※この作品はR-18です。

実況麻帆良野球   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

10 / 23
1年目6月 麻帆良祭 1

 麻帆良の準備期間中、路面電車を改造したキッチン車両を使い、麻帆良祭に向けた準備をしている人達や教員に食事を作っていた。(勿論有料で)

 

「小籠包5皿、餃子5皿追加」

 

「餃子定食1つ、炒飯中華蕎麦セット3つ入ったアル」

 

「はいはい!」

 

 僕は厨房で中華鍋を振るい、料理をガンガン完成させていく。

 

 実家が料理屋で手伝いを経験してなかったら数十人単位で押し寄せるお客さんを捌くことはできなかっただろう。

 

『パワプロさん、ご飯が炊けました』

 

「絡繰シスターズのA号は15番テーブルのお客さんに小籠包2皿と飲み物届けてきて。B、C号は空いたテーブルの片付け」

 

『『了解しました』』

 

 人間がせっせこ料理を作り、接客はロボット軍団に任せる。

 

「いやぁ助かったアルヨ、麻帆良祭舐めてたアル」

 

「準備期間でこれですからね。忙しいったらありゃしない」

 

 超とハカセも料理を作りながら小言を言う。

 

 午前授業が終わって昼からお店を出しているがひっきりなしにお客さんが来るので休む暇もない。

 

 一応15時から16時までは休憩として店を1回閉めるが、それでも人が押し寄せてヤバい。

 

 本番の麻帆良祭では3日間で40万人もの学生とは別に入場者が訪れ、数百億円が動くそうです。

 

 中には数億稼ぐサークルやクラブもあるらしく、文化系クラブの活動資金となるそうです。

 

 ちなみに準備期間でも毎日1000食以上売れるので純利で100万以上1日で稼いでいるらしい。

 

「まぁ私とハカセは料理の他に自動調理器何かの家電も作って資金源にしているからウハウハアルヨ!」

 

「古菲さんは麻帆良の武術大会にも出るらしいですよ」

 

 ハカセから一緒に働いている古菲さんが武術大会にエントリーしていることを知ったが、この忙しさだ。

 

 応援に駆けつけるのは難しいかもしれない。

 

 一応予定としては初日は麻帆良の魔法使いの先生や生徒と顔合わせをし、そのまま麻帆良祭のパトロール任務、午後に少し自由時間があるくらいだ。

 

 2日目は1日出店で拘束、最終日は鳴滝姉妹とデートをし、師匠のエヴァンジェリンさんに呼ばれているので野点に参加。

 

 みたいな流れを予定している。

 

 正直麻帆良にどれだけ魔法使いが居るか分からないが、顔合わせは必要だろうと言われており、来年からは学園長曰く夜間パトロールもして欲しいと言われていた。

 

 魔法使いの才能があるらしいし、エヴァンジェリンというこの学園でも最高クラスの実力者を師にさせてもらっている(まぁエヴァンジェリンさんは僕を魔力タンクと血液袋程度にしか思ってないかもしれないが)以上、断るわけにもいかない。

 

 裏の世界を知ったのなら、裏の繋がりがないとやっていけないのは料理屋として店を切り盛りしている父を知っているので、業界の繋がりの大切さというのはよく知っていた。

 

「パトロール任務1回毎に5万、魔法使いの侵入者の捕縛に成功すれば更に貰えるとも聞くからな。怪我するのは嫌だけど、ある程度の実力が無いと危険だし、頑張らねーとなぁ」

 

 僕はボソリと呟くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

【イベント 魔法使いの顔合わせ】

 

 麻帆良祭当日の早朝、世界樹前広場にて魔法使い達が集まっていた。

 

 学園長の近衛先生が

 

「皆忙しい中時間をとってもらって感謝する。顔なじみの者あるじゃろうが、一部を除きここにいる者が麻帆良の魔法使いの戦力と思ってもらって結構じゃ」

 

 広場には300名くらいの人数が居た。

 

 エヴァンジェリンさんは居ないが、知り合いのナギサに聞いたところ日本で西洋魔法使いに属する者は基本麻帆良に集まるのだそうだ。

 

 日本古来の東洋魔術の本拠地は京都で関東魔法協会の会長を学園長は兼任しており、その婿が関西呪術協会の会長をしているらしく、日本の上層部は血縁で固めているらしいが、両組織の下っ端は敵対関係にあるらしい。

 

 また麻帆良が魔法使いにとって拠点の理由は麻帆良が魔力が集中するスポットで、数十年前までは日本で唯一の魔法世界に行けるゲートがあったらしい。

 

 今はゲートの対岸が不安定化してしまい封印されているのだとか。

 

 魔法世界の魔力が流れ込んでいるからなのか、世界樹があるからなのかそこら辺は分からないが麻帆良は魔法使いにとって重要な場所なのだとか……。

 

 その為魔法使いになるために麻帆良に来て学ぶ魔法使い見習いが多いらしい。

 

 今この場に集まったのは戦力として見られている魔法使いか顔繋ぎの段階に至った魔法使い見習いらしい。

 

「パワプロも戦力化は来年とはいえ、学園長から呼ばれたってことは戦力として見られているってことだ。頑張ろうぜ」

 

 そうナギサに言われた。

 

「やぁ君が赤土君だね」

 

「おはようございます高畑先生」

 

 ナギサと別れると、高畑先生としっかりと話しをすることができた。

 

