ふるまぴ!【♡R18版♡俺は、フルマッピングボーナスで迷宮を無双する。〜毎日コツコツ探索してたら何でもできるようになってしまった。だからこれからはバカ弟子たちを育成していくぞ!〜】 作:龍々山ロボとみ
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さて、20階層のボス部屋だ。
フロアボスは「スフィンクス」という名前の、石造りの巨大な獅子だ。
全高は4メートルぐらい、頭から尻までの長さは15メートルぐらいある。
もっとも、獅子とはいうが顔は人間っぽい感じだ。
そして背中には羽が生えていて、この大きさと重さのくせして、空を飛べる。
コイツを倒すとピラミッドに入る資格を得られるのだが、硬いし重いし意外と素早いし、短時間なら空も飛べるし口からビームを撃ったりもするしということで、かなり面倒臭いやつだ。
ここまで来る実力のあるパーティーでも、装備やステータスの相性次第では手も足も出ずにボコられて落とされることがあるぐらいだからな。
もちろん、それだけ強敵なのでドロップアイテムも良いものが落ちるし、ピラミッド内に入れば換金可能なアイテムを多く拾えるようになる。
コイツに挑むパーティーはそれなりにいるし、コイツに安定して勝てるようになれば、一流の探索者の二歩手前くらいにはなっているということでもある。
ちなみに、もちろん俺は倒せる。
「で、どうするのさ、ボンクラ兄さん……」
俺の背中に背負われたままのユミィが、若干声を震わせながら問うてくる。
まぁ、ユミィからすればコイツはあんまり相性が良くないからな。
苦手意識でもあるのだろう。
俺の視線の先では、俺たちの侵入を感知したスフィンクスが、その大きな首を持ち上げ、唸り声をあげながら立ち上がろうとしている。
戦闘体勢に入ろうとしているわけだ。
ちなみに、このまま黙って見ているとスフィンクスは馬鹿デカい咆哮をあげてこちらをマヒさせようとしてくるうえ、咆哮の種類に応じてバリア的なものを張ったり速度を上げたり、ダメージを回復したりする。
バリアは、一定時間射撃系の攻撃の威力を減衰する効果があるので、使われると近接攻撃以外の攻撃が効きにくくなる。そしてそもそもコイツは短時間とはいえ空を飛べるので、飛行中は近接攻撃が当たらなくなるわけだ。
だから、うまいことバリアの消失したタイミングを狙って射撃を撃ち込むか、飛行が終わって地上に降りてきたタイミングで取り囲んで袋叩きにするかしないといけないわけだ。
……普通のパーティーなら、な。
「まぁ見てろ。コイツぐらい、お前を背負ったままでも問題なく倒せる」
「……嘘だろ?」
ほんとだよ。
俺は手の中に爆弾を具現化し、起動状態にしながら、スフィンクスに駆け寄った。
完全に身体を起こして四本足で立ち上がったスフィンクスが、俺たちの接近に対して咆哮を使おうとする。
そうして、大きく開いた口の中に、
「ほらよ、っと!」
俺は、爆弾を投げ込んだ。
口の中に飛び込んだ爆弾に、スフィンクスは思わず口を閉じる。すると使おうとしていた咆哮が一旦止まり、
次の瞬間。
「ギャオオオオオオオッ!?」
スフィンクスの口内で爆弾が炸裂し、爆発ダメージを受けたスフィンクスが首を振りながらよろめく。
うむ。いつものダメージモーションだ。
そして仕切り直すようにこちらを睨み付け、再び咆哮を使おうと口を開くので、俺は次の爆弾を口に放り込み、咆哮をキャンセルする。
これを3回ほど繰り返すと一定ダメージを受けたことでスフィンクスが怯み状態になった。
「す、すごい……!? って、何してんだ、早く叩きにいかないと!」
いや、本来なら怯み状態は近寄って殴るチャンスだが、俺の場合はこの隙に素早く所持品枠から装備品枠に爆弾を移しかえつつ、ミドルボウを具現化し使用状態にする。
すると怯み状態が終わったスフィンクスがダンっと飛び上がった。
デカい羽を大きく広げて空中へ逃げる。
このままコイツを空中で自由に飛行させると、今度は強力な光線を口から撃ってくる。
なので奴がこちらに狙いを定めてくる前に、俺は弓を引き絞った。
「……ポイズンアロー」
スフィンクスの弱点属性である
本来なら、空中にいるときはバリアを張っていることが多いのだが、咆哮を全てキャンセルするとバリア無しで空中に飛び上がるので、毒矢で狙いたい放題になる(あれだけマトがデカけりゃ、下手くそでも当たる)のだ。
毒矢のダメージは正直言うとたいしたことないが、弱点属性だから確実に削れるのと、ヘイトを稼いで無駄な攻撃モーションの回数を増やすことができる。
それに弱点属性のダメージは小さい怯みを作るので、ビーム攻撃を出すヒマを与えないし、空中にいるスフィンクスに対して息切れしない程度に矢を当て続ければ、一方的にダメージを与えられるのだ。
「グギャオオオオオオオッ!!」
そして飛行時間が終わると再び地上に戻ってきて咆哮を使おうとするので、爆弾を喰わせる。
爆弾で咆哮をキャンセルして怯ませ、空中に逃げさせる。
空中にいるスフィンクスを毒矢でハリネズミにしてやり、また地上に降りてくるのを待つ。
これのループをするだけで、スフィンクスは倒せる。
な、簡単だろ?
「俺はいつもソロだからな。コイツ相手なら大正義爆弾様に頼り切るわけだ」
俺は光の泡になって消えていくスフィンクスを見送ってから、背中に背負ったユミィを下ろした。
「こ、こんな簡単にスフィンクスを倒した……? 嘘だろ? ボクは夢でも見ているのか?」
ドロップは……、ちっ、「神造大理石」×3か。安いほうだ。
「黄金スカラベ」か、せめて「太陽の赤石」が良かった。
俺がドロップ品の渋さを嘆いていると、呆然としていたユミィが立ち直ったようだった。
「……なぁ、ボンクラ兄さん」
「なんだよ、弾バカ」
「ちょっと、もっかいステータス見せてみろよ」
良いけど。
先にここを出るぞ。
俺は帰還用のサークルまで連れていき、ものすごく疑いの眼差しを向けてくるユミィを地上に帰還させたのであった。