やはり八幡の性春マジカルチンポはまちがっている。 作:ぷうち☆りん
しかしまあ……俺には一生縁がないとばかり思っていたロイヤルホテルのナイトバーに入ることになろうとは。
「キョロキョロとしないでくれるかしら田舎企谷くん」
いきなり五寸釘ばりの釘を雪ノ下から刺されてしまう。いや、それを言ったら雪ノ下も田舎者って理屈になるのではないか?
……いや黙っておこう。下らん口喧嘩をするためにここに来たワケじゃないからな。
それにしても……。
「ヒッキー、髪が乱れてる」
「お、おう……」
髪型を変えてレッドワインの様な色合いのパーティドレスを纏う由比ヶ浜は大人びて見えた。いや、背中とか丸見えになっているし! どこのKANーSENだって話だよな。
ともかく、川なんとかが勤めるというナイトバーに入った俺だがまるで異世界転移した様な気分だった。
溢れ出るハイソな雰囲気に先祖代々由緒正しい平民である俺には敷居が高いどころか壁の幻覚まで見える始末。
「坊さんでもやってりゃ……ここで引き返す事も出来たんだがなァ」
「ヒッキー、時々何言っているのか解らなくなる事があるよね」
流石に某グラップラーネタは通じなかった。護身完成ならず。
「おい、川崎……さん」
「申し訳ありませんが、当店ではそうしたサービスは応じかねます」
バーテンダーの川崎に呼びかけた途端ソルティドック……もとい塩対応をかまされた。いや、そういうサービスを期待したワケじゃねえから! そこまでガツガツしてない……ワケでもないが今はその時じゃないって事位わかるって!!
「クラスメートに顔も覚えられていないなんて筋金入りねステルス企谷くん」
「ど、どうも〜……」
「雪ノ下に……由比ヶ浜? で、何の用?
わざわざそんなのとデートってワケじゃないでしょ?」
「まさか。私はそこまで慈善活動に興味がある性質じゃないわ」
川崎はつっけんどんな物の言い方で、雪ノ下は相変わらずの物言いである。
二人の討論なのに俺が何故巻き込まれているのか……もう由比ヶ浜と帰っちまおうかな……。
「お前の弟がな、姉ちゃんの帰りが遅いって心配してたぞ」
「はあ……大志のヤツが余計な事を。
どうも周りが小うるさいと思ったらアンタらの仕業だったんだ……。大きなお世話だからもう関わってこないで」
俺も出来ればそうしたいのだが奉仕部に加入させられた以上そうもいかない。
『全然(実績)足りねえじゃん!!』と平塚先生に詰められるのは勘弁願いたい。
いや、実際そんな事は言わないで
『では身体で払ってもらおうか』とこってり二重の意味で搾られるのは目に見えている……。ん? それならある意味ご褒美ではないだろうか……? よし、帰ろう。
「それはどうかしら? シンデレラの魔法が解けてしまうのは午前0時と決まっているけれど貴方の場合は今ここで解けてしまう事になりそうね」
トラップカード発動! とでも続けそうな枕詞と共に雪ノ下が仕掛けるが川崎はなんのそのだ。
「……魔法が解けたんなら後はハッピーエンドが待っているだけなんじゃないの?」
「それはどうかしらね、人魚姫さん。貴方に待っているのはバッドエンドだと思うのだけれど……」
なかなかブラックなジョークを言いやがるな雪ノ下も……。泡となって消えるってお前な……。まあ、相当肝が太いって言いたかった事にしておこうか。人魚だし雪ノ下は人を食ったような女だし
(ねえねえ、ヒッキー……ゆきのんとサキサキ、さっきから何を話してるの?)
