、もう」

「ま、今から卒業するんだけどね。挿れたいでしょ?」

 

 美春が仰向けに倒れ込み、翔真を手招きした。

 

 

 * * * * *

 

 

 この後どうするのかは、翔真にはもう分かっていた。細い腰を撫でてドルフィンパンツを掴む。むっちりした太腿は汗ばんで湿り、うまく脱がせることはできなかった。

 

 ブラとお揃いのリッチな装飾があしらわれたショーツ。その股布は色濃く湿っていた。裏返しながら脱がせると、裏地が長く糸を引いて、太腿、膝、足首と抜かれていく。陰毛も愛液まみれで、てらてら光っていた。

 

「――っ」

 

 文字通り一糸纏わぬ姿になった幼馴染を見て、翔真は言葉を失ってしまった。白い肌は朱を帯び、体は汗ばんでしっとり光り、髪まで湿って艶っぽい雰囲気だ。思わず見惚れてしまうほど美しかった。

 

「……どうしたの?」

「いや、いいのかな。こんなキレイな人と……」

「童貞捨てる相手が幼馴染の美春ちゃんで、翔真は嬉しい?」

「う、嬉しいに決まってるだろ。だって――」

「だって?」

「その――美春だから」

「何それ、あはっ」

 

 美春は、へらっと口元を緩めて、照れ笑いを浮かべた。

 

 いざ翔真が上になってポジションを取ろうとすると、目の前に小袋が翳された。リング状のものが浮き出ている。しまった――準備のなかった自分を翔真は悔いた。

 

「着ける?」

「悪い、気を遣わせちゃって」

「ナマでもいいよ♡」

「そ、それは……!」

 

 コンドームを翔真に委ねると、美春は秘部をぱっくり開いた。左右に広がる小陰唇に、ねばっとした糸が伸びる。べとべとに濡れたサーモンピンクの粘膜の底で、花弁みたいな膣口が、オスを誘って蠢いている。とろり、と蜜が滲みだしてきて、涎のように垂れていった。

 

「誰かさんがじっくり温めてくれたから、もうこんなになってるんだよね♡ 指が抜けちゃって、ナカが寂しいな~♡ 早く穴を塞いでほしいな~♡ その美味しそうなおちんちん、ご馳走してほしいな~♡」

 

 膣口をヒクヒクさせながら、美春がねだる。誘えば翔真は乗ってくるのだと、もう見抜かれている。嘶くようにペニスが胴を震わせた。ビキビキと血管を浮き上がらせて、海綿体が膨張する。

 

 ――マナーは守らないと。

 

 ――女性には安心してもらわないと。

 

 翔真は念じる。しかしその道徳心とは裏腹に、我慢汁に濡れた亀頭粘膜はまだ剥き出しのままだ。

 

 もしこのまま何も着けずに挿入してしまったら。それが分からないほど無知ではない。美春だって分かっているはずだ。避妊するかしないかを翔真に委ねて、待っているのだ。

 

「……っ」

 

 本能が下半身を急かす。挿入したい。射精したい。魅力的なメスを孕ませたい。セックスをしたこともないのに、頭の中でそんな声が響いてくる。

 

 翔真の葛藤を見透かすように、美春は笑った。翔真が迷っているのを眺めて、楽しんでいるようですらあった。緩んだ微笑。唇の隙間から覗いた舌の赤さが、たまらなく扇情的だった。

 

「…………」

 

「……」

 

 小袋は未開封のまま、美春の耳元に落ちた。

 

「ごめん、美春」

 

 肉欲に屈する情けなさを、翔真は美春に詫びる。しかし、下腹部を押しつけられた美春は、翔真の左手を優しく握った。

 

「――いいよ、おいで♡ ほら、後は腰を前に出すだけだから……」

 

 美春の空いた手が、ペニスを握って導いてくれた。愛液とカウパー氏腺液が混ざりあって糸を引く。

 

 ナマ挿入の後ろめたさを振り切るように、ゆっくり腰を沈めた。底なし沼に引きずり込まれ、ずぶずぶと肉竿が埋まっていく。

 

「っふ、ん~っ……♡ はぁ……熱、っ……♡」

「あ……ァ……」

 

 神経を溶かされるような快感。互いに声が出た。にゅるにゅるの膣襞が、翔真のペニスを隙間なく締め付けてくる。手コキやフェラチオでの刺激とは比較にならないほどの快感だった。

 

「んッ……づ、っ……!」

 

 翔真は微動だにできなかった。膣襞はねっとりと絡みつき、敏感な亀頭が無数の舌で舐め回される。肉幹にぴったりと吸いつく圧迫感があるかと思えば、裏筋を指先で撫で上げるような柔らかさもある。そのどれもが絶妙な力加減で、一斉にペニスを責め立ててくるのだ。

