しかし、作中でいろいろやらないといけないことがあり、なかなかエロに辿り着けない作者です!
感想、評価、お気に入り登録、さまざまなご協力ありがとうございます!それに加えて誤字報告もたくさんいただき、ありがとうございますと同時に申し訳なく思います。いちおう確認はしているんですが、なかなか気づけないものですね。
そんな作者ですが今後とも感想、評価、お気に入り登録、さまざまなご協力のほどをよろしくお願いいたします!誤字報告はないように気をつけますが、あったらお願いします!
それでは、よろしくお願いいたします!
ゾルギアに端を発した一連の事件の後始末を終え、蓮夜はラフォリアと黒衣の凶手、さらにダークエルフの少女を保護した。
ダークエルフの少女は、正体が正体なため蓮夜の所有する超高層マンションに転送し、そこに住まう医療担当の者たちに任せている。
彼女たちは誰もが卓越した回復や治療のスペシャリストなため、安心していいだろう。
そしていま蓮夜は、念のためにラフォリアを信用のある病院に預けて検査をしてもらっている間、病院の屋上で黒衣の凶手と相対していた。
もちろん、そこに殺伐としたものはない。単にお互いに話しをするためだった。
「──改めまして、私はリーシャ。リーシャ・マオといいます。このたびは、ラフォリアさんを助けていただき、ありがとうございました」
私服に着替えたリーシャは、そう言って頭を下げた。
リーシャは、以前アルディギア王国を訪れた際に偶然ラフォリアを助けたときから彼女に気に入られ、何かとラフォリアから依頼を請けている。
ある日、日本観光のラフォリアの護衛を引き請けたリーシャだったが、内部に手引きした者がおり、ラフォリアを人質にされてしまう。
そのせいで蓮夜の暗殺を請けざるを得ず、彼の命を狙ったようだ。
おおまかに調べ、推理していた内容とほぼ同じだった。
ラフォリアを守りたいと思いながらも、蓮夜を殺すことに迷いがあったあたり、リーシャの人の良さが窺えた。
「よしてくれ。今回の件は、もとはといえばこちらの不始末だしな。俺は、自分の尻を拭っただけさ。むしろ、俺のほうこそ迷惑をかけてすまなかった」
そう言って蓮夜も頭を下げた。
その様子にリーシャは恐縮した。
「い、いえ、護衛の私がちゃんとしていれば、こんなことには……」
「いや、そもそも俺がしっかりと海外の奴らも始末しておけば……」
と、お互いに謝罪し合う。
そんな相手に、自分に、どこかおかしくなったのか、ふたりは微笑を洩らした。
「ふふ。でしたら、おあいこということにいたしませんか?」
「ああ。そちらがそれでいいのなら、こちらはぜひ」
そう言って蓮夜とリーシャは握手を交わし、感謝と謝罪を受け入れ、水に流した。
この一件についてはお互いさまと決着したあと、蓮夜とリーシャは、お互いのことを話し合っていた。
「……なるほど。蓮夜さんは、あのメフィスト・フェレスさんの息子なんですね。どおりで私の……『銀』のことにも精通しているわけです」
蓮夜の来歴を聞き、リーシャは納得したように頷く。
先代の頃はメフィストとも交流のあったリーシャは、父から話を聞かされていたらしい。
「ああ。あれで偉大な父親だからな。いろいろと苦労もしているよ」
初代であり現役に近いメフィスト・フェレスは、あの性格に反して影響力がいまだに大きい。
何をしてもその陰はついて回ると言っても過言ではないほどに。
しかし、蓮夜はそう言うが、言葉ほどのものを感じさせないのは、それ以上のものを多くもらっているからだろう。
「偉大な父親、ですか……」
何気ない言葉だったがリーシャには思うところがあったのか、そう呟いて瞑目する。
「──聞いていただきたいことがあるのですが、宜しいでしょうか?」
「……ああ。話したいことならな」
「ありがとうございます」
そう言ってリーシャは、静かに口を開く。
リーシャは幼少から先代の『銀』──実父であるモンド・マオによって母から遠ざけられ、各地を転々としながら父のもとで厳しい修練と鍛錬を積みつつ、学校に通って人と接する術を学んでいた。
これらは不老不死とされる『銀』という存在を継ぐためのもので、モンドから『銀』としての膨大な知識と記憶を受け継ぎつつ、いつその座を継いでもいいように備えていたのだ。
しかし、そのときは唐突にやってきた。
いまから二年と少し前、モンドは不治の病によって倒れ、死を待つだけの身となってしまう。