(俺達の年じゃ今の時間働けねえだろ。 だから雪ノ下は川崎に年や経歴ごまかしてんじゃねーの? って言いたいのさ)
(あ……そっかあ)
相変わらず人が良いな由比ヶ浜は。 年や経歴誤魔化すなんてそう簡単なモンじゃねーよ。フツーは労基やら国が怖いから実家に確認の電話をした後、お祈りメールを転送して終わりだ。なのにそれをしないって事はよっぽど人手不足か、或いは……。
「川崎は人魚姫じゃなくて赤ずきんかもな……止める気はないのか」
「は? アンタまで何言い出してンの? 止める気? 勿論ないよ」
剣もほろろな対応だった。まあ、そうだろうな。すると俺に続いて由比ヶ浜が口を挟んだ。
「あのさ、川崎さん。私もお金ない時はバイトするけど、年や経歴ごまかしてまではやらないかなあ……」
「別に。アタシはお金が必要なだけ。
アンタらに迷惑かけてるワケでもなし。放っといてくんない?」
「いや、弟から俺等に相談がやってきた時点で迷惑はかかってるんだが……というか小町にアプローチしている時点で大迷惑がだな」
つい、ぼっちなのに本音を出してしまう。
するとキッ、と鋭い視線を向けられた。
「何? あんたシスコンなの? 気持ち悪い……。頼むから近づかないで。あと、あたしは別に遊ぶ金欲しさに働いているワケじゃないから。そこらの馬鹿と一緒にしないで」
ゴミを見るような目付きで川崎は言う。
動機が高潔だったら入ってくる金も高潔になるって言うのか? アホくせえ。金に色が付いているワケじゃなし。 お前はどこの裏金政治家だよ。わざわざ金を払ってまで開き直ったヤツの世迷言なんざ聞きたくねえんだ、こっちは。 俺が人生をナメているならお前は世の中の悪意をナメすぎだ。
そんな俺の心の機微を水商売を始めたものの察しの良さか、川崎は見抜いた様だ。
見抜いたからといって俺の考えを肯定するはずもない。
「大体さ、偉そうにしてるけどアンタらあたしの将来のためにお金でも用意できんの? あたしの親が用意できないものをアンタが肩代わりできる?」
「あ、いや……それはその……」
「だったら黙ってな由比ヶ浜」
「その辺りにしておきなさい。それ以上吠えるなら……」
「ねえ雪ノ下。アンタの親、店長から聞いたけど県議会議員で知事選にも打って出るんでしょ? そんな余裕のあるヤツにあたしらの生活の事なんて解るワケ?
奉仕部だか何だか知らないけど金持ちの自己満足と道楽のためにあたしを出汁に使うのは止めてくんない?」
雪ノ下がショックを受けたかの様にグラスを落としたが俺がキャッチするや否や由比ヶ浜が立ち上がって川崎に食ってかかった。
「ちょっと! ゆきのんの家の事なんて、今は関係ないじゃん!」
そうだ、由比ヶ浜はこういうヤツだ。
優しくて、温かい。冷たいヤツは何時だって傍観者だ。いい事をするでなし、悪いこともするでなし。 物事が確定したのを見切ってからああだのこうだのと岡目八目からの居丈高な振る舞い……。
俯瞰的に見るとどうしようもないな俺らってヤツは。……いや今のは主語がデカいな我ながら。
「今日は水入り……と言った所で帰ろうぜ」
ー
雪ノ下を介助する様に送る由比ヶ浜を見やりながら俺は川崎に改めて用件を話す。
それはそうと……殊の外脆いな雪ノ下は。
「川崎。大志の事で話がある。明日の夕方、時間くれ。夕方5時に駅通りのモック。用件は来てから話す」
「ちょっと!」
雪ノ下が気になったので俺は川崎の返事も聞かずに足早に去ろうとした。所が……。
「お金、足りないんだけど」
……マジすか。雪ノ下、いや部長。
俺の代金は払ってくれてないのか……。
俺は自腹を切るハメになるとは思っていなかったが持ち合わせ、足りるかなあ……。
財布を開くと邪神様がまた幾らか入れてくれた様で見覚えのない万札が2枚入っていた……。ベガスで勝ったのだろうか。 ともかく俺は支払いを済ませてホテルの入り口に戻ったのだが……。
あ ん の じ ょ う 雪ノ下の姿は無かった。 タクシーも自腹かよ……泣きたい。
と、凹んでいた所にポン、と叩かれた。
ま、まさか補導か!? などと怯えながら振り向くとそこには見知った顔があった。
「平塚先生……?」
「……こんな場所で奇遇だな比企谷」
いやホントびっくりですよ。何でこんなところにいるんですか?
