【貞操逆転世界】で逆レ〇プされたい! してくれなきゃ嫌だ! 作:BIBI
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地下の拷問部屋。
「そろそろ回復したわね?」
カンデラが扉を開け、フミカに近づく。
「や、め……、て……」
ボロボロに涙を流し、恐怖で上手く声が出ない。念で自然治癒し、爪や骨は完璧に治っているが、精神的な傷まで癒える事はない。
いっそのこと死にたいと願うが、舌を噛んでも死ぬわけもない。死に掛ける度に念で体が回復してしまう。
自害する事すら叶わない状況。
もう一ヵ月もこの生活が続いている。恐怖でフミカの頭はおかしくなりそうだった。
「日本が所有している〈アーティファクト〉……。アレはどうやって得た物なのかしら。貴女は製造方法を知っているのでしょう……? そろそろ私達に教えてくれない?」
カンデラはナイフでフミカの頬に触れる。
「…………。ホントに、知らない……‼」
実際、フミカは何も聞かされず生きていた無垢な少女だ。彼女を幾ら拷問した所で何も有益な情報なんて得られない。
カンデラの情報筋自体が勘違いしている。フミカはアーティファクト製造器として、周囲に利用されているに過ぎない。
何も聞かされず、知らず知らず他人に利用されてきた。
その挙げ句、戦いに巻き込まれ、拷問まで受けている。
ずっと彼女は理不尽な目に遭い続けているのだ。
「はぁ……。まだ足りないのね……。それじゃあ――」
カンデラの目が細くなり、ナイフを持った手に血管が浮き出るほど力が入る。
その時――――。
「…………ッ⁉」
上階が騒がしい。荒れ狂う念の気配。見知らぬ気配が一つ。部下が何者かと激しく交戦している。
恐らくB級であり、たった数十秒で殆どの気配が消えた事から、かなりの腕だ。カンデラは冷静に、迅速に、「逃げるしかないか……」呟いて駆け出した。
アラネアのメンバーを殺している事から、フミカを助け出す為に来た訳ではない。それに政府側の追手であれば、キサラとセツナが必ず出てくるだろう。
となれば、アラネアと同じ犯罪者グループの一員だと考えるのが妥当な線。
つまりフミカを利用した下手な脅迫は、一切通用しない相手だ。
彼女はフミカを置き去りにして隠し通路に逃げ込んだ。
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コウヤは苦労していた、念の扱いに。
念は残量が少なくなるほど、力も落ちる。つまり戦いが長引くほど、弱体化し続けてしまい、戦いが不利になっていしまうのだ。
それ故に数十人の戦いで、念は著しく消費し、簡単に疲弊してしまう。念の強さ、ポテンシャルの高さに甘えて、念の消費を考慮できていなかった。
そういう展開になると――――勘違いしていた。
「ぎゃあああああ――」
「助けてぇ‼ 私には子供が――」
「ただ遊びたかっただけで――」
「まだ男を食い足りないのに――」
女の阿鼻叫喚は静まる、死によって。
「…………」
これでは女に襲われても返り討ちできてしまう。それじゃあ逆レイプが成立しない。バカみたいな話だが、コウヤは由々しき事態だと本気で苦悩していた。
そもそも彼の戦い方は念を巡らせ、体を強化する事。そして弾丸に念を込めるくらいである。戦い方としては、かなり念の消費は少ないのだ。
こんな戦い方では、消費より自然回復が勝ち、いつまで経っても念が枯渇しない。
「…………はぁ。どうしたものか」
数分で十数名の犯罪者達を蹂躙。地下から放たれる異質な気配を辿り、コウヤは肩を落としつつ地下に向かう。
「…………ッ!」
一瞬、びくりと体を震わせたフミカだが、コウヤの姿を見て目を丸くする。整った顔立ちというのも理由の一つだが、周囲を警戒している様子から、どうにも犯罪者達の仲間と思えなかった。
言葉には表しにくいが、とにかく穏やかな雰囲気を纏っている。
そして今、彼女は体の回復させる為に念が少し回復していた。だから上階で多くの犯罪者の命が散った事も把握しており、もしかして助けに来てくれたんじゃないかと期待を寄せてしまう。
