「というわけで魔法使いのペコリーヌです。皆さんよろしくお願いします」
合コン後、夜のエヴァンジェリンさんとの特訓をする時に今日連絡先を交換したペコリーヌを連れて皆にペコリーヌを紹介した。
「坊やはまた女を引っ掛けてきて……ほどほどにしておけよ。刺されても知らんぞ」
「き、気をつけます」
ペコリーヌは直ぐに鳴滝姉妹と楓に近づいて話し始めていた。
エヴァンジェリンさんにも挨拶をして、仮契約を結ぶ。
会って少ししか経ってないのにキスまで行くのは凄いと思うが、魔法使いはキスへの抵抗があまりないのかもしれない……。
「ぷはぁ! 私実はファーストキスなんですよ☆ヤバいですね☆」
「ええ!? よかったの?」
「ええ、気に入った男性とできたので悔いはないですよ! それよりも本当に闇の福音のエヴァンジェリンさんなのですか? 魔法世界だとこっちの鬼とかなまはげと同じ扱いをされていますが」
魔法世界だとエヴァンジェリンさんは悪い子にしていると闇の福音に攫われるぞと子供に言い聞かせられるほど恐れられているらしい。
数百年生きている化け物なのだとか……
「その割にはペコリーヌ、貴様は怖がっている様子は無いが」
「麻帆良の結界で弱体化している状態であれば恐れる必要はないですからね! 何か起これば英雄タカミチ(高畑先生)とか魔法先生が飛んできますし」
「ほぉ~麻帆良の教師陣は魔法世界ではそこまで評価されているのか」
「ええ、旧世界の魔法使いの中だと頭1つ抜けているって評価ですね☆魔法世界の戦争でも活躍した猛者や生き残りも多いですし」
「エヴァンジェリンさん、前にも魔法世界で戦争があったと話していましたが、何年前にどれくらいの規模の戦争が起こったのですか?」
「む、そうだな……こっちの世界の第二次世界大戦くらいの規模だな。魔法世界のほぼ全ての国家を巻き込み、2つの陣営に分かれてた3年間の大戦争だ。魔法世界の総人口が12億前後であったが戦争の規模は独ソ戦並だったぞ。今は両方和解して18年だったか」
「18年……じゃあつい最近の戦争なんですね」
「その時の英雄の1人、ナギ·スプリングフィールドって方がエヴァンジェリンさんを公式記録だと討伐した事になってるんですね☆実際には封印ですが……ちなみにエヴァンジェリンさんの懸賞金額は600万ドル……約8億5000万の懸賞金首だと言えば凄さが伝わるかもしれませんね☆」
「ワンピースだとそこまでですね」
「ワンピースの億超え賞金首がリアルに居ると考えるとヤバいですね☆」
「お前らの話しを聞いているとイマイチ凄さが伝わっている気がしないのだがな……まあ良い。歓迎するぞペコリーヌ貴様も下僕にしてやるからな」
「それは嫌ですね☆まぁ魔法使いとして行き詰まっていたので強くなるために頑張る所存ですがね☆」
「よかったなパワプロ、魔法使い同士の戦いができるぞ。魔法の矢の撃ち合いから始めてみるか」
そんなこんなでペコリーヌもエヴァンジェリンさんの魔法の修行に参加するのだった。
エヴァンジェリンさんの別荘で魔法の修行もやるが、湖もあるのでバカンスもできる。
水温も丁度よく、今日は皆で水場でトレーニングをすることにした。
ちなみに湖だが砂浜もちゃんとある。
「行くでござる!」
皆水着で、水中歩行のやり方を楓が教えていた。
「水中歩行か」
「魔法使いは杖や魔法の触媒で空を飛ぶ事が出来るらしいでござるが、水場でも泳ぐよりも走った方が速いでござる。水中を素早く泳ぐ術もあるでござるから、気を魔力に置き換えて練習してみるでござるよ。イメージはナルトの水中歩行と一緒でござる」
チャクラではなく魔力を足に込めて、水に反発するようにすれば浮く事が出来る。
浮力の面積を広げる、触れている水の反発力を上げて硬い地面と同じ扱いにする、氷を張って足場を作るなど水の歩き方1つでもやり方は色々だ。
