※この作品はR-18です。

ハイスクールD×D〜聖魔の槍使い   作:星屑の騎士

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今回はいちおう新規書き下ろしとなります。楽しんでもらえたら幸いです!


魅惑の養護教諭

 

 ソーナ・シトリーとの交渉を終えた蓮夜は、アスカとエルファリアを連れて校内を歩いていると、不意にとある場所の前で足を止めた。

 

「──と、帰る前に最後に寄っていくところがある」

 

 そう言って蓮夜は、帰りの道すがらにとある場所──保健室を見つけて足を止めた。

 

「あら、蓮夜。まさか体調が悪いのかしら? なら急いで帰って織姫に診てもらうべきよ」

 

「いや、体調も怪我もだいじょうぶだ」

 

「ならレンヤ。なんで保健室? あっ、一緒にお昼寝するの?」

 

「いや……ここに父さんの昔の友人が居るらしいからな。いまのうちに挨拶しておこうと思ったんだ」

 

 アスカとエルファリアにそう返し、蓮夜は軽くノックすると「失礼します」と言って扉を開け、保健室のなかへと入っていった。

 

 蓮夜の行動に顔を見合わせて首を傾げていたアスカとエルファリアも、その背中を追って保健室へと入っていく。

 

「──あら、今日はどうしたのかしら?」

 

 そう言って座っている椅子をくるっと回し、振り向いたのは、紫色のロングヘアと白衣が印象的な妙齢の女性だった。

 

「あら? 見ない顔ね? ……もしかして」

 

 その女性は、蓮夜の顔を見て訝しむも何かを察した様子だった。

 

「初めまして、今日からこの学校に転校してきた黒崎蓮夜です。レオンハルト・フェレスともいいます」

 

「あら、やっぱり。メフィスト先生のお子さんね。ふふふ。妖しげなあのヒトとは、似ても似つかないわ。お母さんの血が濃いのかしらね」

 

 蓮夜の名乗りに女性は、得心がいったと大人の色気のなかに歳上ながらかわいさも含んだ微笑を浮かべた。

 

「初めまして。私は、二条秋よ。メフィスト先生は、私のむかしの魔法の先生ね。ここでは、見てのとおり養護教諭をしています。よろしくね」

 

 そう、女性──二条秋と名乗った彼女は、颯馬が仄めかしていた、そして出立前にメフィスト本人が言っていた古い友人だった。

 

「私は甲河アスカよ。よろしくね、秋先生」

 

「エルファリア・セルフォルトといいます。よろしくお願いしますね」

 

 余裕のある笑みとともにアスカが、聖女モードのエルファリアが続いて頭を下げた。

 

「ふふふ。みんな、とってもいい子たちみたいね。何かあったら遠慮なく言いなさい。私は、養護教諭以外にも悪魔を始めとした人外の病気の治療なんかもしているから、きっとあなたたちの力になれると思うわ」

 

 そう言って微笑ましげに見つめる秋。

 

 そう、悪魔を始めとした異種族は、特有の病気に罹ったりもする。

 

 人間界では、そういった病を診てもらえるところは少ない。

 

 人間界に場所が少ないというのもあるが、その手の病に詳しくなおかつ治療できる使い手ともなるとさらに少なくなるのだ。

 

 だが、秋は世の中でも珍しい回復魔法の使い手だった。

 

 さらに秋自身も医療関係の知識や技術を多く身につけている。

 

「父さんが先生ってことは、秋先生は……」

 

「ええ。『灰色の魔術師』に所属している魔法使いでもあるわね。たいていの怪我や病気なら、回復魔法で癒してあげられるわ」

 

 蓮夜の問いに秋は、微笑みながらそう答えた。

 

 どうやら秋は、魔法使いとして蓮夜やラヴィニア、エルファリアの先輩に当たるようだ。

 

「ああ、でもその代わりってわけではないけれど、戦闘系の魔法は全滅よ。メフィスト先生からもそっちは絶望的って言われたわ。ちょっとした防御とかしかできないから、そっちでは期待しないでちょうだいね」