「夢でお告げというか……。ほら、マンガなんかでいるだろう? ピカーッと眩く光るギリシャの偉いヤツや偉くないヤツが着ているアレを着た神を名乗る不審者がだな……」
邪神様め、平塚先生まで巻き込んで……どういうつもりだよ。
「というのは冗談だ。雪ノ下からメールが来てな。キミの送迎と川崎のバイト先を見つけたから指導してくれとな」
「いや、ドレスコードに引っかかりますよ今のそのラフな恰好じゃ」
今の平塚先生の恰好はTシャツにジーンズというナイトバーどころか深夜のドン・コルネオによくいるヤンキースタイルだった。
これじゃ門前払いされるどころか不審者として警察呼ばれちゃいますよ? マジで。
と言うか雪ノ下らしくもないな。平塚先生を頼る様なメールをするなんてさ。
「成程そうか。確かここのバーは2時に閉まるから四時間程時間があるな……♥」
「そうスね。時間があるんで先生の家で仮眠しましょう。エッチは今日の所はなしで」
「な、なんだとっ!?」
いやそんなショックを受けんでも……。
まさか川崎の件が終わる前にセックスして体力を消費するワケにもいかないし……。
そんなワケで渋る先生をなだめ透かし、なんとか仮眠を取る事にした……。
ー
「ねえ……比企谷……比企谷……」
「ん……?」
仮眠中の俺に誰かが呼びかける……?
比企谷って呼ぶ事は先生か?
いや、先生の声ではない。呼びかけてきたのはなんとあの川なんとか……もとい川崎だった。 何が、どうなってる?
「ありがとうね。比企谷」
……誰だこの人? さっきの川崎とは別の人間じゃないのって位態度が軟化してる?
柔軟剤使った? 戸惑う俺に対して川崎は目を細めてくすっ、と笑う。嘲笑や侮蔑ではなく純粋な好意に満ちた笑顔だった。
「あのさ、あたしアンタの事誤解してたかも。スカラシップの事とか職場の事とかも解決してくれて……。正直言って最初の頃は嫌いだったけど今は違う。アンタの事、好きになりかけてるかも」
「え、ええ?」
混乱していると川崎は俺の首筋に腕を回し、そのまま抱き寄せた。そして唇を近づけてくる。
「ちょ、ちょっと待った! 何するつもりなんだよお前……!」
「何って……セックスだけど?」
いやいや! いやいやいや!! うら若い乙女がそういう事言っちゃいけません! しかも俺とお前はついさっき出会ったばかりじゃねえか! なのにいきなりセックスとかおかしいだろ! いや、俺も男だからしたくないとは言わないけどさ! 夢だ! これは邪神様の見せている夢だ!!
しかし川崎はしゅるしゅると服を脱ぎ捨てて下着姿になると俺の手を取り、自分の胸に触らせた。
うおっ、柔らけぇ! いやそうじゃなくって! ああ、でもこの感触、本物としか思えない! 現実だ! 夢じゃない! じゃあ何だ!? ここは何処だ!? 混乱する俺を余所に川崎はどんどん行為を進めて行く。俺のズボンを脱がすとトランクス越しにペニスをさすり始めた。
「凄いね……♥こんなに脈打って、大きく膨らんで……♥これで由比ヶ浜や平塚先生を自分のオンナにしてるんだ……♥」
そ、そういう言い方すんな! あと先生は関係ねえだろ! あ、いや、あるのかな? 俺が動揺している隙に川崎は自分のブラを外すと胸をさらけ出した。形の良い大きな胸がぷるん、と揺れて俺の目を釘付けにする。
ヤバい、理性が飛びそうだ……!
