「城下に行きたい、ですか?」
ある日、エリーゼの警護をしていたラジエルはエリーゼからの提案に首を傾げた。
「はい、以前はあんな事になってしまいましたが、私は民の皆さんの生活を近くで見たいんです。ラジエル、どうか協力して下さいませんか?」
エリーゼの真面目なお願いに、ラジエルは腕を組んで考え込んでしまう。
すると、“ある事”を考えついたラジエルはそれを実行に移すために動くのであった。
そして翌日、私服に着替えたラジエルは隣に普段のドレス姿、、、ではなくカジュアルな服装のエリーゼを連れ立って城下を散策していた。
「んじゃ、行くかエリー。」
「はいっ!」
エリーゼの服は若干?胸がキツそうだが、それでも普段の彼女らしさを隠しており、何処にでもいる町娘と言った様子である。
2人は民の生活を見ながら、買い物をしたり、菓子を食べたり、食事処で食事をしたりなど普段出来ない事をして、エリーゼはとても楽しげであった。
「ふふっ!とても楽しかったですよ、ラジエル。」
「エリーが楽しそうでよかったよ。」
2人は今、夕焼けの見える丘でオレンジに染まる空を見ながら町を見下ろしている。
その景色とエリーゼを観ていたラジエルは、幸せだなぁと思いながら、本当だったら今頃戦争なんだろうなと思いながら、その戦争が起きていない現状に胸を撫で下ろしていた。
「ラジエル……。」
「ん?何だ、エリー。」
「その、無理はしないでくださいね……。アンナだけじゃない、あなたも……私にとっては掛け替えのない存在です。だからいなくならないで下さい。」
「エリー……。あぁ、分かった。いなくなったりしないよ。俺はエルスタイン王国を護って、民も護っていくが、一番はエリーとアンナの2人だ。2人を護れる位強くなる。」
「それ以上強くならなくて良いんです。無理もしないで。ラジエルは今のラジエルでいて下さい。良いですね?」
ラジエルに抱き着いてそっとキスをするエリーゼに、ラジエルは承諾の意味も込めて小さく頷くと、彼女を抱きしめた。
その後、2人は城に戻るとラジエルはエリーゼの服を普段のドレスに変え、エリーゼの部屋に向かう。するとそこには、もう1人のエリーゼがベッドに座っていた。
「
これがラジエルの魔法である。
「それじゃあ、俺は戻ります。」
「はい。ラジエル、今日はありがとうございました。」
ラジエルはエリーゼに一礼すると、彼女が寝付くまで警護に入るのであった……。