6月に入り、梅雨の時期となる。
雨で中々練習ができない日が続く中、僕は料理研究会によく参加していた。
超やハカセが作る料理ロボットや茶々丸の姉妹機を見せてもらったり、四葉さんが上げてくるレシピの改良をしたりしながら麻帆良祭に向けた準備を進めていた。
勿論晴れの日は野球チームに参加して、試合に出られるようにチームの皆と頑張って練習もした。
そんなこんなで6月も中旬になり、麻帆良祭の準備期間となった。
【練習試合】
リーグ戦も終わり、キューピッズは2位で外部の大会への参加の権利を獲得することはできなかった。
なので3年の先輩達はここで事実上の引退となり、2年生で新キャプテンには水石アオ先輩が就任した。
そんなこんなで新人戦となる練習試合が行われる。
伊丹監督が今日のメンバーを発表していく。
「ピッチャー赤土、セカンド鳴滝、ショート南條、センター矢部……」
しっかり練習にもでていたので先発として投げることができるみたいだ。
打順は9番で、僕の知り合い達も下位打順に置かれていた。
「今日はよろしくお願いします」
対戦相手のアドベンチャーズで1年生ながらレギュラーになってリーグ戦にも出ていた同じクラスの神座出流がこちらに挨拶に来た。
「おっす神座出流君今日は良い試合にしようぜ」
「そうだねパワプロ君。良い試合にしよう」
メンバー表を交換して試合かいしである。
神座出流君はピッチャーで4番を打つらしい。
スパーンスパーンと神座出流君がボールを投げる。
その球は恐ろしく速くまだ中学1年生なのに140キロの直球と切れ味鋭いパワーカーブ、緩急をつけるためにパームボールも扱っていた。
キャッチャーのパスボールが多い為が、それでもバシバシ抑えられてしまう。
あっという間に攻撃が終わり、守備となる。
僕はまだ100キロの直球とストライクゾーンを4分割にした所に球を投げ込むことしかできないが、1回の守備は3者凡退で退けた。
状況が動いたのは2回の守備、4番の神座出流君が僕の投げた初球を弾き返し、センターの頭上を越えてスタンドに放り込んだ。
ソロホームランを打たれてしまい、そのままガタガタと連打を浴びて追加で1点を失い0対2、攻撃は神座出流君を攻略できずに0点のまま。
4回にも神座出流君にスリーベースヒットを打たれ、スクイズで追加点0対3、僕は6回まで投げ抜いたが、そこで投手交代を告げられた。
そのまま僕はライトに入り、試合にで続ける。
神座出流君も7回に交代し、ショートに入り、次に出てきたピッチャーは神座出流君よりも3段階くらい劣るので、南條、矢部君の連続ヒットに風香が送りバント、僕がセンター前ヒットで2点を返した。
試合は2対5で敗れてしまったが、僕は6回まで投げて被安打5、四球1、3失点、打者としては1安打2打点であった。
【経験値が貯まった 南條 矢部 鳴滝風香の能力が上がった】
「まぁしかたねーさ、よく6回を3点で抑えた。立派だったぞパワプロ」
伊丹監督から労いの言葉を頂いた。
「もっと強くなりたいです!」
「その粋は良いが、まだお前さんは中学1年生だ。体も全然できていない。体ができてないうちにパワーを付けて出力を上げても壊れるだけだからな。地道に行くのが一番さ」
「……頑張ります!」
「話しは変わるが、お前さん料理研究会にも所属しているんだろ?」
「はい」
「どんな料理を出すんだ?」
「肉饅、餃子、小籠包、炒飯、中華蕎麦ですね。中華スープも作りますが定食ですと1コインでお腹いっぱいになれると思いますよ」
「そりゃ良いわ。俺の元同僚達も来るからパワプロの所を巡ってみることにするよ」
「伊丹監督の同僚というと自衛隊の方ですか?」
「そうそう。ま、俺は任期で辞めちゃったんだけどね。他の人達は現役バリバリだよ」
「そうなんですね……」
伊丹監督や元同僚の方に喜ばれるためにも料理の方も頑張らないと……。
【イベント 新メンバー】
アオ先輩が新人戦を観て興味を持った人を何人か連れてきた。
その中に同じクラスの川角太が居た。
「川角君がいるでやんす!」
「本当だ! 川角!」
「あ、矢部にパワプロに南條も」
「お前前まで野球に興味なさげだったじゃんか」
南條の言葉に川角は照れくさそうに
「いや~なかったんだけど、アオ先輩に誘われてさ……試合見て入りたいなって思ったんだよな」
「いいじゃんいいじゃん。アオ先輩とはどこで?」
聞くとサッカーで遊んでいた時に太っているのに素早い動きをしたのが目に止まったらしい。
そのままキャッチボールをアオ先輩とすると40メートルくらい離れてキャッチボールができたので採用と言われて新人戦を観に来て楽しそうなら入ってよと言われたらしい。
「神座出流のチームと迷ったけど、アオ先輩に誘われたし、パワプロ達が居るチームの方が知り合いも多いし、楽しいかなと思ってな。今日からよろしく!」
「ああ、よろしくな!」
アオ先輩は他にも桐生ナギサという男子が入ってきた。
その男子は僕を呼ぶと
「お前と同じく魔法使い見習いだ。お前もマギステル・マギを目指しているのか?」
初めて聞く単語に逆に質問する。
「マギステル・マギってなんですか?」
「知らないのか? 立派な魔法使いって意味だ。魔法使いの殆どがマギステル・マギを目指すと師匠から教わっていたが……」
「まぁ僕の師匠はどちらかと言うと悪い人らしいので……多分マギステル・マギも嫌っているかと」
「そんな人物が麻帆良にい……たわ、エヴァンジェリンか」
「まぁその人です。僕のが魔法を教わっているのは魔力総量が多いのでより悪い人に騙されないための自衛目的ですがね」
「なるほど……一応俺の師匠はお前の所の担任の識蝕先生だ。あの人重力魔法使いだからな。中々の腕だそ」
「識蝕先生魔法使いだったんですか……」
そんなことを話しているとおーいとナギサを女子達が呼んでいた。
「なに彼女か?」
「幼馴染の柿崎美砂、椎名桜子、釘宮円だ。3人はチアリーディング部で俺だけ何もしてなかったから何かないか探していたんだ。そしたら新人戦をやっていたからな。野球好きだし入ろうかなって思ってな」
「歓迎するよ。よろしくなナギサ!」
「赤土もな」
「僕はパワプロってみんなに呼ばれてるからパワプロで良いよ」
「じゃあパワプロだな!」
【川角太 桐生ナギサがチームに加入した】