※この作品はR-18です。

ARR-another rain route-   作:のあむ

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 約束のマッサージをする夜。先日自分の布団で自慰をされた仕返しに、尻のマッサージをレインに提案する甲。意外にも受け入れられ、甲は下心を籠めて施術を行なうが……。
 第八章『彼の匂いと私の匂い』のおまけ話です。
●この小説はpixivにも投稿しております


『八章のおまけ』

ARR-another rain route-

『八章のおまけ』

 

 引き締まった背中へそっと指を滑らせ、擦り上げると。切なさを帯びた吐息と、甲高く甘ったるい声音が響いていった。

 

「んっ……はあっ……んあぁっ……う、ん……ふぁあっ……」

 背骨の両サイドをさすりながら圧をかけ、多裂筋をほぐしていく。風呂上がりから少し経った頃。俺はベッドの上で寝そべらせたルームメイトに、先日約束したマッサージを行なっていた。

 今日はこの前とは違うタイプのマッサージを施してみたところ、お嬢様は大変ご満悦らしく。

 

「ん……あっ……や、あんっ……んぅっ……うっ……はぅっ……」

 先ほどから躊躇(ためら)うことなく、淫靡(いんび)な喘ぎ声を上げ続けている。邪魔にならないようレインは髪を両耳の下で緩く結び、薄手の長袖Tシャツとルームパンツという装いで施術を受けていた。

 気持ちよさそうに大人しくしているレインを見ると、若干罪悪感を抱いてしまう。先日の行ないに対する罪滅ぼしをさせるため、ここは心を鬼にして、とある提案をすることにした。

 

「……レイン。今日は“尻”もマッサージしてみるか?」

「えっ……?」

 ハッと、息をのむような気配。うつぶせになってもらっているために、その表情を見ることはできない。辺りの空気が、緊迫したものへと一変したのを感じ取る。

 

「んっ……お、お尻……あっ……ですっ、か……甲、さぁん……?」

 マッサージを続けながら会話をしているため、返事に嬌声が含まれていく様がなんともHだ。まあ、わざとやっているんだけどな。触るたびにエロい声を出してくれるから、本当に楽しくてしょうがない。

 あとなんか、これって寝取られ電話みたいだな……。上機嫌になって背に圧をかけると、そのたびにレインの身体はピクピク震えていく。

 

「ああ、尻だ。肩・背中・腰・太ももと揉んでいて、尻だけ抜かすのは不自然だろう?」

「そ、それはぁっ……あ、あんっ……」

 さすがに断られるかもしれないと思いつつも、やましいことはないのだと、真剣さを含ませた声色で答える。レインの細い背中をいやらしい手つきでさすりながら、いかがわしい行為の許可を求めていく。

 この間レインが俺のベッドで行なったことに対し、まったく咎めないわけにはいかないと、俺は考えていた。あの時は眠いのに中々勃起が治まらなくて、本当に大変だったんだぞ!?

 っていうか、自分の布団でオナニーされてなんの文句も言わないやつなんているのか……? 挑発するように眼前に投げ出された、形のよいふっくらとしたお尻をにらみつけ、背中を撫でていく。

 

「んっ……それ、気持ちいいですぅ……」

 あの日は一日中眠気をこらえて講義を受け、地獄の訓練をなんとか乗り切ったことが記憶に新しい。

 

「あっ……んぁっ……わかり、ましたぁ……」

「……マジで?」

 細めた目が自然と見開き、視線がレインの尻から頭の方へと移動する。本当に受け入れられるとは思っていなかったため、つい本音がこぼれてしまった。仰天しつつも、手はレインの背をすりすりと撫で回し続ける。

 

「は、はい……んっ……私、も……う、んっ……。甲さん、にぃ……お尻も、マッサージしていただきたい、と……はぅ……。思っていました、のでぇ……」

 恥ずかしいのか。顔を見せないように、前を向いたまま。胸の下に敷いた俺の枕をぎゅっと両手で握りしめ、レインは喘いだ。

 