 前は互いに挨拶だけしてだったので麻帆良の中で最強(エヴァンジェリンさんが弱体化しているのも有るが)の男としっかり話しをしてみたいと思っていた。

 

「エヴァさんに色々習っているようだね」

 

「はい、今は肉体強化について勉強しています! もし時間があれば高畑先生の戦い方がエヴァンジェリンさん曰く理想的になると言われたので教えていただけると幸いです」

 

「はは、ボクは魔法使いとしては欠陥を患っていてね。詠唱ができないからそれを体術と技術で補っているだけに過ぎないんだよ。君は詠唱を覚えられるのだからエヴァンジェリンさんから大出力の魔法を覚えてからの方が良い。君の場合体術は野球の筋肉を阻害してしまうかもしれないよ」

 

「き、気をつけます! アドバイスありがとうございます!」

 

 高畑先生はまさにイケオジって感じで渋くて素敵な大人だった。

 

 僕も将来ああいう感じの大人になりたいと思うのだった。

 

 

 

 

 

 エヴァンジェリンさんに聞いたが、麻帆良には巨大な結界が張ってあり、外の常識と中の常識に差がでてしまうらしい。

 

 言われてから気がついたが、世界樹の大きさもギネスに載らなければおかしい大きさをしているし、茶々丸などの人型ロボットが普通に出てくる。

 

 外と中に数十年単位の技術的格差が存在する。

 

 麻帆良を出た学生達はその結界から出て時間の経過で外の常識に塗りつぶされるらしいが、麻帆良ではおかしいというのが認識し辛いらしい。

 

 まぁ今思うと茶々丸のロボットや楓が忍者だろうという行動を体験したが、あまり不思議に思わなかったのも影響を受けているからだろう。

 

 午前中はぽっちゃり体型、糸目で幼い娘がいるという弐集院先生と一緒にパトロールをしながら魔法についてエヴァンジェリンさんに聞きにくい常識的な部分を聞いていく。

 

「ほいっと、認識阻害の魔法を使ったから魔法の話しをしても大丈夫だよ」

 

「ありがとうございます」

 

 弐集院先生は電子魔法という魔法を研究しているらしく、前線で武力行使もできるらしいが、インターネットに魔法を介入させることで麻帆良と外部の情報齟齬が出ないようにネットパトロール

 的な事を管轄しているらしい。

 

 また魔法世界との情報交換もしているのだとか。

 

「麻帆良の教師は魔法世界の魔法使い達にも劣らない武闘派と呼ばれる集団でね。科学と魔法の融合や麻帆良が悪い魔法使い……魔法犯罪者とかに攻撃されないように技術を高めているんだ。だからパワプロ君みたいに有望な生徒を魔法使い側に引き込む……スカウト名目で保護もしているけどね」

 

「保護して戦力化するとは中々な事をしますね」

 

「そうしないと日本の国防を守るのは厳しいのさ」

 

 弐集院先生は社会科の先生ということもあり、少し昔の歴史を教えてくれた。

 

 魔法世界とこちらの世界だと歴史は地球の方が浅いらしい。

 

 魔法世界だと実力者は時間すらも支配しているのに地球側では理論段階で行き詰まるほど技術に差があり、日本が関東魔法協会と関西呪術協会に分裂しているのもアメリカや魔法世界の超大国の意向があるのだとか。

 

「日本古来の魔術使い、呪術師や陰陽道の家側は第二次世界大戦時に旧軍に協力したとして一度解散させられているんだ。GHQの協力者として魔法協会が発足したからね。日本古来の人達からは侵略者は売国奴扱いなんだよね。だから関東魔法協会の人間は魔法世界から派遣された人材の息子達の世代が僕らで、孫世代がパワプロ君達の世代になるんだ」

 

「ハリー・ポッターとか見たことはあるかい? 魔法使いの才能も魔法使いの両親から産まれた子が殆どで、パワプロ君みたいにたまに違っても才能がある子が生まれるんだけどね。日本だと昔の貴族から血が入り混じっているからどこからか才能ある子が生まれるか分からないけどね」

 

 弐集院先生の話を聞いて外国人の教師で魔法使いの方が多かったり、留学生の魔法使いが多いのも留学生は半数が魔法使いの関係者なのだとか……。

 

 旧来の人材は関西に集まり、新しく魔法使いを育てているのが関東という構図だ。

 

 そりゃ才能あるならスカウトされるわなと僕でも思う。

 

 プロ野球でも焼け野原の球団再建に外部からコーチや監督招集して助っ人外国人とドラフトで有望株を育てるのと同じだからだ。

 

「魔法の存在を一般人に教えるのは厳しい罰則があるが、麻帆良の生徒に限りある程度融通が効くんだ。ここが教育機関だから麻帆良で魔法使いの常識と暴走しない魔法技術を学ぶことができるからね。なんなら師匠を見つけることもできるし……」

 

 とのこと。

 

 僕の場合彼女の鳴滝姉妹の面倒をしっかり見て、師匠であるエヴァンジェリンさんの許可があれば鳴滝姉妹にも魔法の事を教えて良いらしい。

 

「パワプロ君の場合身内になったり関係者には魔法の事を教えておいた方が良いかもね。ご両親は今から魔法を習得は難しいから下手に教えることはできないけど、ガールフレンドとかが居るなら早めに教えて修行をした方がいいよ」

 

 そう言われるのだった。




原作だと麻帆良祭の経済規模は約3億と書かれていましたが、コミケ並のお祭りなので本作では盛りました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。