 

 秋は恥ずかしげにそう付け加えた。

 

 どうやら秋は、回復、防御、補助な魔法に特化していて戦闘系魔法はまともに使えないようだ。

 

「ああ、はい。もちろん、そこら辺は自分たちでどうにかするのでご心配なく」

 

「ごめんなさいね。ありがとう。ああ、もちろん、病気以外の相談でもいいわよ。特に女の子は、いろいろとあるものね?」

 

 そう言って秋は、アスカとエルファリアに向けてウィンクをした。

 

 思い当たることがあるのか、アスカもエルファリアも恥ずかしそうに頷く。

 

「いろいろとありがとうございます。この街にいるあいだ、何かとお世話になるかもしれませんが、よろしくお願いします」

 

「ええ、こちらこそよろしくね」

 

「ああ、もちろん。困ったことがあれば逆に俺たちも力になりますから、そのときは言ってください」

 

「あら、そう? そう言ってもらえるなら、頼りにさせてもらうわね」

 

 蓮夜の言葉に秋は、優しく微笑んでそう言った。

 

 短いやり取りで蓮夜にはわかったが、秋は間違いなく学園でも大人気の教師だろう。

 

 下手したらリアスたちよりも人気があるかもしれない。

 

 実際、秋は教師からも生徒からも人気が高く、教師に限定すればいちばん人気を誇る。

 

 それだけ大人の魅力と歳上ながらにかわいさを併せ持つ秋は、蓮夜からしても魅力的だった。

 

 可能であればぜひ自分のモノにしたいくらいだ。

 

 さまざまな美女、美少女を知る蓮夜の価値基準に照らし合わせても、それほどまでに秋は高い魅力に満ち溢れていた。

 

「それじゃあ、何もないに越したことはないけれど、怪我でも病気でも、それ以外でも困ったことがあったらいつでもいらっしゃいね。遊びに来てくれるだけでもいいから。歓迎するわ」

 

 秋は微笑んでそう言った。

 

 それは破格の対応だ。

 

 秋にアプローチをかける男は、生徒にも教師にも多いが全員相手にしてもらえていない。

 

 なのに同性のアスカやエルファリアだけでなく、異性の蓮夜にまで誘いをかけてくれたのは、秋がこの駒王学園に赴任して以来初めてのことだった。

 

 ちなみに秋は魔法使いだが、不正することなく短大を卒業して養護教諭の資格を取得して教員をしている。

 

 そのため秋は、いまだ二十代前半だった。

 

「それじゃあね、三人とも。またいつでも遊びにいらっしゃい」

 

 それから、秋の淹れてくれたお茶をご馳走になり、少し談笑した蓮夜たちは、秋に見送られて保健室をあとにするのだった。

 

「でも、いいヒトが居てよかったわね。あのメフィストさんの知り合いだから、とんでもない変人が出てくるのかと思ったわ」

 

 廊下を歩くなか、アスカは微笑を浮かべながらそう言った。

 

 リアス、ソーナと酷い相手を立て続けに見てきたからか、アスカでもそう言わざるをえなかった。

 

「でも、レンヤ。このままでいいの?」

 

 エルファリアの疑問は、リアスやソーナをこのままにしておけば、増長するのではないかということだ。

 

「……まあ、たしかにそうかもしれないな」

 

 頷く蓮夜だが、そこに気負ったものはない。

 

「──だが安心しろ。もしあいつらが調子に乗って、おまえたちに害を為すようなら、そのときは……」

 

 クッと三日月のような裂けた酷薄な笑みが、蓮夜の口元に浮かんだ。

 

「皆殺しだ」

 

 

 

 

 

       §

 

 

 

 

 

 アスカ、エルファリアとともに帰宅した蓮夜は、リアスやソーナとの間の取り決めをラヴィニア、シルファ、織姫にも伝えた。

 