「……わかった」

「それではお願いします、甲さん……」

「それじゃあやり方を調べるから、少し待っていてくれ」

「は、はいぃ……」

 性的嫌がらせになってしまうことのないように。しかし手はレインの身体から離さず、マッサージを継続したまま嬌声を上げさせ続け。

 

「あぁっ……気持ち、いいっ……」

「…………」

 レインの心地よさそうな声が部屋に響く中。俺はこの前と同様に、ネットで尻マッサージの方法を検索することにした。

 

「まずは横向きになって、太ももに枕を挟んでくれ。頭の下に置く枕とは別のやつだ」

 ざっと倍速でマッサージの方法に目を通した後、レインに必要な指示を送る。

 

「わかりました。それでは自分の枕を持ってきますね」

「頼む」

 胸の下に敷いていた俺の枕は、頭部の下に置かせ。それとは別個の、必要となった枕を自分のベッドから運んできてもらった。

 

「こうですか?」

「ああ、そんな感じだ」

 こちらに背中を向けて寝てもらい、太ももで枕を挟みこむ姿勢を取らせていく。横になった状態だと筋肉が張ってしまい、指が入りづらい。そこで枕をももの間に置くことにより、筋肉を緩ませて指圧しやすい状態にするというわけだ。

 

「それじゃあ始めるぞ」

「はい。お願いいたします」

 早速レインの豊満な尻へ右手を伸ばしてポンと軽く叩いた後、むぎゅっとつかむ。……柔らかい。

 

「きゃあぁっ!」

 網膜透写した映像に合わせて、レインの尻をポンポンと軽く揉みながら触っていく。

 

「あっ……ふあぁっ……! 甲さん……そんな、触りかたっ……やぁあんっ……!」

 しつこく。何度も探るように。大きな尻をかき撫でる。

 

「ごめんな。まずはこうやって、股関節の出っ張った骨を探さないといけないんだ」

 鍛えられてはいるが、男の身体とは違って硬くはなく。ムニュムニュとした、なんとも言えない感触に心地良さを感じる。最近は気温が上がってきたため、全体がメッシュになった通気性のよいルームパンツをレインは好んで穿いていた。

 それがだいぶ薄手のものだということもあり。ズボン越しとはいえ、直に触っているのと変わらないほどの触り心地を俺に与えてくれている。

 

「わ、わかり……んあぁっ……まし、たぁ……!」

 これはセクハラでもなんでもなく。殿筋群のマッサージ。その最初のステップとして、必要な行為だった。動画を見ながら尻を触っていくと、ビクビクと身体を震わせ反応するレインの様子がなんとも可愛らしい。

 

「んっ……や、んんっ……! あっ……そこ、ダメですぅ……うあぁっ……!」

 映像を参考にしながらやっているせいか、正直に言うと――ムダな動きが多い。必要以上にレインの尻を触っているという自覚が、俺にはあった。だが動画の動きをそのままトレースしているだけで、実際はまったくもってやましいことはしていないのだと。

 

「こ、甲さぁん……!」

 自分に自信を持って。レインの豊かな臀部を、何度も何度も。右手で押していく。……今日穿いてるパンツ、裾にフリルがついているタイプだな。ズボンが薄いと、こんな風にギャザーの凹凸までわかってしまう。

 もしかしてこれ……この前のひもパンか!? 期待を籠めてさりげなく探るように触れていくと、リボンの結び目らしき小さな盛り上がりを確認する。よっしゃあっ!

 空いていた左手で小さくガッツポーズを取って喜びを表現し、作業を継続していった。……やはりここか。尻肉の奥、骨の硬い感触が手に伝わる。どうやら俺は、股関節の外側の最も出っ張った骨を探り当てたようだ。

 本当は、最初に触れた時点で気づいていた。だが映像のとおりにしていたために、三十秒以上も余計に触っていたことは、レインにナイショだ。

 

「んっ……んうぅっ……!」

「気持ちいいか?」

「は、はいっ……んぁっ……気持ち、いいですぅっ……!」

 レインは頬を赤く染めて恥じらいつつも、嬉しそうに返事をしてくれた。相変わらずHなやつだ。本当にこんなことしていいのかと、少しだけ疑問が頭に浮かびながらも。両手でレインの引き締まった尻の側部をつかみ、指圧していく。

 

「あぁんっ……いいっ……!」

「へへっ……」

 気分がよくなって頬が緩み、変な声が口からこぼれていく。きっと今、俺の顔面は見るに堪(た)えないものになっていることだろう。……よし。こんな風にマッサージをしながら、レインのお尻の感触を思う存分堪能していくことにするか!

