巨神聖戦記2024 108と108 ver.R-18 作:芹沢亀吉(Genbu108)
その夜生まれたままの姿の一ノ瀬と藤崎がベッドの中で身体を重ね、互いに愛を確かめ合う。数年ぶりによりを戻した2人は最早大学時代のように手を繋ぐだけでは満足出来ない。2月の寒波が日本列島を覆う中、ベッドの中の2人は全身の白い肌を薄紅色に染め高熱を発し続ける。日本列島が2つの国に分断されてもこの2人を分断することは出来ない。
「すっ、数日前に、ゆっ、夢を見たんです。 てっ、天女様と激しく愛し合う夢です。その天女様...顔が志保先輩でした。」
「そうなんだ。私も最近そういう夢見たよ。 天女様の顔が由衣だった。お互いそういう夢見るあたり私達やっぱり結ばれる運命だったんだよ。それと由衣、私に対して敬語使うのラブレターくれた時以来だね。別に普段通りタメ口で良いんだけど、初々しくて可愛い。」
ただでさえ紅潮している一ノ瀬の両頬そして両耳が真紅に染まる。
「い、今凄く変な気持ちになってて膝が勝手に開いちゃうからあそこの部分を先輩に舐めて欲しい。せっ、先輩は他の女の人の着替えとか裸見ると変な気持ちになるから、更衣室とか女風呂に入るのが辛いんだよね。で、でも 今は変な気持ちになるのを我慢する必要なんか無いよ。愛しの先輩が舐めてくれたら私も気持ちよくなれそう。」
「フフ、じゃあ可愛い後輩のお言葉に甘えて。」
藤崎に下の毛が生えている箇所をねっとりと舐められ、かつてない快感が一ノ瀬の全身を迸る。余りの気持ちよさに一ノ瀬が涎を垂らしていることに気付き、藤崎はベッド横のティッシュ箱からティッシュペーパーを1枚取り出し彼女の口の周りを優しく拭う。
「こんな、こんな時でも志保先輩はじ、自分の欲望より私への気遣いを優先してくれる。 そんな先輩が私大好き。あ、あと、口の中濯いだ方がいっ、良いと思う。ぜっ、全部終わった後で良いけど。」
仰向け状態の一ノ瀬が肩で息をしながらそう呟くと、藤崎は思わず微笑んだ。
「由衣だって今気持ち良過ぎて頭の中真っ白の筈なのにあそこを舐めた私に口濯ぐよう言ってくれたし、元々そんなに伸ばしてない爪をさっきシャワー浴びる前、丁寧に切ってたのも私のデリケートな部分を極力傷付けないためだよね。私由衣のそういう優しいところ大好き。そうだ、ここ揉んでも良いかな?」
一ノ瀬が両目を閉じ身体を小刻みに震わせながら頷くと、藤崎は彼女の身体の一部をそれぞれの手により鷲掴みにした。藤崎も一ノ瀬同様手足の爪を短く切っているため、たとえ力任せに揉んでも相手の身体を傷付けるこ とはまず無い。一ノ瀬も藤崎も心の奥底から性衝動が絶え間なく湧き出る中相手を気遣う慈悲の心を保つ。
「由衣のおっきくて、柔らかくて最高。もち肌なのもあるだろうけど揉めば揉む程気持ちいい。由衣さえ良ければこのまま一晩中揉み続けていたいぐらい。」
と言った途端に黙り込み一ノ瀬の身体の一部を揉むのを止めた藤崎は表情が暗い。一ノ瀬が事情を聴くと海外派兵された際、入浴中に上官に襲われそうになった記憶が蘇ったのだという。
その時藤崎はとっさに相手の右耳を噛みちぎり、クズ上官が怯んだ隙に銃を奪い即座に射殺しそのまま隊を脱走した。
藤崎が死亡扱いになったのはこの一件を何としてでも隠蔽したい地球防衛軍上層部の意向なのはまず間違いない。
今度は一ノ瀬がティッシュペーパーを1枚手に取り藤崎の両頬を伝う涙をそっと拭く。
「ごめん、由衣。折角良い雰囲気だったのにぶち壊しにしちゃった。」
「そんなこと無いよ。他の人にはまず話せないことを包み隠さず話してくれて志保先輩が私を特別扱いしてくれているのを再確認出来て良かったとさえ思う。愛しい人から特別扱いされるって嬉しいことだから。そうだ、私にも他の人にはまず絶対話せない秘密があって、今から志保先輩に話すね。」
一ノ瀬は深呼吸し全てを藤崎に打ち明けた。自分の父親が清仁であることも、その清仁が母を捨てたことも、清仁が巨神討伐に自分の研究を利用するため広池を介し接触してきたことも、清仁の誘いを一蹴した後1人トイレに籠りすすり泣いたことも、全て。