 

「はー……♡ はー……っ♡」

 

 翔真と美春が、同時に溜息を漏らす。縋りつくように手を繋ぎ、じっと見詰め合う。

 

 初めて味わう膣内の快感。美春と繋がった一体感。翔真は幸福感に打ち震えた。少しでも動いてしまえば、たちまち暴発してしまいそうだった。

 

「ナカでおちんちんがすっごい暴れてるけど、大丈夫?」

「大丈夫じゃない……」

「でもね、最初は動かない方がいいんだよ。馴染むまで待てば……ひひ♡」

 

 美春が目尻を下げてニヤリと笑った。翔真をからかうように、膣内がきゅっきゅっとリズミカルに締まる。射精感を堪えることで頭がいっぱいになっていたが、繋がったままじっとしていると、次第に様々な感情が込み上げる。

 

 翔真の下で股を広げているのは、小さい頃から見知った間柄だ。一人暮らしの部屋に誘われ、キスもペッティングもして、とうとうセックスまで。美春との関係性に「セックスの相手」というラベルが貼りつけられた。

 

 越えてはならない一線を越えてしまったような気がして、何だか胸の奥がぞわぞわする。そのぞわぞわは、翔真に得も言われぬ多幸感をもたらしていた。

 

「美春」

「ん? ぁ、ん……♡」

 

 触れるだけのキスを交わす。

 

「どうしたの?」

「いや、なんか、すごく……こうしたくなって」

「アタシのこと、愛したくなっちゃった?」

「……そうかも」

「ふふ、両想いだね。嬉しいな。……じゃ、いっぱい愛し合おっか♡」

 

 翔真の腰に、美春の脚が絡みついてきた。身を屈めて、翔真も美春を抱き寄せる。

 

 体温を分け合うようにぴったり密着すると、心臓の鼓動が伝わってくる。ペニスを根元まで沈め、温かい膣肉と抱擁を交わしていると、美春が耳打ちしてきた。

 

「ほら、動いて♡」

 

 腰に回された足がトントンと腰を叩き、ピストンを催促した。ほんの僅かに腰を引いただけで、膣襞が裏筋を擦り上げる。厚ぼったい先走りが漏れ出し、射精と勘違いした翔真は慌てて肛門に渾身の力を込める。

 

「っ、くは……」

 

 ゆっくり腰を引く。狭い膣肉が肉竿に吸い付き、奥へ引き戻そうとしてくる。それに負けじと力を入れれば、摩擦が強くなってしまう。歯を食いしばりながら、翔真は穏やかなストロークで腰を振り始めた。

 

「ん、あ……♡ は、っあ♡ ふう、ん~~っ……♡」

 

 美春は、鼻にかかった悩ましい息を漏らした。翔真が慎重に腰を沈めて奥に行き当たると、力んだ腹筋がうっすらと影を作る。

 

 水音も立たない緩慢なピストンだが、お互いの息は荒い。根元まで沈めた時の充足感。引き抜く時、寂しがる膣肉に甘えられる悦び。隔てるものが何もない密着感は、何をどうやったって気持ちよくて、翔真は美春に溺れていく。

 

「はぁ~……♡ きもちい……♡」

 

 美春が恍惚と呟いた。凛とした佇まいすら見せる表情はとろんと緩み、半開きの目蓋から覗く瞳は、ずっと潤みっぱなしだ。

 

 艶やかな反応が演技であるとは思えなかった。だがもしかしたら、ちんたら腰を振る不慣れな自分に自信をつけさせようとして――なんて、変な考えも浮かんでくる。

 

「なぁ、美春。その……物足りなかったりしないか?」

「物足りないわけ、ないじゃん♡ こういう、甘くて優しいセックスも、好き……♡」

「こんなゆっくりでも、気持ちいいのか……?」

「うん……♡ 『入ってくる~♡』『抜けちゃう~♡』っていうのが、じっくり、味わえてさ……♡ 翔真のおちんちん、ねっとり、出し入れされてっ……♡ どうしよ、リードしてあげようと思ってたのに、アタシが、メロメロになっちゃう……♡」

 

 美春は幸せそうだ。だらしなく弛緩した笑みを浮かべ、うっとり腰をくねらせる。潤んだ肉襞が、甘えるように亀頭へ吸い付いてくる。慣れているんだろう。美春の反応からは、それが伝わってきた。

 

 彼女が自分よりも前に男を知っていたらしい事実は悔しいが、腰を一回振る間にそれは些末な事柄として粘膜に溶け込んでしまった。

 

「あっ……あぁっ……♡ ああぁ――ン♡ んむふ♡ ふぉ……♡」

 

