やはり八幡の性春マジカルチンポはまちがっている。 作:ぷうち☆りん
今回の秘密道具は13FA様よりアイデアを拝借しました。
ありがとうごぜえますだ。
ボランティア……。元々は義勇軍という意味があり、徴兵とはことなり自らの意思で戦場に駆けつけた戦士であるのだとか。
更に嘗ては少年十字軍なるものが発足したがその末路は得てして悲惨なものであったという。 つまり、何が言いたいかというと俺こと比企谷八幡は絶賛奴隷船、もとい奴隷ハイエースに乗せられて千葉村へと連行されているのだ……。
「何やら私に文句がありそうな顔だな」
「この顔は生まれつきです」
教師には見えないタフ、もといラフな格好の平塚先生がハイエースを運転しながらサングラス越しに鋭い眼光を向ける。
うわあ、やっぱり元ヤンだあ。
「まあまあ、平塚先生もヒッキー君も落ちついて〜。 案ずるより生むが安し、マツモトはキヨシっていうじゃな〜い?」
「アハハハ、結希さんって面白い事言いますね〜♪」
空気を和ませるようなのほほんとした語り口で話すのはガハママもとい結希さんだ。
結衣は「付いてこないでって言ったじゃん!!」とぷりぷり怒っていたが。
この通りの「いいからいいから〜」という強引ぶりで同行してきたのだ。
因みに合いの手を入れたのは陽乃さん、もとい魔王様だ。
後ろにはしっかりと運転手付きのヤクザが乗る車(黒塗りのベンツ)が付いてきて、雪ノ下らを乗せて千葉村に向かっている。
……どうしてこうなった?
ー
「空気が美味しくて素敵な所ね〜♪」
「ですね〜♪」
千葉村に着く頃には何だか二人が意気投合していた。
「もうっ!! ママってば!!」
「心中察するわ……由比ヶ浜さん」
車酔いしたワケではないだろうが雪ノ下は心なしげっそりしている様に見えた。
ここはフォローしておくか……。
「ほれ、貸せよ。荷物、重いだろ?」
「……なんのつもり?」
「別に意味なんかねえよ」
やめてー! ヒキガエル菌が移るー!! という過去の忌まわしい記憶が呼び起こされつつあるが俺は雪ノ下のバックを預かった。 思ったより軽いな。
「いい? 勘違いしないで。 貴方を飽くまで精神的に鍛え直すためにそのバックを預けただけよ。 勘違いしないでほしいのだけれど」
『大事な事だから二回言ったんだねェ。
あとさ、ゆきのんってキミと話する時って早口になるよね』
(単に俺と話したくないだけでしょ)
邪神様のお言葉を俺はすげなく打ち切る。
ぼっちたる俺は言葉にできない事は無理にしない事にするのがモットーなのだ。
しかしちらり、と葉山グループ(と言っても4人だが)はどうしていたのやら。
「海老名、大丈夫? 少し休む?」
「う〜……大丈夫大丈夫……」
見るとあーしさんが海老名さんを介抱している。いや、大丈夫じゃなさそうなんですがそれは。前回も言ったが部下の大丈夫ですは基本信用するな。これ落花生知識な。
しかしなんだよ前回って。落花生知識って。
「大丈夫じゃないっしょ。とりま戸部とヒキオ、海老名を休ませるのに椅子用意して」
「え、なんで俺が」
「ういーっす! アマ◯ンお急ぎ便で参りまーす!! 三浦ー、これでよかんべー?」
戸部は俺とは違い身軽なのか生来のノリの軽さなのかささっと介抱に動く。
「う、うえ……おえぇ……」
しかし海老名さんの車酔いは深刻らしく車内にリバースする直前だった。
これはまずいな……。
海老名さんが嘔吐する直前に俺は咄嗟に靴を即席のエチケット袋代わりにして吐瀉物を受け止めることとした。
あ……! 雪ノ下のバックを咄嗟に投げ出してしまった……! あとでメッチャ詰められるだろうな……。
ー
「えー、1分です。みなさんが静かになるまで1分かかりました」
オリオンテーリングの挨拶ということでやおら権力を行使する校長先生のお姿に俺は嘆息を禁じ得なかった。
なんで校長先生の話はこんなにも長いのか……早く終わんねえかなあ。
『それだけ皆が粛々と自分に頭を垂れる様が堪えられないって事だろうさ。 腹の中でどんなに悪しざまに自分を罵っていようと解っていても、ね。
なんで皆が権力を欲しがると思う? 行使したいからさ。 あらゆるヒーローやヒロインが理屈をこねくり回したり感情に訴えてきたりしてもこれは普遍の事実だよ』
(まあ、おっしゃり様はわかりますが……)
『そんな事はないと反論しないのが懐疑的なキミらしくていいね。でも理解していても納得はしていないんだろう?』
邪神様が念話にて俺に語りかける。自分では捻くれていると思うのだが分かり易い性分なのだろうか?
