※この作品はR-18です。

【貞操逆転世界】で逆レ〇プされたい! してくれなきゃ嫌だ!   作:BIBI

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第19話

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 キサラだけではなく、コウヤもスーツを着用し移動する。

 

「と、飛び切りのイケメンですね……! な、何だか緊張しちゃいますね……!」

 

 いつもの黒い警察服を着て、七尾財閥の別邸まで招かれていた。セツナはよほどコウヤの見た目のが好みなのか、目を泳がせてソワソワしている。

 

「これが眼福というやつですね……」

 

 広い屋敷の食堂。セツナはテーブルの席に着いていた。

 

「手を出さない様に。レイプは犯罪ですからね?」

 

 正面のテーブルで仏頂面のキサラが、皿の上にナイフを置き、セツナを睨む。

 

「嫌がる相手に無理やりは良くないわ」

 

 いつもの無表情でフミカも追随した。そんな二人を横からコウヤは「…………」と、少し気まずそうに見ていた。

 

「し、信用なさすぎる……! 私は変な事しませんよ! 一応、私は警察ですからね? そんな事をしたら、世間で叩かれる所の騒ぎじゃありませんから! 我々の信用自体が失墜してしまいます!」

 

 実際彼女は百年近く生きているが、性犯罪はおろか、男に触れた経験すら殆どない。ゴリゴリの処女を拗らせている。

 

 というか、この世界だと男は金に困らない。だから美人は男に極端な蔑視される場合が多く、中々相手にされないのだ。

 

 セツナに限った話じゃなく、この場に居る女は全員整った容姿なので、多くの男から忌避されて生きている。

 

 処女を拗らせても無理はない話だ。

 

「「…………」」

 

 あまり信用して無さそうなキサラとフミカは、ジト目をセツナに向けている。

 

 彼女達はどういう心境で人を疑っているのだろうかと、コウヤは隣で呆れていた。

 

「コウヤさんは信用してください……。私、ほんと今まで男性に変な事した経験ありませんから……」

 

 涙目で必死にセツナはコウヤを見る。百年近く生きるババァとは思えないほど、仕草や声が可愛らしい。というか見た目も少女にしか見えず、コウヤは年齢を聞いても、にわかには信じ難かった。

 

「何も疑ってませんよ……。それより僕に相談したい事って何ですか?」

 

 無駄に格好よくスーツを着こなしたコウヤは、食事の手を止めず尋ねた。無駄にステーキが美味しくて、さっきから食べ続けている。

 

「どうせ一条テンリの始末でしょう?」

 

 分かり切っているという様子で、キサラは溜息交じりに決めつけた。

 

「……え、えぇ。やっぱり、お見通しですか……。まぁそうですよね……」

 

 セツナも否定せず、気まずそうに頬を掻く。

 

「一条テンリって世界最強の超能力者とか言われている、あの……?」

 

 教科書で見たと、コウヤは食べる手を少し止めてセツナを見た。

 

「そうです……。彼女はちょっと、強すぎて、少し困っていまして……。コウヤさんの協力があれば倒せるんじゃないかなぁーって」

 

 モジモジと両手の指を合わせつつ、セツナはコウヤをチラ見する。男を戦いに巻き込む事はある種の禁忌として扱われている国も多い。日本もそうだ。

 

 しかしセツナとしては、そんな常識を無視しても彼を戦力に加えたかった。

 

「……その人、キサラさんより強いんですよね……。その時点で、僕が何の役に立てか分からないんですけど……」

 

 キサラに一瞬で負けた自分に何ができるかと、コウヤは自信なさげな表情を浮かべ、ナイフで丁寧に肉を切り分ける。

 

「コウヤさん。超能力は相性ゲーですよ。相性さえ良ければ、格上すら倒せます。確かにキサラや私がテンリに挑んでも、一瞬で殺されるでしょう。でも貴方は違います」

 

 キラキラした目でセツナは言う。

 

「…………。その、テンリさんって悪い人なんですか?」

 

 ふとした疑問。コウヤは率直に尋ねた。

 

 セツナはピタリと笑顔が固まり、「…………」少し黙る。

 

「問題はあるかも知れませんが、善人寄りでしょうね」

 

 横からキサラが口を挟む。それを聞いたトウマは「じゃあ、協力できません」と、一言。あっさりと、短く断った。

 