 

「あっ……あんっ……甲さぁん……!」

 オラオラッ! この前睡眠不足になった俺の恨みを思い知れ! こうして怨念を籠めて、俺はレインの柔らかな尻を撫で回し、弄んでいった。

 

◇ ◇ ◇

 

 少し経つと、厚みのある臀部を指圧しているせいか、段々と指に疲労感を覚え始める。……そうだ、アレを試してみるか。指でなく肘で押してもいいと動画には書いてあったため、レインの尻に右肘を当て、押していく。

 

「ひゃあっ!? こ、甲さん……まさか、肘でマッサージしているのですか……?」

「ああ、動画に肘を使うのもいいと書いてあったんだ。尻は分厚いから、ずっと指圧していると指が疲れてかなわん」

「た、たしかに……う、んっ……指とは違う、刺激が伝わって……んあっ……ああっ……いい、ですぅ……!」

「ははっ……」

 なんつーか。これ、いいな……! 女の子のお尻を、肘を使って堂々と触れていき。あまつさえ、触った本人に礼まで言われるという爽快感。

 

「くっくっくっ……」

 最高の気分になり、自分でも不気味だと思うような笑い声が、口から勝手に出ていってしまう。

 

「き、気持ちいいですっ……んぅんっ……! お尻のマッサージって、こんなに心地よいものなんですね……ふぁああっ……! クセになって、しまいそうで……んぁああんっ……!」

 どんな風に感じているのか、気になって顔を覗き込んでみると。快感に集中するためだろうか。

 

「はあ、ぅっ……はあっ……あぁあっ……!」

 レインは息を荒げながら目をつぶり、胸の前で右手を握りしめ。やわらかな双丘が、ぐにゃりと押しつぶされてしまっていた。

 

「……っ」

 これ以上見るのは、マズい。本能的に危機を察知して“ヤツ”が起き上がる前に目を逸らすことにした。……さて、ここからが本番だ。レインの脚をつかみひょいと持ち上げ、自分の両脚でレインの股間をまたぐ姿勢へと変える。

 燕返しのような。松葉崩しのような。「モノが入っていないだけで、もうこんなのセックスだろ!?」と言いたくなるような体勢を取っていく。

 

「きゃっ!? あ、あの……甲さん……なにを……?」

 襲われるとでも思ったのだろうか。突然脚を開かされたことに驚き、リラックスした状態から打って変わって身を硬くしてしまうレイン。こちらを向き、少し怯えた視線を注いでいる。

 その瞳に若干の期待が含まれているように見えるのは、俺の見間違いではない気がした。

 

「こうやって脚を持ち上げて、筋肉が緩んだ状態でマッサージするんだよ」

 マッサージとは、なんとも便利な言葉なのだろう。もはや俺の中で、女の子に触れる行為を正当化するための最強のワードとなった、マッサージ。まあ、うそは言っていないから別にいいよな。

 本人も気持ちよくなっているんだし。

 

「そうでしたか……ごめんなさい……少し、驚いてしまいました……」

「いや、別にいいさ。こちらこそ、驚かせてごめんな」

 焦った表情を見せつつも、レインはすぐに安心した顔へ戻っていった。……でもレイン。そうやって、あからさまに両胸を隠すなよ。病院にいた頃みたいに、乳首を弄られるとでも思ったのか?

 まったく、ひどい勘違いだぜ。思い違いされるようなことをしていると重々承知しているが、実際に身構えられると少しショックを受けてしまう勝手な俺。……でもまあそうだろうな。

 お前以外の女にこんなことをしたら、確実に平手打ちを食らうと思う。だがこれはマッサージに必要なことだから、断じてセクハラなどではない!

