こころ(DOAXVV)─変態オーナーはんとうちの調教日記─ 作:羽吾人
うちはある夜、妙な感覚で眼を覚ましました。と言っても、半分くらいは夢の中だったように思います。せやけど、その夢いうのが…………うちを、はしたない女なんて思わないでくださいね。うちがそのとき見てた夢いうのは、オーナーはんと……その、えっちをする夢やったんです。
オーナーはんと結ばれてから、うちは毎日のように肌を合わせました。指と指をからめ、手と手をつなぎ、胸と胸を合わせ、お腹をすりつけ、皮膚の内外問わず溢れる液体を交換し、オーナーはんの気持ちを受け取り、うちの思いを伝え合っていました。
京都でうちがお世話になっていたお
うちも、飽きるほどオーナーはんと肌を重ねていて、その瞬間が頭にこびりついていて、それで夢の中でまでえっちなことをしているんやろか……と、思いました。夢の中でオーナーはんは、うちの胸を優しく、でもときに激しく揉みしだき、あそこに逸物を入れ、丁寧に、でもときに苛烈に抽送して、うちに気をやらせてくれました。うちも、オーナーはんに喜んでもらおうと、腰をくねらせ、あそこに力を入れたり緩めたりしています。
オーナーはんは息を荒げながらうちをベッドに仰向けにさせ、両足首を掴んでがばっと左右に広げさせます。さすがにこれは、うちも恥ずかしい。そこでオーナーはんがすぐにあそこを舐めたり、指や逸物を入れたりしてくれればええんやけど、スケベなオーナーはんはうちのあそこをじっくりと見るんです。
オーナーはんの逸物は、他の人のものは直に見たことはないから比べることはできないんやけど、それでも見事なものと分かるくらいでした。竿は犀の角のようにぐぐぐっと反り返り、膨らんだ亀頭の首はモデルさんの腰みたいに括れてる。半勃ちした状態でしごいたり咥えたりしてあげると、掌や口の中に火を投げ込まれたみたいに熱ぅなって、徐々にお肉の塊が鉄みたいに硬くなっていくんです。それをあふれ出す先走り汁でコーティングすると、まるで日本刀みたい。
刀と違うのは、適度な弾力を伴っているところやろか。金属なら、なにかに思いっきり叩きつけてしまえば壊れるけど、オーナーはんの逸物は、例え岩に激突させてもその衝撃を受け流して無事そうです。……あ、これはあくまで例え話ですえ? 普通に考えたら、うちの蹴りでオーナーはんを不能にすることかてできるから……。でもそれが、うちがオーナーはんのものに感じたイメージやった。
そんなものが、それまでほじくり返していたうちのあそこを、オーナーはんはじぃっくりと観察するんです。あかん、恥ずかしい、やめてください、っていくら言うても、オーナーはんはうちのあそこを眼で舐め回します。ぽっと火照り、広がって、愛液を垂れ流すうちのあそこを。しかも、うちがあそこを“あそこ”と言うと、オーナーはんは絶対に訂正させます。“○○○って言って”って言わはるんです。うち、恥ずかしいからそんなことはよう言わんのやけど、オーナーはんは逸物をうちの敏感なところにこすりつけながら、“言わないと入れてあげないよ”なんてうそぶきます。
入れたいのはオーナーはんの方なの、分かってます。オーナーはんは、あれをうちのあそこに入れて、ずんずん、ずんずんって突き込みたいんです。うちの中で締めつけて欲しいんです。せやから、うちが○○○って言わないと入れない言うんなら、それで困るのはオーナーはんの方や。
でもそこまでことが進んでいたら、うちかて我慢が効かなくなります。見られるのが恥ずかしい言うて、あそこを手で隠すふりをして、こっそり自分の指で慰めようとするんやけど、オーナーはんはそれを目敏く見抜いて、腰をぐっとせり出しました。うちのあそこに覆いかぶさるように、つまり鈴口をうちの顔に真っ直ぐ向けるようにして、うちのお尻を上腕の辺り使って押し上げる。オーナーはんはうちの身体の外側から両手を回し、うちの手首を掴んで、あそこを隠せないようにしてしまう。
