「うぅ」
頭痛に、頭を抑えながら、ライは起き上がる。
これまで、食事で、酒を飲んだ事のないライにとって、二日酔いは初めてであった。
先日の戦いから来る疲れからもあってか、普段のライが起きる時間より遅い。
「もぅこんな時間に」
近くにある時計を見れば、既に昼近く。
そうして、ライがゆっくりと起き上がろうとしたら、隣でもぞりと何かが動いた。
「えっ?」
疑問に思った。
なぜ?
そんな疑問に思いながら、その布団を捲る。
捲ると共に、露わになったのは、眠っているアヤノ。
しかも、裸で。
それが意味をしているのは。
「もしかして、昨夜……」
そこまで言って、ライの顔が真っ赤になる。
記憶がないわけではない。
思い出すのは、酒を飲み始めてからのこと。
だが、そこから先は曖昧だった。
自分が何をしていたのか、分からない。
ただ言えることは、アヤノと肌を重ねたということだ。
そして、それは夢ではない。
隣には、アヤノがいるのだ。
「あぁもう」
頭を掻きながら、ライはため息をつく。
すると、アヤノが起き上がった。
「最悪、こんなに頭が痛いなんて」
そう、愚痴を呟いている。
だが、それは最初だけだった。
徐々に、アヤノが自分の格好を見る。
それは、裸である事。
それに対して、顔を赤くしているが、同時に隣にいるライも見る。
ライもまた裸である事。
それと共に、部屋に漂うイカ臭い匂い。
「…………」
それを嗅いだ瞬間、アヤノが無言になった。
その顔は徐々に青ざめていく。
「…………」
ライの方も同じく無言となる。
互いに何も言えないまま、数秒が経過していた。
そんな中、最初に声を出したのはアヤノだ。
「ねぇ、これってどういうことなの?」
怒りを押し殺した声で、アヤノが言う。
それに対し、ライは黙ったままだった。
ゆっくりと。
それと共に。
「たぶん、昨日、酒を飲んだから」
ライの推測に、アヤノも理解した。酒に酔っていたとはいえ、自分達が何をしたかを。
「……まぁ、いいけどね」
アヤノの言葉を聞き、ライは驚く。
まさか許してくれるとは思わなかったからだ。
しかし、アヤノは続けた。
「私だって、あなたとそういうことをしたいと思っていたし。ただ……」
そう言いながら、アヤノは自分の胸に触れる。
そこには、大きな膨らみがあった。
「・・・聞きたい事がある」
「えっと、はい、なんでしょうか」
アヤノからの問いかけに対して、ライは戸惑いながらも答える。
「・・・あんたは、その、これを行った事に関してはどう思う」
「・・・その、酒の勢いとはいえ、俺は悪いと思っている。けど、まぁアヤノが悪い気をしていなかったから」
「・・・えぇ、そうね、その、悪い気はしなかったわ」
その言葉と共に、互いに少しだけだが、雰囲気は柔らかくなった。