【負けちゃう】ぜらちな♥ますたー☆ 少魔女シユは負けない 作:夜ノ鳥羽リナ
宿に戻ったらまたヤドインさんとしちゃうんだろうなって。
別に嫌じゃない。
嫌じゃないんだけど、だから悩む。
えっちしたいから来たんだろって思われちゃう気がする。
そうじゃないけど……それでもいいです、よ。奥さんの代わりえっち……よかったし♡ したいです、けど。
がっついてるって思われないかな。引かれないかな?
シユ、他人との付き合い方がわからない。
「安心せっくす……また……」
シユより弱いヤドインさんとするのは安心。
年少のトーマとノイナのおちんちんを見たけど、なんだか気分が乗らなかった。
何か違う。
だからってヤドインさんの顔見たら今度はお酒無しでも股を開いちゃいそうで、えっちな子だと思われたら恥ずかしい。
丘陵ダンジョンから少年たちを町に送り返して、またふらふらとダンジョン探索に出てしまった。
携帯食料は死んだ冒険者から譲り受けたものがあったので、とりあえず悩みを後回しにする。
「ここ……町から近いのに、探索してる人が全然いないみたい」
ダンジョン都市ルドンの近くで、不自然な影が出来ているのを見つけた。
これだけ町の近くに危険なダンジョンがあれば、エース級冒険者などが潰しているはず。
危険は少ない。
そう思ったのに……
影に踏み込んだら、東国の温泉遊郭のような建物に入っていた。
* *** *** *** *
遊郭風ダンジョンに入ってしまったシユは、なんの気配もない建物内を歩いてみた。
少しだけ。少しだけ様子を見てみようと。
二部屋進んだところで、月夜の庭に面した部屋に出た。そこには……
絶世の美少女。
おかっぱの黒髪に灰褐色の瞳。
両脇の開いた白い着物と、鼠径部にスリットの入った赤い袴。東国の巫女っぽい。
月明かりの庭にいる絶世の美少女。
シユに近い年齢の美少女に見とれて、目が合った。
「っ!?」
恐怖でシユの全身が凍り付いた。
魔物の反応がする。どんな魔物なのか全くわからない。座敷童とかそんなだろうか。
ただ見ただけで存在の格の違いを思い知る。
シユの肌は泡立ち、体の内側にきゅぅぅっと怖気が走った。
「あ、あ……っ」
勝てない。
シユがどれだけ頑張っても勝てない魔物。
「上級の……なんで、こんな……」
「どうして人間がここにいるんですかぁ?」
月明かりの庭で、巫女少女姿の魔物が微笑んだ。
「入れる資格があるようにも見えませんけどぉ……私、ミサキって言いますぅ」
「は、ひっ……」
蛇に睨まれた蛙。
捕食される子鹿。
相手は女型の魔物で、オスの魔物と違ってシユを孕ませる理由がない。
「し……シユは、なにも……」
「力の差くらいはわかるみたいですね。よかったぁ」
にこやかに語り掛けながら歩み寄ってくるけれど、その中身は間違いなく魔物。人間じゃない。
がちがちと震えながら必死で言い訳を考えて、考えも無意味だと脳が諦めさせてくる。
逃げるにしても、振り返る間に追いつかれて殺される。
「こ、ころさ……ひ……」
「あらぁ?」
荷物を捨てて、魔法杖も捨てた。
服を脱ぐ。
着ているものを乱暴に脱ぎ捨てて全裸になる。
何も言葉は出てこない。とにかく抵抗するつもりなんてないとわかってもらうために。
「やだ……おねがい……お願いします……」
四つん這いになって尻を上げた。
知性も何もない。
降伏。隷従。
あなた様に全て従いますと、負けた獣のように全身で表現することしかできない。
「人間じゃなくて底辺の魔物でしたかぁ?」
「にんげん、ですっ……シユは少魔女で……ころさないで……お願いですから、殺さないで下さい……」
「お尻を向けて土下座なんて、人間って面白いですねぇ」
「ひっ!? ごめんなさ」
「そのまま」
慌てて向き直ろうとしたシユに、静かに命じる。
「もっと這いつくばってもらえますかぁ? お尻、まだ上がりますよね?」
「は、はいっ!」
月明かりの下に尻を晒して四つん這いになっていた。
畳に着いていた手を折り、膝立ちだった下半身を立たせて、もっと上に。
