※この作品はR-18です。

実況麻帆良野球   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

21 / 23
1年目9月 魔法で練習効率アップ

 魔法を使って野球の練習効率を上げたりできないかもっと研究してみることにした。

 

 物を浮かせる魔法とか残像の魔法は画期的だったが、他に無いか風香や史伽と一緒に考えていた。

 

「うーん、何か無いか……」

 

「ティーバッティングのできる浮かせる魔法、フォームを確認できる残像の魔法でしょ、魔法障壁を改良したら壁当てとかできないかな」

 

「確かに、魔法障壁の持続時間を上げて障壁の色を変えて的みたいにすれば投げ込みとかにも使えそう」

 

 というわけで早速やってみると普通に壁として使えるが、更に発展させて小さく割れやすい魔法障壁をストライクマシーンの様に9枚展開させて的あてを作ることができた。

 

 的を1枚にして動かす魔法で移動させるゲームの的あてみたいなこともできると判明。

 

 これで慣れればコントロールが格段に上がると確信できた。

 

「あとは野球ボールに発光の魔法を付与することで夜間練習ができるよね」

 

「確かにその手もあったか!」

 

 夜間の練習は照明施設が無いといけないが、ボールを発光させればそんな必要もない。

 

 魔法障壁の壁当ても合わせれば投球練習ができる時間がぐっと伸びる。

 

 そんな事を話していると楓とペコリーヌもやって来た。

 

「何を話しているのでござるか?」

 

 聞かれたので今話していたことを伝えると一緒に考えてくれた。

 

 楓は

 

「投げ物の鍛錬なら水切りが手っ取り早いでござるがそういうのじゃないでござるな……となるとこういうのはどうでござるか」

 

 そう言うと紙に書いたのは凧だった。

 

「凧ですか?」

 

「現代だとパラシュートトレーニングって言うでござるな。魔法ではないでござるがこれもトレーニングとして役立つと思うでござるよ」

 

 ペコリーヌは

 

「筋肉や成長を促す薬が手っ取り早いでしょうか? でも成長薬はもう飲んでいるのなら……目が良くなる目薬なんてどうでしょう? 動体視力が上がれば魔法使いの戦闘でも役立つと思いますが?」

 

 と、視力が上がる目薬を毎日摂取するのはどうかと言われた。

 

 魔法薬の一種としてエヴァンジェリンさんに習えば入手は可能だろうし、ペコリーヌでも簡単に作れるくらいポピュラーな魔法薬らしい。

 

「その割には魔法使いの先生ってメガネの人が多い様な……」

 

「あれ魔力総量を擬態したり、軽度の認識阻害を発生させたり、メガネが魔法の触媒になっていたりするんですよね。最近だと人気らしいですよ」

 

 ペコリーヌが教えてくれた。

 

 目の良さは野球選手だと死活問題なのでそれが良くなるならやらない手はない。

 

 エヴァンジェリンさんに作り方を聞くと戦闘能力にも直結するかと言って作り方を教えてくれた。

 

 青い容器に入った普通の目薬に見えるが、眼球疲労の解消や、視力回復効果があるとのことだ。

 

 パラシュート(凧)トレーニングも合わせて取り入れることにするのだった。

 

 

 

 

 

 麻帆良にある野球喫茶……外のスポーツバーみたいな所ではプロ野球や高校野球、大学野球の大会の映像が常に流され、野球好きの人達が盛り上がっていた。

 

「へぇこんなところがあったんだ」

 

 僕はロードワークの最中に見つけたこの喫茶に早速入ってみると、テレビのモニターがいくつもあり、野球の中継が流されていた。

 

 他には麻帆良出身のプロ野球選手サインやバット、グローブが展示してあったりと野球好きにはたまらない場所だろう。

 

「すみません、混み合ってますので相席でもよろしいでしょうか」

 

 店員さんにそう言われて相席をすることにした。

 

 席に座ると薄紫色の髪をした学生……恐らく聖ウルスラ女子学校中等部の制服の少女が山盛りのパフェを食べていた。

 

「ううん! 蜂蜜と黒蜜の虎縞パフェはいつ食べても美味しいですわ! パクパクですわ!」

 

「相席失礼します」

 

「あら、初めて見る顔ですわね……日焼けを見るに野球をやってらっしゃる方ですわね」

 

 いきなりそう言われた。

 

「わかるんですか?」

 

「ええ、私の観察眼ならお見通しですわ。失礼、名乗ってませんでしたね。私は目白オーロラ。好きな球団は堺タイガースですわ」

 

「僕は赤土球児、皆からはパワプロと呼ばれています」

 

「パワプロ君ですわね。球児とは実に野球選手向きの名前ですわね! 気に入りましたわ!」

 

「そりゃどうも」

 

「見て感じ同じ中学生ですわよね? 野球をやられているならどこのチーム所属かしら?」

 

「キューピッズです」

 

「キューピッズ……となると今リーグ2位のチームですわね。レギュラーではなくて?」

 

「補欠の補欠です。2軍とか1.5軍って言えばいいですかね」

 

「あら、それならもっと頑張らないと」

 

「何かおすすめメニューとかあります?」

 

「そうですわね……ここのメニューは値段も張りますが相応の量が出ますので定食系がおすすめですわね。秋ですし里芋とじゃがいもの芋煮定食なんてどうでしょう。美味しいですわよ」

 

「お嬢様学校の人とは思えない単語が……」

 

「聖ウルスラ女子学校に通っているからと言って全員が全員お嬢様というわけでは無くてよ」

 

「そうなんですね。てっきり喋り方的に本物のお嬢様かと思いましたが」

 

「まぁ目白に屋敷はありますがね」

 

「お嬢様じゃないですかやっぱり!」

 

「クスクス、面白い方ですこと。ささ、メニューですわ」

 

 メニュー表を渡され、僕はせっかくなのでおすすめされた芋煮定食を注文する。

 

 話してみると目白さんの堺タイガースの愛は凄まじく、堺タイガースの歴史をほぼ暗記しているし、主力だった過去の選手もほぼ網羅しているし、現役選手なら2軍も含めて把握していた。

 

 ちなみに堺タイガースはこの年のリーグ最下位を独走しており、それに触れたら不味いと直感で感じて言わなかった。

 

「もしプロ野球に行くならタイガースに行ってくださいな! 頑張って練習してください。またどこかで会いましょう」

 

 そう言って彼女はタイガースの試合が終わると同時に席を立つのであった。

 

 ちなみにタイガースは普通に負けてしまっていた。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。