「前の旦那とは、こういう感じじゃなかったんですか?」
セックスの後。ふと気になって、そんなことを聞いた。野暮かもしれない。でも、茨木さんは服を着替えながら、こくりと頷いた。
「そうね……射精障害だったから」
「射精障害?」
「知らない? セックスで射精出来ない男性のことよ。病気、体質みたいなものかしら」
「へえ。そんなのあるんですか」
初耳だ。そんな障害になったら、男として地獄である。
「不感症みたいなものですか」
「そうね」
「でも、凜ちゃんが生まれているってことは、治ったんですね」
「かなり苦労したけれどね。大変だったわ。セックスでイケないから、お互いに気を使うの。セックスは射精をする作業のようなものになっていたわね」
マジで地獄だなあ。どういう条件でなる障害なんだろう。あとで調べとこう。EDと同じくらいなりたくない病気である。
「茨木さんのは名器だから、信じがたい話ですね」
「やん♡ もう、終わったんだから、そこ触らないの♡」
全く嫌そうじゃない茨木さん。服を着た僕達は、それでもまだ抱き合いながら、ソファに座る。茨木さんの温もりと柔らかさを感じる。気持ち良いし、なんだか安心した。
「天は二物を与えずって言葉があるでしょう? あの人は、まさにそんな感じの人だったわ」
「セックス以外はすごかった、とかですか?」
「そうね。エリートの家で生まれた、エリートだった。だからなにをしても完璧なのが当たり前。そういう人だったから、なにかが上手くいかないと、そのなにかに対して強い執念が生まれてしまうの。彼にとって、性はコンプレックスでしかなかった」
ただでさえ性がコンプレックスだなんて、男を色々な方向へこじらせるのに、茨木さんの分析通りそこへ強い自尊心が関わったら、それはかなり厄介な性質になりそうである。
「凜はね、そんな彼に犯されそうになったの」
「は?」
「拒絶されて。未遂に終わったけれど。それ以降、増々コンプレックスが強くなった。自分の思い通りにならない女。思い通りにならない性。そういう苛立ちが膨れ上がっていったの。だから、凛を守るためにも。二人で家を出た」
なるほど、と思いつつ。思わせぶりな発言を思い出し、ふと口にした。
「もしかして。僕が助けたのって、その男からだったりします?」
「そうよ。今もまだ、つけまわされているの。彼の執念は強くてね」
それはこじらせているなあ。二人を僕が抱いてしまっているのも、ますます拍車をかけているような気がする。
僕は茨木さんの爆乳を両手で揉んだ。スーツ越しでも、ブラの硬さとおっぱいの弾力を感じることが出来る。包まれているからこそエロさと気持ち良さが素晴らしい。
「ん、うぅ♡ もう、なに♡ やらしい♡」
「茨木さんがいやらしいおっぱい押しつけてくるから」
「や、あん♡ 乳首、指で突かないで……♡」
「いやなの?」
「いや、じゃない、けど♡ あ、んんっ♡ 感じちゃう、からぁ……♡」
困った様子を見せながらも、茨木さんは左手でズボン越しに、僕のペニスを撫でる。やる気満々じゃないか。ちょっと意地悪したくなる。
「欲しいんですか?」
「っ♡ 恥ずかしいわ……♡」
「ちゃんと言わないと。なにが欲しいの?」
「君のおチンチンよ……♡」
そう言いながら茨木さんはスーツのシャツをはだけさせ、ブラをとり、僕のズボンを降ろした。溢れんばかりの爆乳に、勃起したペニスを挟む。
「ここぉ♡ 欲しいのぉ♡」
甘えた声でそうねだられる。
茨木さんのパイズリ。すっげえ。おっぱいが大きすぎて、ペニスが隠れるどころか、簡単に埋もれてしまう。デカすぎ。そのおかげで弾力による圧迫感がすごい。大きなおっぱいを手で抱えてスリスリする絵面も最高にエロい。ヤバい。爆乳の虜にどんどんなっていく。
「ぁ、すげえ、柔らかい」
「んん♡ わたしも、パイズリきもちいい♡」
「腰振っていい?」
「いいわよ♡ わたしのおっぱい、おマンコにして♡」
茨木さんがおっぱいでペニスを包んでくれたので、腰を振って突き上げる。なんだこの溶けるような柔らかさは。それでいて弾力があり、中を突き上げるたびに柔和に押し返してきて、気持ちいい。ああ、やばい。こんなのすぐに射精してしまう。だけどまだパイズリを堪能したくて、激しく腰を振る。パンパンパン!とおっぱいがいやらしく脈打ち、震えた。
……ガタン、という大きな物音がしたけど、気がつかなかった。それが携帯電話の落ちた音だって、後ほど気がつくことになるのだけれど。この時は無理だった。
僕達はそのくらいに、行為に夢中だったから。
「入れるよ」
「ん♡ ええ、来て……♡ わたしの、中♡」
茨木さんがバックの体勢で、大きなお尻をいやらしく向けて来る。ズブズブ、と僕達は一つになった。
★
いつもより遅いような気がして、母へ電話した。別に、それだけだった。深い意味なんてない。
「わっ、なに?」
ガタン! という大きな音が携帯のスピーカーから鳴り響き、思わず耳を放した。
わたしは訝しみつつ、再び耳を当てた。
「もしもし? 今の音、大丈夫なの――」