「ふふっ、あたしの胸見て興奮してくれたんだ……♥嬉しいよ、比企谷……♥」
「も、もっと自分を大事にしろよ!」
「大事にしてるって。だからアンタに処女あげるんだよ」
「しょっ……!?」
そう言って川崎は俺の股間に顔をうずめた。すると俺のチンポが温かいものに包まれる感触がしたかと思うとジュプッ、と湿った音がした。川崎が俺のモノを咥えているのだ。
思わず声を上げてしまう。いかん、このままじゃ流されてしまう……。
何とか抵抗しようと川崎の頭を掴んで引き離そうとするが彼女は構わずしゃぶり続ける。
「あ、あああ!」
情けない事に俺はすぐに果ててしまった。
ビュクビュクッ!! どびゅるっ!! といつもながらコップ一杯分はあるんじゃないかって位の量が川崎の口内へ注ぎ込まれる。
それを全部飲み込むとようやく口を離して立ち上がった。口の端から垂れ落ちる白濁液を指で拭う仕草が非常にエロティックで射精したばかりの愚息がむくりと鎌首をもたげるのを感じる。
「比企谷……ちょっと早くない?」
「い、言っておくがいつもはこんなに早くねえからな! 今日はなんというか……その……お、お前が相手だからだよ!!」
我ながら言い訳にもならない事を言っている自覚はあったが他に言い様がなかった。
俺の言葉に川崎は嬉しそうに微笑み華やかに笑う。それはまるで大輪の花が咲いたかの様な明るい笑みだった。
こんな顔も出来るのかよ……ヤバい、惚れちまいそうだ……。
由比ヶ浜、平塚先生、小町、戸塚、そして川崎……。
俺ってつくづく惚れっぽいな……。
邪神様は『Uハーレムルート征っちゃいなYO! 爆弾処理は任せときな!』とか言っていたが。
「ねえ……あたし、もう……我慢できないよ♥初めてなのに……おなかがさ♥キュンキュンしてさ……アンタと繋がれ♥セックスしろって命令してきてさ……♥お願い、来て♥」
そう言いつつ川崎はショーツを脱ぎ棄てた。彼女の秘所は既に濡れており、太ももにまで滴っている。
いやらしく蠢く割れ目からは蜜がこぼれ出ていてとても淫らな光景だった。
それを見てしまったせいか、あるいは川崎の言葉のせいか、俺の理性は限界を迎えていた。
「じゃ、じゃあいくぞ……」
「……うん♥」
ズブブッ……ずぶぶっ……!! 亀頭の先端を挿入するだけでも相当な抵抗があるなこれ……。ゆっくり慎重に入れていくと川崎が苦痛に顔を歪める。痛いのだろう。だがそれでも懸命に耐えようとしている姿がいじらしく感じられた。
「大丈夫か? もう少し力を抜こうか」
「だ、大丈夫だって……いいから♥
この痛みは♥はあ♥アンタに散々嫌な事を言ったお詫びだから……♥ふう♥」
そうは言うもののやはり苦しそうなので少しづつ進めていったのだがそれが逆に刺激になってしまったらしい。
「ああっ! ダ、ダメ! そんな風にされたらあたし♥初めて♥なのにっ♥よくなる♥気持ちよくなるっ♥♥♥」
どうやら川崎は激しくされるよりも優しく扱われる方が好みのようだ。なら望み通りに俺はゆっくりと腰を動かし始める。
「んっ♥くっ♥あっ♥み、見ないで♥
アンタのチンポにメロメロになっているあたしの顔見ちゃヤダぁ♥」
そう言いながらも川崎は蕩け出した顔で結合部を凝視している。確かに恥ずかしいかもしれないがそれ以上に快感が強いんだろうな。その証拠に腰をくねらせて更なる快楽を求めている様に見えた。
「あん♥んふっ♥ふあぁ♥ひっ♥ひうっ♥す、凄いぃ♥あはぁぁん♥」
川崎の口から嬌声が上がるたびに膣壁がうねるように蠢いて俺のペニスを刺激する。あまりの気持ち良さに腰が止まらない。川崎も段々と慣れてきたのか痛みを感じなくなった様だ。それどころか恍惚とした表情を浮かべ始めている。
