※この作品はR-18です。

コードギアス 覚醒のライ   作:ボルメテウスさん

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日常の終わり

 その日、東京は混乱に陥っていた。

 カレンは、大学からの帰り道。

 夕方になりそうな時刻にて、何も用事のなかった彼女は、その日は家で過ごそうと考えていた。

 大学のお祝いという事で、知り合いから頂いた車に乗りながら、聞こえた音。

 

「なにっ」

 

 聞こえた音。

 それと共に見つめると、東京の市街地の一部が燃えていた。

 それもかなりの勢いであり、それを行っていると思われる影が数体、見えた。

 

「あれって、KMFっ」

 

 KMFが、街で暴走している。

 その見た目は、カレンでもあまり見た事のないタイプの機体。

 装甲車のボディを被せたような上半身が特徴的なKMFは、周囲の被害を考えずに攻撃を行っていた。

 

「っ」

 

 カレンは、その光景に驚きを隠せずにいた。

 この東京では、過去にエリア21と呼ばれていた場所。

 だが、黒の騎士団とブリタニアとの戦いにおいて、数々のテロに巻き込まれた影響もあり、その警備は、他の国に比べても高い。

 だが、東京で、そのテロが行われていた。

 

「どうなっているの」

 

 東京にいる黒の騎士団。

 だが、その警備が間に合っていない。

 カレンもまた、すぐにそのテロに対抗する為にも、基地にある紅蓮の元へと向かおうとした。

 だけど。

 

「姉さんっ」

 

 突然、ナオトの声が聞こえる。

 それに合わせるように、カレンは一体、何か。

 疑問に思った。

 だけど、そんなナオトの声と共に、本能なのか、車は既にブレーキを踏んでいた。

 同時に、先程まで走っていた道の先には弾丸で撃ち抜かれていた後がある。

 すぐに、後ろにバックしていくと、次々と襲い掛かる銃弾。

 同時に近くに隠れられる建物を確認すると、そのまま飛び込む。

 

「ぐっ」

 

 それと共に、車は弾丸に貫かれ、爆散する。

 カレンは、すぐに弾丸を撃った先を見つめる。

 

「あれって、KMFっなんで、気づけなかった」

 

 気づけば、そこには確かに存在はあった。

 すると、KMFの持つ銃は、こちらに向けていた。

 同時に、周囲の建物を盾にしながら、走り出したカレン。

 その向かった先には、ナオトがあり、彼の手を引く。

 

「姉さんっ、これは」

「分からないっでも今は逃げるよっ」

 

 この場で、人間がKMFに対抗出来る手段はない。

 KMFに対抗するには、それに相当する武力が必要である。

 皮肉にも、カレンは、それを持っていた。

 

「こっちっ」「ここって」

 

 それは、カレンの家にあるガレージ。

 そして、普段は隠されている通路に案内する。

 

「母さんは」

「もぅ避難している。俺は他に避難していない人がいないか確認していたから」

「そう、ならば、安心して戦えるわね」

 

 そう、カレンは、地下へと向かう。

 過去、彼女が黒の騎士団として、ジルクスタン王国での戦いの功績もあり、特別に設置された整備場。

 そこには一体のKMFが立っていた。

 

「これは?」

「……あんたを守る為に、渡された力よ」

 

 その外見は、カレンが未だに愛機として使っている紅蓮シリーズの特徴である頭部。

 身体の各部は、紅蓮弐式をベースに作成されていた。

 だが、紅蓮の特徴的な巨大な右腕は存在しない。

 両肩には、グレネードランチャーが内蔵されており、剣と盾というシンプルな武装。

 その真っ白な機体は、そこに佇んでおり、カレンはそれに近づく。

 

「とにかく、外にいる奴をなんとかしないとっ、痛っ」

「姉さんっ」

 

 すぐに、その機体に乗り込もうとしたカレン。

 だが、先程の爆発によって負傷したのか、腕を怪我をしている。

 だが。

 

「大丈夫っ、今は、こいつを起動させてっ」

 

 そう、カレンはそんな怪我を気にしないように、すぐにでも起動させようとする。

 それは、彼女が、この東京を、謎の脅威から守る為の行動。

 それを見たナオトの覚悟は、自然と決まった。

 ナオトは、カレンの手の中にある機体のキーを奪う。

 

「あっちょっと!」

 

 カレンの呼ぶ声。

 それを無視して、ナオトは機体に乗り込む。

 初めて乗るKMF。初めての戦い。

 恐怖があるはずだった。

 だけど。

 

「分かる、なぜだが、分からないけど、俺は、この機体を動かせられる」

 

 ナオトの言葉。

 それを紡ぐと共に、彼の右目が光輝く。

 それは、不死鳥を思わせるマーク。

 かつて、ギアスと呼ばれた力であり、彼は、それを無自覚に発動させていた。

 同時に察知した気配。

 既に、こちらに迫っている事を理解出来た。

 ナオトは、そのまま操縦桿を握り絞めながら、ランドスピナーで走り出す。

 