 

「はあっ……はあ……ん……ぅん、あっ……はうっ……! ん、んっ……はあぁっ……う、んっ……いいっ……!」

 このマッサージはかなり気持ちがいいらしく。レインは息を荒げて快楽に身を任せ、嬌声を上げていく。快感へ集中するため徐々に目蓋を閉じていき、やがて目をつむりその身体をゆだねていった。

 

「……っ!」

 このアングルヤバいな! 松葉崩しと完全に一致してやがる! 互いに着衣とはいえ。主観のAV(アニマルビデオではない)でしか見たことのないアングルで眺める女体に、俺は大興奮していた。

 

「えっ……? 甲さん……この状態で、太ももをマッサージされるのですか……?」

「ん……太もも……?」

 問い掛けに疑問を覚え、視線をレインの脚の方へ向けると、そこには。

 

「なっ……!?」

 ああっ!? いつの間にか立ち上がった俺のやんちゃ坊主が、ズボン越しにレインの右ももへしがみついてしまっていた。

 

「……ごめんごめん。ちょっと俺の脚が当たっちゃったんだよ」

 少しだけ、身を引く。いたずらをした愚息を引きはがし、大したことはないのだと。軽い調子でレインに謝る。

 

「そうですか……? それにしては、少し小さくて硬かったような……」

「い、いいから続けるぞ! ここがいいんだよなっ!? オラァッ!」

 目を開けて振り向こうとしたレインをごまかすように、尻を指で触れ、体重をかけて刺激していく。

 

「やぁあああぁんっ……! あっ……んあっ……ふああぁあっ……! そ、そこっ……いい、ですうぅっ……!」

 レインは大きく喘ぎながらすぐに目を閉じ、再び快楽に耽(ふけ)り始めた。

 

「ふへへっ……」

 こうして俺はマッサージを隠れみのとして、女の子の身体を堂々と触る変質者と化し。不気味な声で時折笑いつつ、施術を取り行なっていった。

 

「はあっ……はぁっ……んっ……はあぁっ……あっ……はぁっ……」

「…………」

 上下する胸。ぷるぷると震える身体。マッサージを終える頃。レインは前回よりもさらに恍惚とした表情を浮かべ、横たわっていた。ルームパンツがこの前より薄くなってるのはわかる。

 でもお前、いくらなんでも感じやす過ぎだろ……。たしかに下心を抱えていたけどさ。俺、一応マッサージをしただけなんだぞ……? 自分が生み出したルームメイトのあられもない姿に苦笑しながら、そんなことを考えた俺なのであった。

 

◇ ◇ ◇

 

 ……今日もまた、こいつは自慰をするのだろうか。そうぼんやりと考えつつ。先ほどの出来事で生じた欲求を解消するため、俺は照明が消えて真っ暗になったベッドの上で、ルームメイトが寝静まるのを待っていた。

 

『はあっ……はあ……ん……ぅん、あっ……はうっ……! ん、んっ……はあぁっ……う、んっ……いいっ……!』

 マッサージ中の切ない喘ぎ声と、施術後の快楽に満ちた瞳がふと思い返される。……こいつは、やるな。俺のシーツに、あんな痕跡を残すほどのオナニーをした女だ。絶対に、やる。

 そう思ったのも束の間、頭上から布の擦れ合うかすかな音が耳に入り、そして。

 

「んっ……んあんっ……ふあぁっ……!」

 早くも熱に満ちた声がささやかれ始め、驚愕する。早ぇな! 今日は最初からフルスロットルかよ!? まだ電気を消してから五分くらいしか経ってないよな!?

 たしかにここへ来た当初は疲れていて毎日すぐに寝てたけど、お前は俺のことを布団に入ったらすぐ眠るガキだと思ってないか!?

 

「こ、甲さぁん……あんっ……ぅ、ん……んぁあっ……!」

 クセになってるのはわかるけど、他のやつを思い浮かべてるくせに俺の名前を呼ぶなよな! まったく、今日もルームメイトがいるのに同じ部屋でオナニーしやがって!