「川崎、どうだ? 気持ち良いか? 俺はすごく良いぜ」
「きっ、気持ちいっ♥いいよぉっ♥こんなの♥しらないぃぃぃっ♥すごいいいぃぃっ♥」
川崎は初めての快感にすっかり虜になっていた。普段のクールな感じとは一変して淫乱そのものと言った表情である。そんな彼女を見ているとますます興奮してくるのを感じた。
「比企谷ぁっ♥キスぅ♥キスしようよぉぉぉ♥」
「じゃあ俺の事を好きだって言ってくれ!」
「え?」
俺の要求を聞いて川崎は一瞬きょとんとしたがすぐに意味を理解したようだ。頬を染めて恥ずかしがりながらも口を開く。
「あたしは……比企谷の事が好きだ……大好き……愛してる……♥家族と同じ位……あんたが好き……♥」
その言葉を聞いた瞬間、頭の中で何かが弾けたような気がした。それと同時に俺は夢中で彼女にキスをする。舌を絡ませ唾液を交換するような激しいディープキスをしていると頭が真っ白になりそうになる程の快感を覚えた。
(やばい……もうイキそうだ……!)
そう思った次の瞬間、川崎が俺に抱き着いてきた。そのままぎゅっと力を込められる。それによってさらに奥まで突き入れる形となり子宮口にまで到達したのが分かった。その瞬間、熱い液体が流れ込んでくる感覚を覚えると同時に俺も絶頂を迎えたのだった。ドクッドクッと大量に放出され続ける精液はかなりの量が出ている気がする。それだけ凄まじい快感だったという事だ。
やがて長い射精が終わると俺達はどちらからともなく唇を離した。二人の間に銀色の橋がかかるのを見て思わず苦笑する。お互い汗まみれで息も絶え絶えの状態だったが不思議と不快感は無かった。むしろ心地良さすら感じるくらいだ。川崎も同じなのか幸せそうな笑みを浮かべている。
「はあぁ……♥これであたし……♥比企谷の家族になれたかな……」
「ああ、沙希……」
沙希は家族を重んじる地域密着型ヤンキーらしい。いや、ヤンキーではないか。まあともかくそういう事なんだろう。彼女にとって一番大事なのは自分の家庭でありそれを守る為の手段があのバイトだったのだと思う。そんな不器用な彼女に惹かれてしまうのは必然だったのかもしれないな……。
『まあ、選択肢を間違えなければキミと川なんとかさんは近い将来にこうなるってワケさ。今回は間違うとバッドエンド直行だから気をつけてね』
邪神様の声が聞こえてきたかと思うと俺達の身体が光に包まれた。そして意識が遠のいて行く。最後に見たのは悪戯っぽく微笑む邪神様の姿だった。
気がつくとそこは先生の部屋のベッド。
時間は深夜の12時……隣にはぐうぐう眠っている平塚先生の姿が!
「う〜ん、もう食べられないぞ〜。
マシマシアブラチャーシューK2……」
なんちゅーベタベタな寝言を。さて、どうしたものか……。先生は閉店間際でいいだろうと言っていたが邪神様の言葉が気にかかる。
『まあ、選択肢を間違えなければキミと川なんとかさんは近い将来にこうなるってワケさ。今回は間違うとバッドエンド直行だから気をつけてね』
……妙に胸騒ぎがする。
こんな時間に目覚めたのも何らかの力が働いているのか? とりあえず行動を起こすしかないだろう。俺は平塚先生を起こし、ドレスに着替えてもらうことにした。
何でも婚活に勤しもうとして数か月前に購入したのだそうだ。
「あの時はまさかキミに堕とされるなんて夢にも思わなかったぞ♥ 全く……♥この衣装でするのか♥」
「二重の意味で寝ぼけた事を言わないで下さい」
呆れた声で言いながら俺達は改めてロイヤルホテルへと車を走らせた。