ひょんなことから同級生たちと同棲することになり、楽しいからいいやと油断していたら毎晩毎晩大変なことになった 作:松木ユキ
「センパイ、お風呂ありがとうございました」
「おう、上がったか」
柊から借りたパジャマを身に纏い、菜摘が脱衣所から姿を現した。眼鏡もかけているから、なんだか昔の頃の姿を思い出すな。結局、菜摘は今日から俺の家に住むことになった。とりあえず今日はこのまま寝てしまい、明日から必要な物を実家から持ってくるそうだ。
「そういや、菜摘の分の布団がなかったな」
「あー、ソファとかでいいですよ」
「いやいや、そんなわけには」
いくらなんでも、女の子を居間のソファで寝させるわけにはいかないだろう。かといって予備の布団があるわけでもないしなあ。その時、背後から柊が耳打ちしてきた。
「あの、春くん」
「どうした?」
「……私、どうしたらいいですか?」
「え?」
「だって、その……菜摘さんもいるのに、春くんと寝るわけにはいかないじゃないですか」
「……たしかにな」
柊は一人で寝られないということをすっかり忘れていた。じゃあ、菜摘が柊の布団で一緒に寝れば――とも思ったけど、二人は今日が初対面だもんな。いくら同性とはいえ、初めて会った相手と一緒に寝るのは流石に変だろう。うーん、困ったな。とりあえず菜摘の方を解決しないと。
「菜摘、俺がソファで寝るよ。代わりに俺の布団で良ければ使ってくれ」
「えー、そんなの悪いですよ!」
「いいからいいから、大丈夫だって」
「じゃあ私、センパイと一緒に寝ます!」
「はっ!?」
「えっ!?」
予想外の言葉に――俺と柊は同時に声を上げた。菜摘はさも当然といった感じでいる。柊は慌てて口を開き、抗議している。
「ちょっとちょっと、なんでそんなことになるんですか!?」
「だってセンパイが可哀想じゃないですか! 一緒に寝れば解決ですよ!」
「だからって、その……いいい一緒に寝るっていうのはどうかと思うんですよ!」
お前が言うなよ。
「えー、別に良くないですか? センパイだって嫌じゃないですよね?」
「……」
「春くん、何も言わないなんてズルいよ!」
「わ、分かったよ。えーと、その……」
「一緒に寝ますよね、センパイ?」
「どうするの、春くん!?」
柊と菜摘が同時に迫ってきて、今にもぶつかりそうだ。こんな美少女二人に迫られるなど、男の夢みたいな状況だが――実際に体験してみると困るだけだな……。俺は半分ヤケクソになりながら、二人に告げる。
「あ〜〜もう、分かったから! 三人で寝るぞ!!」
「「ええ〜っ!!?」」
二人は驚きの声を上げたあと、落胆したのであった――
***
「じゃ、おやすみ」
「おやすみなさい、春くん」
「おやすみ、センパイ!」
結局、俺たちは三人で川の字になって寝ることにした。流石に布団一枚では狭いので、柊のも合わせて二枚の布団に三人で寝ている。俺が真ん中で、柊が右、そして菜摘が左側にいる。もう電気も消して部屋を暗くしたので、あとは寝るだけだ。
「……ねえ、センパイ」
「なんだ?」
「センパイの布団、何か臭いませんか?」
「えっ!?」
菜摘は俺の布団をくんくんと嗅いで首を傾げていた。……そりゃ、潮だのなんだのをぶちまけた布団が臭わないわけないよなあ。これでも一応洗濯したんだけど。
「き、気のせいじゃないか?」
「ふーん……まあ、別にいいですけど」
ふと柊の方を見ると、向こうを向いて知らんぷりをしている。おい柊、お前が出したものだろうが! ……などと怒っていると、菜摘が掛け布団を引っ張って自分の方に寄せていた。
「なんだ、寒いのか?」
「はい、ちょっとだけ……」
「どれ」
「ひゃあっ!」
