「これは、一体何なんだ」
ライと神虎。
その戦いは、勝利をした。
それと同時に、神虎を回収した。
その機体は、かつての英雄が使用した機体である。
故に、それを操った犯人を探ろうとした。
だが、そこにいた犯人の姿を見て、その場にいた全員が、顔を青ざめていた。
「これが、本当に、人間が行ったのか」
KMFのコックピット。
その操縦席にいたパイロットだと思われる人物はいた。
だが、その操縦席にいた者は、既に人の形をしていなかった。
四肢は完全に失っており、その頭に装着されているゴーグルで顔が覆われている。
だが、そのゴーグルから僅かに血が出ている。
「・・・一体、何なんだ、これは」
「噂だけど、聞いた事があるわ」
そう、ライと共に、この現場を見に来た彼女が呟く。
彼女、ルナマリア・ホークは、その噂をゆっくりと話し出す。
「かつて神経信号を直接機体に伝達することで操縦者の『意思』のみで機体のコントロールが可能となる『神経電位接続システム』の開発が行われた事を。その際は、特別な機体のみを操るシステムだと聞いていたのだけど」
「これは、それを、さらに進化させたシステムという事なのか」
「・・・嫌な方向にね」
その言葉に、その場にいた全員が同意するしかなかった。
四肢を切って、一体化した事により、KMFと本当に一つになっていた。
そして、おそらくは、ゴーグルを通して、その操縦を行っていたと思われるパイロットの思考を読み取る為の物だろう。
だけど。
「それが、人間に耐えられるのかどうかなんて、分からない」
実際に戦ってみたライだからこそ分かる。
この機体を戦う事は、命を削る事を強いられる。
「だけど、神虎がなんで?」
「この機体は、誰にも操る事は出来ない事もあり、中国の平和の象徴として、設置されていたはずよ」
「どうやら、コックピットだけを瞬時に入れ替えて、行ったみたいね。この機体が造られた頃のコックピットのシステムを利用されたと思うけど」
どちらにしても、それ以上にこの機体での謎は残っている状態だった。
これ以上、探ろうにも、手掛かりはない。
そうライは、考えていた。
だが、ライが見つけたのは、そのコックピットにある手帳。
その手帳に刻み込まれた刻印。
それにあったのはギアスの刻印。
「まさか、この事件を起こしたのは、奴らなのか、だったら、その目的は一体」
事件の真相は未だに闇の中。
だが、ライは、確かに予感させた。
このコックピットの惨状のように。
近い将来、何か不吉な出来事が起きる。
そんな恐怖が。