『悪いね。これでもあちこちの国より長く生きている存在だから』
(だいぶ幅が広い気がするんですが……)
人類の歴史と共に歩み続ける邪神様ね……。 ひょっとしてTRPGでひっぱりダコなあの神様? まあ、そんな話はこの校長先生のお話と同じ位どうでもいいことだからな。
しかし、話が長い……。 この夏の日差しの中で長々と話すなんてコンプラに抵触してないか……?
あ、そうだ! この長話を切り抜けるには良い手段がある!!
「センセー、俺、海老名さんが気になるんでバンガローに様子見にいっていいですか?」
『やるんだな八幡君! 見舞いがてら海老名さんと今、ここで!?』
いや、やりませんがな……。
邪神様はエロゲ展開をご所望の様だがたかだかゲロを靴で受け止めた位で……ねえ?
ともかくも俺はそそくさとバンガローに向かったのである。
ー
「あら〜、ヒッキー君。お話は終わったの〜?」
「いえ、そういうワケでは……ちょっと海老名さんが気になって」
海老名さんを看護していたのはガハママ改め、由希さんであった。因みに海老名さんは寝息を立てている辺り心配なさそうだ。しかし慣れた様子で看護しているなあ……。
「もしかして、結希さんって看護師さんだったりします?」
「元、がつくけどね〜。結衣が生まれてから所謂家庭に入ったって感じかしら〜。
昔の結衣は身体が弱くてね〜……。
ママとしては中学の頃まではいつもおどおどして元気がなくて心配だったんだけど。
ほら、これが中学の頃の結衣よ〜」
スマホの映像を見せてもらったが……マジか……。中学の頃の結衣はまるで猫背になってメガネを外した海老名さんみたいだ(直喩)高校デビューするにしても変わりすぎじゃないのか……?
俺が父親なら本気で心配になるレベルだ。
「でも今は三浦さんや雪乃ちゃん。何より
ヒッキー君が側にいてくれるからママとして安心だわ〜」
「そっすか……アハハ……」
何がアハハだと我ながら思わんでもない。
すっかり向こうのペースに嵌ってしまっていた。
ー
「ケケケ、燃えろ燃えろ。炎で全てを燃やしてしまえ……」
お客様の中に聖なる種火をお持ちの方はいらっしゃいませんか? トリップした顔で平塚先生はカレーを温める釜の火を眺めていた。 しかしケケケて……。 光属性になった筈なのに何故また闇堕ちなさっておりますのん?
『キミの聖なる子種があるじゃないか』
邪神様のボケは差し置いて小学生達のトラウマになってはマズいので俺は先生に声をかける。
「先生、先生。人前ですから……」
「ん……!? はっ! そうだったな……。
つい向こうの教師達がイチャイチャとしていたものだから……つい」
まじっスか……。風紀も何もあったモンじゃねーな。いや、千葉の少子高齢化問題に殺生石ばりにデカい一石を投じていると言えなくもないのか?
「そう言えば比企谷。お前はカレーに竹輪を入れるタイプか?」
「キャンプだからって枯れ葉も山の賑わいってヤツですか? 俺としては竹輪をシーフードと言い張るには無理があるのでは……と」
忌憚のない意見を述べながらカレー作りは粛々と進んでいく。
神は天にいまし世は押しなべて事もなし……と言いたいが生憎俺についているのはあの邪神様だからなあ……。
「比企谷く〜ん。ヒマでしょ? 私と見回りに行こっか?」
「いえ。俺としてはカレーが失敗しない様に火加減を見守る責務があるんです」
ほら見ろ。歩くゴタゴタが向こうからやってきたじゃないか。魔王様はわざとらしく俺と先生の間に挟まって提案してきた。
「まったまたあ。 カレーは薄くしないか焦がす以外に失敗しようがない料理だってキミも私も知ってるじゃんか?」
「何を言う。カレー、ラーメン、そして焼肉。誰でも作れそうなもの程奥が深いんだぞ。特にラーメンはまず出汁の取り方からだな……」
「あ、静ちゃん。今、そういうのいいから」
つんつん、と魔王様に頬をつつかれる。
しかし魔王様は人前だというのに俺にちょっかいを出すキャラだったか?