「これで……これで、げんかい……っ」
「次に嘘をついたら許しませんよぉ」
「いっ!?」
膝を伸ばしてお尻を上げているのに、嘘だって言われても。
違う。シユが悪い。シユが間違っている。
ご主人様が言うことに従えないのはシユが悪い。
「う、く……ん、んっ……」
顔を畳に押し付け、精いっぱい膝を伸ばして。
……もっと。
つま先立ちになって、足の平全部床から話して、本当につま先だけになるまでぴんと張った。
「ふ、うぅっ……う、ぁ……っ!」
足がつりそう。
全裸になったシユは握力5キロ未満の無力なメスガキでしかない。
いくら軽量小型の女体でも、つま先だけで支えようとすればすぐに限界が……
「あ、あっ……あ、つっつる……うりゅぅぅっっっ……!」
「できないって言うのは嘘つきの言葉なんですよぉ。シユは私に嘘をつきませんよね?」
「うぁ、はぃっ……あ、あぁぁっ」
畳に擦り付けた顔から、涙とよだれと鼻水を溢れさせながら、支配者の言葉をただ肯定するだけ。
足の裏の筋が、ふくらはぎの筋が、裏腿の筋が、限界を超えた。
「っっ! あ゛ぁぁぁぁぁぁぐぅぅぅっ! んひぁっ♥」
激痛の中、シユの知らない感覚が芽生える。
痛くて我慢させられていることが、気持ちいい。素敵な快感に。
情けなく初対面の美少女に晒している割れ目から、愛液がとろとろぉとあふれ出した。
「あぁぁぁっ!? いっ……い、いっ……? なんでっあっ!? うそっうそあっあ」
「いくぅっ!? いひぃぃぃあぁぁぁっあっ❤ ひくぅぅぅんっ♡ んっ♡ ひぎぁっ、んっんふぅぅ……ぁ……」
つま先をを突っ張りながらがくがく震え、脳までしびれる。
痙攣して、それから足の力が抜けてくにゃりと倒れてしまった。
触られたわけでもなんでもなく、ただ見られていただけで絶頂して。
「あ、ぁ……」
殺される。
言いつけを守れず倒れてしまった。
勝手に尻を下げてしまって、殺される。
シユと同じく体内で怯えて固まっているなめくじと一緒に、この上級魔物に殺されてしまう。
「今のが本当の限界ですね。わかりましたかぁ?」
全身で痙攣しながら命を諦めていたシユに、巫女服の魔物は顔を近づけて尋ねた。
「はい……はぃ、わがりましたぁ……」
「可愛いお顔がぐじゅぐじゅですね」
涙と鼻水でぐちゃぐちゃになっているシユを見て、怒らない。
もしかして殺さないでくれるのかも。
「畳をこんなに汚しちゃって、殺されちゃっても文句言えませんよぉ」
「ひっ」
「ほら、お顔ふきふきしましょうね」
シユと同じくらいの体格なのに、赤ん坊でも抱くようにシユの体を抱き上げて太もも枕に乗せた。
手拭いでシユの顔を優しく拭く手に、逆らうつもりなんてない。
彼女の気まぐれですぐに首を折られるかもしれない。
死にたくない。
「可愛いお顔になりましたぁ♡ シユ、何か言うことは?」
「あっありがとうございますっ! ありがとう、ござっひっ……」
がたがた震えながら少女の腿で肩を小さく縮めて必死でお礼を言おうとするけれど、息がうまくできない。
「私の名前、憶えていますかぁ?」
「はっはいっ……ま……ま……」
最初に名乗っていた。痛みでぎんぎんする脳で一生懸命、思い出そうとして……泣きそう。泣いたら、許して……くれないっ!
聞いたはず。怯えていてちゃんと聞いてなかったけど、シユの耳には入っていた。思い出さなきゃ死んじゃう。
「ミサキまマっ!」
死の恐怖で脳が本当にぐるぐる回るような感覚で、必死に頭の中を探し回った。
ぴこんと閃いたのはよかったけれど、慌てて叫んだせいで【ミサキ様】じゃなくて【ミサキママ】って言っちゃう。
バカ……シユのばかばか!
死んじゃえ! 死んじゃう……ほんとに死んじゃう。
「あら、まぁ」
黒髪おかっぱの巫女服童女は、シユの言い間違いに目を丸くしてから微笑んだ。
「はい、シユのママですよぉ♡」
遥か高次元の魔物は幸せそうに囁いて、その笑顔でシユの心はなめくじのように蕩けてしまった。
* *** *** *** *