あそこが疼いてたまらないのに、うちは自分で慰めることもできません。オーナーはんに動きを封じられて、あそこは丸出し。お腹の底から湧き上がる欲求をうちだけで解消する方法はなくて、オーナーはんの言うことに従うほか、ありません。
せやからうちは、オーナーはんに言われた通り、あそこのことを○○○と呼んでおねだりをするんです。
うちのマンコに、オーナーはんのおチンチン、入れておくれやす。
そうしてようやく、オーナーはんはうちのあそこに挿入しはります。焦らされたうちも、身体の中がオーナーはんに満たされるようで、すごく幸せな気持ちになりました。
そういう夢を見て眼を覚ます夜が増え、いつもならまだ窓の外が真っ暗なのに気づいてもう一回目を閉じます。……え? すぐにまた眠るのか……って? それは、そのときの気分次第なんやけど……ああ、話を脱線させんといてください。でもその夜は、眼を覚ました次にやることが、寝直すことでも、夢の続きのもやもやを解消することでもありませんでした。
ぎしぎし、ずっずっ……
そういう音を、ベッドが鳴らしていたからです。それに床が揺れてるみたいで、ああ、ヴィーナス諸島にも地震があるんやな、初めはそう思いました。でも、どうもそれだけやないみたい。夢の中であそこが満たされていたのと同じ感覚が、夢から覚めてもまだ残っていて、だんだん冴えていく視界の中に……
「……オーナーはん……⁉」
が、おったんです。
しかもオーナーはんは、夢の中で見たときと同じように、仰向けにしたうちの足の間に胴体を入れ、腰を前後させていました。ぎしぎし言うんは、オーナーはんの動きで揺れるベッドの音。ずっずっ言うんは、うちのパジャマがシーツとこすれる音やった。
「な、なにしてやるんですか……⁉」
寝ている間に分泌された唾液で粘ついた口を、どうにか動かして、オーナーはんに言いました。なにをしているかは明瞭で、オーナーはん、寝ているうちのズボンとパンツを脱がして、あれを入れていたみたいなんです。
「明日は朝から仕事やからって、今夜はやめておこうって言うたのに……」
オーナーはんはうちが目を覚まして抗議しても、あそこに入れたあれを抜こうとはしなかったし、腰の動きも止めませんでした。それどころか、うちが起きたのをいいことに、そのままなし崩し的にえっちを続けようとしはったんです。
オーナーはんはうちに覆いかぶさりながら膝を立てました。うちの下半身も持ち上げられて、オーナーはんが“種付けプレス”って教えてくれた体位になります。これをさせると、オーナーはんの先端がうちの身体の一番奥にこつんと当たって、息苦しさと同時に痺れるような感覚が頭の先まで走るんです。
「おふっ……」
と、変な声がうちの口から漏れた。
あそこを見られるのもそうやけど、うちはこういう、変な声を出してしまうのがすごく恥ずかしいんです。オーナーはんは、フェスの資料として写真を撮影してくれるとき、いつも“可愛い”言うてくれます。“可愛い”うちが好きなオーナーはんの前で、可愛くない声を上げてしまうのが、嫌なんです。
でもオーナーはんは、うちの可愛くない声や顔を見ても、“可愛い”“可愛い”言うてくれます。そう言われるたびに、うちの胸の奥から、かぁっとあったかいものがあふれて、全身に広がって、ふわふわってなって……。
あかん、こういうのが駄目なんや。オーナーはんが常軌を逸した変態なのはええけど、うちがあれもこれもそんなこともどんなこともはいはいと受け入れてしまうと、オーナーはんはもちろん、うちまでダメになってしまいそう。うちもオーナーはんもダメ人間にならないようにするには、うちがしっかり、あかんことはあかんと言うてあげなければあきません。
「オーナーはん、今したら、朝起きられませんえ。早ぅ部屋に戻ってください」
……いやいや、それはちゃうやろ、うち。
「ってか、うちが寝てるところに忍び込むなんて。うち怒りますよ! せやから早ぅこれ抜いて、朝まで寝てください」
