【貞操逆転世界】で逆レ〇プされたい! してくれなきゃ嫌だ! 作:BIBI
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高層のマンション。
鍵を開け、玄関に入るルカ。戸惑いを隠せない様子で、「どういう事……?」と、首を傾げてチグサを見た。
気配で帰ってくるのは分かっていたチグサは、「一応言っておくと、兄さんから念を鍛えたいって頼んできたから……」と、コウヤの背に隠れた。
「それは本当。後、変な勘違いしているかもだけど、襲われてないから安心して」
コウヤが疑いの言葉を掛けられる前に教える。実際はちゃんとしっかり襲われて、中出ししまくっている訳だが、彼に自覚は全くない。
「そうよね……。チグサは真面目な子だし、勿論信じてたわ」
コウヤが嘘を吐いた様子も見て取れず、ルカは短く嘆息して安心した。内心では九割くらいチグサが我慢できず強姦したと推測していたが、それを言葉にはしなかった。
「でも……、本当に変わったのねぇ……」
B級に片足突っ込んだ念の強さを指しているのではなく、ルカはコウヤの性格が豹変したに驚いていた。
人とはこんな簡単に変わるものなのか。そういう気持ちも残るが、男と関わった経験のない彼女では、息子の成長に詳しくない。
こんなものだと言われたら、そういうものかと納得してしまう。何せ思春期に入って口を利いてくれない息子の話なんて、耳に胼胝ができるほど聞いている。
その経験から、逆の現象があっても不思議ではないと感じてしまうのだ。
「……まぁ、毎日鍛えていたからね」
念の話をされていると思ったコウヤは適当に返し、「これからチグサは東京に帰るらしいしさ。後は母さんにナイフと銃の扱いを教えて欲しいんだよね」と続ける。
「……別に構わないけど、何で強くなりたいの?」
ルカとしては基本護衛対象である男が鍛えるのは賛成だ。護衛される側であろうと、最低限の護身術は身に付けるべきだと常に考えていた。
ただ、長年コウヤは女嫌いを拗らせ、運動も毛嫌いしていた。そんな彼が今さら強くなりたがる理由が分からなかった。
「何でって? 最近物騒でしょ? 〈アラネア〉だとか、凶悪な犯罪者グループが居るらしいから、身を守る術を身に付けた方が良いかなーって」
コウヤは最近ニュースで知った知識で適当に誤魔化した。
本当は戦いの中で念を消費して、弱体化する事で女に襲われやすい状況を作りたい。そう考えていたが、正直に話す訳にもいかない。
「なるほどね。それもそうね」
納得のいく理由であり、普通にルカは安心する。護身術を身に付けたい理由として、かなり平凡であり、健全だ。
悪い事に興味を持ったり、正義感が芽生えて警察になりたいとか、そういう理由であった場合は協力できなかった。
非行や危ない道に進ませたくないが、あくまで身を守る為ならルカとしても安心できる。
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イギリスの都市。一際高層のビルは警備が厳重だった。
何せ此処に住まうは国の最高峰戦力、一条テンリである。比類なき強さ故に日本で迫害され、イギリスに拾われた才能。
世界最強と名高い超能力者。彼女は此処で静かに暮らしている。
「残念ながら〈アラネア〉に動きはありません」
高級感ある内装だが、案外庶民的というか狭い。これは銀髪をハーフツインテールに結んだ小柄な少女――ツムギの都合だ。
彼女はあまり人が好きではなく、家事は全て使用人の手を借りず自分で行う。それ故に広い部屋だと手間が多くなる。
だから狭い部屋を好み、テンリに生活水準を合わせて貰っていた。
「ね、姉様……。もう諦めましょう……。そんな体で戦うなんて……」
ツムギは暗い表情でペットボトルの珈琲をカップに注ぐ。そして八割くらい牛乳を注いでいた。微かに珈琲の味がするくらいが、好みなのだろう。
「…………。まだ、大丈夫よ。見た目ほど大した痛みじゃないから、安心しなさい」
ツムギと同じ髪型をした中背の少女――テンリはソファで苦しそうに声を出す。
世界最強と名高い彼女だが、今は何の気迫も感じられなかった。綺麗な顔立ちで、万全の状態なら凛々しい印象が強かっただろう。
しかし今の彼女は体中を黒い文様――〈呪い〉に蝕まれ、常に激痛が走っている。体は少しずつ死に向かい、もう限界は近いだろう。
「フミカさえ見つければ、恐らく、私達の〈呪い〉は解けるはず……。この機会を逃す訳にはいかないのよ……」
テンリは知っている、フミカが特別な存在だと。S級なんてチープな存在とは訳が違う。二年前の戦争で、彼女はフミカの異質さを感じ取っていた。
その異質な気配は、本来は人に感知できない。しかし、テンリの様に飛び抜けた〈感知能力〉を持つ者は例外らしい。
人には感知できない神聖な気配が異質過ぎて、テンリには寧ろ感知しやすかった。
仮に〈アラネア〉を見つければ、近くに居るであろうフミカの居場所を感知できるはずだ。その自信があった。
だからこそ彼女は〈アラネア〉の行方を探っていたのだ。