 ……まあ、俺もなんだけどさ。脳内でつぶやきながら、枕の横に置いたティッシュを静かに引き入れる。布団を頭の上まで被り、ズボンを下ろし取り出した息子を握った臨戦態勢を取っていく。さあ、やるか……!

 今回は一切我慢などせず、最初からレインをオカズに自慰をしてやると心に決めていた。人の布団で勝手にオナニーしたんだ。自分がオカズにされても文句は言えないだろう。

 そんな俺のやる気を削ぐかのように。レインに合わせて男性自身を擦り始めた途端、上から聞こえていた喘ぎ声が控えめになってしまった。

 

「んっ……あむっ……んんっ……ぅ……」

 ん……? なんで急に声を抑えているんだ? 怪訝に思いつつ、モノをしごく手は止めない。

 

「ぅ、ん……んむっ……んぅ……むぅう……」

 あんなに最初はハッスルしてたクセに、急に大人しくなりやがった。クソッ。これじゃあトイレで抜くのと大差ないな……。むしろAVを視野透写していない分、刺激が足りないぜ……。

 バレるかもしれないというリスクを考えると、このままだと萎えてきちまいそうだ……。焦りを感じ、冷や汗が出始める。敏感でデリケートな俺の息子は、少し元気をなくしてしまっていた。

 

「ちゅっ……んふっ……むうぅ……んちゅっ……んん、ぅっ……んうーっ……!」

 なんだ……? 口になにか入れてるような……。吸っているような……。時折キスに似た不可解な音が混じる大人しめの嬌声が、静かに頭上から響き始めていた。

 

「……っ!」

 手でモノを擦ったまま、俺は瞬時にひとつの気づきを得た。まさか、これは――セルフ乳吸い!?

 

「んんっ……ちゅうっ……む、うぅ……んあっ……うぅーっ……!」

 間違いない。この、乳首を吸った時に出るような音。一定以上のバストサイズがないとできない、淫らなテクニック。それをあの清楚なお嬢様が。この部屋で。俺の真上で。

 たった今、行なっているだとぉ!? Tシャツを首の下までまくり、露出させた胸を持ち上げ。ちゅうちゅうと。自身の乳首へ夢中になって吸いついているレインのイメージが、強く頭に浮かんでいった。

 

「うっ……!?」

 ティッシュを取る暇もなく。衝撃と同時に訪れた強烈な興奮で一気に限界を超え、布団の中へと放たれる、うめき声と迸(ほとばし)り。マジかよ……最悪だ……! 突如として快感と不快感でいっぱいに満たされ、脳内がぐちゃぐちゃにされてしまう。

 

「くっ……うっ……」

 ティッシュへ手を伸ばす間にも、布団カバーは自身の濁流で汚されてしまう。ああクソッ! 手に取ったティッシュで、慌ててぶちまけてしまった射液を拭いていく。

 

「んっ……ううっ……んちゅっ……んむ、ぅ……んんっ……!」

 こちらの惨状などつゆ知らず。ルームメイトは自慰に勤しみ、官能に酔いしれている。出しきった蛋白液を拭う間も、淫らな声が頭上から聞こえてくる。力を失ったはずのモノは、みるみる内に起き上がっていく。

 

「……はあ」

 どうせ明日カバーを替えるんだ。掃除はこれくらいにして、再開するか……! ため息をつき、すぐさま気持ちを切り替える。俺は再び男性自身を握り耳をそばだてて、お嬢様の喘ぎ声に集中していった。

 

「ちゅぅっ……んーっ……んうっ……う、ん……むぅーっ……!」

 お前は相変わらず、乳首を刺激するのが好きなんだな。病院で胸を愛撫してやった時の快感に満ちた表情、絶頂の際の声を思い出しつつ。耳へ入る声に合わせて、モノをリズミカルにしごいていく。

 

「くっ……うぅっ……」

 ああ。これじゃあまた、すぐに果ててしまいそうだ。先ほどのマッサージの際に触れたレインのしなやかな身体の感触や、匂い。それらが頭に思い起こされ。レインの声とともに、自慰の快感を増幅させていく。

 