ただでさえオーナーはんは毎日働きづめで、うち以外の女の子たちのお世話も忙しいのに、毎日のようにうちの部屋でこんなことをして。ぐっすり眠って疲れをとるのが夜なのに。
「オーナーはん、あきませんったら!」
けどオーナーはんは腰の動きを止めません。考えてみたら、うちも、仰向けでお尻を持ち上げて男の人に組み敷かれながらお説教なんて、妙な格好です。なんだか可笑しくなってきたんやけど、でも、オーナーはん、厳しくさせてもらいますえ。
「オーナー……え? “最初は寝顔を見るだけのつもりだった”? “こころの顔を見て、朝までゆっくり眠りたかったんだけど”? “大好きなこころが可愛すぎたから我慢できなくなった”? “ぐっすり眠ってるみたいだから、起こさないように気をつけたんだけどごめんね”……って」
オーナーはんはうちの耳元でそう囁いた。釈明にも言い訳にもなってないんやけど。でも、心の底から申し訳なさそうに搾り出されたオーナーの言葉と、多分、恐らく、きっと、うちのことを本当に好きでいてくれるらしい気持ちが、ぴったり密着したオーナーはんの身体から体温とともに伝わってきて、うちの、オーナーはんを叱り飛ばしてやろうという気持ちが抜け落ちていきました。
「もう……しょうがないなぁ」
ああ、これがあかんのや。
あかんことは、分かってる。分かってるんやけど……。
でも、うちは……。
「ええですよ。朝まで眠れるようにしてあげますさかい、気持ちよぅなって満足したら、ちゃんと寝てくださいね──あんたはん」
オーナーはんが耳元で囁いた言い訳の仕返しに、うちもオーナーはんの耳元で囁いてあげました。するとオーナーはんのものが、うちの中でぱんぱんに膨らんでいくのが分かります。それまで、うちに知られへんようにゆっくり、優しく、うちが目を覚ましてからも緩やかだった腰の動きが、急に激しく加速しました。
上半身を地面と平行にし、ベッドと一緒にうちをサンドイッチにしたオーナーはんは、背中をうねらせ、そのうねりを腰に伝え、うちに潜り込ませたあれ……おチンチンを動かしました。膨らんだ亀頭が、うちの子宮口を突きはります。盛り上がったカリ首が、うちの
「んっ、あっ、はぁっ、はげしっ……んんっ、あんたはんっ!」
ええよと言ってしまった手前、うちの身体もオーナーはんの責めに反応します。オーナーはんのおチンチンが突き刺さるたび、身体が跳ねた。オーナーはんのおチンチンが引き抜かれるたび、力が抜けた。身体の緩急はそのまま精神の緩急、全身を巡る血液が沸騰し、神経を稲妻が駆け抜け、脳のしわを快感の嵐が吹き飛ばす。
力が緩んでしまうと、オーナーはんが離れてしまうような錯覚があった。それが怖くて、うちはオーナーはんの背中に腕を回し、腰で両足を交差させる。これで、オーナーはんはうちから離れていかない。
「イクっ、うち、もう、イってしまいますっ……! え? オーナーはんも? ええよ、一緒に、一緒にイキましょう……っ、あんっあんっあんっ……あんたはんっ、イクっ、イクッ!」
うちがオーナーはんに絡みついて動きを制限したからか、うちとオーナーはんの身体はより密着し、一方オーナーはんの腰の動きは小さくてもしっかりうちに伝わるようになった。うちはおマンコで呑み込んだおチンチンからオーナーはんが溶け出してくるのを感じる。オーナーはんと身も心も混じり合ったみたいで、法悦の中で自分が消えてしまいそうな不安を、愛する人と一体化する多幸感で払いのけた。
「イクッ」
オーナーはんの身体がひときわ大きく振動し、止まる。うちを押し潰そうとするかのようにベッドに圧着させ、石みたく硬くなったお尻を、電流を浴びせられた蛙みたいに激震させた。うちの中であれが鼓動する。力強い脈動が、どろどろに溶けた熱をひり出していた……。
塊のような息を吐きながら、オーナーはんが腰を引いた。うちの手足も緊張を解かれてばたりとベッドに落ちる。どっと汗が噴き出して、それとともにうちも呼吸を再開した。
「あ……」
オーナーはんがもう一歩膝で下がり、お腹から熱源が逃げてゆく。……あれ?