 飽きもせず、唇を重ねる。互いの口内を味わいながら唾液を流し込むと、美春の舌がそれを掬い取った。喉を鳴らして、美春がそれを受け入れる。キスをしながら出し入れすると、膣内が一際強く締まった。

 

「あ……っ♡ は、ぁ……♡ これっ、きもちい……♡ ずっと、続けて、ほし、っ……♡ は~っ、あぁ~っ……♡」

「っ……! はぁ、はぁ……!」

「ん~……♡ ゆっくり、奥まで入れてくるの、ドキドキする……♡」

 

 根元までずっぽり沈めると、美春は胴を反らして悦びを露にした。本人の言うように、双眸はメロメロに蕩けている。その一方で、粘膜同士の擦れ合いがもたらす悦楽は、翔真に刻まれたオスの本能を燃やしていく。甘っちょろいスローセックスでは物足りないと、思いのままにメスを犯して種付けしろと、強迫観念じみた衝動が脳を急かす。

 

 乱暴にしたら美春を傷つけてしまう。

 でも少しぐらい激しくしても許してくれるかもしれない。

 むしろ、そろそろペースを上げてやらないと飽きられるかもしれない――そんな言い訳が頭に浮かぶたびに理性が緩み、結合部で弾ける水音が大きくなっていく。

 

「ん、ン……♡ んっ♡ もっと動きたい?」

「え? えっと……」

「正直になりなよ♡ アタシも、そろそろガツガツしてほしいな、って思ってたところだったから……♡」

「でも、俺、たぶん下手だし」

「アタシ、もうトロットロなんだけど……♡ 誰のせいなのかな~?♡」

「う……」

「自信持ちなよ♡ 下手っぴなら、アタシで、上達すればいいじゃん……♡」

 

 美春が腰を揺すった。膣内でギュッと締め上げられて、肉竿が大きく震えた。肉襞の一枚一枚に愛撫されているかのような快感が走り、翔真は歯を食いしばった。美春はそんな翔真を見てくつくつと笑い、小悪魔のように目を細めた。

 

「いま下手だったら、これから上手になるでしょ? ふふん、嬉しいな。ビギナーの翔真も、女の鳴かせ方が上手になっていく翔真も、全部アタシが独り占めするんだ……♡」

「っ、美春……!」

「ほら、早く♡ 好きにしてごらん♡」

「ああ、ううっ……!」

「ん゛、おッッ♡♡」

 

 我慢の糸がぷつんと切れた。翔真は体重をかけて組み敷き、無我夢中で腰を振りたくった。

 

 ずるんと引き抜けば肉襞に吸い付かれ、ずぶんと押し込めば膣奥に当たって蜜壺が締まり上がる。肉襞の一枚一枚を引き剥がすようにしてペニスを抜くと、しゃぶりつく膣口がめくれ上がり、ぬらぬら光る粘膜を覗かせた。

 

「あぁっ、お、っ♡ くひっ、あぁぁっ♡ あ、お、う、おぉ♡♡」

 

 ずぱんっ、ずぱんっと湿った破裂音が部屋に響く。翔真は肉竿の根元が尻に当たるまで深く挿入しては引き戻し、膣襞を抉り取るように腰をグラインドさせた。

 

 指を絡めた手をマットレスに沈めて押し付けても、美春は全く抵抗しない。それどころか、より強く握られて、指の間に、細い指が食い込んでくる。絶対に離さない、もっとアタシを貪れ、と駆り立てるようだ。

 

「はぁ、あぅっ♡ ふっ、ん♡ ちょっと雑だけど、一生懸命で、可愛いっ……♡」

「なんだよ、余裕ぶってっ」

「だってさ、可愛いじゃん♡ こんな夢中に、ッ♡♡ なっちゃってさ……♡」 

 

 喘ぎ声を漏らしながら、美春が挑発的に笑った。

 

 肌がぶつかり合う。大きな乳房が、皿の上のプリンよろしく揺れている。右手を伸ばして鷲掴みにすると、硬い乳首が掌を掠めた。

 

「あ……やっ……♡」

 

 汗で滑り、勃起乳首が指の間から逃げようとする。小指や薬指に乳首をピンと弾かれて、美春は甘い声をあげた。ぬるぬる滑る乳柱を摘まんで押し潰してやると、蜜壺の締め付けが一段と強くなった。

 

「ね、だめっ♡ 乳首、弱いから、っ♡」

 

 ねだるようなトーンの「だめ」は、盛りのついたオスへのブレーキにはならない。コリコリに硬くなった乳首を指で捏ね回しながら、翔真は夢中で腰を打ち付ける。

 

「あ、あっ、あっ、あっ♡ ね、弱い♡ 弱いんだって、ば♡」

 