「ん……うっ……んちゅ……んっ……んむっ……んんうぅーっ!!」

 どうやらレインは、俺よりも先に達してしまったらしい。一際強く喘ぐと、ベッドのパイプがかすかに震え始め、レインの絶頂を伝えてくれた。

 

「んっ……はあっ……はぁっ……ぅ……はぁあっ……あっ……」

「はあっ……はぁっ……!」

 この前より、ずいぶんと早いな。……やっぱりさっき、俺に尻を触られて興奮していたなお前っ!? オルガスムス後の熱に満ちた呼吸音が聞こえてさらに気持ちが高ぶり、レインと同様に高みへと昇りつめていく。

 

「……きもち、いい」

 ぽつりとささやかれた、短い言の葉。たった一言だが。それはあまりにも甘く、情欲で満たされており。

 

「あっ……!?」

 ずぶりと――それは俺の性欲の深い所まで突き刺さり、刺激していった。

 

「くっ……あぁっ……!」

 沸き起こった凄まじい快感と同時に情けない声がもれ、再び布団へと吐射液をぶちまけてしまう。先ほどの反省を活かし、なんとか左手でつかんだティッシュに残りのザーメンを吸わせていく。

 

「はぁっ……はあっ……」

 レインに気づかれてしまわぬよう。荒くなった呼吸をできるだけ抑えるため、肩に口を押しつける。

 

「ふーっ……ふーっ……」

 二度も布団に精液を放ち汚してしまったというのに。俺の頭に浮かんだ想いは、先刻レインがつぶやいた言葉と、同一のものだった。すっげぇよかった……。まさかこんな間近で、女の子がセルフ乳吸いをする様子を聞けるだなんてな……。

 最初は普通の喘ぎ声が聞こえなくて残念だったが、乳首を吸う音と気持ちよさそうな喘ぎ声がエロ過ぎて、この前より抜けたな……。おかげで二度も布団にぶちまけちまったじゃねえか……。

 まったく、なんつーHなオナニーをするんだ、お前というやつは……。ぐっと、右手の親指を立て。心の中で自分の淫らなルームメイトへと、文句と称賛を籠めたコメントを贈っていく。

 

「ふう……」

 焼け石に水だと思いながらも。レインに見られた時、少しでも不自然さを隠せるよう、カバーに付着した白濁液を拭っていく。しかしこうして後始末を始めた俺を、さらなる驚きが襲いかかっていく。

 

「あっ……はあぁ……んっ……甲さぁん……もう一度、お願いします……」

「ぉっ……」

 おかわりぃっ!? 思わず声を出しかけるが、とっさに両手で口を覆った。……あ、チンコ触った手で口に触れちまった。

 

「んっ……んあぁあっ……あんっ……! やっ……それ、きもちいい……ですぅっ……!」

 レインは先ほどと一変して激しく喘ぎ、いやらしい水音を鳴らし始めた。うぁああああああああぁあっ! 二回戦かよ! うそだろぉっ!? しかもすっげぇぐちゅぐちゅ音が聞こえてるから、今度はクリイキじゃなくて中イキする気かお前ぇ!?

 いつの間に覚えたんだよそんなもん! ……もしかして、この前のって。甘酸っぱいシーツの残り香。それを作ったのは、この激しい自慰行為だとしたら。

 

「あんっ……ふぁあっ……すごく、いいっ……! 甲さぁんっ……もっと、してくださいぃ……!」

「…………」

 返事の代わりに。おのずと、手が息子を握っていく。――凄く、オナニーが捗った。

 

◇ ◇ ◇

 

「甲さん。昨日カバーを替えましたのに、今日もまた取り替えられるのですか?」

「ああ。昨日交換した後、布団にジュースをこぼしちまってな。それでだ」

 夜が明けた休日の朝。俺は朝一で布団からカバーを外していた。普段は休日に布団カバーを替えることを習慣にしているが、昨日は涎をつけてしまったため、いつもより一日早く取り替えていたのだった。

 

「そうでしたか。でも甲さん、ジュースなんていつお飲みになられたのですか?」

「――っ!」

 背後からかけられた問いに、動揺する。

 