──自分を殺して『銀』を継げ
モンドからついにそう命じられるが、そこでリーシャは初めて恐怖を覚える。
それは『銀』になることやモンドを失うことへの恐怖ではなく、父が丹念に仕上げたはずの自分が『銀』として出来損ないだったのではないかと、死にゆくモンドを最期に失望させたのではないかという恐怖だった。
その懊悩からリーシャは命令を実行することができず、苦悩する姿にモンドは苦笑しながら
──それもまたおまえだ。おまえの『銀』はおまえが決めるがいい
という言葉を遺して逝去した。
モンドの最期の言葉の意味はわからないまま、彼の持っていた仕事やコネクションを引き継ぎ、モンドの腕には及ばないものの滞りなく暗殺者として仕事を進める。
そんななかで訪れたアルディギアでリーシャは、下見のために街を散策していたところラフォリアの危機を救い、彼女に気に入られて重用されるようになる。
それからは、ラフォリアに振り回されながらも年頃の女の子らしい日々も送らせてもらい、リーシャは『銀』との両立に苦労し、日常という光を手に入れても、『銀』という父と祖先から受け継いできた闇の道は完全に捨てられない。
そんな光と闇、相反する道どちらも捨てられない葛藤を持っていた。
「……あなたは、どう思われますか? 偉大な父を持つあなたは」
話を終えたリーシャは、そう言って蓮夜を見つめた。
話を聞いた蓮夜のなかには、あっさりと、だがたしかな答えが出ていた。
「……いまの『銀』はマオなんだろう? それならどんな『銀』となるかは、自分で決めてもいいんじゃないか」
「そ、それはどういう……」
「そのままの意味さ。見出した光を手にするのも捨てるのも、逆に『銀』として生きるのも捨てるのも、すべてはおまえしだいってことだ」
そう言って蓮夜は、リーシャを見つめる。
「だって仕方ないだろう? どっちも捨てられないのなら、どっちも抱えていけばいい。それがおまえの『銀』ってことじゃないか?」
蓮夜は、そこで微笑を浮かべた。
「それにな、きっと、おまえがどんな道を選んだとしても、モンドさんは『それもまたおまえだ』って言って気にしないさ。親っていうのはそういうもんだんだよ」
リーシャは蓮夜の言葉から父モンドの臨終の言葉がようやく理解できた気がした。
「──ふふふ。リーシャったら女の子の顔になってますよ?」
「きゃっ!? ラ、ラフォリアさんっ!」
何にとはあえて明言しないが、夢中になっていたリーシャは、背後から忍び寄っていたラフォリアに気づかなかったようだ。
両肩に両手を置いて顔の横から覗き込んできたラフォリアに、リーシャは驚いて飛び退く。
ラフォリアの存在に屋上に上がってくる気配からとっくに気づいていた蓮夜だが、ラフォリア自身がイタズラげに人差し指で『シー』としながらウィンクして合図をしてきたため、仕方なく黙っていたのだ。
(この姫さま、見た目に反してどうにも茶目っ気があるようだな。それに油断してたとはいえ、マオの背後を取るとはなかなかだ)
北欧では、フレイヤの再来とまで称された美少女だが──蓮夜は北欧神話の本物のフレイヤを見たことないが──蓮夜にはそういったところに親しみを感じた。
「ラ、ラフォリアさん! た、体調は平気だったのですか!?」
「ええ、見てのとおりですよ。ただの軽い衰弱だったもの。注射のひとつですぐに回復しました」
気を取り直したリーシャが心配を色濃く見せながら詰め寄れば、ラフォリア本人は特に深刻に思ってないのか軽く応じた。
「そ・れ・よ・り……あなたのことですよ、リーシャ。親友にもついに春が訪れたのですね」
「は、春が……? たしかにいまは春の陽気ですが……」
「もう、そうじゃないです」
戸惑うリーシャにラフォリアは、クスッと笑みを洩らすとふたりの大きな胸がむにゅうと柔らかく押し合うくらいリーシャに身を寄せ、何事かを耳打ちする。
「あなたがあのヒトに恋をしたってことですよ」
「えっ?! ……〜〜〜〜っ!?」
その内容は、リーシャにとっては思いもよらない、青天の霹靂といっていいことだった。
しかし、自覚はなくとも意識していたのか、意味を自覚させられればリーシャのなかで実るのはあっという間だった。
リーシャは耳まで顔を赤くし、蓮夜の顔を見て俯く。
「ラ、ラフォリアさん、意地悪です……」
「ふふふ。ごめんなさい。初々しいあなたがかわいくてつい」