だが――。
「……えっと? 拷問でもされてた?」
コウヤが首を傾げた。どうやら自分を助けに来てくれた訳ではないと察し、フミカは落胆する。
半泣きになり、自分でも込み上げる涙に狼狽えた。自覚していた以上に、彼に期待していたのだろう、もしかして自分を助けてくれるんじゃないのかと。
「――――ッ」
そうフミカが言い掛けた時、通気口から銃弾が放たれる。コウヤの冷たい瞳を見て、自分が何か気に障る事をしたのだと、彼女は小刻みに震えた。
先程まで人を何人も殺し、穏やかな雰囲気を漂わせていた男だ。どうしてそんな人に助けてくれると期待していたのか。
フミカが何か言い訳しようと口を開けると、後ろから銃声が鳴る。
「…………」
迫り来る弾丸を、半歩下がって余裕で躱し、「……出て来い」とコウヤは不敵な笑みを浮かべた。
「せっかく逃げたと思わせて、隠れていたのに……。バレていたのね。キョロキョロと辺り見渡していたのは、演技ね? 何か普通に腹が立つわ」
壁が崩れ煙が舞う。その奥から出てきたカンデラは、顔に青筋を立て、バチバチと腕に電流を纏っていた。
「そんだけ分かりやすく気配を漂わせておいて、隠れた気になる方が間抜けだよ」
拳銃を構え、コウヤは真剣な眼差しを向ける。
「坊や。まだまだ念を込められてない。普段練習してないんでしょう? そんな弱い念の弾丸。直撃しても私は傷一つ負わないわ」
銃弾の速度は速い。でも、それだけ。少し念が強さを半分も弾丸に込めれていない。それを戦闘技術に長けたカンデラは見抜いていた。
「良い男ね。大人しくするなら、命だけは助けてあげるけど?」
カンデラは拳銃を捨て、人差し指をコウヤに向ける。バチバチと手の周りの電流が音を立て、攻撃の準備を整う。
「――くそ……。雷かぁ……。流石に負けるかも」
冷や汗を掻いたコウヤが弱音を吐いた瞬間、銃弾を連射する。
「…………?」
肩透かしを食らい、目を丸くした。カンデラは何か特殊な効果を持つ銃弾が飛んでくると本気で警戒していた。
しかしコウヤが放ったのは特別でも何でもない。ただの念で強化された銃弾。特殊効果の気配が込められている気配は、まるでなかった。
落胆した。確かに弾丸は速い。でも、込められた念は少ない。
避ける気すら湧かない。食らっても貫通しない程度の力。
挙げ句、「――――ッ‼」コウヤは膨大な雷を直撃していた。
本当に意味が分からないと呆けた瞬間、雷が打ち消され、「…………⁉」カンデラは目を丸くした。
何が起きたのか、理解できない。
そして迫り来る弾丸を避けず、コウヤの動きから目を離さない事を優先した。これが彼女の致命的なミスだ。
弾丸が直撃した瞬間、異常に込み上げてくる性欲に、彼女は立ち眩みを覚えた。
其処で頭の回転が速い彼女は気づく、男の念は女を発情させる事を。
しかし、その思考力の高さが今回は裏目に出た。
カンデラは思考に意識が向き過ぎた結果、数発連射された残りの弾も避けられず直撃してしまった。
銃弾を何発も生身で受けた所為で、カンデラはガクガクと足が震えて膝から崩れ落ちてしまう。「……こ、こんなバカな、事が……!」と抑え切れない突然の発情で、彼女は這いつくばりながら前を向く。
「――――ッ!」
今後は強い念が込められた本気の銃弾だ。脳天を撃ち抜かれ、呆気なくカンデラは死んだ。
無残に死んだ彼女を見て、コウヤは近づかなかった。自分と近い念の強さを持つ相手に死体とはいえ、不用心に近寄るべきではないという判断だ。
何か念に特殊効果が付与されている。そういう気配を感じるのだ。教科書通りなら、死体に残った念に特殊効果があっても無害らしい。
それでも触れようとしないのは、誰か別の相手が付与した特殊効果ならば、死後だろうと発動するかも知れないからだ。
「とりあえず、外に出してあげる」
コウヤは隣で唖然としていたフミカに優しく微笑む。「…………」と戸惑う彼女だが続きの言葉が出てこなくて、とりあえずコクリと頷いた。