 三人とも特に問題なく受け入れたが、グレモリーやシトリーの未熟さには、ラヴィニアは曖昧な微笑を、織姫は苦笑を浮かべていた。

 

 問題はシルファだった。

 

 敬愛する蓮夜を侮辱されたと思ったシルファは、額に青筋が浮かび上がるほどに怒っていた。

 

 蓮夜が宥めなければ、いまにも剣を手に取って飛び出していきかねなかったほどだ。

 

 それから蓮夜たちは、全員で夕飯を終え、エルファリアはお風呂、ラヴィニアは食器の片付け、アスカとシルファがトレーニングといった感じで解散となった。

 

(リアス・グレモリーも個人としてなら悪くないんだが……『王』や上級悪魔として見るとな)

 

 そんなことを考えながら蓮夜は自室に戻る前に書斎に入り、そこで冥界の自分の領地に関する報告書のチェックなどをしていた。

 

(現状開拓は順調なようだな。そのぶん、問題も増えそうだ)

 

 領地が栄えていけば噂を聞いてヒトが集まる。

 

 それは観光や仕官、移住などだがどれもメリットはあるが同時に問題が大なり小なり生じてしまう。

 

 観光はあれこれといちゃもんをつけてくる者が出るし、仕官は他所からのスパイなどの可能性もあり、移住も先住民とのトラブルが起きる可能性がある。

 

 そんなことを言っていたら開拓などできないのだが、どれも可能性を考慮しておかなければならないことだ。

 

 現状、蓮夜の方針はすでにいる者を優先することだった。

 

 観光、仕官、移住、どれも先にいる者たちを優先することは当然だった。

 

 どれも先に住まう者のほうが長く貢献してくれる者だ。

 

 そのうえで有能な者を取り込めれば発展も進む。

 

(他所から来る者の目利きは、信頼できる者たちに任せているが、本当に重要な役割を担う者は俺が直接選ばないとな。同時に俺のほうでもいろいろ抱えてしまうし)

 

 あの超高層マンションに住まう者たちを始め、蓮夜はどうにも女の子を引き入れてしまう性質のようだ。

 

 本人もそう自覚しており、あらためて慎重に選んでいこうと考える。

 

 とはいえ、好みな女の子がいて、その子が有能であるのならば引き入れずにはおれないのだが……。

 

(まぁ、眷属はもちろんだが、早々帆波たちのようなすべての条件を満たした者が見つかったり、出会えたりするわけではないしな)

 

 そう考える蓮夜だが、遠からずにそんなことないことを思い知るようになるのだが、このときはまだ知らなかった。

 

(条件といえば、帆波と波瑠加の書き留めたノートがあったな)

 

 と、思い出した蓮夜は、さっそくノートを取り出してチェックを始めた。

 

 そこには女の子だからこその視点で評価も添えられた、なかなかに詳細なデータが記されている。

 

 この子は尻が軽い、この子は口が軽い、この子は誠実などなど同性から見たからこそわかるようなことが書かれている。

 

(さすが帆波と波瑠加だな。ひとまず二年生女子は、ほぼ網羅しているじゃないか)

 

 載っていない二年生は、おそらく異能や異形に関係性がある者だろう。

 

 帆波も波瑠加も一般人だが、それを識別する道具はもらっていた。

 

 そして、蓮夜からそういった者には決して関わらないようにと言い含められていたのだが、どうやれちゃんと守ったようだ。

 

 さすがに学年の違う一年生や三年生は、ほとんどないがそこは蓮夜が自分でたしかめればいい。

 

 見れば教師についても記載があり、やはりいちばんのオススメは二条秋だった。

 

(充分だ。やっぱりいずれちゃんと礼をしないとな)

 

 そして、ノートにひととおり目を通した蓮夜は自室へと戻るのだった。

 

 

 

To be continued

 

 




どうしても二条秋を登場させたかったんですよね。いつか濡れ場も書けたらいいなと思います。

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