 勝手の分からない童貞は、自分の快楽に振り回されるがままだ。

 

 長持ちさせるとか、相手の快感を高めてあげるとか、そういった気配りは、情欲まみれの野性に塗り潰されていく。しかし、美春の膣肉は身勝手なオスを優しく抱き留め、情熱的に締め付けてくる。

 

「はっ……はっ……♡ ね、翔真、翔真っ♡」

 

 

 もっとして――

 

 

 互いの息遣いを感じる距離で、美春がそう囁いた。翔真は上体を倒し、美春にキスをした。舌を入れ、美春の舌も受け入れて絡ませる。

 

 肌と肌が合わさるたびに粘ついた水音が響く。舌を這わせる音も、シーツを擦る衣擦れの音も、テンポの揃った二人の呼吸も。

 

「んむ♡ お゛♡ お゛ほ♡ ちゅ……っふ……んんんっ……♡」

 

 この夜だけでもう何十回口付けを交わしたのだろう。飽きの来ないディープキスの水音が脳に響く。

 

 ピストンと連動して、舌が口内で絡み合う。唾液を交換しながら、翔真はより強く腰を打ち付ける。二人分の体重を受けて、ギシギシとスプリングが重い悲鳴をあげた。

 

「おふっ♡ あ゛ッ♡ おぉ、おッ♡」

 

 膣奥深くを抉るように体重をかけると、美春は喉の奥から絞り出すような濁った声をあげた。

 

 本能に衝き動かされるまま、ガチガチに膨らんだペニスで、雌壺を掻き混ぜる。膣の天井を突き上げ、カリ首で膣肉をこそげ取り、亀頭を最奥へ押し付ける。そうするたびに、トロトロの膣肉がうねって締まり、翔真に中毒的な報酬を与えてくれる。

 

「っ、あ♡ あ゛ぁぁ……ッッ♡♡」

 

 熱中するあまり、もう射精感が後戻りできない所までせり上がっているのにも、翔真は気付いていなかった。「出るかもしれない」と感じたときにはもう、陰嚢がせり上がってきていた。

 

「あ……み、美春、ヤバい、出るっ……!」

「……♡」

 

 翔真の呻きを聞いた途端、美春は緩んだ笑みを見せた。白く細い腕が首筋に巻き付き、空気の隙間もないほどに二人が密着する。

 

 ゴムは着けていない。

 抜かなければ。

 

 なけなしの理性を、美春の両脚が絡めとった。

 

 引き抜けない。

 焦燥感が尿道を駆け上がる。

 

 そのまま唇を貪られて、翔真は歯を食いしばることも叶わなかった。我慢の糸がぷつんと切れて、堰が崩壊した。

 

「ン˝♡ ン……♡♡ ぉ、ン、ン~~~~~♡♡」

「……!」

 

 互いの腰が浮き上がった。美春の脚ががっちりと胴に絡みつき、翔真は逃げ場なく射精した。

 

 尿道がボコッと膨らみ、熱い泥が鈴口をこじ開けて迸る。肉壺が竿を押し潰しそうなほどに狭くなり、高まった圧力で射精の勢いが増していく。限界まで溜め込んだ後の放尿みたいに、びゅーびゅー射精する。

 

 肌に触れ合う体温と、陰部に感じる温もり。自分を受け入れてもらったまま絶頂する多幸感は、もうこれ以上のものはないと思えるものだった。

 

「フ~♡ フ~っ♡ フーーっ……♡」

 

 睾丸の中身を吐きつくす長い射精。出すものがなくなっても、ペニスはビクビク震え続けている。

 

 呼吸が乱れたまま、舌を絡め合う。もぞもぞ腰を押し付け合い、子宮口と鈴口でディープキスを交わす。上の口でも下の口でも繋がって、まるで一つの生命体になったかのような、心地よい一体感があった。

 

「ぉ……♡ っは♡ んうぅ♡ あ゛っ♡ ね、イクの、止まんな゛、ァ……♡」

 

 コリコリした最奥部に亀頭を押し付けると、トロトロの膣が捻じれ上がる。甘イキを訴えながら、美春が恥骨を擦りつけてくる。絡み合う互いの陰毛は、混ざった体液でベタベタだ。

 

 射精の余韻はまだ治まらず、どくんとペニスが脈動する度に、視界が白くなった。尿道に残った精液が吸い上げられるのがあまりに気持ちよくて、へこへこ腰を押し付けるてしまう。

 

 エクスタシーの酩酊感はやがて薄れ、少しずつ頭が落ち着きを取り戻していく。それでも、幼馴染の唇を貪るのを、翔真はなかなか止められなかった。

 

 

<5>へ続く

 




<5>へ続きます。ここだけ長くなっちゃったんですが、読んでくれてありがとうございます。
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