「オーナーはん……ゴム、つけてはったんですね」
滂沱の汗と一緒に力が抜け落ちていた上体を、どうにか起こしました。枕に肘を突き、ヘッドボードに背中を預け、ズボンを取り払われた下半身を眺める。部屋の電気を点け、細めた眼が眩しさに順応すると、それがはっきりと分かります。
日本刀の逞しさはどこへやら、くたりとした逸物の先には、薄いオレンジ色をしたコンドームが着用されていました。ペニスから取り外すと、ピンポン玉くらいの大きさを作るだけの精液が放たれたことが分かります。
「“寝ているこころとして、そういうことにはしたくなかった”? ……それなら、寝てるときにうちの部屋に勝手に来るの、やめてください」
真面目なんだか、ずれているんだか分からないオーナーはんの言葉に、うちは呆れ果てました。でもオーナーはんはスケベ心が極まってはるから……取り外したコンドームを、うちに手渡してきたんです。
「え? これを吞んで欲しい……? もう、見直したうちがバカみたい」
ゴムをしてするとき、オーナーはんはいつもそう。ゴムをしたまま射精したときは、それを出させてうちに飲ませるし、寸前に抜いてうちの顔に発射したりする。それならまだえええ方で、ひどいときは、精液の詰まったコンドーム一ダースを、わざわざ着替えさせた水着の紐に括りつけるなんていう奇行に走ったこともありました。なにがひどいって、その写真はヴィーナスフェスでは使えないからってポラロイドカメラ(いわゆるチェキ)で撮影したことやし、なにより、それがうちとオーナーはんの初夜やったいうことや。
「これも撮るんですか? ……はぁ」
しょうがないなぁ、と言いながら、うちはオーナーはんがカメラを取り出すのを待ちました。今回はチェキではなく、ビデオカメラだったらしいですが、うちはそのカメラの前に精液入りコンドームをかざしてから、舌の上に精液を乗せ、その様子を見せつけてから口を閉じる。ゼリーみたいに粘っこくて、でも舌触りはまろやかなオーナーはんのザーメンが、うちの咽喉を滑り落ちていきます。
「こくっ……んぐっ……けほっ。これで、ええですか?」
最後に、空になった口の中を見せる。オーナーはんはビデオカメラの録画画面をこちらに向けていたので、乱れた髪を汗で額にはりつけていたうちが、唾液と精液が糸引く口をあんぐりと開いている顔とご対面させられました。……やっぱり、可愛くない。オーナーはんには、見て欲しくない顔や。
「……“可愛い”言うても、あきませんよ。ほら、すっきりしたなら、早くお部屋に戻って寝てください。シャワーは貸しますから……」
オーナーはんは満足したようで、ビデオカメラをサイドボードに置くと、シャワールームに入っていきました。シャワーがオーナーはんの身体を伝い、大理石の床を叩く音を聞きながら、うちは大きくため息を吐いた。
──うち、どんどん変態になってる……。
常軌を逸してスケベなオーナーはんと、毎夜毎晩、変態的な行為に耽っているんやから、それは避けられない。本当なら、もっと厳しく、びしっと言うべきなんやけど……でも、こればかりは仕方ないことや。惚れてしまった弱みやから。
ただし、覚悟してくださいね、オーナーはん。京女の心は軽くありまへん。うちにいろいろと教えてくれはった責任は、きっちり取ってもらいますから。ね、あんたはん。
うちの念が伝わったのか、シャワールームからオーナーはんが現れました。ソファに脱ぎ捨てていたパンツとシャツを身に着け、パジャマのズボンを穿き、それじゃあ、と言って部屋から出ていこうとするオーナーはん。
「あ、オーナーはん、忘れ物ですえ。もう、しっかりしてください」
サイドボードに残していたビデオカメラを手に取り、渡そうとした……んやけど。
「そう言えば自然に取り出したから気にしなかったんやけど、これ、いつから
まさか。
うちは、そう問われてからシャワーで流したばかりの汗を再びかき始めたオーナーはんの手を払い、ビデオカメラの電源を入れた。録画ファイルを探してみると、一時間ばかりのファイルがある。うちが、コンドームから精液を飲むところだけを録画していたならそれだけの時間はかからないはずで……それはつまりその前から録画していたということやから……。
「
うちは静かに、でも気持ちを込めて、そう言った。