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ある日の夜、蓮夜が自室で着々と仕事を片付けているときのことだった。
蓮夜は自らの女のひとり、紫ノ宮夏花からとある連絡を受けていた。
「──つまりは、その子を俺に抱いてほしいということか?」
『──うん。ネットで知り合った子なんだけどね。彼氏が最近その……た、勃たないんだって』
蓮夜の問いに夏花は、どこか恥ずかしそうに返した。
『そ、それでね、自分に自信をなくしたみたいで彼氏に訊いてみたら彼氏が寝取られ? 趣味らしくて……彼女が他の男に抱かれると興奮するんだって』
蓮夜という強く逞しい雄しか知らない夏花には、考えられない趣味だった。そんな男はつまらないし、情けないと当たり前に考えてしまう。
『それで彼女に相談されてね。悩んだみたいだけど、彼氏のことは好きだから応えてあげたいみたいで、とりあえず一回だけ他のヒトに抱かれてもいいって』
彼女としては多少幻滅もしたし悩んだようだが、それでも他の男に抱かれていいと考えるほどにはいまの彼氏のことが好きらしい。
『問題は、相手……抱いてもらう男の人なんだけど、知り合いだと後々問題が起きそうだし、だからといって下手なアプリを使って変な人に出会ってもやっぱり問題がありそうだしっていうのがあるみたいで、どうしたらいいか相談されて……』
そこで夏花は、自分が知るなかでも最高の男、最強の雄である蓮夜に思い至ったためこうして相談してみることにしたのだ。
『どう、かな?』
「そうだな……」
こんな話をしておいて──したからこそ、窺うような夏花の問いかけ。蓮夜としてはそういった依頼を専門に請けている悪魔に回すことも考えたが、せっかく夏花が頼ってくれたのなら応えることもやぶさかではない。
「……わかった。下手なことになっても後味悪いし、引き受けよう」
『ほ、ほんと?』
「ああ」
『わかった。ありがとう、蓮夜。けっこう仲の良い子だから変なことになっても困るし、私には蓮夜しか頼れる男の子はいなかったから……』
蓮夜の答えに不安げだった夏花は、ホッとしたような声音を漏らした。引き受けてくれたこと、こんな話を持ち込んだ自分を変に思わないでいてくれたことに豊かな胸を撫で下ろしていた。
『なら了承の連絡しておくね?』
「ああ。必要なことは決めるから、先に会うかSNSで直接やり取りできたらいいんだが」
『うん、わかった。伝えておくね』
そこで夏花との連絡を終え、少しして彼氏彼女とSNSでやり取りする約束を取り付けた。
それから数日して画面越しに彼氏彼女とあいさつを交わし、その際に彼女のほうが蓮夜を見て「かっこいい……」と無意識に呟いて見惚れていたのを蓮夜も、彼氏も聞いていた。
蓮夜は特に何かを言うことなかったが、彼氏は彼女の言動に嫉妬とともに興奮した様子だった。
それから彼女は蓮夜に見惚れていたことに気づいてハッとなり、誤魔化すように髪を直し──そんな仕草がまるで蓮夜の前だからに見えて彼氏はさらに嫉妬と興奮を覚えていた──ネトラセセックスのために必要なことを取り決めていった。
撮影してほしいということが彼氏からの要望で、彼女からはキスとマニアックすぎるプレイはNGを出された。
正直、キスは理解できるもののネトラセの時点でマニアックだも思うが、そこは突っ込まなかったし、蓮夜もリョナやスカトロ──特に大──に興味はまったくなかった。
中出しについては、そのほうが彼氏も興奮するので彼女のほうが安全日に日程を調整してくれるらしい。
そこまで聞いた蓮夜は、せっかくネトラセセックスするのなら最初は試しにゴムを使うようにした。だから彼氏が普段使ってるサイズを持ってくるように言った。
この要望に彼女のほうはよくわかっていなかったようだが彼氏のほうは、狙いがわかったのか生唾を飲み、どこか興奮したようだった。
「あと、キスのほうだが……途中で彼女のほうからねだられたらかまわないのか?」
蓮夜の問いに彼氏も彼女も息を呑む。画面越しに強い雄の気配を感じ取ったのだ。
(こんな感じのほうが彼氏も喜ぶだろうしな)
蓮夜は、半分とはいえ悪魔として引き受けたからにはしっかりやろうと口にしたのだ。もちろん、いざそのときが来たらというのもあるのだが。
彼氏のほうは彼女がいいならと頷き、彼女のほうはそんなことはしないと言うが、結果的にそのときはしていいということになった。
こうして細かな取り決めをおこない、次の休日に彼女のネトラセセックスを敢行することが決まったのだった。
To be continued