「昨日お部屋でお過ごしになった際は、お茶やお水を召し上がっていたと記憶しているのですが……」

「よ、夜中に起きた時飲んだんだよ。無性に飲みたくなってな」

 できるだけ声が震えないよう平静を装いつつ、適当な理由を述べていく。そんなにいつも俺のことを見てるのかよ、お前は……。思わず背筋がぞくりとする。少しだけ、レインのことが怖くなってしまった。

 

「なるほど。ですが甲さん。お布団の上でジュースをお飲みになるのは、あまりよろしくありませんよ? 次からはちゃんと、椅子に座ってお飲みになることをおすすめします」

「あー、わかってるって」

 レインに背中を向けたまま、そっけなく返事をする。眉間にシワが寄り、自然と唇を噛みしめていく。お前は俺のお袋かっての。羞恥により、次第に頬が熱を持ち始めるのを感じる。

 ……本当はジュースじゃなくて、ザーメンをぶちまけただなんて。そんなこと、言えるわけないだろうが。

 

『はあっ……はあ……ん……ぅん、あっ……はうっ……! ん、んっ……はあぁっ……う、んっ……いいっ……!』

『あんっ……すごく、いいっ……! 甲さぁんっ……もっと、してくださいぃ……!』

 不意に。昨夜のマッサージと自慰の時のレインの表情や声が、頭によみがえっていく。

 

「ふっ……」

 ……本当に、Hなルームメイトで困っちまうぜ。苦笑しつつ、母親のようなことを言う同い年の女の子を相手にしながら。こうして朝から面倒くさい作業を行ない、休日の朝が過ぎていくのであった。

 

『八章のおまけ』

終




●あとがき
 漫画にするつもりでネタを書こうと尻マッサージのやり方を調べたら、あまりにもエロ過ぎて筆が乗ったので、とりあえず小説にしてみました……。
 もっと画力が上がったら、その内漫画にもするつもりです。
 マジで尻マッサージはあんな内容でめっちゃエロくてびっくりした!
 調べればわかるけど、本当にあんななんだって!
 なんかもう、自分でも書いていてエロを書いているのかギャグを書いているのか、よくわからなくなってきました……。
 これってどっちなんでしょうかね……?

 小説だけでなく絵や漫画の描き方も勉強していてとても忙しいので、連載ペースがゆっくりですいません……。
 最近はレイングッズを買い揃えて飾ったり遊んだり。
「明日アップする!」って言って駿河屋でレイングッズのレビュー書きまくったりして、それもあって遅くなりました……。
 こんなにペースが落ちるとは思わなかった……。
 でも毎日レイングッズに囲まれて楽しくて、小説の執筆力は上がっているし……。
 頑張って勉強しているかいもあって、ほんの少し絵が上達したので、この調子でいきたいと思います!

 今描きかけのレインのミニキャライラストを描き終えたら、原作レインルートアフターのコスプレえっち話を投稿する予定です。
 そのお話は『レインルートR18短編集』という新しいシリーズ作品として始めるつもりです。
 投稿する際は活動報告と各種SNS等でお知らせします。
 あと先日『R18文章サンプル詰め合わせ』にそのメイド服えっちネタの冒頭を追加しました。
↓pixivの『R18文章サンプル詰め合わせ』
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=23770849
 この前ネタ募集したんですが、最後まで大体書けてしまいました……。
 たぶんいないと思うんですが、もしもネタを書いてくださったかたがいらっしゃいましたら連絡ください!
 対応しますので!

 その次は電子戦の本を読んで、電子戦基礎理論学習用テキスト回を書いて載せます。
 ネタが書けなかったらそのまま連載をお休みして、絵を描いたりたまにえっち話を投稿しつつ、原作をプレイすることとします。
 クリアしたら連載再開するつもりです。
 そんな感じでいくのでよろしくお願いします!
 抱き枕カバー最高!

今回『君を手にかけるくらいなら』を先行掲載しましたが、書き上げ済みの次回『一日の長』も今読みたいですか?

  • 我慢できないから今アップしてくれ
  • 何年でも待てるから今はアップしないでくれ
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※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。