「…………。フミカさんが殺されるかも知れません」

 

 凄く深刻そうな表情でセツナは言う。上目遣いでコウヤの様子を伺い、何か小動物的で可愛らしい仕草だ。

 

「セツナ。嘘を吐かないでください。テンリはそんな無意味な事しません。無理やり巻き込みたいからって、平気で嘘を吐くのは貴女の悪い癖です。そういう事を続けているから信用を失くすと自覚しなさい」

 

 セツナのぶりっ子に蔑む視線を向けるキサラ。彼女はある程度、テンリと話した機会があり、会話が成立しない程の狂人という印象はなかった。

 

 寧ろモラルを欠いた者ばかりの超能力者の中では、かなり道徳を重視するタイプだと考えている。

 

「フミカさんの引き渡しに応じなければ、恐らく街の一つは消滅させますよ」

 

 これは本音であり、実際に起こり得るとセツナは考えている。

 

「其処まで彼女を追い込んだのは、我々です。いざとなれば、話し合いで済ませるのが無難でしょう。普通に貴女が腹を割って洗いざらい話せば納得してくれるかも知れません」

 

 二年前の日本側の不義理や無礼が原因だった。テンリを含めたイギリスの強行は仕方ないとキサラは考えている。

 

 彼女はセツナの事情も知っているので、日本側も難しい状況なのは理解していた。しかしフミカやコウヤが巻き添えを食らうリスクは取りたくないのが本音。

 

 それ故にセツナが正直に、アーティファクトの歴史を語る事が最も望ましい。

 

「……話すリスクが高すぎますよ」

 

 セツナはキサラほどテンリを信用していない。隠し事の多い彼女は、テンリみたいな妙に勘の良い相手を嫌っている。

 

 こればかりは理屈じゃないのだろう。たとえリスクが高いとしても、テンリに止めを刺せる勝ち筋が有るなら、それの道を選びたいと考えていた。

 

「テンリには部下が大勢います。仮に失敗すれば貴女だけではなく、コウヤも死にます。関係ない彼を巻き込むべきではありません」

 

 至極真っ当な指摘。キサラは鋭い眼光でセツナを睨む。

 

「えー!? 巻き込みましょうよぉ! こんなに強いんですよぉ!」

 

 眼光など意に介さず、子供っぽくセツナは抗議した。台に手を突き、コウヤを指差す。

 

「…………。貴女のそういう所が嫌いなんですよ」

 

 他人を巻き込む事に、何の躊躇もなく罪悪感も薄いセツナに、キサラは苛立つ。

 

 セツナは年寄りという事もあり、少々礼儀に疎い。S級相手だろうと、ズカズカと他人の物に手を出す。

 

 キサラがどれだけコウヤを庇っても、奪う気満々だった。

 

「何か話を聞いていると、街一つは潰れるの確定みたいなんですけど……」

 

 恐る恐るコウヤは呟く。モグモグと肉を食べる手を止めず、淡々を切っては食べを繰り返している。

 

「貴方が協力してくれたら、街どころか、家一つ潰れず済むかも知れません! ど、どうですか? 国同士の都合で、関係ない人が死ぬんですよ? 心が痛みませんか?」

 

 正義感や慈悲に訴えかけるセツナ。目を輝かせ、何の罪悪感も感じさせない。清々しいほど利己的な性格を剥き出しに説得を続ける。

 

「コウヤ。気にしなくていい。私達と共に逃げましょう。逃げれば済む話です。今の彼女は念で身体能力を殆ど強化できていない。逃げるくらい簡単です」

 

 如何に最強の超能力者とはいえ今は弱体化済みだと、キサラはセツナほど危険視していない。

 

 ただ逃げれば済むだけでいい。相手にするだけ損だと、彼女は割り切っていた。

 

「逃げた場合は、フミカを寄こせと、街を一つずつ潰されますよ! どうか私に付いてきてください! 一緒に日本を守りましょう!」

 

 グイグイと熱く説得するセツナ。彼女の正義感が本物だろう。でも少し怪しくて、危うい何かを感じさせる。

 

「…………じゃあ僕は――――」

 

 気軽な口調でコウヤは肉を切り分けながら、今後の方針を決定した。

 

 

 

 

 

 

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