「はぁぁぁぁ!」

 

 既に入り口前までに迫っていたKMF。

 その気配は極限まで消されていた。

 

「ここにいたか」

 

 その操縦者の目にも、ナオトと同じく不死鳥のマークが刻まれていた。

 それは、まさしく、気配を完全に消した力であり、カレンを極限までにその気配を悟らせなかったのは、その力の影響だった。

 だが。

 

「なっ!?」

 

 突然、地下から出てきた通路。

 同時に、地下から飛び出た白いKMF。

 次々と起きる出来事に、頭が追いつけない間にも、KMFは既に動いていた。

 片手にある剣で一閃。

 瞬く間に、斬り裂かれた事によって、認識する前に、倒される。

 

「なに、今の」

 

 歴戦の戦士であるカレンの目から見て、ナオトの操縦テクニックは、普通ではない。

 初めて乗るはずのKMFをまるで自分の手足のように操り、瞬く間に葬った。

 それは、かつて、初めてランスロットと相対した時のような印象であった。

 違うのは、一つだけ。

 それが、今度は、敵ではなく味方である事。

 

「これが、ナオトの力なの、それとも、あのKMFの」

 

 そうゆっくりとカレンは呟く。

 

「ドットフェイサーの力なの」

 

 それと同時だった。

 他に散っていただろう敵戦力のKMFが近づいていた。

 先程のKMFの報告を受けたのか、既にこの辺にいた戦力が集まっていた。

 その数は5体。

 5体のKMFは、そのままドットフェイサーに向かって、マシンガンを放ち始める。

 同時にドットフェイサーは、その手にある盾を構えながら、既に剣から銃へと持ち替えていた。

 再び走り出すドットフェイサー。

 牽制するように銃弾を放っていきながら、KMF達に接近する。

 KMFは、それらに対して、無防備に近づいていく。

 無策とも思える行為。

 だけど、それは。

 

「なっ」

 

 ドットフェイサーの完璧と言える斬撃を避けた。

 同時に左右からすぐに攻撃を行う。

 

「どういう事、あの攻撃を避けるって」

 

 どんなにナオトが素人でも、それを避ける事が出来ない斬撃を放っていた。

 だけど、それをまるで見えていたように、相手のKMFは避けた。

 それはあり得るのだろうか。

 だが、カレンは、知っていた。

 そんなあり得ない事を起こせる力を。

 

「ギアス、まさかあいつら、ギアスに関係している奴らなの」

 

 カレンの呟きを余所に、KMF達は連携を行う。

 性能では、おそらくはドットフェイサーの方が上だろう。

 だが、まるで、1秒先の未来を見ているように、それらの攻撃を避けていた。

 

「確か、聞いた話だと、あのナイトオブラウンズが持っていた奴と同じ、未来を読めるギアスなの」

 

 数秒後の未来を視覚情報的に見ることができる。

 そう、聞いた事のあるギアス。

 故に、それに対抗出来るのかどうか。

 不安に思える。

 だが。

 

「っ」

 

 ドットフェイサーは、そのまま後ろに下がる。

 その手に持っていたのは剣と銃。

 二つは宙を浮かびながら、一つとなる。

 それと同時だった。

 一体化した二つの武器は、まるでハンマーのようになっていた。

 同時に近くにいたKMFに向かって、振った。

 それに、対応する事は、出来なかった。

 

「もしかして、インターバルがある」

 

 本当に未来を読めるギアスなのか。

 それはカレンも分からない。

 それでも、まるで諦める気のなかったドットフェイサーは、その状況を打開するように動いた。

 それによって、ナオトは、状況を逆転させる。

 ハンマーとなった武器はそのまま変形。

 形はライフルとなり、そのままKMFを貫いた。

 

「あれが、マルチギミックサック」

 

 ドットフェイサーの専用武器として作られた武器、ゼットシリーズ。

 その特徴は複数の武器を組み合わせる事で、状況に応じた武器へと変形させる事が出来る。

 数武器種の単機運用を可能としており、ライフルやハンマーのような強力な武器にも、小回りの効く剣と銃にも。

 そして、新たに現れた巨大な槍。

 その槍で、真っ直ぐと突っ込む。

 倒れているKMFは、すぐに立ち上がる事が出来ずにいた。

 そんなKMFごと、貫く槍。

 だが、それでも止まる事はなかった。

 

「ナオト」

 

 同時に、貫いたKMFごと、他のKMF達に向かって行く。

 貫かれた全てのKMFを踏み台に、その場から離れるドットフェイサー。

 それと同時に爆発を起こす。

 それは、まさしく戦いの終わりでもあった。

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