戦いが終わった後、ライは、既に修理を行っていた。
戦いの最中で、破損したドットフェイサーの腕も比較的に軽い損傷であった為、修理にはそれ程難しくはなかった。
「それにしても、君はどうして、あそこに敵がいると思ったの?」
そんな修理を行っている最中、楯無は、ライに質問した。
それは、純粋な疑問だった。
そんな楯無に対して、ライは修理を行う手を止める事なかった。
だが。
「敵が、一体どこから攻めているのか考えて、自然とあそこを攻めた」
「どこから?」
その言葉には、未だに楯無は疑問だった。
「ドローンでの操作を行っているとしても、その操作がどこまでの範囲で行えるのか分からなかった。仮に敵が通信機を通じて、操っているとしても、その中継ポイントがないと難しい」
「まぁ、そう考えても可笑しくないよね、けど、それがなんでビルに攻撃をした理由になったの?」
楯無自身、その答えは既に分かっている。
だが、あえて、それを聞く事によって、楯無は、ライの実力を測っていた。
「敵が重要なポイントを守る際に、それらの周囲を警護する必要がある。
最初の戦いこそ、それを見せないようにしているが、戦いが進めば、自然と焦るだろう」
「あぁ、なるほど」
あの時の戦い。
確かにライの方は、徐々にだが、追い詰められていった。
だが、同時にライに対する攻撃の手も徐々に過激なっていった。
それは、絶対に勝つ為に。
だからこそ、絶対に落とされてはいけない所に、護衛を増やした。
「あの時、さすがに決定打になる攻撃がなかったら危なかった。だから、楯無には感謝している」
「ふふっ、そう言って貰えると、お姉さんも嬉しいわ」
そう楯無は笑みを浮かべているが、同時にこのライという人物の恐ろしさを痛感した。
記録では、彼が戦闘を行ったのは、今回を含めて、たったの2回。
しかも、訓練を行っていない。
それなのに、おそらくは歴戦の戦士でも死んでも可笑しくない戦いを生き抜いた。
(暗殺は、現実的じゃない。何よりも彼は善人だ。だからこそ、彼には)
そう、考えると、楯無は、そのままライにゆっくりと寄り添う。
「なんですか?」
「ふふっ、なんでしょうねぇ、とりあえずはぁ」
そうして、楯無は、後ろからライにゆっくりと話しかける。
「この後、暇だよねぇ?」
「暇って言われても」
そう、ライは戸惑いを隠せなかった。
なぜ、いきなり抱き締めてくるのか。
「君には、これから向かいたい所を。それの候補の情報があるのだけど、どうかな?」
「・・・まぁ」
その問いかけにライは疑問に思いながらも、首を傾げた。