俺が菜摘の手を掴むと、たしかに手先が冷えているようだった。これではかわいそうだ。俺は手で擦るようにして、菜摘の手を温めてやる。
「せ、センパイ……」
「少しは温まったか?」
「はい。ありがとうございます……」
暗くてよく分からなかったが、菜摘の顔は少し赤くなっているようだった。おっと、いかんいかん。高校時代のくせでつい世話を焼いてしまったな。
「……菜摘さんには甘いんですね」
「!」
その時、背後からなんだか低い声が聞こえてきた。声の主が誰かなど、今更確かめる必要もない。
「彼女じゃないとか言ってたくせに……」
「だから、ただの後輩だって……!」
俺は菜摘にバレないよう、小声で柊に弁明した。しかしそれでも納得しないようで、頬を膨らませてむくれている。おいおい、頼むから寝かせてくれよ……。
その後はしばらく無言の時間が続いた。どうやら二人とも寝たみたいだな。俺もさっさと寝て、明日の講義に備えないと――
「センパイ、ちょっと失礼します……」
「えっ? あっ、うん」
隣からもぞもぞとした揺れを感じ、俺は左を向いた。どうやら菜摘が布団から出ようとしているらしい。多分トイレだろうな。
菜摘は部屋から出て行き、静かに扉を閉めた。これで、俺は柊と二人きりになる。と言っても、特に何かあるわけでもないけどな。
「――春くん」
「ちょ、柊!?」
……そう思っていたのだが、柊という人間は少しの隙も逃さないらしい。俺は頭をぐいっと引っ張られ、右を向かされる。そして次の瞬間――俺は唇を奪われていた。
「んんっ!?」
驚く間もなく、柊はさらに舌先を絡めてくる。昨日と変わらぬ、甘くて頭がとろけそうになる唾液の味。一気に柊に主導権を握られてしまい、俺はされるがままだった。
「ぷはあっ。春くん……ね、いいですよね?」
「何言ってんだよ、菜摘が戻ってくるぞ」
「大丈夫ですよ。……バレないようにしますから」
「ちょっと、本当に」
柊は俺のズボンに手を突っ込み、ごそごそと竿を探していた。……そういえば、マンションの前でもちんちん触ろうとしてたもんな。もしかしてずっと我慢してたのか?
「ふふ、まだ柔らかい」
「……柊、お前本当に昨日まで処女だったの?」
「な、何を言うんですか!?」
恥ずかしくなったのか、柊は慌てて俺の言葉を否定していた。しかしその行動とは裏腹に、柊は手でゆっくりと竿を上下に擦り始める。最初はぎこちなかった柊の手つきも、徐々に手慣れたものになってきた。亀頭を柔らかく刺激する柊の手つきに、俺は本気で焦り始めた。
「ちょっ、やめ」
「えー、春くんだって気持ちよくなりたいですよね?」
「だから、菜摘が」
「大丈夫ですよ。心配しないでください」
「お前、いい加減に――」
しろよ、と言おうとしたところで扉が開いた。菜摘がトイレから戻ってきたようだ。しかし柊は竿を擦るのをやめようとせず、それどころか手の動きを加速させていく。
「センパイ、起きてるの?」
「……」
俺が柊の方を向いているものだから、菜摘も違和感を覚えたようだ。気づかれないように、なんとか息を殺して耐える。柊は掛け布団に隠すようにして、上手に俺の肉棒をしごいていた。
「なんだ、寝てるのか……」
菜摘はどこか残念そうに布団に戻り、さっきと同じように寝転がる。俺は菜摘に背中を向けながら、柊を止めようと小声で必死に説得していた。
「だからやめろって!」
「いいじゃないですか。どうせ菜摘さんは寝ちゃいますよ」
「あのなあ」
「それに……いい加減、私を見てくれてもいいじゃないですか」
「えっ?」
「春くんが菜摘菜摘って言ってるものだから、寂しかったんですよ……?」
柊は空いた手で俺の手を掴み、そっと自分の股間へと持っていく。俺の手はそのままズボンの中に引き込まれてしまった。すると――指先から、湿った感触が伝わってきた。