話し終えた途端に泣き崩れた一ノ瀬を藤崎は優しく抱きしめ一緒に泣いた。
「私なんかよりずっとずっと辛い思いしていたんだね、由衣。あのクズ3人はそんな傷心の由衣を襲おうとしていたのか、最低!全員地獄に落ちればいいのに!まあ私も今まで色んな人殺してきたから死んだ後は地獄行きだろうけど。」
先程、藤崎が荒川らの顔面を蹴飛ばしたのは死亡確認と同時に一ノ瀬を襲おうとしたクズ3人への憤りの現れでもあったのだ。そして荒川ら3人が死後地獄行きになったのは前述の通り。荒川らの生前の悪行を鑑みると藤崎 に射殺された上顔面を蹴飛ばされたのは当然 の報い、あるいは然程苦しまずに逝けたのだ からまだまだ生温いとさえ言える。
「もし志保先輩が地獄行きなら、私も一緒に地獄に行く。全身を炎で焼かれても、釜茹でにされても、針山の上歩かされても先輩と一緒にいて愛し合いたい。」
と話す一ノ瀬は既に泣き止み無邪気に微笑む。憧れの先輩に全て打ち明けて気が晴れたのだろう。
「由衣、貴方って子は。」
「そっ、そろそろ楽しい大人の時間を再開したい。さ、さっき志保先輩が私にしてくれたように、こ、今度は私が先輩のを舐めたり揉んだりしても、いいかな?あ、終わった後私も口濯ぐから。」
藤崎の無言の頷きは蜜事の再開の端緒となり、ベッドの中の2人は日付が変わるまで激しく愛し合った。蜜事の後疲れ果てた2人は 一旦洗面所に行き口の中を念入りに濯ぎ、べッドに戻るや否や身体を寄せ合い一糸まとわぬ姿のまま眠りにつく。
荒川ら3人が射殺された現場を捜査中の大阪府警は真相解明の糸口さえ見つけられずにいる。通り雨が証拠を洗い流した上、現場付近の防犯カメラ全てが停止中だからだ。女性を拉致する際、事前に防犯カメラを停止させる荒川らのいつものやり方が自分達を冥界に送った「犯人」の解明を阻む、何と皮肉な展開だろうか。
「ゴジラ接近!ゴジラ接近!直ちに準備せよ!」と音割れした音声が鳴り響き、藤崎は自分がいつの間にか服を着て太陽が照りつける砂浜に立っていることに気付いた。
藤崎の周囲には一緒に寝た筈の一ノ瀬の姿は無く、代わりにアメリカ海軍の兵士並びに将校共が居並ぶ。今の音声は砂浜に建てられた支柱の先端のスピーカーから発せられ、声の主は藤崎の背後に設営された現地司令部にてマイクを握る将校のようだ。
程なくしてゴジラが浮上して海面が大きく割れ、間髪入れずに響き渡った咆哮は先程のスピーカー音を遥かに凌ぐ。そしてゴジラの目線の先の沿岸には鉄骨が組まれ核弾頭が鎮座する。
「やはりゴジラはあちらに向かったか。では予定通りキャッスルブラボー作戦を開始する!」
現場司令官が発した号令により藤崎はここ が何処かを理解し、今自分が過去の時代にいることに気付いた。そう、藤崎は今1954年3月1日のマーシャル諸島にいて、アメリカ海軍が熱核実験と称しビキニ環礁に迫るゴジラへの熱核攻撃を実施しようとする瞬間に立ち会っているのだ。
スピーカーから秒読みが鳴り響き始めた途端にアメリカ海軍の連中は遮光板を装着し両目を覆う。そんな中、核弾頭を遠隔爆破するパラボラアンテナ目がけて駆け出した藤崎は最早自分が元の時代に戻れるかどうかなど考えていない。
「おい! アンテナに近寄るな!戻れ!」
若いアメリカ兵に取り押さえられ、藤崎は懸命に叫んだ。
「放せ!あれを止める! 絶対止める!止めないと途方もない核汚染が!」
途端にこの世のものとは思えない凄まじい轟音が鳴り響き、太陽のそれに匹敵する激しい閃光を伴い広島そして長崎に投下された原爆を遥かに凌ぐ核爆発がゴジラの巨体を飲み込む。ゴジラへの熱核攻撃が決行された瞬間である。
アメリカ海軍の将校共が巨大なキノコ雲を眺めニヤつく中、藤崎は1人砂浜に伏せ号泣し続ける。