僕の場合は熱風を足から出して水上ジェットの様に移動するのが魔力の効率が良かった。
鳴滝姉妹は氷の足場を作り、ペコリーヌは水に片栗粉を混ぜるみたいに魔力を混ぜて弾力を与えるみたいな事をして水上歩行を楽しんでいた。
「水上歩行だけでも色々な方法があるんだね! ボク凄い楽しい!」
「お姉ちゃんのやり方以外の方法もためしてみよーっと!」
「あぁ! 私も試します!」
鳴滝姉妹とペコリーヌの感性がだいぶ近かった為か、直ぐに仲良くなった。
エヴァンジェリンさんは魔法は戦闘に使う物と思っているらしいが、僕からしたら魔法も技術。
使い方次第で生活を豊かにできたり武器にもなる。
魔法で料理の作り方……物を浮かせる魔法と火を灯す魔法でコンロいらずに何箇所でも料理を作る方法を編み出したり、肉に火を均一に通す魔法を開発したり、僕は自衛だけに魔法を使う気はない。
「パワプロみたいな考えをできるのは平和な時代に生きているからこそでござるな。拙者も気を使って色々できるでござるがどうしても戦闘に重点を置いてしまうでござるよ」
「うーん、僕は元々スポーツ選手を目指していますし、考え方が最初から違うのかもしれませんね」
水遊びを楽しんだら僕が料理を作って皆に配る。
勿論エヴァンジェリンさんにもだ。
「そうめんが安かったのでそうめんのレシピを色々作ってみました」
普通のそうめんにごまドレッシングのつけダレやゴーヤチャンプル風、卵で閉じたオムレツ風そうめんなんかを作ってみた。
「これ美味しい」
「美味しいです☆そうめんは安くて保管しやすいですから大量に買えるのでレシピ教えてください☆」
「これは美味しいでござるな」
皆美味い美味いと食べてくれている。
エヴァンジェリンさんはゴーヤチャンプル風が少し苦手っぽかったが、茶々丸に好き嫌いはいけませんよと言われてキレていた。
ロボットに怒られるってのび太君じゃないんだから……と心の中で思うが言わない。
一通り食事をした後はまた魔法の鍛錬に入る。
エヴァンジェリンさんが座学を教え、それを実際にやってみて体で覚えていく。
エヴァンジェリンさん的には魔導具の扱い方に重点を置いているように気がした。
何故か聞くと
「どう頑張っても短期間に実力をつけるには道具に頼ったほうが早い。自転車の補助輪と一緒だ。最初は道具を使って基礎を身に着け、道具がなくてもできるようにする。これが手っ取り早い」
そう言った。
あとは魔導具を使えば相性が悪い魔法でも一定の効果を出すことができる。
例えば僕の場合氷の魔法の矢を出すのは相性が悪くて魔力効率が悪いが、魔力と薬草や鉱石を使って錬金術を応用することで氷の魔法の矢の効果を持った瓶詰めを作ることができる。
瓶を割れば魔法が発揮されるのでいちいち詠唱する必要もなく、事前に魔力を込めているので戦闘時に魔力を消費する必要もない。
流石に瓶だとお金がかかりすぎるので捨てられたペットボトルを改良して瓶の代わりに使ったりしているが、治癒魔法もポーションみたいに携帯していたほうが良い場合もある。
魔法のこもったアイテムを作るにはその魔法をしっかり理解する必要もあるので勉強にもなる。
ペコリーヌは今までそういう風に教わってこなかったが、今のやり方はあっているらしく、今までの数倍の速度で魔法を覚えることができているらしい。
流石600年近く理論で魔法を習得してきた大魔法使いのエヴァンジェリンさんなだけある。
天才型ではなく努力型だから教え方1つ1つに意味がある。
そんな最高の教師に最初は襲われたが、教わる事ができて幸運だろう。
エヴァンジェリンさんの別荘のおかげで夏休みを僕達は約2倍の時間楽しむ事が出来るのだった。
【鳴滝風香 鳴滝史伽 長瀬楓 ペコリーヌ エヴァンジェリン 絡繰茶々丸の好感度が上がった】