「比企谷くん。 薪木が足りないわ。取りに行くわよ」
などと訝しんでいたら今度は雪ノ下が俺をアゴで使うべく声をかけてきた。
「すまん。今まで隠していたが俺は薪木アレルギーでな。薪木に近づくだけで蕁麻疹が出るタチなんだ」
「だってさ。隼人に頼めばいいじゃん」
「姉さんは黙っていて。これは奉仕部の問題なのだから。比企谷君。バカな事を言っていないで行くわよ」
ぐいっ、と強引に俺の腕を引っ張りながら雪ノ下は俺を連れ立って行く。
「あははっ。ヤキモチ焼いちゃって♪
雪乃ちゃんってばホント青春ど真ん中なんだから♪」
う〜んこの魔王様。さては陽乃さん。
こうなることを見越して俺に火の粉をかけたか……。しかし雪ノ下のヤツ、意外に力が強いね……。こんだけ力が強いなら、一人で薪木を持ってこれたんじゃね?
ー
「……どういうつもりなの?」
「何がだよ?」
「あなた、由比ヶ浜さんと恋仲なんでしょう? それなのに姉さんに鼻の下を伸ばして……恥ずかしくないのかしら?」
え〜? それどこ情報〜? どこ情報よそれ〜? (戸部調)と行く度胸は俺にはない。絶対零度に等しい冷たい目線が俺に突き刺さる。
「別に伸ばしてはないだろ。雪ノ下こそ何キレてんだ」
「っ……!! 人の気も知らないで! 貴方っていつもそうね! 勝手に人の心の隙間に入り込んで私を誑かせてっ!!」
しまった。いつもの陰険漫談の空気じゃねえ……。雪ノ下は涙をポロポロと流して拳を握りしめていた。
「知っていたのか。由比ヶ浜のこと……」
「やっぱり、そうだったのね。確信や証拠は無かったのだけれど……」
ここで口だけの謝罪や誤魔化しはダメだ。
幾ら俺でもその位はわかる。
ぼっちは人未満ではあるが人でなしとは違うんだからな。
「俺はいいが、由比ヶ浜には黙っていてくれ。あいつの曇り顔は見たくない。あいつはお前の事が大好きだからさ」
「私が彼女が嫌いになったという可能性は考慮しないのかしら? なんて軽薄な……学生の身空で不純な。と私が由比ヶ浜さんを見放すことを想像できないの?」
髪をさっ、とかき上げる素振りをして涙を振り払う雪ノ下は目が僅かに腫れぼったくなっている事以外はいつもの雪ノ下だ。
つまり、そういう事なのだ。
「それはねえな。だってお前は雪ノ下雪乃だ。 誰かを見下す、見下ろすのはいつもの事だが、誰かを見放した事は一度たりともなかった。俺の知る限りはな……」
「……ッ!!」
いきなり俺の唇に雪ノ下の唇が重なった。
歯がこつん、と衝突して少し痛い。
味見したカレーの味にローリエ特有の薬草臭さが俺の鼻につく。
「これが私の答え……よ」
雪ノ下はそれだけ言うと踵を返して飯場に戻っていく。
俺はと言うと、唇に残った感触と彼女の言葉の真意を測りかねていた。
ー
『いや〜。青春してるねー八幡君!
俺もキミの守護神としてチン、鼻が高いよ』
そしてこの下ネタである。わざわざ某ペルソナ使いの主人公ばりに意識を絶賛飛ばされている俺ですが……今回はなんの用です?
『そんな迷惑そうな顔をするなよ八幡君。
折角私がキテレツな秘密道具をプレゼントしてやろうと思っているんだぞ』
貴方のそれはキテレツじゃなくてキチ◯イな秘密道具だと思うのですが。と突っ込むヒマもなく、神様はギリシャの偉い人や言うほど偉くない人が着ている袈裟みたいな白い服の胸下辺りからガサゴソと何かを取り出す。出てきたのはある意味お馴染みのアルミ製の缶に入ったドロップ缶だ。
『てってて〜ん♪ ファック魔ドロップス〜♪』
うへえ……知能指数二桁行くかもあやしいネーミングじゃないですか。凡そロクな品物じゃなさそうだ。なんとか丁重にお帰り頂こう……。
「で、効果は?」
『これはかの漫画の神様のアイテムをリスペクトした特別なドロップさ。この赤いいちご味のドロップが年齢を促進させる。
このブルーハワイ味のドロップが年齢を退行させるというワケだ。因みにこの白いミルク味は記憶をあれやこれやする物だ。エッチ前、お前は総武高の柱になれ』
あっ……手塚ってそう言う……。
こちらも1抜けせねば無礼と言うもの。
あるいは俺の生徒に手を出すな! とでもいうべきか……?