この熱核攻撃によりゴジラが消し飛んだと思い込むアメリカ海軍の連中とは違い、藤崎はゴジラが生きていて核爆発時の膨大な核エネルギーをそっくりそのまま頂き一層強大化したのを知っている。そしてこの熱 核攻撃により第五福竜丸をはじめ夥しい放射能汚染被害が発生したことも。
間髪入れずに藤崎の周囲が砂浜からベッドの中に、藤崎を組み伏せる若いアメリカ兵の姿が優しく藤崎に抱きつきながら眠る一ノ瀬へと変化した。どうやら藤崎は夢を見ていたようだ。念のためベッド横のリュックから放射能測定器を取り出し自分が被ばくしていないのを確認すると、藤崎はスヤスヤ寝息を立てる愛しの後輩の白い背中を優しく撫でた。
「可愛い寝顔、私と違って良い夢見ていそう。」
翌朝一ノ瀬が目を覚ますと隣に寝ていた筈の藤崎がいない。昨夜蜜事を始める前に部屋の中に干した洗濯物が綺麗に折り畳まれている。戸惑う一ノ瀬ではあるもののかすかに響くシャワー音に気付き、ベッドから出て浴室へと向かう。
「おはよう、シャワー借りてるよ。洗濯物も乾いてたから全部畳んでおいた。部屋干しでも扇風機の風当てると乾くのが早いね。由衣の寝顔が余りにも可愛いから起こすに起こせなくてそのままにしちゃった。」
藤崎がいたずらっぽく微笑むと、一ノ瀬は浴室に足を踏み入れつま先立ちしながら朝の挨拶代わりに憧れの先輩と唇を重ねた。身長170cm近い藤崎はそっと身を屈め、身長160cm未満の一ノ瀬が極力背伸びせず済む よう気遣う。
「由衣の厚ぼったい唇、プニプニしてる。由衣はただでさえ両目がクリクリしてて可愛いのに、まつ毛も長いとかもう反則的。」
一ノ瀬を性欲並びに支配欲の捌け口と見做す男共がこれを言えば単なるセクハラだ。一ノ瀬と心の底から愛し合い、互いに尊重し合う関係にある藤崎に限りこの台詞が許される。
「し、志保先輩の、し、心臓の音が聞きたい。」
藤崎は発言の意図を察し両頬ばかりか両耳まで紅潮中の一ノ瀬を胸元へと抱き寄せた。 直接「私を抱いて」とは言えない一ノ瀬のウブさ、不器用さそして純真さを藤崎は心底愛おしく思う。2人がシャワーを浴びながら抱 き合う様子から運命と雖も仲を引き裂かせはしないという確固たる意志が見て取れる。
「聞こえる、志保先輩の心臓の音がよく聞こえる。」
明るいところで藤崎の身体をよく見るとあ ちこち傷跡が目立つ。聡明な一ノ瀬は行方不明になってからの藤崎が危険と隣り合わせの日々を過ごしてきたことも、今まで連絡してくれなかったのはその危険に巻き込まれないための配慮であったことも即座に見抜く。
「私は他の人に、特に男共には着替えや裸見られるのは絶対嫌だけど、志保先輩になら見られたい、かも。昨日はまだする前で明るいところで裸見られるのが恥ずかしくて別々に シャワー浴びたけど、これからは私と一緒に着替えたりこうやって一緒にシャワー浴びたりしてほしい。」
何処ぞの楠木が嫌がる他人に無理矢理己の菊門を舐めさせて楽しむなら、一ノ瀬は心から愛し合い尊敬し合える相手との文字通り裸の付き合いを満喫する。濃厚な蜜事を重視しつつ互いに相手の身体への気遣いを忘れない一ノ瀬と藤崎、この2人の関係は淫乱な女性が男性の性欲の捌け口に甘んじる18禁作品にありがちな設定の対極にあり、婚姻制度をはじめ様々な社会的秩序に断固抗う点において社会的秩序には抗わず単に男女が愛し合う最近の純愛ものとも一線を画す。
浴室から出た2人はバスタオルを手に取り互いの身体を丁寧に拭き合う。ドライヤーにより乾燥した藤崎の黒髪が肩甲骨にかかる瞬間を目にして一ノ瀬は思わず赤面した。藤崎はチアリーディング部にいた頃髪型をポニーテールにしていたものの一ノ瀬と交際する際彼女を真似て髪を短く切り、一ノ瀬と喧嘩別れしてからは再び髪を伸ばし現在は一つ結びにしている。
「へぇ、由衣は私の今の髪の長さが好きなんだ。由衣とより戻せたし前みたいに短く切ろうとも思ったけど、今のままで良いか。あと私をじっと見つめてくれるのは凄く嬉しいけど、早く服着ないと風邪ひいちゃうよ。」
手早く服を着た藤崎が髪の毛を束ねながら そう言うと、一ノ瀬は慌てて下着をつけ恥ずかしそうに微笑んだ。