出来は……いまいちかもしれないが、頑張ります。
???Side
カーテンから木漏れ日が差し込み、“俺”はゆっくりと目を覚ますと、ベッドから起き上がると、外に出て井戸水で顔と身体を綺麗にする。
「っはぁ……さっぱりした。さてと、それじゃあ朝の支度をしますか。」
俺は顔と歯を磨くと、朝の支度をしに城へと戻った。
あぁ、そうだ。俺はラジエル。
“こっち”での本名は、“ラジエル・フィオーラ”っていうんだが、本当の名前はすでに忘れた。
俺が覚えてるのは、生前通っていた学園の帰り道に通り魔に刺されて死んだって事くらいなんだが、気付いたら俺は、“千年大国”と謳われている大国、エルスタイン王国の民の子として生まれていたのだ。
それで翌々考えたら、“あ、これって転生なのでは?”と思って嬉しかったが、俺が何のためにこの世界に転生したのかを知る前に、俺の家族は敵対するドミナス帝国の人間に殺された。
その時の奴らは楽しそうに、俺の家族を殺した上に、その死体を踏みつけていたのを見て、俺は怒りでその兵士2人の首をナイフで刺して殺したのを覚えている。
そしてその後、俺は駆けつけた騎士団の人に助けられ、後に行く宛も無いことから、エルスタインの城の使用人として暮らしているんだ。
「……よし、各部屋の掃除と窓拭きは終わった。
そろそろ朝食に行くか。」
「おい、ラジエル。」
「はい?あ、アンジェリカ様。おはようございます。」
話しかけて来たのは、この国の姫であるエリーゼ様の近衛騎士をしている、アンジェリカ・フォン・ユーステス様。
紅薔薇騎士団の団長でもある彼女は、とにかく“男”に強く当たる事が多い。
けれども、真面目で民の事や姫の事を思っているのは本当なので、俺としては別に嫌いではない。
「どうだ?仕事の方は?」
「え?あぁ、先達の方々に教わりながら頑張ってます。」
「そうか。それならば良い……あと、仕事が終わったら、その、私と剣の稽古をしないか?」
「剣の?よろしいんですか?」
「あぁ、お前の時間が空いていればな。
では、私は姫様の所に向かう……しっかりやれよ。」
アンジェリカ様はそう言うと、姫様を起こしに向かわれ、俺も彼女に向かって一礼すると朝の支度の続きを行い、その後に他の使用人の皆さんと一緒に朝食を摂った……。
◆◆◆
ラジエルは朝食を終えた後、使用人としての業務を終えて昼休みになった後に、彼は訓練用の剣を携えてアンジェリカとの剣術の稽古を行っていた。
「はあ!!」
カアンッ!
「踏み込みは悪くない!だが、相手に当てるまでは油断するな!」
「はいっ!!やぁ!!」
ラジエルとアンジェリカの剣の稽古、それは稽古の域を出ており、本気の試合のようである。
そもそも、アンジェリカと“本気”で戦える男などほとんどおらず、彼女に初めて勝った男はラジエルが初めてだったのだ。
そこから2人は交流を重ねるようになり、アンジェリカ自身気づいてないが、ラジエルに興味を抱いていたのである。
そして、このラジエルという転生者が、この世界の結末を変える存在となるのであった……。
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