「それじゃ聞きたい、更識楯無、君の目的は一体何なんだ」
ライは、ゆっくりと問いかける。
彼女が一体何者かわからない以上警戒するのは、当然であった。
だが、そんな警戒して睨んでいるライに対して、更識はその手にある扇を閉じながら。
「私の目的は、簡単に言えばこのトレーラーをあなたに渡す事よ」
そうして、更識は後ろの方に目を向ける。
トレーラーの大きさはかなりあり、一人で暮らすには十分過ぎる程の大きさ。
だが、何よりもライが目を向けたのはKMFを収納するだけのスペースがある事だ。
見てみると、その内部には、簡単なメンテナンスを行える環境がある。
「ドットフェイサーは、元々は紅蓮弐式をベースに開発された事もあって、他のパーツとの換装やメンテナンスも比較的に行いやすいと思うわ」
「・・・けど、なんで、これを俺に?」
「簡単に言うと、奴らの目的を探る為の囮。その囮が十分に戦えるようによ」
「囮か」
彼女からの言葉に対して、少しだけむっとしてしまったライ。
だが、その言葉の意味を理解したのか、そのまま俯きながらも、納得した。
「街の被害を少しでも少なくする為に必要な事か」
「それもあるけど、奴らの狙いは、あなたのギアスだと思われるわ」
「ギアス?」
その言葉に対して、俺は思わず首を傾げる。
「まぁ、私も未だに分からないけどね。だけど、コーネリアさんからの指示だけどね」
「コーネリア」
その名に、多少覚えがある事にライは思い出す。
元神聖ブリタニア帝国第2皇女であり、現在は黒の騎士団に所属している人物。
その人物の名が、なぜ出てきたのか。
「コーネリアさんの情報によると、ある事件をきっかけにギアスの欠片が世界中に流星雨のような形で飛び散ったことで、ギアスを持つ者が多くなった。
だけど、その誰もが、オリジナルと比べるとかなり劣化しているらしい」
「それじゃ、なんで」
「オリジナルに近いギアスを手に入れる。現状、その所在が確認出来るのがあなたという事よ」
「・・・それじゃ、やっぱりあいつらは」
「あなたを狙っている訳よ、だからこそ」
その時だった。
彼女は何かに気づいた様子だった。
「どうかしたの?」
「まさか、既にこちらの事を察知していたとはね。さすがは長い歴史を誇る組織の生き残り、そしてあの国の過激派が合わさった組織という事ね」
そうしていると、彼女は走り出す。
「とにかく、今はここに来る奴らを迎撃するわ。でなければ、向こうにも被害が出てしまうわ」
「分かった」
その言葉と共に、ライは、ドットフェイサーに乗り込む準備をした。