蚊の鳴くような声を洩らすリーシャに、ラフォリアは微笑を浮かべて悪戯げにウィンクしてそう返した。
そしてラフォリアは、リーシャの肩に優しくポンっと手を置いたあと、すれ違うカタチで進み出ると蓮夜と向かい合った。
「──改めまして、ラ・フォリア・リハヴァインです。このたびは、リーシャともども助けていただき、ありがとうございました」
そう言ってラフォリアは、スカートの裾を摘んで一礼する。見事なまでに洗練されたカーテシーだった。
「──これはご丁寧に。レオンハルト・フェレス。黒崎蓮夜ともいう。こちらこそ、今回はこちら側の不始末で迷惑をかけて申し訳ない」
当然のことをしたまでと返す蓮夜に、ラフォリアはスッと姿勢を糺すと微笑を浮かべた。
「それでも、あなたがわたくしたちを助けてくれたのには変わりないです。わたくしたちが助かったのは、あなたがあなただったからこそでしょう? でしたら、お礼を言うことは当然です」
蓮夜がいい加減な性格なら、たしかにラフォリアやリーシャのことをわざわざ調べ、助けることなどしなかっただろう。
ふたりが助かったのは、蓮夜が自らの仕事やその後始末に真面目だったから。
ラフォリアの言うように、蓮夜でなかったら助からなかったかもしれない。
「……そう言われるとな。まぁ、そういうことならどういたしまして。その礼はありがたく受け取らせてもらおう」
そのうえでこちらの謝罪も受け止ってほしい、と蓮夜は言った。
「ふふふ。真面目なのですね。ええ、わかりました。わたくしは、あなたを許します。リーシャ。あなたはどうですか?」
「え? あ、は、はい! 私もあなたを許します! そもそも怒っていないですし」
微笑ましいような笑みを浮かべるラフォリアに対し、リーシャは慌ててそう述べた。
ふたりとも、本心からそう思っているようだ。
そうして、話がひと段落し空気も弛緩した頃だった。
「それで、蓮夜。あなた、リーシャを眷属っていうのにしてみませんか?」
ラフォリアからそんな驚きの提案がされるのだった。
「ラ、ラフォリアさん!? いきなり何を?!」
「あら? あなたも本当はそう思っていたんじゃないかしら?」
「そ、それは……」
ラフォリアの指摘にリーシャは、言葉を詰まらせる。
自分のやったことを気にせず全力で助けてくれた蓮夜に恩義と好意を懐いたリーシャは、その豊かな胸の内に彼を支えたいというたしかな想いが芽生えていた。
それをラフォリアによってゆり明確に自覚させられたのだ。
いまのリーシャは、蓮夜のもとで生きたいと強く強く思っている。
「どうかしら、蓮夜?」
「……俺としては、そちらが望むのなら願ってもないが」
「あら? 女性への誘い文句としては弱いですね。もっと情熱的に言わないと、不安にさせてしまいますよ?」
蓮夜としては、あまり無理強いする気はなかったが、ラフォリアの言うことも尤もだと思った。
いろいろな不安に揺れるリーシャの瞳を見て、蓮夜は彼女を奪うことを決心した。
「──リーシャ」
「は、はいっ!」
あえて名前で呼んだ蓮夜にリーシャは胸が高鳴った。
こんな年頃の娘のような気持ちはリーシャも初めてだった。
「俺は、おまえが欲しい。俺の眷属になれ」
「──はい! 喜んで!」
男性からの、それも初恋の蓮夜から情熱的に求められ、リーシャは嬉しさで目尻から涙が零れ落ちた。
「ふふふ。おめでとうございます、リーシャ」
初恋を自覚したと同時に実ったリーシャに、ラフォリアは祝福を送る。
「あ、ありがとう、ラフォリアさん」
いろいろと恥ずかしいが、それでも成就した嬉しさ、後押ししてくれた感謝をリーシャは伝えた。
それから蓮夜は、リーシャを眷属にする儀式を始めた。
跪いたリーシャに蓮夜は、独自の亜空間から取り出した最後の騎士の駒を手に取った。
「──これからは、己の生きたいように生きるといい」
そう言って蓮夜が差し出した手の甲にリーシャがキスをすると、握られた騎士の駒が彼女の胸元へと飛び込み、溶け込んだ。
「──この身、果つるときまで、あなたのもとに。幾久しく。蓮夜さん」
新たな眷属として生まれ変わったリーシャは、月明かりに照らされながらそう言って微笑んだ。
To be continued
というわけでようやくリーシャを眷属にできました!やることが多いですが、やらないとエロには到達できないんです。他にもまだやることあるので、リーシャのエロはもうちょっと待ってください。
それではまた!