「おまっ、なんでパンツ履いてないんだよ!」
「昨日の今日で、買う暇が無かったんですよぉ。それより……春くんも触ってください」
「……」
柊は変わらずしこしこと俺の肉棒を擦っている。柔らかくてすべすべな手と、心地の良いリズム。止めなければと分かってはいるが、だんだん心が昂っていくのがはっきりと感じられた。
「あっ……」
「声、抑えて」
……俺は我慢できず、右手をそっと柊の秘部に潜らせていた。濃く生い茂る陰毛をかき分けていくと、ぬるりとした感触のヒダが現れる。愛液がよく分泌されていて、柊がどれほど肉欲を蓄えていたのかはっきりと分かった。
「やっぱり変態だな」
「んーん!」
柊は声を我慢するようにして、必死に首を横に振っていた。左手で自らの口を抑え、右手では男根を刺激し続けている。掛け布団がもぞもぞと動き、衣擦れのような音がしていた。
「あっ……んっ……」
「柊……」
俺と柊は向かい合うような姿勢になり、互いの性器を触り合っていた。そういや、一昨日はこんな初々しい感じだったよな。……それが昨日はあんなド派手にやっちまったけど。
「んっ……んんっ……」
「声大きい」
「んっ……」
俺はさらに指先を膣内へと進めていった。ここのざらざらしたところが弱点だったよな。あんまりやると菜摘にバレそうだから、気をつけないと。
「んんっ!?」
「やっぱりここか」
「んっ、んんっ!」
柊は必死に口を抑え、顔を真っ赤にして拒んでくる。もう自分のことしか頭にないのか、俺の竿を擦るのはやめてしまったようだ。身体をぴくぴくと震えさせ、気持ちよさそうによがっている。
「ほら、イけよ」
「んんーっ!」
首をぶんぶんと横に振る柊に対し、俺はどんどん指の動きを加速させていった。波打つ粘膜に指の腹を擦りつけ、腹を抉るように刺激していく。
「んんっ、んっ……!」
「柊……!」
「センパイ……?」
――菜摘の声がして、背筋が凍るような思いがした。俺は慌てて手を止め、何事もなかったかのように寝息を立てるふりをする。柊は手で口を押さえたまま、必死に声を堪えていた。
「やっぱり起きてる……?」
「……」
「……」
俺たちは何も言わずに、ただ菜摘が関心を失うのを待つしかなかった。……よし、なんとか気づかれなかったみたいだな。やっぱり菜摘が寝ている横でこんなことをするなんて無理が――
「えへへ、せーんぱい」
「!?」
そう思ったのもつかの間、今度は菜摘が背中から俺のことを抱きしめてきたのだ! ノーブラなのか、小ぶりな柔らかい胸の感触がダイレクトに伝わってくる。その強烈な刺激に――少し柔らかくなっていた俺の肉棒が、再びむくむくと立ち上がろうとしていた。
「センパイと同棲……ふへへ」
菜摘が今どんな顔をしているのかは見えないが、すごくニヤニヤしてそうだということだけは分かる。一方、目の前の柊はなんだか不満そうな顔をしていた。コイツから見れば、俺が菜摘に抱きしめられて勃起したように見えたのだろう。
「……」
すると、柊はずりずりとこちらに歩み寄ってきて――俺の竿を、自らの股間で挟み込んでしまった。俺は背後から菜摘、目の前から柊に近距離で挟まれる格好になってしまった。
「……!」
「しー……」
菜摘がすぐ後ろにいる以上、小声すら出すことが出来ない。俺はアイコンタクトで止めるように促したが、柊は人差し指を鼻に当てて「静かに」と伝えてきた。そのまま性器を擦りつけるようにして、柊は自らの腰を前後に振り始めたのである。
「んっ、んんっ……」
「あっ、ちょ……」
声を出せないとは分かっているが、思わず吐息が漏れてしまう。ちんこ全体がぬるぬるとした感触に包まれており、ローションのようで気持ちが良い。