返事は返って来なかった。
代わりに「あ♡ ん、あああん♡」という、艶めかしい母の喘ぎ声が遠くから聞こえる。わたしは思わず息を飲んだ。
「え? え? なに?」
戸惑いつつも、耳をあてる。スピーカーから聞こえるのは、やはり母の喘ぎ声だった。そしてもう一人の息遣い、声。
「おにいさん……?」
行為はどんどんエスカレートしていた。パンパンパン♡ といやらしいピストン音が鳴り響いている。かなり激しい。「あ゛あ゛あ゛あ゛あ♡ すごいぃ、きもちいぃ♡ もう壊れちゃうのぉ♡」と母がいやらしい声を漏らしている。わたしはじわり、と体の芯が熱くなるのを感じた。やっぱり、気持ち良いんだ。おにいさんとの、セックス……。
わたしはつい、指をマンコに当てた。ビクビク、と膣が震える。おにいさんとのセックスを思い出して。母が今感じている快楽を、オカズにして。
「あ、ん、あ♡ おにいさん……♡」
★
立ちバックにして、茨木さんの奥を何度も突き上げる。たっぷりとしたボリューム感のあるお尻を撫で回し、何度も叩いた。大きな音が部屋中に響き渡り、茨木さんは野性のような大声を上げた。
「ん、あ゛あ゛♡ お゛、お゛、お゛、お゛♡ 奥、お゛お゛ぉ♡ んもぉ、とろけちゃうぅ♡」
「茨木さん……!」
「もう、敬語なんて、やめてぇ♡ 名前でぇ、千夏って、呼んでぇ♡」
「っ、千夏……!」
パンパンパン♡ とさらにセックスは盛り上がる。後ろから爆乳を持ち上げるようにもみしだく。柔らかな弾力。弾けるように飛び散る母乳。僕達は乱れて、ただただ、交わることだけを考えて性器を押しつけあっていた。
「んああ、い゛い゛い゛い゛、おっぱいもきもちい゛ぃ゛♡ もっと触ってぇ♡」
「千夏、中、熱い……!」
「お゛お゛、お゛お゛♡ 君のも、あついぃ♡ あついのぉ、もっとズボズボってしてぇ♡ ほしいのぉ♡」
熱くとろけるような体液。締まりゆく膣。
千夏との生セックスは脳を溶かすかのように気持ち良い。
大きなお尻も両手で揉み、パンパンパン!と思いっきり叩く。その度に千夏がビクビクビク! と体を震わせて「ぁぁぁあああん♡ やぁぁあぁ♡ ん、壊れちゃうぅ♡ イッちゃぅぅぅぅぅぅ♡ 先に、い゛ぃ゛、イッちゃぅ♡」と狂ったように喘いだ。やばい。滅茶苦茶そそられる。プルプルのお尻を叩きながら、言ってやる。
「先にいっちゃうのか、ああ?」
「ぁぁぁああああ♡ ごめん、なさいぃ♡ 君のぉ、素敵だからぁぁぁ♡ はぁげしぃからぁぁぁぁ♡」
もはや快感に酔いすぎて、呂律も怪しくなっている。千夏さん、こんなになるのか。普段の落ち着いた様子から想像出来ない、野性のようなセックスだ。快楽に溺れ、ハマり、抜け出せなくなっている。
千夏の右足を上げさせて、ピストンする。そのたびに叫ぶような喘ぎ声が、店内に響き渡った。
「ん゛ん゛ん゛ん゛、すごいぃ、とこあたってぇ、おマンコとろけちゃうぅ♡ おかしくなっちゃうぅ♡ 君のチンチンでおかしくされちゃうぅ♡」
「はあ、ああ! 僕も出そうだ……!」
「ん、ん♡ 出してぇ、このまま中にぃ♡ 君の精子、全部、全部ぅ♡ 中出しぃ♡ ドピュドピュって、してぇ♡」
「っ、ああああああ」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ♡ すご、んも、激しぃぃぃ♡ わたしもぉ、そろそろだからぁ♡♡♡ 一緒にぃ、イクぅ♡ あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ♡」
貪るように、中を乱暴に突き上げる。快楽の階段を上る。止まらない。溶けだすように溢れる中の体液。ここぞとばかりに締まる膣。僕はペニスをひたすら突き上げた。
「千夏! 出すよ、出すよ! 全部受け止めろよ!」
「はいぃ♡ 受け止めるから、出して、出してぇ♡ あ、いいい、いいっ、イク、イクぅ♡ わたしも、一緒にぃ、 お゛お゛お゛お゛♡ しゅご、いぃ、お゛お゛お゛お゛♡ ひっ、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛♡」
最後の一突きと共に、大きな、大きな射精をする。ドクンドクン! と、千夏の中で脈打つ。二回目の射精なのに、一回目よりも激しい射精だった。僕達はその場で崩れ落ちる。千夏は僕の上に重なって、唇を重ねてきた。
「中ぁ、すごく熱いわぁ……♡」
★
オーガズムに達したわたしは、我に返る。
「おにいさん、とられちゃうのかな」
……元々、おかあさんに憧れていたのだ。
そっちが本命なのだ。
それに乗じて、わたしは近づいただけで……。
現におにいさんは、おかあさんとの激しいセックスに夢中で。
やっぱり、わたしは代わりでしかないんだ。
「……」
どうしたらいいかわからなかった。
だけど気がついたら、電話を切って部屋を飛び出していた。
エッチは興奮したけど……終わってしまうと、寂しい気持ちに苛まれてしまう。
おにいさんは、おかあさんのことが好きだから。
そのことが、はっきりとわかってしまったから。