『そこは思いたったが吉日でその日以降は全て凶日だろぉ〜? あとブルーハワイって何味なんだろうね?』
「何でもかき氷のシロップは着色料と香料以外成分は一緒らしいッスよ」
「あっ……ホンマ……(絶句)」
資本主義の悲しい現実を知った邪神様の目は悲しみに満ちていた。
ー
「ねえ、ねえってば! ヒッキー! 大丈夫!?」
由比ヶ浜、もとい結衣の声で俺ははっ、と気がついた。知らない天井はなかった。
そりゃ立ったままトリップしていたんだから天井どころじゃないわな。
そんな俺の手にはしっかりと件のファック魔ドロップスとやらが握られていた。
マジかよ……。
「って何それ? お菓子?」
「ん、ま、まあな……ついさっき、そこで見つけた……」
なんちゅう苦しいウソだ。我ながらツッコミ所満載でイヤになる。口は開いてねえし、汚れてはいねえしと来たもんだ。
だが、由比ヶ浜はやっぱり優しい。
そんな俺のウソに気がつくどころか俺が由比ヶ浜にウソをつくという発想もないのだろう。
「そーなんだ。じゃあ小学校の誰かが落としたのかも。ヒッキー、一緒に届けに行こうよ」
「いや、今の御時世コンプライアンスというか対テロ抑止というかだな……」
「いいからいいから」
雪ノ下といい奉仕部メンバーは何故こうも強引なのか……? 俺はまたしても栄光ならぬ曳航のロードを直走るべく由比ヶ浜に手を引っ張られるのであった。
ー
「ちょっと留美さぁ、いい気になってない?」
由比ヶ浜が俺を引っ張りながら小学生用の宿舎に向かう道中、大きな栗の木の下で私達とあなた以外仲良く吊し上げを行っている一行を見かけた。
「私は別に……」
「はあ? 何、その態度?」
「そうよ、謝りなさいよ!」
「そうよそうよ!」
あー、これはアレか。着てるモンや髪の整い具合から見て囲まれている女の子は所謂親が勝ち組タイプ……ってヤツか?
着ているワンピースもブランド物っぽいしな。
「理由もないのに謝れない」
「はあっ!? 生意気よアンタ!!」
なんとリーダー格らしい女の子が件のロングヘア女子にビンタをかました!
普通ならここでわんわん泣くのが普通の小学生なのだろうが……。
「それで?」
「……!?」
なんとロングヘア女子は叩かれた頬を抑えもしない。
ダメだ、偉そうに解説するとハイエナに囲まれようがライオンはライオンだ。
逆に叩いたハイエナ、もとい女子がおどおどしだす有り様だ。
しかし、そうなれば今度は自分がやられる立場に落とされる。理解できてしまうのがつくづくハイエナの悲しさよな……。
「う、うるさいっ! 子供のくせに!
子供のくせにーっ!!」
喚き散らしながら二撃目が放たれる前に俺は咄嗟に少女の手首を掴んだ。はい、事案発生な? 喧しいわ。
「二発はいらんだろ」
「……!? な、何よ! 何よ!! 助けてー!! 何をするんですかー!! これは暴力ですよー!!」
そんであとはまあ……痴漢冤罪になりかけた所を三浦が一喝してその場は一端治まった。「結衣が惚れたヒキオがそんな事するわけないっしょ」だってさ。
やだ……かっこいい。
何故か三浦に海老名さんが何故か緊急同調していたのなわからんが。
ー
「皆くだらない事に騒いで……バカみたい」
カレーをぽつん、と一人で食べている先の美少女の側にて俺と結衣は彼女になおを構っている。
「そ、そういう言い方はどうかな〜……なんて、あはは……あはは……」
「何笑っているの? 今の言葉のどこに笑う要素があった?」
なんちゅうミニチュア雪ノ下。いや、この剃刀ばりの切れ味は本家越え。
付き合うヤツはさぞ災難だろう。
「猿山のパラドックス……って知っているか?」
「なにそれ……知らない……」
俺は昔ものの本で見た話を振り返る。
マウンティングに明け暮れる猿山の中で奴等は愚かなサルだ。と俯瞰して観測するサルは果たしてサルという種族として健全と言えるのだろうか。というパラドックスだな。 あと一匹狼も餌が全員オアシスに行ったら後を追わなきゃ餓死するだけだ。
「それで? 私にもバカなサルになれって言いたいの?」
「話が飛びすぎだ。お前は物事を焦りすぎる」
って俺はどこの師匠キャラだよ。木に身体を預けてマッカンをくいくいと開ける腐り目のぼっちが師匠……こりゃダメだわ。
そうじゃなくてな……。俺達はサルや狼じゃなくて人間だ。
周囲は変わらない。自分は変われない。
ならどうするかって……。
新世界の神にならなくたってやり方は幾らでもあるのさ。
「留美。 お前、じゃなくて鶴見留美」
「おう。覚えておく」
名は鶴見留美というらしい。
掃き溜めに鶴を見て美しさを留める。なんというか名前通りのヤツだな。
あと肉体が戻るせいで中出ししてもなかったことになります。
かみさまのちからってすげー!