「センパイ……」
「!!」
背後では菜摘が胸を押し付けてくる。……わざとではなく、寝ぼけているようだが。しかしその刺激で俺の肉棒はさらに硬くなってしまい、柊は少し複雑そうな表情をしていた。
「……むー」
「いてっ」
柊は俺のほっぺをつねり、不満そうな声を漏らした。しかしそれでも性欲は抑えられないらしく、腰を止めようとはしていない。それどころか、どんどんその動きを加速させていった。布団のもぞもぞとした音が大きくなってきたので、俺は菜摘に気づかれないかとヒヤヒヤしている。
「あっ、んっ……」
「柊……」
柊は両方の脚でがっちり俺の肉棒を掴んでおり、その圧力が快感となって脳を刺激していた。力強い太ももと、ぬるぬるを生み出す柊の愛液。相反するその二つが、今までにない刺激を生み出していた。
「んっ、んんっ……!」
柊もぷるぷると体を波打たせており、快楽に身悶えているのがはっきりと伝わってきた。俺も亀頭を蜜で包まれているせいで、限界が近づいてきている。
「おれ、出るっ……」
菜摘にバレないよう、俺は口パクで柊に伝えた。すると柊は竿を挟むのをやめて、右手で再び上下に擦り始める。いかにもフィニッシュさせる気といった感じの速い手つきで、柊は俺から精液を絞り取ろうとしていた。
「やばっ……!」
柊は左手で竿先を押さえており、これから出るものを受け止めてくれようとしていた。粘液で塗れた柊の右手に耐えきれず――俺はオーガズムに至り、大きく腰を波打たせた。
「あっ……!」
「ひゃあっ……!」
俺は声を出しそうになりながら、男根から熱いものを解き放った。柊は両手で竿を包み込み、優しく受け止めてくれている。
「あ、あったか……!」
予想より多かったのか、柊も驚いたような声を出していた。俺は長い長い射精を終え、ようやく虚脱感に襲われる。……菜摘の目の前で、柊の手の中に射精してしまった。
「ふふ、春くんの……!」
「お、おい」
気づけば、柊は自らの目の前に両手を持って来て――白濁液を愛おしそうに眺めていた。そして手首にまで飛び散ったそれを、一滴も逃すまいとして丁寧に舌で舐め始める。
「……おいしい」
「……」
コイツ、昨日まで処女だったんだよな……? 本当に信じられないな。
「……春くん、私トイレ行ってきます」
「あ、ああ」
「覗かないでくださいよ?」
「?」
そう言うと、柊はすたこらと布団から出て行ってしまった。そういや、菜摘は――寝息を立てているし、寝てしまったみたいだな。何はともあれ、バレなくてよかった。ほっと安心した俺は、射精した疲労もあって、そのままぐっすりと眠りについてしまった――
***
「今日は一限からだったよな?」
「はい。春くんは?」
「俺もだ。全く嫌になるよなあ」
翌朝、俺たちは三人で食卓を囲んでいた。柊が作ってくれた朝食を摂りながら、他愛もない会話を交わす。そうだ、菜摘の予定はどうなのかな。
「菜摘は?」
「えっ!? あっ、私も一限です……」
「? そうか」
……今日の朝から、なんだか菜摘の受け答えがぎこちない。いつもの陽気なテンションがどこかへ行ってしまい、気まずそうにしている。
「菜摘、どうかしたのか?」
「いえっ、本当に何でもないんです。……あっ、用事があるので先に行ってきます!」
「な、菜摘!?」
「柊さん、残してすいませんでしたー!」
そう言って、菜摘はあっという間に食卓を去っていった。残された俺と柊は顔を見合わせる。
「菜摘さん、どうかしたんですかね?」
「さあな、分からん」
俺は柊に返事をしつつ、コーヒーを飲んだ。そう、この時は――まさか菜摘のあんな姿を見ることになるとは、想像もしていなかったのである。